131 / 208
第131話 『VIPER』
しおりを挟む
怪盗イタッチ大作戦!!
著者:ピラフドリア
第131話
『VIPER』
お宝を手に入れたことで大盛り上がりで宴を続けるVIPER。彼らが大騒ぎする中、イタッチとダッチはこっそりと、アジトの外にある海の見える空き地へやってきていた。
「これからどうするんだ? お宝を取り戻すのか?」
「いや、クロックロックはまだ完成してない」
「どういうことだ?」
「それをVIPERが教えてくれる」
二人が夜風に当たりながら、そんな会話をしていると、
「お前達、もう休んでるのか?」
アジトの扉が開き、エリソンが現れる。会話は聞こえていなかったようで、二人のそばに近づくと、
「今回の再集結。集まってくれたこと、感謝する」
そして二人のそばによると、笑顔で感謝を告げてきた。
エリソンは海を眺めると、大切そうにクロックロックを握りしめる。
「必ず私が皆の故郷を取り戻す。そのために後もう少し、力を貸してくれ」
イタッチはクロックロックを握りしめるエリソンに向けて、疑問を投げかけた。
「最後の作戦。何をするつもりなんですか?」
「忘れたか……? クロックロックはこれだけでは力を発揮しない。クロックロックはある絵画の一部にすぎない。その絵画を手に入れる」
「絵画……」
「クロックストーリー。それがクロックロックと一つとなることで巨大な価値を持つ絵画。そして、その絵画を描いたのは……」
そこまで言いかけたところで、アジトの扉が開き、オランウータンが出てきた。
「エリソン、少し良いか? 次の計画についてなんだが……」
ファイルでまとめた紙を持ち、エリソンを呼ぶ。
「ええ、今行く」
エリソンはクルッと身体を向きを変えると、オランウータンの元へ駆け寄る。
「何が話している途中だったか?」
「なんでもないよ」
そしてエリソンとオランウータンはアジトへ戻って行った。二人がいなくなり、イタッチとダッチだけが残る。
「クロックストーリーか。俺達もそのお宝を狙うのか?」
ダッチは海を眺めながら、イタッチに訊ねる。イタッチはダッチの顔を見ることなく、海に目線を向けると、
「当然だ。そのためにここに潜入したんだ。あいつらが手に入れたところを俺達が横から奪う。それが今回の作戦さ……」
翌日、アジトに集まったVIPERに集合がかけられる。そしてアジトのすぐそばにある広場で、エリソンを中心に円を組んでいた。
「ついにクロックストーリーの在処がわかった。これから班を分けて、クロックストーリーの奪取に向かう!!」
エリソンの言葉に、一人の兵士が手を挙げる。
「どこにあるんですか!!」
「海に浮かぶ大監獄。オーシャンプリズンだ!!」
著者:ピラフドリア
第131話
『VIPER』
お宝を手に入れたことで大盛り上がりで宴を続けるVIPER。彼らが大騒ぎする中、イタッチとダッチはこっそりと、アジトの外にある海の見える空き地へやってきていた。
「これからどうするんだ? お宝を取り戻すのか?」
「いや、クロックロックはまだ完成してない」
「どういうことだ?」
「それをVIPERが教えてくれる」
二人が夜風に当たりながら、そんな会話をしていると、
「お前達、もう休んでるのか?」
アジトの扉が開き、エリソンが現れる。会話は聞こえていなかったようで、二人のそばに近づくと、
「今回の再集結。集まってくれたこと、感謝する」
そして二人のそばによると、笑顔で感謝を告げてきた。
エリソンは海を眺めると、大切そうにクロックロックを握りしめる。
「必ず私が皆の故郷を取り戻す。そのために後もう少し、力を貸してくれ」
イタッチはクロックロックを握りしめるエリソンに向けて、疑問を投げかけた。
「最後の作戦。何をするつもりなんですか?」
「忘れたか……? クロックロックはこれだけでは力を発揮しない。クロックロックはある絵画の一部にすぎない。その絵画を手に入れる」
「絵画……」
「クロックストーリー。それがクロックロックと一つとなることで巨大な価値を持つ絵画。そして、その絵画を描いたのは……」
そこまで言いかけたところで、アジトの扉が開き、オランウータンが出てきた。
「エリソン、少し良いか? 次の計画についてなんだが……」
ファイルでまとめた紙を持ち、エリソンを呼ぶ。
「ええ、今行く」
エリソンはクルッと身体を向きを変えると、オランウータンの元へ駆け寄る。
「何が話している途中だったか?」
「なんでもないよ」
そしてエリソンとオランウータンはアジトへ戻って行った。二人がいなくなり、イタッチとダッチだけが残る。
「クロックストーリーか。俺達もそのお宝を狙うのか?」
ダッチは海を眺めながら、イタッチに訊ねる。イタッチはダッチの顔を見ることなく、海に目線を向けると、
「当然だ。そのためにここに潜入したんだ。あいつらが手に入れたところを俺達が横から奪う。それが今回の作戦さ……」
翌日、アジトに集まったVIPERに集合がかけられる。そしてアジトのすぐそばにある広場で、エリソンを中心に円を組んでいた。
「ついにクロックストーリーの在処がわかった。これから班を分けて、クロックストーリーの奪取に向かう!!」
エリソンの言葉に、一人の兵士が手を挙げる。
「どこにあるんですか!!」
「海に浮かぶ大監獄。オーシャンプリズンだ!!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる