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第二章 立志編
第56話 冒険者ギルドのテンプレと言えば?
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「だからよう! 何でてめぇらみたいな低ランクが指名依頼を受けてんだって聞いてんだよ!」
クロ達は絶賛絡まれ中であった。冒険者ギルドでエリーナの登録とパーティーへの加入申請、指名依頼の受注をし依頼人の所へ行くためにギルドを後にした所までは順調だった。しばらく歩き裏通りへと曲がったところに自称Dランク冒険者パーティーのいかにも絡んできそうな風体の連中が待ち構えていた。
へへへっといやらしい笑い声を発しながら武器を片手に近づきお決まりのセリフで道を塞ぐ。
「待ちな! その依頼俺達が代わりに受けてやる」
「お前らEランクの冒険者だろ? 俺達はDランクだ! わかるよな?」
「ついでに女の子二人も俺達が可愛がってやるからよう! へへへへへっ! 怪我したくなかったらさっさと依頼よこして消えな!」
「はぁ……」
あからさまなテンプレ集団にクロはため息が出る。低ランクで年齢が若く、これといった実績もあげていないのに指名依頼が入れば悪目立ちする事は予想の範囲内ではあったが、実際に実力行使をするような馬鹿が本当に存在するとは思っていなかった。
「おい……クロ……」
「ク……この変態どもを鏖殺する許可を……」
「おいっ!聞いてんのか!」
「あ~悪い、それで何?」
「だからよう! その依頼をさっさとよこせって言ってんだよ!」
「ついでに女の子達もなぁぁ!!」
「クロ様……この方達、何か気持ち悪いです」
「大丈夫だよお嬢ちゃん! 俺達は女の子には優しいんだ、大人しく言う事を聞いていれば痛くしないから! ひゃははははっ!」
「クロ……もう殺ってもいいよな?」
「あん? やんのかガキが!」
カインは柄に手をかけ殺気を放つがそれをクロが制する。
「お前らは馬鹿なのか?」
「なんだと! てめぇ痛い目に遭わないとわからないようだな!?」
「これは指名依頼だぞ? お前らじゃ受注できないし、そもそも解決もできないだろ?」
「そんなもん関係ねぇ!」
「いや関係あるだろ」
「大体、低ランクのくせに指名依頼だと!? どんな不正をした!」
「そんなもん依頼者に聞けよ」
「だからよう! 何でてめぇらみたいな低ランクが指名依頼を受けてんだって聞いてんだよ!」
「だから言ったろ? そんなもん依頼者に聞けよって。お前らは記憶力ですら放棄したのか?」
「ぐぬぬぬぬっ! もういい! てめぇらやっちまえ!」
剣を構えた自称Dランク冒険者達が襲い掛かるが、クロには掠りもしなかった。
「カイン、マリベル。準備運動にもならないけどやっていいぞ? あ~でも殺すな」
「おう!」
「はいっ!」
カインは剣を鞘に納めたまま薙ぎ払い吹き飛ばす。
「ぐぁぁぁ!」
「ちっ! こいつ結構強ぇぞ!」
「最近活躍の場が無かったからな! お前ら腕の一本は覚悟しろよな!」
「ちょっとカイン! 私の分も取っといてよ!」
「うるせぇ! 早い者勝ちだ!」
リーダー格を残しあっという間に無力化する。カインにやられた者は武器を破壊され骨も折れ、マリベルにやられた者は氷魔法で動けなくされていた。
「な、何なんだてめぇら!」
「お前が言うように低ランク冒険者だよ」
「て、低ランクがこんなに強いわけがねぇ!」
「ランクと戦闘能力は別だろ、そんなのもわかんなくて冒険者してんのか? 救いようのない連中だな」
「ひぃっ!」
クロのちょっとさた威圧に腰を抜かし後退りをすると、武器と仲間を見捨て、背中を見せて逃げて行った。
「さて、リーダー?は去っていったが、今君達の生殺与奪権は俺達が握っている。どうする? まだやる?」
「わ、悪かったよ!」
「たたた、頼む! こ、殺さないでくれ!」
「ふっ……こんな雑魚は殺す価値もない。さっさと行くぞ」
「……は~い」
「お前ら! これに懲りたら馬鹿な真似を二度とするんじゃねえぞ!」
「は、はいぃぃぃぃぃ!」
異世界転生のテンプレは実際に体験すると面倒くさいと感じるクロであった。
クロ達は絶賛絡まれ中であった。冒険者ギルドでエリーナの登録とパーティーへの加入申請、指名依頼の受注をし依頼人の所へ行くためにギルドを後にした所までは順調だった。しばらく歩き裏通りへと曲がったところに自称Dランク冒険者パーティーのいかにも絡んできそうな風体の連中が待ち構えていた。
へへへっといやらしい笑い声を発しながら武器を片手に近づきお決まりのセリフで道を塞ぐ。
「待ちな! その依頼俺達が代わりに受けてやる」
「お前らEランクの冒険者だろ? 俺達はDランクだ! わかるよな?」
「ついでに女の子二人も俺達が可愛がってやるからよう! へへへへへっ! 怪我したくなかったらさっさと依頼よこして消えな!」
「はぁ……」
あからさまなテンプレ集団にクロはため息が出る。低ランクで年齢が若く、これといった実績もあげていないのに指名依頼が入れば悪目立ちする事は予想の範囲内ではあったが、実際に実力行使をするような馬鹿が本当に存在するとは思っていなかった。
「おい……クロ……」
「ク……この変態どもを鏖殺する許可を……」
「おいっ!聞いてんのか!」
「あ~悪い、それで何?」
「だからよう! その依頼をさっさとよこせって言ってんだよ!」
「ついでに女の子達もなぁぁ!!」
「クロ様……この方達、何か気持ち悪いです」
「大丈夫だよお嬢ちゃん! 俺達は女の子には優しいんだ、大人しく言う事を聞いていれば痛くしないから! ひゃははははっ!」
「クロ……もう殺ってもいいよな?」
「あん? やんのかガキが!」
カインは柄に手をかけ殺気を放つがそれをクロが制する。
「お前らは馬鹿なのか?」
「なんだと! てめぇ痛い目に遭わないとわからないようだな!?」
「これは指名依頼だぞ? お前らじゃ受注できないし、そもそも解決もできないだろ?」
「そんなもん関係ねぇ!」
「いや関係あるだろ」
「大体、低ランクのくせに指名依頼だと!? どんな不正をした!」
「そんなもん依頼者に聞けよ」
「だからよう! 何でてめぇらみたいな低ランクが指名依頼を受けてんだって聞いてんだよ!」
「だから言ったろ? そんなもん依頼者に聞けよって。お前らは記憶力ですら放棄したのか?」
「ぐぬぬぬぬっ! もういい! てめぇらやっちまえ!」
剣を構えた自称Dランク冒険者達が襲い掛かるが、クロには掠りもしなかった。
「カイン、マリベル。準備運動にもならないけどやっていいぞ? あ~でも殺すな」
「おう!」
「はいっ!」
カインは剣を鞘に納めたまま薙ぎ払い吹き飛ばす。
「ぐぁぁぁ!」
「ちっ! こいつ結構強ぇぞ!」
「最近活躍の場が無かったからな! お前ら腕の一本は覚悟しろよな!」
「ちょっとカイン! 私の分も取っといてよ!」
「うるせぇ! 早い者勝ちだ!」
リーダー格を残しあっという間に無力化する。カインにやられた者は武器を破壊され骨も折れ、マリベルにやられた者は氷魔法で動けなくされていた。
「な、何なんだてめぇら!」
「お前が言うように低ランク冒険者だよ」
「て、低ランクがこんなに強いわけがねぇ!」
「ランクと戦闘能力は別だろ、そんなのもわかんなくて冒険者してんのか? 救いようのない連中だな」
「ひぃっ!」
クロのちょっとさた威圧に腰を抜かし後退りをすると、武器と仲間を見捨て、背中を見せて逃げて行った。
「さて、リーダー?は去っていったが、今君達の生殺与奪権は俺達が握っている。どうする? まだやる?」
「わ、悪かったよ!」
「たたた、頼む! こ、殺さないでくれ!」
「ふっ……こんな雑魚は殺す価値もない。さっさと行くぞ」
「……は~い」
「お前ら! これに懲りたら馬鹿な真似を二度とするんじゃねえぞ!」
「は、はいぃぃぃぃぃ!」
異世界転生のテンプレは実際に体験すると面倒くさいと感じるクロであった。
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