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序章

0.ある社畜の日常

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朝6時過ぎにに目を覚まし、一番最初にする事はシャワーを浴びる事。でないと眠気が覚めないから。


次にパン、もしくはお手軽な簡易食で有名な棒状のお菓子を齧りながらニュースを見て、化粧を20分以内に済ませる。なお、化粧の時間に歯磨きも含まれている。

入社したての若かった頃は慣れない化粧に嫌でも時間を割いたし、スマホの無かった時代に新聞は必須だった。
しかし歳を取っていく内に化粧に慣れ、更に元々の面倒臭がりな性分から必要最低限の化粧しかしなくなった。(オールインワンは神器である)

会社までバス30分の道のりの中で、スマホでニュースに目を通す。今日のニュースもいじめ報道やら、傷害事件やらで嫌になる。
日本が犯罪の少ない安全な国?そんな神話いつまで人々は信じ続けるのだろうか。


会社に着くと、入口に設置された防犯ゲートにIDカードを翳して中に入る。
度々エラーを起こして中に入れなくなり、渋滞を起こすこの機械は今日は機嫌が良いらしい。


ゲートをくぐり、無駄に広く見栄っ張りな美術品が転がっている受付を素通りした先に見えたエレベーターー………の横の階段を登る。
エレベーターを使用して良いのは40歳以上、もしくは自分の勤めている部署が5階以上上にある場合のみと昭和の様なルールがあるのは、この会社の会長が自分の考えを改めない王様だからだ。

50歳目前の私は勿論エレベーターを使用していいのだけれど、15階建のビルでそこそこの社員と派遣バイトを抱えているのに3機しか無いエレベーターを待つよりは自分の足で7階まで上がった方が早い。
長年そうしてきたせいか、足腰には自信がある。



7階まで登ると、少し息切れした。
その事に少なからずショックを受けつつも、そんな暇は無いと自分のデスクに座る。今日の目標は残業1時間以内、だ。たまにはリアルタイムでドラマが見たい。今週、一番早く上がれた時間は20時を過ぎていた。


8時半から朝礼、9時から仕事が始まり、本来ならば17時に終わる。残業がなければだ。


世に聞くブラック企業よりかはマシかとも思うが、そう考えるだけ自分の感覚が長年麻痺しているのだろう。何せおおよそ勤続25年のお局独身貴族である。

これでも会長が社長として君臨していた時代より残業は少なくなっているのだ。
…基本給も少なくなったけれども。


兎にも角にも、今目の前にある仕事を片付けないと、来週に控えた人事部との新入社員の部署配置会議に支障をきたしてしまう。
その先には自分へのご褒美として有給申請した旅行が待っている!!

それまでは例え昼御飯を食べる時間さえ無くとも耐え忍んで見せる!

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