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130話、深夜のわらび餅
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夜0時を回った頃。フウゲツの町の宿屋で、まだ眠れなかった私は一人椅子に腰かけ暇つぶしがてら刺繍をしていた。
ライラはもう寝てしまっている。ふかふかのベッドに愛用の小さい枕を敷いて、それに頭を預けるどころか抱き付くようにして快眠していた。妖精の小さい体からすると、小さ目の枕ですら抱き枕になるのだから羨ましい。
ちくちく刺繍をしつつ、今度本格的な刺繍をエメラルダに教えてもらおうかなぁ、なんて漫然と考えていたら、唐突にドアがノックされた。
予想だにしない事で体がビクっと跳ね、息を飲む。こんな深夜に誰が訪ねて来たのか、ちょっと怖さもあった。
でもすぐに聞こえてきた声でほっと息をつく。
「リリア、まだ起きてるかしら?」
ベアトリスの声だった。なんだベアトリスか、と思ってドアを開けに行く。ベアトリスと私達は別の部屋を借りているのだ。
冷静に考えると一応は吸血鬼のベアトリスが夜に尋ねて来る方が恐ろしい気もしたが、もう彼女は吸血鬼の概念を超越した謎の存在なので気にしない事にした。自称ラズベリー吸血鬼だもんね。
「こんな遅くにどうしたの?」
ドアを開け、向こうにいたベアトリスに声をかける。すると彼女は、何やら紙包みを持ち上げて見せてきた。
「夜の空気に触れたくなって、さっきふらっと散歩に出かけたのよ。この町、夜は灯篭の柔らかい明かりがあって中々雅だったわ。で、なぜだかとあるお店に人が並んでいて、それとなく聞いてみたら夜にしか開かない甘味屋だと言うのよ。暇だったから私も何となく並んで、これを買ってきたってわけ」
そう言ってベアトリスが紙包みをがさがさかき分けると、そこには透明なパックに入ったこれまた透明なぷるぷるとした何かが入ってた。
「何これ? 固形化した水?」
としか形容できない、何とも不思議な物体だった。
「違うわよ。わらび餅って言うらしいわ」
「わらび餅……餅なんだ、これ」
餅の事は薄ら知識にある。確か普通の米よりも柔らかく粘度のあるもち米をこねて作る食べ物。その名の通りもちもちした食感でおいしいらしい。食べたことはない。
でも確かそれは米同様白い見た目らしいけど……これは透明だ。
「普通の餅とは違う感じだけど、餅にも色々種類あるのかな?」
「さあ? そうなんじゃない? 私パン文化だから米文化には詳しくないわ」
「それは私も」
で、そのわらび餅とやらを買ってきてどうしたと言うのだろう。
「せっかくだから一緒に食べようって言いにきたのよ。だからこんなに買ったんじゃない」
こんな深夜からデザートを食べるのか……いや、でも小腹が空く頃合いなのは確かだ。何より甘い物を食べたい気分でもある。
「じゃあ入りなよ。あ、でもライラ寝ちゃってるんだよね」
「ライラの分は残して保存しておけばいいわ。私のクーラーボックスあるから大丈夫よ」
そういえばいつも肩掛けの小さいクーラーボックス持ってたっけ。
ひとまずベアトリスを部屋の中に招き入れる。律儀にも彼女は自分から入ってこようとはしなかったのだ。
……そういえば吸血鬼ってその家の住人に招かれないと家の中には基本入れないって逸話もあるっけ、何て思った。
ベッド近くの小さなテーブルの前で、向かい合わせに座り合う。
そしてテーブルの上に件のわらび餅を置き、早速パックを解放。
パックの中にはわらび餅がこれでもかと言うほどたっぷり入っていて、何だかぎちぎちに詰められたスライムみたいだった。
「これ、そのまま食べていいの?」
「いえ、付属のきな粉と黒蜜をかけて食べるらしいわ」
「きな粉……その黄色いの?」
「ええ。大豆で作った粉らしいわ。ちなみにわらび餅はわらび粉というのが原材料らしいわよ」
「粉で作った物に粉かけて食べるんだ……」
「不思議よね。粉をかけて食べる料理とか初めてかも」
……確かに。粉をねって生地にして焼いたりする、いわゆる粉もの料理ならいっぱいある。それこそパンだって小麦粉から作るし。でも出来上がった料理の上に粉をかけるってあまり聞いた事ないかも。
ベアトリスがきな粉の入っている小さな袋の上部を切り取り、瑞々しいわらび餅の上にかけていく。パサパサしそうだけど大丈夫なのかな。
更にその上に、黒蜜というはちみつを黒くしたような物をかけていった。粘度が結構あるのか、きな粉とは交わらずに丸い玉状になって乗っかっている。
「で、この楊枝で刺してうまく掬い取って食べるのよ」
見本とばかりに、ベアトリスが器用にわらび餅をすくい上げ一口で食べる。
そのままもぐもぐ食べてる姿をじっと見つめる。
「……どう?」
「……うん。素朴な甘みがあっておいしいわ。粉かけてるのに意外とパサついてない、というよりわらび餅がかなりモチモチしてる」
「へえー、どれどれ」
私もわらび餅を突き刺してぱくっと食べてみた。
もぐもぐもぐもぐ。確かに思ったよりパサついてない。というかこのきな粉自体が結構しっとりした食感だ。
そして黒蜜の強めの甘さに、わらび餅の柔らかな弾力。噛めば噛むほど自然な甘みが滲み出てくる。
同じデザート系統のケーキとは違った感覚だ。何だろう……上品な感じ。落ち着いた雰囲気、例えば木漏れ日の中でふとつまむような、素朴な甘味だ。
「おいしいね、これ」
言いながら、ぱくっとまた一つ。
「そうね。いけるわ」
ベアトリスも更にぱくっと一つ。
お互いにもぐもぐもぐもぐ食べつつ、また一つつまむ。
「そういえば、このわらび餅からも分かる通り、この辺りではデザート類も結構独特な物があるらしいわよ」
「例えばどういうの?」
「何でも、あんこという物がよく使われるらしいわ」
「あんこ?」
聞きなれないし響きから具体像が想像できない。
「小豆を砂糖と煮た、黒くて甘い甘味料って話よ」
おそらくこのわらび餅を買う時に色々リサーチしたのだろう、ベアトリスがそんな事を教えてくれる。
でも全然想像つかないなぁ。
「この黒蜜もそうだけど、黒い甘味料って何だか独特。ケーキとかパイにそういうの無いもんね」
「そうね。やっぱり地域によって食文化が異なれば、デザート文化も多種多様という事ね」
わらび餅をぱくぱく食べながら雑談をしていると、あっという間にその数が少なくなっていった。
残りはライラの分という事で食べるのを止め、ベアトリスがいそいそ後片付けをする。
そんな中で、ぼそっと呟く。
「ラズベリーも良いけれど、ラズベリーばかりにこだわるのは良くないかも知れないわね。もっと色々なデザートを研究して、その果てにラズベリーを追及しなければ……」
何言ってるんだこいつ。そこまでラズベリーに本気なのか。
でも確かに、ラズベリーはおいしいけど、このわらび餅にラズベリーソースが合うとは思わない。何にでも適材適所というのがあるのだろう。
それこそ世界には色んな食文化とそれに適した食材があり、その中で最高の料理なんて決めようがないのではないか。
もちろんその中でも自分好みの最高の一品を決める事はできるだろうけど……万人が納得するのは無理だろう。
でもそれでいい気もする。どれだけ好物の料理があっても、毎日それを食べるなんて無理だし。
色んな料理があって、たまにあれが食べたい、これが食べたいってなるのがまた楽しいんじゃないだろうか。
……なんてことを、このド深夜に考える私だった。
ライラはもう寝てしまっている。ふかふかのベッドに愛用の小さい枕を敷いて、それに頭を預けるどころか抱き付くようにして快眠していた。妖精の小さい体からすると、小さ目の枕ですら抱き枕になるのだから羨ましい。
ちくちく刺繍をしつつ、今度本格的な刺繍をエメラルダに教えてもらおうかなぁ、なんて漫然と考えていたら、唐突にドアがノックされた。
予想だにしない事で体がビクっと跳ね、息を飲む。こんな深夜に誰が訪ねて来たのか、ちょっと怖さもあった。
でもすぐに聞こえてきた声でほっと息をつく。
「リリア、まだ起きてるかしら?」
ベアトリスの声だった。なんだベアトリスか、と思ってドアを開けに行く。ベアトリスと私達は別の部屋を借りているのだ。
冷静に考えると一応は吸血鬼のベアトリスが夜に尋ねて来る方が恐ろしい気もしたが、もう彼女は吸血鬼の概念を超越した謎の存在なので気にしない事にした。自称ラズベリー吸血鬼だもんね。
「こんな遅くにどうしたの?」
ドアを開け、向こうにいたベアトリスに声をかける。すると彼女は、何やら紙包みを持ち上げて見せてきた。
「夜の空気に触れたくなって、さっきふらっと散歩に出かけたのよ。この町、夜は灯篭の柔らかい明かりがあって中々雅だったわ。で、なぜだかとあるお店に人が並んでいて、それとなく聞いてみたら夜にしか開かない甘味屋だと言うのよ。暇だったから私も何となく並んで、これを買ってきたってわけ」
そう言ってベアトリスが紙包みをがさがさかき分けると、そこには透明なパックに入ったこれまた透明なぷるぷるとした何かが入ってた。
「何これ? 固形化した水?」
としか形容できない、何とも不思議な物体だった。
「違うわよ。わらび餅って言うらしいわ」
「わらび餅……餅なんだ、これ」
餅の事は薄ら知識にある。確か普通の米よりも柔らかく粘度のあるもち米をこねて作る食べ物。その名の通りもちもちした食感でおいしいらしい。食べたことはない。
でも確かそれは米同様白い見た目らしいけど……これは透明だ。
「普通の餅とは違う感じだけど、餅にも色々種類あるのかな?」
「さあ? そうなんじゃない? 私パン文化だから米文化には詳しくないわ」
「それは私も」
で、そのわらび餅とやらを買ってきてどうしたと言うのだろう。
「せっかくだから一緒に食べようって言いにきたのよ。だからこんなに買ったんじゃない」
こんな深夜からデザートを食べるのか……いや、でも小腹が空く頃合いなのは確かだ。何より甘い物を食べたい気分でもある。
「じゃあ入りなよ。あ、でもライラ寝ちゃってるんだよね」
「ライラの分は残して保存しておけばいいわ。私のクーラーボックスあるから大丈夫よ」
そういえばいつも肩掛けの小さいクーラーボックス持ってたっけ。
ひとまずベアトリスを部屋の中に招き入れる。律儀にも彼女は自分から入ってこようとはしなかったのだ。
……そういえば吸血鬼ってその家の住人に招かれないと家の中には基本入れないって逸話もあるっけ、何て思った。
ベッド近くの小さなテーブルの前で、向かい合わせに座り合う。
そしてテーブルの上に件のわらび餅を置き、早速パックを解放。
パックの中にはわらび餅がこれでもかと言うほどたっぷり入っていて、何だかぎちぎちに詰められたスライムみたいだった。
「これ、そのまま食べていいの?」
「いえ、付属のきな粉と黒蜜をかけて食べるらしいわ」
「きな粉……その黄色いの?」
「ええ。大豆で作った粉らしいわ。ちなみにわらび餅はわらび粉というのが原材料らしいわよ」
「粉で作った物に粉かけて食べるんだ……」
「不思議よね。粉をかけて食べる料理とか初めてかも」
……確かに。粉をねって生地にして焼いたりする、いわゆる粉もの料理ならいっぱいある。それこそパンだって小麦粉から作るし。でも出来上がった料理の上に粉をかけるってあまり聞いた事ないかも。
ベアトリスがきな粉の入っている小さな袋の上部を切り取り、瑞々しいわらび餅の上にかけていく。パサパサしそうだけど大丈夫なのかな。
更にその上に、黒蜜というはちみつを黒くしたような物をかけていった。粘度が結構あるのか、きな粉とは交わらずに丸い玉状になって乗っかっている。
「で、この楊枝で刺してうまく掬い取って食べるのよ」
見本とばかりに、ベアトリスが器用にわらび餅をすくい上げ一口で食べる。
そのままもぐもぐ食べてる姿をじっと見つめる。
「……どう?」
「……うん。素朴な甘みがあっておいしいわ。粉かけてるのに意外とパサついてない、というよりわらび餅がかなりモチモチしてる」
「へえー、どれどれ」
私もわらび餅を突き刺してぱくっと食べてみた。
もぐもぐもぐもぐ。確かに思ったよりパサついてない。というかこのきな粉自体が結構しっとりした食感だ。
そして黒蜜の強めの甘さに、わらび餅の柔らかな弾力。噛めば噛むほど自然な甘みが滲み出てくる。
同じデザート系統のケーキとは違った感覚だ。何だろう……上品な感じ。落ち着いた雰囲気、例えば木漏れ日の中でふとつまむような、素朴な甘味だ。
「おいしいね、これ」
言いながら、ぱくっとまた一つ。
「そうね。いけるわ」
ベアトリスも更にぱくっと一つ。
お互いにもぐもぐもぐもぐ食べつつ、また一つつまむ。
「そういえば、このわらび餅からも分かる通り、この辺りではデザート類も結構独特な物があるらしいわよ」
「例えばどういうの?」
「何でも、あんこという物がよく使われるらしいわ」
「あんこ?」
聞きなれないし響きから具体像が想像できない。
「小豆を砂糖と煮た、黒くて甘い甘味料って話よ」
おそらくこのわらび餅を買う時に色々リサーチしたのだろう、ベアトリスがそんな事を教えてくれる。
でも全然想像つかないなぁ。
「この黒蜜もそうだけど、黒い甘味料って何だか独特。ケーキとかパイにそういうの無いもんね」
「そうね。やっぱり地域によって食文化が異なれば、デザート文化も多種多様という事ね」
わらび餅をぱくぱく食べながら雑談をしていると、あっという間にその数が少なくなっていった。
残りはライラの分という事で食べるのを止め、ベアトリスがいそいそ後片付けをする。
そんな中で、ぼそっと呟く。
「ラズベリーも良いけれど、ラズベリーばかりにこだわるのは良くないかも知れないわね。もっと色々なデザートを研究して、その果てにラズベリーを追及しなければ……」
何言ってるんだこいつ。そこまでラズベリーに本気なのか。
でも確かに、ラズベリーはおいしいけど、このわらび餅にラズベリーソースが合うとは思わない。何にでも適材適所というのがあるのだろう。
それこそ世界には色んな食文化とそれに適した食材があり、その中で最高の料理なんて決めようがないのではないか。
もちろんその中でも自分好みの最高の一品を決める事はできるだろうけど……万人が納得するのは無理だろう。
でもそれでいい気もする。どれだけ好物の料理があっても、毎日それを食べるなんて無理だし。
色んな料理があって、たまにあれが食べたい、これが食べたいってなるのがまた楽しいんじゃないだろうか。
……なんてことを、このド深夜に考える私だった。
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