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104話、湿地帯飛行と惣菜パン
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湿気を含んだ生ぬるい風を浴びながら、私は箒で空を飛んでいた。
眼下に広がるのは、薄緑の長い草を生やしたぬかるんだ地面と、いくつもの支流が合流する大きな濁った川。以前も見た湿地帯の光景だ。
「さすがに箒だと早いわね」
耳元でライラの何気ない呟きが聞こえる。箒で飛んでる間は風で帽子が飛ばされる危険もあるので、ライラは私の肩に座っていた。
ライラは物珍しげにきょろきょろと真下を覗き込む。
「うわー、そこかしこに川があるし、歩けそうな所は草がいっぱい生えてるわ。あそこを歩くのは確かに難儀しそうよね」
「それだけじゃないよ。あの辺りの地面はぬかるんでいるから、かなり歩きにくい」
「ふーん、だから珍しく箒に乗ってるのね」
そう、以前湿地帯方面へ旅をした経験があるので、迷う事なく箒へ乗っていた。
ぬかるんだ地面を歩くのは大変なうえ、靴も汚れてテンションが下がる。
長い草が視界を邪魔しているので、うっかり川にはまる危険性もあった。ここは素直に箒に乗るのが正解だ。
もう少しまともな地面になったら降りようと考えている。
今はぬかるんだ地形が広がっているが、もう少し先へ行くと木々が多く生えた森林地帯へとさしかかるのだ。
その辺りになると、ほぼ常に雨が降っていてそれなりに悪環境だが、木々が強靭な根を張っているので、注意は必要だがぬかるんだ地面よりは大分歩きやすい。
こんなどろどろの湿地帯付近に村や町はそうそう無いので、しばらくは生ぬるい風と湿地帯特有の自然美を楽しむしかない。
……そういえば、前は箒から落ちかけて沼に足がハマったっけ。あれは最悪だったなぁ……。
そういう恐ろしい目にはもう二度と会いたくないので、ぎゅっと箒を握る。
私は箒の柄の部分に対して体を横向けて座る、いわゆる横乗り派だ。対して箒の柄を足で挟み込むようにして座るのは、いわゆる縦乗り。
縦乗りの方が体勢は安定するが、長時間乗っていると色々辛い。対して横乗りは体勢がやや不安定ではあるが、長時間飛行していてもそこまで辛くは無い。どちらも一長一短。
そうして飛ぶこと数十分。広大な湿地帯の先にある森林地帯がようやく見えてきた。
さすがに休憩なしで飛び続けるのも疲れるし、何よりそろそろ昼食時なので、ここで一端食事休憩を取ることにする。
湿地帯では、葉をほとんどつけずに枝や幹が太くて大きい木がまばらに生えている。私程度の体格なら簡単に支えられるような力強い木々だ。
今回はそんな木の枝に腰かけ、ごはんを食べることにする。
枝に座ってバッグをごそごそし始めるや、ライラが話しかけてくる。
「お昼は町で買ってたパン?」
「うん」
私は軽く頷きながら、バッグから袋に入ったパンを二個取り出した。
これは、湿地帯へ向かう前に立ち寄ったフェリクスの町で買った惣菜パンだ。
一つは丸いパンにマヨネーズとコーンが乗った、マヨコーンパン。もう一つは同じく丸いパンにホワイトソース、チーズ、パセリが乗ったグラタンパンだ。
フェリクスはこういう惣菜系パンが豊富で、なおかつおいしい。パンはスープに付ける派の私だが、この惣菜パンのおいしさには抗えないのだ。
ついでに言えば、こうして旅の最中の軽食としては、総菜パンはかなり適している。だって様々な具材とパンが一緒に食べられる上に、種類も豊富だから飽きも少ないのだ。しかも冷えてもおいしく食べられる。
今回はこの二種類だけを買ったが、他にもコッペパンにソーセージが挟みこまれた物や、トマトソースにサラミとチーズのピザ風パンもあって、色々と目移りしてしまった。デザート感覚でいけるクリームパンなども捨てがたい。
パンを食べるならお茶でも淹れて一緒に食べたい所なのだが、ここは木の上なのでちょっと面倒。ここは水筒の水で我慢することにする。
まずはマヨコーンパンの包装袋を開け、二つに割ってライラに渡す。
「あの森に着いたら歩くから、ちゃちゃっと食べよっか」
「そうね、それじゃあ頂きまーす」
ライラは結構総菜パンが好きらしく、なんだか上機嫌でパクついていく。
……そういえば初めて会った時にあげたのがチーズパンだったっけ。あれが初めての人間の食事だったとすると、惣菜系パンのおいしさが刷りこまれているのかもしれない。
でも惣菜パンが好きなのは私も一緒だ。おいしそうに食べるライラを見ていると堪らなくなり、私もパクっと一口食べた。
マヨコーンパンは、コーンとマヨネーズという実にシンプルな物。しかし、なぜかこれがすごくおいしい。
コーンのつぶつぶとした食感に甘さ、そしてマヨネーズの酸味。柔らかなパンの風味がまたそれと合っている。
こういう惣菜系パンに使われるマヨネーズって、私が普段食べたりしているマヨネーズとちょっと違う気がする。
本来ならもっと酸味が強くて味が濃いはずなのだが、総菜パンのはマヨネーズの主張が控えめでまろやかな感じ。
これは冷えて味がやや落ちているからなのか、それとも最初から冷えたパンに合わせるため味を調整してあるのか。謎だ。謎だがおいしい。
総菜パンの面白いところは、華やかな具材の方がメインぽくなりつつも、いざ食べてみるとやはりパンが主体という所かもしれない。パン自体がおいしいのだ。
焼きたてというわけではない冷えたパンなのに、更に言うなら大量生産物だろうに、なぜか普段食べるパンとはまた違ったおいしさがある。総菜パンは奥が深い。
あっという間にマヨコーンパンを食べたので、お次はグラタンパンを頂くことに。
ライラの分と分けるため千切って分かった事だが、グラタンパンはパンがやや硬めだ。
おそらくホワイトソースが使われているから、パンを硬めにしてあるのだろう。意外と工夫が細かい。
グラタンパンをライラと分け、早速二人で一口。
こちらは一口食べると、ホワイトソースのまろやかな風味が駆け抜ける。そしてパセリの匂いがぶわっと香り、チーズの濃厚な味がやってくるのだ。
冷えたグラタンなんて普通おいしくないはずなのに、冷えたグラタンパンはこんなにもおいしい。やはり冷えてもおいしく食べられるよう調理されているのだ。
さっきのマヨコーンパンと比べると、グラタンパンはいくらかあっさりしている感じ。一口食べるとすぐにもう一口食べたくなり、それを繰り返しているとあっという間に食べ終えてしまった。
「ふぅ……おいしかった……けど」
「けど?」
「紅茶が飲みたい。今は沸かせないけど、狂おしく紅茶が飲みたくなってるの」
不思議な事に、総菜パンを食べ終えた後は猛烈に紅茶が飲みたくなってくる。
なんだろう、おいしい物を食べたら一服したくなるのが本能ってやつなのだろうか。
でもここは枝の上……お茶沸かすのは面倒。
我慢して水筒の水を一口飲み、紅茶の誘惑を振りきるため私は箒を手にした。
さあ、森林地帯へと向かおう。そこで町を見つければ紅茶なんて飲み放題だ。
眼下に広がるのは、薄緑の長い草を生やしたぬかるんだ地面と、いくつもの支流が合流する大きな濁った川。以前も見た湿地帯の光景だ。
「さすがに箒だと早いわね」
耳元でライラの何気ない呟きが聞こえる。箒で飛んでる間は風で帽子が飛ばされる危険もあるので、ライラは私の肩に座っていた。
ライラは物珍しげにきょろきょろと真下を覗き込む。
「うわー、そこかしこに川があるし、歩けそうな所は草がいっぱい生えてるわ。あそこを歩くのは確かに難儀しそうよね」
「それだけじゃないよ。あの辺りの地面はぬかるんでいるから、かなり歩きにくい」
「ふーん、だから珍しく箒に乗ってるのね」
そう、以前湿地帯方面へ旅をした経験があるので、迷う事なく箒へ乗っていた。
ぬかるんだ地面を歩くのは大変なうえ、靴も汚れてテンションが下がる。
長い草が視界を邪魔しているので、うっかり川にはまる危険性もあった。ここは素直に箒に乗るのが正解だ。
もう少しまともな地面になったら降りようと考えている。
今はぬかるんだ地形が広がっているが、もう少し先へ行くと木々が多く生えた森林地帯へとさしかかるのだ。
その辺りになると、ほぼ常に雨が降っていてそれなりに悪環境だが、木々が強靭な根を張っているので、注意は必要だがぬかるんだ地面よりは大分歩きやすい。
こんなどろどろの湿地帯付近に村や町はそうそう無いので、しばらくは生ぬるい風と湿地帯特有の自然美を楽しむしかない。
……そういえば、前は箒から落ちかけて沼に足がハマったっけ。あれは最悪だったなぁ……。
そういう恐ろしい目にはもう二度と会いたくないので、ぎゅっと箒を握る。
私は箒の柄の部分に対して体を横向けて座る、いわゆる横乗り派だ。対して箒の柄を足で挟み込むようにして座るのは、いわゆる縦乗り。
縦乗りの方が体勢は安定するが、長時間乗っていると色々辛い。対して横乗りは体勢がやや不安定ではあるが、長時間飛行していてもそこまで辛くは無い。どちらも一長一短。
そうして飛ぶこと数十分。広大な湿地帯の先にある森林地帯がようやく見えてきた。
さすがに休憩なしで飛び続けるのも疲れるし、何よりそろそろ昼食時なので、ここで一端食事休憩を取ることにする。
湿地帯では、葉をほとんどつけずに枝や幹が太くて大きい木がまばらに生えている。私程度の体格なら簡単に支えられるような力強い木々だ。
今回はそんな木の枝に腰かけ、ごはんを食べることにする。
枝に座ってバッグをごそごそし始めるや、ライラが話しかけてくる。
「お昼は町で買ってたパン?」
「うん」
私は軽く頷きながら、バッグから袋に入ったパンを二個取り出した。
これは、湿地帯へ向かう前に立ち寄ったフェリクスの町で買った惣菜パンだ。
一つは丸いパンにマヨネーズとコーンが乗った、マヨコーンパン。もう一つは同じく丸いパンにホワイトソース、チーズ、パセリが乗ったグラタンパンだ。
フェリクスはこういう惣菜系パンが豊富で、なおかつおいしい。パンはスープに付ける派の私だが、この惣菜パンのおいしさには抗えないのだ。
ついでに言えば、こうして旅の最中の軽食としては、総菜パンはかなり適している。だって様々な具材とパンが一緒に食べられる上に、種類も豊富だから飽きも少ないのだ。しかも冷えてもおいしく食べられる。
今回はこの二種類だけを買ったが、他にもコッペパンにソーセージが挟みこまれた物や、トマトソースにサラミとチーズのピザ風パンもあって、色々と目移りしてしまった。デザート感覚でいけるクリームパンなども捨てがたい。
パンを食べるならお茶でも淹れて一緒に食べたい所なのだが、ここは木の上なのでちょっと面倒。ここは水筒の水で我慢することにする。
まずはマヨコーンパンの包装袋を開け、二つに割ってライラに渡す。
「あの森に着いたら歩くから、ちゃちゃっと食べよっか」
「そうね、それじゃあ頂きまーす」
ライラは結構総菜パンが好きらしく、なんだか上機嫌でパクついていく。
……そういえば初めて会った時にあげたのがチーズパンだったっけ。あれが初めての人間の食事だったとすると、惣菜系パンのおいしさが刷りこまれているのかもしれない。
でも惣菜パンが好きなのは私も一緒だ。おいしそうに食べるライラを見ていると堪らなくなり、私もパクっと一口食べた。
マヨコーンパンは、コーンとマヨネーズという実にシンプルな物。しかし、なぜかこれがすごくおいしい。
コーンのつぶつぶとした食感に甘さ、そしてマヨネーズの酸味。柔らかなパンの風味がまたそれと合っている。
こういう惣菜系パンに使われるマヨネーズって、私が普段食べたりしているマヨネーズとちょっと違う気がする。
本来ならもっと酸味が強くて味が濃いはずなのだが、総菜パンのはマヨネーズの主張が控えめでまろやかな感じ。
これは冷えて味がやや落ちているからなのか、それとも最初から冷えたパンに合わせるため味を調整してあるのか。謎だ。謎だがおいしい。
総菜パンの面白いところは、華やかな具材の方がメインぽくなりつつも、いざ食べてみるとやはりパンが主体という所かもしれない。パン自体がおいしいのだ。
焼きたてというわけではない冷えたパンなのに、更に言うなら大量生産物だろうに、なぜか普段食べるパンとはまた違ったおいしさがある。総菜パンは奥が深い。
あっという間にマヨコーンパンを食べたので、お次はグラタンパンを頂くことに。
ライラの分と分けるため千切って分かった事だが、グラタンパンはパンがやや硬めだ。
おそらくホワイトソースが使われているから、パンを硬めにしてあるのだろう。意外と工夫が細かい。
グラタンパンをライラと分け、早速二人で一口。
こちらは一口食べると、ホワイトソースのまろやかな風味が駆け抜ける。そしてパセリの匂いがぶわっと香り、チーズの濃厚な味がやってくるのだ。
冷えたグラタンなんて普通おいしくないはずなのに、冷えたグラタンパンはこんなにもおいしい。やはり冷えてもおいしく食べられるよう調理されているのだ。
さっきのマヨコーンパンと比べると、グラタンパンはいくらかあっさりしている感じ。一口食べるとすぐにもう一口食べたくなり、それを繰り返しているとあっという間に食べ終えてしまった。
「ふぅ……おいしかった……けど」
「けど?」
「紅茶が飲みたい。今は沸かせないけど、狂おしく紅茶が飲みたくなってるの」
不思議な事に、総菜パンを食べ終えた後は猛烈に紅茶が飲みたくなってくる。
なんだろう、おいしい物を食べたら一服したくなるのが本能ってやつなのだろうか。
でもここは枝の上……お茶沸かすのは面倒。
我慢して水筒の水を一口飲み、紅茶の誘惑を振りきるため私は箒を手にした。
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