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バス停

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10年ぶりのこの土地はあまり変わっていなかった。

駅からは2時間に1本ほどの路線バスしかない不便な土地だけれど、その分だけめまぐるしい時代の変化には流されていないようである。
街に一本しかない路線バスに一人乗った。古びたバス停のあった場所を目指して。
誰もいなかったバス停。自分以外の誰も訪れない廃れたバス停。今思えば、だからこそあの場所を選んだのだろう。

2月の雪降る夜は凛とした寒さの中、綺麗な満月が笑っていた。
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