上 下
31 / 85

031.メイドの極意

しおりを挟む
「――――というわけなんだ!助力をお願いしたいっ!!」

 この世界で初めての猛暑。溶けるバターになっていた次の日。
 無事シエルの用意してくれたかき氷によって流動物から固形物へと復活した俺は、昨日と同じテラスで拝み倒していた。
 眼の前に座るのは二人の少女。まさに額がはれんばかりの勢いで両手をついて頭をテーブルに擦り付ける。

「……私達を呼び出して何かと思ったらメイドの仕事について教えろ? 随分とまぁ平和な悩みね」
「あら、いいじゃないですか。 いつも私達をサポートしてくれるメイドさんたちのお仕事を知るのも大事だと思いますよ」

 拝み倒す俺を見下ろす二人の人物。
 一方は呆れるような声。反対にもう一方からは楽しげに微笑む声が聞こえてきた。
 


 シエルから誕生日について聞いた後。父の部屋に乗り込んで通信魔道具を借りた俺はまっさきに眼の前の二人へと連絡をとった。
 マティとエクレール。この世界でたった二人の友人。この3ヶ月で連絡先を交換した俺達は度々こうして集まっていた。
 普段はもっと余裕を持って呼び出すのだが今回ばかりは緊急招集。議題はもちろん昨日のメイドについて。俺が成ることまでは説明していない。
 ちなみに本議題の対象であるシエルは現在宿題追込中。それを知っていたからこそ緊急でもあった。

「そんな調べ物の課題って学校から出てたかしら……。……ってかエクレール、アンタついに王家クビになったの?
「あら、何故そうお思いに?」
「だってあたしが誘っても忙しいって言ってばかりで全然遊べなかったじゃない。スタンに言われたらこうも簡単に抜け出しちゃって」

 マティの言う通り、エクレールはお願いの騒動以降1、2度遊んだきり夏に入るとパッタリ会うことがなくなってしまっていた。
 俺としても会うのは2ヶ月ぶり。しばらく見ないうちに髪も長くなっている。

「私がクビになる時は素敵な殿方と駆け落ちする時くらいですよ。つい先日、ようやく落ち着いたので遊びに来られるようになったのです」

 王家ともなれば俺たちみたいな木っ端な貴族なんかよりよっぽど仕事や習い事が山のようにあるだろう。それこそ神山の時の俺のように。

「ふぅん……。なんでもいいけど駆け落ちってなに?」
「駆け落ちとは家を捨て家督を捨て……好きな人と一緒に逃げることです」

 彼女もまた、マティに煽られながらも受け流す立ち振舞いは大人顔負けの落ち着きようだ。これも王家の教育のたまものだろうか。
 精神的には大人のように見える年齢一桁の女の子。そんな彼女を射止め、駆け落ちまで決心させる男性とはどんな人物になるだろうか。
 きっとカッコよくって優しくって、白馬に乗った――――って、ダメだ。前世でも今世でも恋愛経験無さすぎて貧相な想像しかできない。

「言葉の意味を聞いてるんじゃないわよ。もしかしてもうそういう相手でもいるの?」
「ふふっ、どうでしょう?例えば……どこかの婚約者候補とかでしょうか?」
「…………………」
「いや、なんで二人して俺を見てくるの」

 頬杖をつきながら話すマティとレモネードを口にしながら背筋を伸ばして応えるエクレール。
 二人して無言でこちらを見てくるものだから思わず声を上げてしまう。

「……なんでもないわよ。いつか誰かさんが婚約者だの言ってたからね」
「いやいや、エクレール自信冗談だって言ってたでしょう……」
「それは本当に冗談だったのでしょうか?」
「…………エクレールさま?」

 クスリと笑いながら爆弾を投入してくる王女様に冷や汗がタラリ。
 まさかまた牢でくすぐりの刑だろうか。ギギギッと壊れたブリキのような仕草でマティを見ると今回ばかりは冗談だとわかりきっているみたいでホッとする。

「冗談ですよ。私と結婚する方は王様になって貰わなきゃいけませんから」
「やっぱり王女ともなると大変なのねぇ」
「皆様に支えられた誉れある立場なのですから文句なんて言えませんよ。……でも、もしも本当に好きな人ができたら……本当に駆け落ちしちゃうかもわかりませんね」

 そんな時が来るのだろうか。
 この年でもう自分の立場を理解しているエクレール。彼女自身が責任感から逃れられるのか甚だぎもんなものの、10年後そんな相手が出てこないとも限らない。

「もしそうなったりしたら普段のお城抜け出し以上に大変なことになるわね。また魔道具で攫われちゃうわよ」
「むぅ、マティナール様がイジワルです。抜け出しは事件以降やらないようにしますのに」

 ぶぅ、と口を尖らせて年相応に拗ねるエクレール。
 彼女は俺達が巻き込まれた事件以降、城を抜け出さなくなった。
 あの事件に対して思うところがあるのだろう。今日だって多くの護衛を携えて、今も廊下やエントランスには関係者が待機している。


「ちなみにマティナール様は好きな人……いらっしゃらないのですか?」
「はっ………はぁっ!?好きな人!?突然何を……!?そんなのいるわけ無いじゃない!!」

 どうもエクレールは爆弾を投下するのがお好きなようだ。
 おもむろに問いかけたのは好きな人トークという女子大好きなテーマ。
 爆弾の炸裂をモロに喰らったマティは勢いよく立ち上がりその真っ赤になった顔を見せつける。

「駆け落ちの話が出たのでちょうどいいかと思いまして。スタン様なんてどう思ってらっしゃるのですか?」
「ア……アンタねぇ……。確かにマトモに話す唯一の男子だけど、そもそもコイツとは親戚よ?ないない」
「そうなんですか?残念です……」

 表面上は冷静さを取り戻そうとしているのか、声は微かに震えつつも肩を竦めて呆れた笑みを見せるマティと肩を落としてみせるエクレール。
 まさに女子会今すぐにでも逃げ出したい衝動に駆られていると、エクレールの目はこちらにロックオンを切り替えてくる。

「ちなみにスタン様はどうですか?」
「……年のために聞くけど、何の話?」
「それは勿論好きな人のことですよ。周りにはシエル様やマティナール様など可愛らしい女性がいらっしゃるじゃありませんか。どのようにお考えでしょう?」

 そこで「私と」を入れないところにちょっとした頭の良さを感じる。
 どのようにって言われても。俺たちの年齢考えてから言って欲しい。

「ボクも好きな人とかそういうのはなにもないよ。まだまだボクたちは子供だし」
「そうでしょうか?気づけばすぐにそういった年になるでしょう」
「まだまだ。10年は先だよ。その時になってから考えるよ」
「むぅ……そうですか……」

 再び口を尖らせて不満を表すエクレール。
 きっと二人に恋愛トークをスルーされてつまらないのだろう。その話を深堀りしてもいいが、今回の本題はそれではない。

「そういうのは大人になってからね。……っていうか、さっきボクが聞いたこと忘れてない?」
「あら、何か言われたっけ?」
「メイドのことだよ。2人のところは何してるかなって」
「……あぁそうだったわね。でも突然どうしてそんな話が出てきたのよ?」

 マティの疑問は最もだ。昨日思いついた事を伝えていく。
 来週誕生日の事。そして俺が変わってメイドの仕事を行うということ。


「――――つまり、来週アンタはフリフリスカートのメイド服を着ながらシエルちゃんにかしずいて頬にキスするってこと?」
「まぁっ!スタン様はシエル様を選ぶのですね!!」
「しないからっ!着るのは執事服だしキスもしないっ!!」

 説明を受けた少女の酷い読解だった。
 完全に意味が変わってしまったそれに声を荒らげて反論する。

「冗談よ。しかしシエルちゃんの誕生日ねぇ……あの子が休まないことは知ってるし悪くない考えだわ」
「ですね!私も何か準備しなくては……」

 マティは先日母と街へ繰り出した件で協力してもらった。
 その分俺達が憂慮していることも理解しているだろう。

 メイドの情報、最初はこの屋敷で働いている他のメイドさんたちから情報を仕入れようと実際に色々聞いたりもした。
 でもそれだけじゃ物足りないとも思ったのだ。シエルはここの人たちの教育を受けている。ただ聞いたことを実践しただけでは粗を気にしてしまうだろう。
 だからこそ別の家からの情報収集。そこで得た知見を付加価値とし、彼女らにメイドの極意を聞き出そうと呼び寄せた。

「それでどう?二人とも、なにかない?」
「私のお家は色々ありますが……すみません、あまり参考にならないかもしれません」

 しかしそんな俺の問いかけに首を振ったのはエクレールだった。
 その立場から個人的に最もアテにしていた人物の否定に目を丸くする。

「そうなの?一番アテにしてたつもりだけど」
「はい。私の家は侍女だけでもかなりの数ですし、着替え一つとっても4人5人で手伝ってくださいますので独自性ともなると……」
「あぁ……」

 流石王家。普通の一般貴族とスケールが違う。
 以前街でお城を見た時も相当な大きさだった。あの中に何人が働いているのかは元御曹司として気になるところ。

「私も思いつかなさそう。普通にここの人たちと同じだもの。専属メイドなんて居ないし」
「そっかぁ……」
「ならレイコはなにか思いつきますか? ずっと私の側についてくれてますし」
「私、ですか?」

 エクレールの呼びかけに一瞬のうちに姿を表すレイコさん。
 もう彼女が音もなく前兆もなく現れるのもすっかり慣れてしまった。
 けどそれはいい案かとも思った。たしかにレイコさんはエクレールのお付きとしていつも側に居てくれている。その視点ならば何をしたらいいか提案してくれるかもしれない。

「そうですね……。私から見れば、”あえて何もしない”がいいかと思います」
「「「何もしない?」」」

 考えた末にでたその提案に、俺たち3人は同時に復唱した。
 何もしないってなんでだ?それっていつもと変わらない……計画倒れじゃないか。

「いえ、もちろんメイドとしての仕事はこなしますが。でも他は……シエル様にとってはただ側にいるだけでいいのです」
「でもそれって、いつもと変わらないんじゃ?」
「えぇ、そうですね。ですがそれでいいのです。敢えて言えば片時も側を離れずに居る。それだけで十分だと思いますよ」
「はぁ…………」

 イマイチピンとこない回答に俺の返事も曖昧なものになってしまう。
 何もしない……そんなのでいいのだろうか。

「皆様はまだお若い。深く考えずに自然体で迎えればいいのです。……ほら、シエル様がいらっしゃいましたよ」
「ご主人さまおまたせしました~! 課題、すべて終わらせてきました~!!」
「シエル……」

 レイコさんの笑みとともに向いた視線の先に目を向けると、暫くの後にパタパタと音が聞こえ廊下を駆ける音とともにシエルがやってきた。
 もう課題を終わらせたようで、その笑みは晴れやかだ。

「ただいま戻りました!何の話をされていたのです?」
「おかえりシエル。ちょっとレイコさんに働くことについて聞いててね」
「働く?そうですか……。ところで一つ、ご主人さまに聞きたいことがあるのですが――――」

 俺の真横で立ち止まった彼女はふと何かが気になったようで、俺の向こう側の景色へと意識が向けられる。
 はて、なんだ?俺の向こう側っていうと、マティが座ってるはずだけど?

「私が来た途端、マティナールさんの顔色がすごいことになってますが……大丈夫でしょうか?」
「ホントだ……マティ?」

 言われて向くと確かに。彼女の顔色はこれ以上無いほど真っ青になってしまっていた。
 つい数瞬前まで普通だったのにどうして……このレモネードに変なの入ってたとか!?

「ス……スタン……。お、お願いがあるんだけど……」
「な、何……?」

 ゴクリと、俺の喉が鳴る。
 プルプルと震えながら、声さえも掠れ気味なマティ。俺は一体何事かと身構えて次の言葉を待つ。

「か……課題忘れてた……。一個もやってない……。見せて…………」
「…………はい?」

 恐れるように。怖がるように。
 彼女の口から出た言葉に、俺の緊張感は一気に霧散する。
 顔の青くなった原因は課題をやっていない――――そのあまりの拍子抜けに、張り詰めていた空気が一瞬のうちにため息となって吐き出されるのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。

昼寝部
キャラ文芸
 天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。  その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。  すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。 「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」  これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。 ※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

転生したら美醜逆転世界だったので、人生イージーモードです

狼蝶
恋愛
 転生したらそこは、美醜が逆転していて顔が良ければ待遇最高の世界だった!?侯爵令嬢と婚約し人生イージーモードじゃんと思っていたら、人生はそれほど甘くはない・・・・?  学校に入ったら、ここはまさかの美醜逆転世界の乙女ゲームの中だということがわかり、さらに自分の婚約者はなんとそのゲームの悪役令嬢で!!!?

処理中です...