咲いても散らぬ、恋の花。

環名

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OP.初恋は、実らない。

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 後から知ったことだが、初恋は実らぬものらしい。
 芽が出て、生長し、葉を出し、蕾をつけて、花開いても、実をつけぬのだ。

 けれど、そのときの僕にはそんなことはどうでもよかった。
 知らぬままに、恋をした。
 恋を恋とも理解しないうちに、惹かれた。

 胸に芽吹き、開いた恋の花が、実ることがこの先ずっとないこともわかっている。
 だからこそ、僕の中に咲いた恋の花は、花開いたまま。

 実ることがない故に、また、散ることもなく。

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