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9.夢
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夢を見る。
知らないはずの、真っ暗な、四角い部屋。
いや、本当にここは、部屋なのだろうか。
ひんやりして、しめっぽくって、なんか、土の中みたい。
広いようで、狭い。
狭いようで、広い。
呼吸が苦しいような気がする。
きっと、酸素が薄いのだろう。
ずり、ずり、と引きずるような音がする。
さり、さり、と何か、擦れるような音も。
ああ、今日も、聞こえる。
ずり、ずり。
さり、さり。
音は、断続的で止むことはない。
僕を中心に、円を描くように聞こえる音に、目が回りそうな気がしてくる。
音が渦になって、僕がその中心にいて、渦の中に引きずり込まれて行きそうな気分だ。
子どもの頃によく観察した、アリジゴクを思い出した。
となると、僕はアリジゴクの作る反円錐型の巣に落ちた間抜けなアリで、僕の周りを取り巻くように聞こえる音が、その音を出している何者かが、アリジゴクということになる。
あれ? てことは僕、食べられちゃうのかな?
この先の展開を、僕はもう、何度か見た。
知っているはずなのに、どうしても思い出せない。
彼は一体、何をしているのだろう。
知らないはずの、真っ暗な、四角い部屋。
いや、本当にここは、部屋なのだろうか。
ひんやりして、しめっぽくって、なんか、土の中みたい。
広いようで、狭い。
狭いようで、広い。
呼吸が苦しいような気がする。
きっと、酸素が薄いのだろう。
ずり、ずり、と引きずるような音がする。
さり、さり、と何か、擦れるような音も。
ああ、今日も、聞こえる。
ずり、ずり。
さり、さり。
音は、断続的で止むことはない。
僕を中心に、円を描くように聞こえる音に、目が回りそうな気がしてくる。
音が渦になって、僕がその中心にいて、渦の中に引きずり込まれて行きそうな気分だ。
子どもの頃によく観察した、アリジゴクを思い出した。
となると、僕はアリジゴクの作る反円錐型の巣に落ちた間抜けなアリで、僕の周りを取り巻くように聞こえる音が、その音を出している何者かが、アリジゴクということになる。
あれ? てことは僕、食べられちゃうのかな?
この先の展開を、僕はもう、何度か見た。
知っているはずなのに、どうしても思い出せない。
彼は一体、何をしているのだろう。
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