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【3】キアラの過去への手がかり
5.日の下の悪
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「…人獣族は、好きでなければ番わないと言っていなかったか?」
頭の中で情報が錯綜し、混乱したヒヴェルディアが口にしたのは、失言だったらしい。
マリンが、声を荒げた。
「番ってない! 番うなんて言葉、使わないで! 少なくとも、うちの妹は、人格を否定されて、踏みにじられたの! 黒い毛並みと、紅い目の人兎族の、生まれる確率を高めるためだけに!」
怒涛のように、堰切って溢れ出すように、感情を吐き出したマリンは、肩で息をしていた。
泣いてはいなかったが、悲鳴のような声が、泣いているように聞こえて、耳が痛い。
呼吸を整えて、一度すん、と鼻をすすったマリンは、先程までの様子が嘘のようにトーンを下げた。
「保護観察所なんて、名ばかりで、あそこは実験室みたいなものよ。 やってることは植物や動物の交配実験と変わらない。 そのために、人獣族が攫われて、犠牲になる」
「陛下に上奏すれば」
口をついて出た言葉に、マリンは哀しげな笑みを浮かべて、緩く首を振った。
「馬鹿ね、ヒヴェル。 あそこは特別区画で独立自治よ。 治外法権下なの。 陛下の権限も及ばない」
マリンの声も、静かだった。
まるで、足掻いても、どうにもならないことを知っているかのようで…、ああ、そう。
マリンは、きっと、諦めているのだ。
「キアラちゃんの存在が知られてるなら、家に一人残しておくのは逆に危険だと思う。 以前みたいに、常にヒヴェルの目の届くところにいてもらった方が安心だわ」
突然、マリンの口からキアラの名前が飛び出して、ヒヴェルディアは内心で首を傾げる。
情報を一気に詰め込まれて、それがまだ整理できていないためか、今日のヒヴェルディアは回転が芳しくない。
マリンは、イヴィルガルド卿に気をつけるようヒヴェルディアに釘を刺し、保護観察所の話をした。
その上で、キアラの身に危険が降りかかるかもしれないことを、示唆している。
その関連が、ヒヴェルディアには謎だ。
「…イヴィルガルド卿は、キアラの叔父君だろう」
イヴィルガルド卿が保護観察所の監視下にある人猫族だとしても、それならば彼も監視される側なわけだ。
そして、キアラは、イヴィルガルド卿の言葉を信じるならば、イヴィルガルド卿の血縁者。
それを前提にして、質問しようとしたのに、マリンには真っ向から完全否定される。
「あんた、馬鹿じゃないの? あんなの、信じてるわけ? 突然黒い毛並みの人獣族が現れて、キアラちゃんの叔父だって名乗るなんて、おかしいじゃない。 あのイヴィルガルドって奴とキアラちゃんを交配させようとして、イヴィルガルドに迎えに来させてるとは考えないの?」
馬鹿馬鹿言われているが、ヒヴェルディアだってその可能性を考えなかったわけではない。
だから、気は進まないながら、二度と行くかと思っていた保護観察庁にこれから向かい、照会をかけようと思っているのだ。
あまり馬鹿馬鹿言わないでもらいたい。
だが、そこで、マリンは「例えば、本当に、叔父だとしても」と呟いた。
「保護観察所の研究者は頭がおかしいの。 実験のためなら近親交配だってさせるわ。 奴らにとって人獣族は動物と変わらない」
そう、断言するマリンに、ヒヴェルディアの中にはひとつの疑問が芽生える。
「マリン。 どうしてそれを知っている?」
ぐっと、マリンが言葉に詰まったように見えた。
踏み込んだ質問だったかもしれない。
そう思うが、口から出た言葉はもう、取り消せない。
しばしの沈黙。「答えたくないなら、言わなくてもいい」、と言うべきか否かと考えているときだった。
マリンが、重い口を開いた。
「…わたしも一度、連れていかれたことがあるから。 わたしは、魔法をかじってたから、すぐに逃げ出すことができたけど、…あそこは、狂ってる」
最後の言葉は、吐き捨てるようだった。
狂っている、と評されるような場所が、堂々と【保護観察所】という名前を掲げて、日の下に存在している。
そんなことが、あっていいのか。
自問に対する自答は、あまりにも簡単に、即座に見つかる。
そんな場所が、実際に、存在しているのだ。
では、それで、本当に、よいのだろうか。
陛下の力も及ばない、四大国のどこの影響下にも置かれない独立自治区だから、放置する、と?
そんなことが、あっていいのか?
その答えも、すぐに見つかる。
あっていい、はずがない。
ヒヴェルディアが、そう、結論を出したところで、マリンは続ける。
「キアラちゃんが口にしてた、『日々の恵みに感謝して、いただきます』って、ずっと、引っかかってた。 あれ、保護観察所で使われてた、食前の祈りよ」
思いもかけないことに、ヒヴェルディアは目を瞬かせる。
確かに、それは、キアラが食前に捧げる祈りの言葉だ。
それが、保護観察所で使われている祈りの言葉だというのは、いい。
問題は、なぜ、キアラがそれを知っているか、だ。
キアラには、ヒヴェルディアと出逢う以前の記憶がないということは、キアラ自身の口から聞いている。
自分を猫だと思ってつい最近まで生きてきて、服の着方も、カトラリーの使い方も、トイレの仕方も知らなかったキアラなのに、食前に捧げる祈りの言葉を知っていた。
因みに、ヒヴェルディアは食前には「いただきます」と口にしたことしかない。
どうして、おかしいと思わなかったのか。
「どうして、キアラが…?」
「わからない」
疑問が唇から零れると、すぐさまマリンの声が応じる。
わからないこと、だらけだ。
キアラの母君は、その弟のイヴィルガルド卿の言い分では、かどわかされた。
レノーが零した情報では、駆け落ちをした。
それは恐らく、保護観察所から逃亡して、だ。
マリンの情報が正確なら、恐らく、キアラの母君は望まぬ相手に蹂躙されることを嫌がり、逃亡したのだろう。
その、逃亡先で、キアラが生まれた。
では、キアラはいつから猫の姿だったのか。
どうして、猫の姿になったのか。
本当に、わからないことだらけだ。
それから、もうひとつ気になっていることを、ヒヴェルディアはマリンに問うことにした。
「…差し支えなければ、だけれど。 …マリンの、妹は?」
「………もう、いない」
長い、長い、沈黙ののち、静かな音が、落ちる。
マリンの視線は、床に注がれていた。
マリンの発言が、生きているのに死んでいるのと同義という意味か、もうこの世にいないという意味なのか、測りかねた。
だが、それ以上を聞くことは、憚られた。
ヒヴェルディアは、マリンの肩にぽんと手を置く。
「ありがとう。 …つらいことを言わせた」
「…何、言ってるのよ。 わたしは、つらくない。 全然、つらくない。 つらい思いをしたのは、あの子よ」
いかにも、マリンらしい言葉だった。
けれど、ヒヴェルディアは気づいていた。
マリンの肩が、わずかにだが、震えていたことに。
それに気づかないふりをすることが、今、ヒヴェルディアにできる唯一のことだと、そのときは思ったのである。
頭の中で情報が錯綜し、混乱したヒヴェルディアが口にしたのは、失言だったらしい。
マリンが、声を荒げた。
「番ってない! 番うなんて言葉、使わないで! 少なくとも、うちの妹は、人格を否定されて、踏みにじられたの! 黒い毛並みと、紅い目の人兎族の、生まれる確率を高めるためだけに!」
怒涛のように、堰切って溢れ出すように、感情を吐き出したマリンは、肩で息をしていた。
泣いてはいなかったが、悲鳴のような声が、泣いているように聞こえて、耳が痛い。
呼吸を整えて、一度すん、と鼻をすすったマリンは、先程までの様子が嘘のようにトーンを下げた。
「保護観察所なんて、名ばかりで、あそこは実験室みたいなものよ。 やってることは植物や動物の交配実験と変わらない。 そのために、人獣族が攫われて、犠牲になる」
「陛下に上奏すれば」
口をついて出た言葉に、マリンは哀しげな笑みを浮かべて、緩く首を振った。
「馬鹿ね、ヒヴェル。 あそこは特別区画で独立自治よ。 治外法権下なの。 陛下の権限も及ばない」
マリンの声も、静かだった。
まるで、足掻いても、どうにもならないことを知っているかのようで…、ああ、そう。
マリンは、きっと、諦めているのだ。
「キアラちゃんの存在が知られてるなら、家に一人残しておくのは逆に危険だと思う。 以前みたいに、常にヒヴェルの目の届くところにいてもらった方が安心だわ」
突然、マリンの口からキアラの名前が飛び出して、ヒヴェルディアは内心で首を傾げる。
情報を一気に詰め込まれて、それがまだ整理できていないためか、今日のヒヴェルディアは回転が芳しくない。
マリンは、イヴィルガルド卿に気をつけるようヒヴェルディアに釘を刺し、保護観察所の話をした。
その上で、キアラの身に危険が降りかかるかもしれないことを、示唆している。
その関連が、ヒヴェルディアには謎だ。
「…イヴィルガルド卿は、キアラの叔父君だろう」
イヴィルガルド卿が保護観察所の監視下にある人猫族だとしても、それならば彼も監視される側なわけだ。
そして、キアラは、イヴィルガルド卿の言葉を信じるならば、イヴィルガルド卿の血縁者。
それを前提にして、質問しようとしたのに、マリンには真っ向から完全否定される。
「あんた、馬鹿じゃないの? あんなの、信じてるわけ? 突然黒い毛並みの人獣族が現れて、キアラちゃんの叔父だって名乗るなんて、おかしいじゃない。 あのイヴィルガルドって奴とキアラちゃんを交配させようとして、イヴィルガルドに迎えに来させてるとは考えないの?」
馬鹿馬鹿言われているが、ヒヴェルディアだってその可能性を考えなかったわけではない。
だから、気は進まないながら、二度と行くかと思っていた保護観察庁にこれから向かい、照会をかけようと思っているのだ。
あまり馬鹿馬鹿言わないでもらいたい。
だが、そこで、マリンは「例えば、本当に、叔父だとしても」と呟いた。
「保護観察所の研究者は頭がおかしいの。 実験のためなら近親交配だってさせるわ。 奴らにとって人獣族は動物と変わらない」
そう、断言するマリンに、ヒヴェルディアの中にはひとつの疑問が芽生える。
「マリン。 どうしてそれを知っている?」
ぐっと、マリンが言葉に詰まったように見えた。
踏み込んだ質問だったかもしれない。
そう思うが、口から出た言葉はもう、取り消せない。
しばしの沈黙。「答えたくないなら、言わなくてもいい」、と言うべきか否かと考えているときだった。
マリンが、重い口を開いた。
「…わたしも一度、連れていかれたことがあるから。 わたしは、魔法をかじってたから、すぐに逃げ出すことができたけど、…あそこは、狂ってる」
最後の言葉は、吐き捨てるようだった。
狂っている、と評されるような場所が、堂々と【保護観察所】という名前を掲げて、日の下に存在している。
そんなことが、あっていいのか。
自問に対する自答は、あまりにも簡単に、即座に見つかる。
そんな場所が、実際に、存在しているのだ。
では、それで、本当に、よいのだろうか。
陛下の力も及ばない、四大国のどこの影響下にも置かれない独立自治区だから、放置する、と?
そんなことが、あっていいのか?
その答えも、すぐに見つかる。
あっていい、はずがない。
ヒヴェルディアが、そう、結論を出したところで、マリンは続ける。
「キアラちゃんが口にしてた、『日々の恵みに感謝して、いただきます』って、ずっと、引っかかってた。 あれ、保護観察所で使われてた、食前の祈りよ」
思いもかけないことに、ヒヴェルディアは目を瞬かせる。
確かに、それは、キアラが食前に捧げる祈りの言葉だ。
それが、保護観察所で使われている祈りの言葉だというのは、いい。
問題は、なぜ、キアラがそれを知っているか、だ。
キアラには、ヒヴェルディアと出逢う以前の記憶がないということは、キアラ自身の口から聞いている。
自分を猫だと思ってつい最近まで生きてきて、服の着方も、カトラリーの使い方も、トイレの仕方も知らなかったキアラなのに、食前に捧げる祈りの言葉を知っていた。
因みに、ヒヴェルディアは食前には「いただきます」と口にしたことしかない。
どうして、おかしいと思わなかったのか。
「どうして、キアラが…?」
「わからない」
疑問が唇から零れると、すぐさまマリンの声が応じる。
わからないこと、だらけだ。
キアラの母君は、その弟のイヴィルガルド卿の言い分では、かどわかされた。
レノーが零した情報では、駆け落ちをした。
それは恐らく、保護観察所から逃亡して、だ。
マリンの情報が正確なら、恐らく、キアラの母君は望まぬ相手に蹂躙されることを嫌がり、逃亡したのだろう。
その、逃亡先で、キアラが生まれた。
では、キアラはいつから猫の姿だったのか。
どうして、猫の姿になったのか。
本当に、わからないことだらけだ。
それから、もうひとつ気になっていることを、ヒヴェルディアはマリンに問うことにした。
「…差し支えなければ、だけれど。 …マリンの、妹は?」
「………もう、いない」
長い、長い、沈黙ののち、静かな音が、落ちる。
マリンの視線は、床に注がれていた。
マリンの発言が、生きているのに死んでいるのと同義という意味か、もうこの世にいないという意味なのか、測りかねた。
だが、それ以上を聞くことは、憚られた。
ヒヴェルディアは、マリンの肩にぽんと手を置く。
「ありがとう。 …つらいことを言わせた」
「…何、言ってるのよ。 わたしは、つらくない。 全然、つらくない。 つらい思いをしたのは、あの子よ」
いかにも、マリンらしい言葉だった。
けれど、ヒヴェルディアは気づいていた。
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