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紅の獅子は白き花を抱く
魔法使いのおばあさん
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リシェーナには、不満なことがある。
「何? どうかした、リシェ」
風呂上がりのジオークを、リシェーナは夫婦のベッドの中からじっと見る。
じと目を意識したのだが、ジオークには伝わっているだろうか。
ジオークはゆったりとした足取りで近づいてくると、ベッドの縁に腰を下ろす。 彼の体重で沈んだベッドと、リシェーナへと伸びてきて、頬を撫でてくれる左手にリシェーナはどきりとする。
「何? 何かあった?」
そんなふうに優しく問われるのも、何だか今日は子ども扱いされているようで、少し面白くなく感じる。
「あなた、明日、お休みって言った」
「うん、そうだね」
だから、少しだけ拗ねたような口調になったのだと思うのだが、ジオークはいつもと変わらず大きくて広い心と愛情で、相槌をうってくれるだけ。
まさしく、父親が娘に向けるような。
それが、リシェーナには不満だ。
リシェーナとジオークは、夫婦なのに。
夫婦しか、しないことを。
大好きなひととだけしたいことを、したのに、どうして。
だから、訊いた。
「…しない?」
ジオークは、軽く目を見張る。
リシェーナは、きっと、切羽詰まった顔をしていたことだろう。
ベッドへのお誘いにしては少々色気に欠けたかもしれない。
けれど、どのように言ったらいいのかもわからなかった。
リシェーナがこんなふうに必死になるのも仕方ないことなのだ。
ジオークの奥さんになって、ジオークと初めて夜を共にした。
その夜の次の日は、ジオークがお休みだったのでお昼近くまでベッドの中にいたし、その夜だって愛してもらった。
あの日からもう五日も経つのにジオークはリシェーナに触れてこない。
次の日がお仕事だからかな、と思って待っていたのだが、今日だってこのままでは「じゃあ、寝よっか。 おやすみ」と言われそうで、リシェーナは決心したのだ。
前の夫のときには、こんなふうに次がいつかな、とそわそわなんかしなかった。
触れてもらえる日を、楽しみに待つことなんてなかった。
心臓が、ばくばくと音を立てているけれど、女には、言わなければならないときがある。
「あなたは、わたしとの赤ちゃん、ほしくないの? わたしは、あなたの赤ちゃん、ほしい」
このまま口を開いていたら、口から心臓が飛び出しそうで、ぎゅっと口を引き結ぶ。
ジオークに向けた顔は、もしかしたら挑むようなものになったかもしれない。
それくらいに、言葉を発するのに勇気がいった。
胸から心臓が飛び出しそうな感じもして、ばくばくと上下する胸から心臓が飛び出さないように手でそっと押さえる。
リシェーナがじっとジオークの言葉を待っていると、ジオークはそっとベッドに上がってリシェーナの隣に腰を下ろす。 自分のすぐ近くが沈んで、リシェーナはまた、どきりとする。
ジオークはリシェーナの肩をそっと抱き寄せて、こつんと側頭部を合わせてきた。
「おれも子ども好きだし、欲しいよ」
その音が、リシェーナの中に落ちて、溶けて、リシェーナは涙が出そうなくらいに安堵した。
けれど、続いたジオークの言葉が、リシェーナに冷や水を浴びせた。
「おれとリシェは家族だけど、他人て事実は変えられないから」
「そんなこと、言わないで…」
リシェーナがぱっとジオークを見ると、ジオークは微笑んでいた。
「うん。 おれの血と、リシェの血を継いで生まれてくる子どもが、おれたちをずっと繋いでくれると思うんだ。 だから、何人だって欲しいよ」
では、どうして、という思いが伝わったのだろう。
一度言葉を切ったジオークは、リシェーナに尋ねてきた。
「…でも、今すぐほしい?」
ジオークの意図することが読めずに、リシェーナは瞬きを繰り返す。
「え?」
「おれ思ったんだけど、結婚するじゃん? すぐ子ども出来てそのあとずっと子育てって…息つけなくない?」
そんなこと、考えたこともなかったリシェーナが、じっとジオークを見つめていると、ジオークは少しばつの悪そうな笑みを見せた。
「っていうのは建前かも。 もう少し、おれだけのリシェでいてほしいんだけど、だめ?」
この前、あれだけしておいて言うのもなんなのだけれど、とジオークは付け加えた。
けれど、リシェーナは納得した。
ジオークが、何を考えて、リシェーナに触れられなかったかわかって、ほっとしたと言った方が正しいかもしれない。
「ほんとに? わたしのこと、嫌じゃなくて?」
「まさか。 大好きだって…愛してるって言ったじゃん」
ジオークは驚いたような顔をした後で、ぎゅっとリシェーナの身体を抱きしめてきた。
逞しい腕は、力強いけれども強引ではなく、強要もしない。
ほっとするのに、どきどきもするのは、リシェーナがジオークのことを大好きだからだ。
「!」
そのジオークの手が、服の上からリシェーナの背から腰へと滑る。
思わず息を呑めば、ジオークが小さく息を吐いた。
「引かれると思ったから言いたくなかったんだけど…子ども出来たらこういうこと、しない方がいいんでしょ? おれ、まだ、我慢できる自信ないし」
「…うん、じゃあ、しよ?」
リシェーナが、ジオークをもう一度誘ったのだけれど、ジオークはなぜかぐっと口を引き結ぶ。
目を閉じてふーっと息を吐いたジオークは、何か葛藤をしているらしい。
「うん、あのね、リシェ、聞いてた? 今夜は我慢して? おれも最初はリシェとなら避妊とかいらないと思ってたから、避妊具の手配とか考えてなくて、手配に割と時間がかかってて」
何かの葛藤を抱えつつ、リシェーナに言い聞かせるように言葉を紡ぐジオークに、リシェーナは首を傾げた。
もしかして、と繋がった、と言った方が正しいかもしれない。
「? あなた、知らないの?」
「? 何を?」
目を瞬かせるジオークに、リシェーナは知らないのだな、と思った。
リシェーナは、ベッドの脇にある、ほとんどベッドど一体化したようにも見えるサイドテーブルの上に置いた、化粧箱を手に取る。
「これ、ばあやがくれたの。 夫婦でよく話し合って、使うものですよ、って」
ぱかり、と蓋を開けて中を見せれば、ジオークは言葉を失ったようだった。
その様子からすると、リシェーナが予想したように、ジオークが手配していたという【ひにんぐ】とはこれのことなのだろう。
いつ使う何なのだろう、と不思議に思っていたが、なるほど、腑に落ちた。
ばあやは何でも知っていて、何でも用意してくれて、本当に魔法使いのおばあさんのようだと改めてリシェーナは思う。
「だから」
リシェーナは視線を上げて、もう一度誘おうかと思ったのだが、その先は続かなかった。
言葉は、重ねられたジオークの唇に吸い込まれる。
いつの間にか、手にしていた化粧箱がジオークの手に移っていて、尚且つサイドテーブルに戻された。
唇が離れて、間近に見たジオークの瞳は、いつもよりも殺伐としていて、飢餓感が見える。
「うん、する」
ジオークが応じるのと、ジオークの影がリシェーナの上に覆い被さってくるのはほぼ同時だった。
「何? どうかした、リシェ」
風呂上がりのジオークを、リシェーナは夫婦のベッドの中からじっと見る。
じと目を意識したのだが、ジオークには伝わっているだろうか。
ジオークはゆったりとした足取りで近づいてくると、ベッドの縁に腰を下ろす。 彼の体重で沈んだベッドと、リシェーナへと伸びてきて、頬を撫でてくれる左手にリシェーナはどきりとする。
「何? 何かあった?」
そんなふうに優しく問われるのも、何だか今日は子ども扱いされているようで、少し面白くなく感じる。
「あなた、明日、お休みって言った」
「うん、そうだね」
だから、少しだけ拗ねたような口調になったのだと思うのだが、ジオークはいつもと変わらず大きくて広い心と愛情で、相槌をうってくれるだけ。
まさしく、父親が娘に向けるような。
それが、リシェーナには不満だ。
リシェーナとジオークは、夫婦なのに。
夫婦しか、しないことを。
大好きなひととだけしたいことを、したのに、どうして。
だから、訊いた。
「…しない?」
ジオークは、軽く目を見張る。
リシェーナは、きっと、切羽詰まった顔をしていたことだろう。
ベッドへのお誘いにしては少々色気に欠けたかもしれない。
けれど、どのように言ったらいいのかもわからなかった。
リシェーナがこんなふうに必死になるのも仕方ないことなのだ。
ジオークの奥さんになって、ジオークと初めて夜を共にした。
その夜の次の日は、ジオークがお休みだったのでお昼近くまでベッドの中にいたし、その夜だって愛してもらった。
あの日からもう五日も経つのにジオークはリシェーナに触れてこない。
次の日がお仕事だからかな、と思って待っていたのだが、今日だってこのままでは「じゃあ、寝よっか。 おやすみ」と言われそうで、リシェーナは決心したのだ。
前の夫のときには、こんなふうに次がいつかな、とそわそわなんかしなかった。
触れてもらえる日を、楽しみに待つことなんてなかった。
心臓が、ばくばくと音を立てているけれど、女には、言わなければならないときがある。
「あなたは、わたしとの赤ちゃん、ほしくないの? わたしは、あなたの赤ちゃん、ほしい」
このまま口を開いていたら、口から心臓が飛び出しそうで、ぎゅっと口を引き結ぶ。
ジオークに向けた顔は、もしかしたら挑むようなものになったかもしれない。
それくらいに、言葉を発するのに勇気がいった。
胸から心臓が飛び出しそうな感じもして、ばくばくと上下する胸から心臓が飛び出さないように手でそっと押さえる。
リシェーナがじっとジオークの言葉を待っていると、ジオークはそっとベッドに上がってリシェーナの隣に腰を下ろす。 自分のすぐ近くが沈んで、リシェーナはまた、どきりとする。
ジオークはリシェーナの肩をそっと抱き寄せて、こつんと側頭部を合わせてきた。
「おれも子ども好きだし、欲しいよ」
その音が、リシェーナの中に落ちて、溶けて、リシェーナは涙が出そうなくらいに安堵した。
けれど、続いたジオークの言葉が、リシェーナに冷や水を浴びせた。
「おれとリシェは家族だけど、他人て事実は変えられないから」
「そんなこと、言わないで…」
リシェーナがぱっとジオークを見ると、ジオークは微笑んでいた。
「うん。 おれの血と、リシェの血を継いで生まれてくる子どもが、おれたちをずっと繋いでくれると思うんだ。 だから、何人だって欲しいよ」
では、どうして、という思いが伝わったのだろう。
一度言葉を切ったジオークは、リシェーナに尋ねてきた。
「…でも、今すぐほしい?」
ジオークの意図することが読めずに、リシェーナは瞬きを繰り返す。
「え?」
「おれ思ったんだけど、結婚するじゃん? すぐ子ども出来てそのあとずっと子育てって…息つけなくない?」
そんなこと、考えたこともなかったリシェーナが、じっとジオークを見つめていると、ジオークは少しばつの悪そうな笑みを見せた。
「っていうのは建前かも。 もう少し、おれだけのリシェでいてほしいんだけど、だめ?」
この前、あれだけしておいて言うのもなんなのだけれど、とジオークは付け加えた。
けれど、リシェーナは納得した。
ジオークが、何を考えて、リシェーナに触れられなかったかわかって、ほっとしたと言った方が正しいかもしれない。
「ほんとに? わたしのこと、嫌じゃなくて?」
「まさか。 大好きだって…愛してるって言ったじゃん」
ジオークは驚いたような顔をした後で、ぎゅっとリシェーナの身体を抱きしめてきた。
逞しい腕は、力強いけれども強引ではなく、強要もしない。
ほっとするのに、どきどきもするのは、リシェーナがジオークのことを大好きだからだ。
「!」
そのジオークの手が、服の上からリシェーナの背から腰へと滑る。
思わず息を呑めば、ジオークが小さく息を吐いた。
「引かれると思ったから言いたくなかったんだけど…子ども出来たらこういうこと、しない方がいいんでしょ? おれ、まだ、我慢できる自信ないし」
「…うん、じゃあ、しよ?」
リシェーナが、ジオークをもう一度誘ったのだけれど、ジオークはなぜかぐっと口を引き結ぶ。
目を閉じてふーっと息を吐いたジオークは、何か葛藤をしているらしい。
「うん、あのね、リシェ、聞いてた? 今夜は我慢して? おれも最初はリシェとなら避妊とかいらないと思ってたから、避妊具の手配とか考えてなくて、手配に割と時間がかかってて」
何かの葛藤を抱えつつ、リシェーナに言い聞かせるように言葉を紡ぐジオークに、リシェーナは首を傾げた。
もしかして、と繋がった、と言った方が正しいかもしれない。
「? あなた、知らないの?」
「? 何を?」
目を瞬かせるジオークに、リシェーナは知らないのだな、と思った。
リシェーナは、ベッドの脇にある、ほとんどベッドど一体化したようにも見えるサイドテーブルの上に置いた、化粧箱を手に取る。
「これ、ばあやがくれたの。 夫婦でよく話し合って、使うものですよ、って」
ぱかり、と蓋を開けて中を見せれば、ジオークは言葉を失ったようだった。
その様子からすると、リシェーナが予想したように、ジオークが手配していたという【ひにんぐ】とはこれのことなのだろう。
いつ使う何なのだろう、と不思議に思っていたが、なるほど、腑に落ちた。
ばあやは何でも知っていて、何でも用意してくれて、本当に魔法使いのおばあさんのようだと改めてリシェーナは思う。
「だから」
リシェーナは視線を上げて、もう一度誘おうかと思ったのだが、その先は続かなかった。
言葉は、重ねられたジオークの唇に吸い込まれる。
いつの間にか、手にしていた化粧箱がジオークの手に移っていて、尚且つサイドテーブルに戻された。
唇が離れて、間近に見たジオークの瞳は、いつもよりも殺伐としていて、飢餓感が見える。
「うん、する」
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