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紅の騎士は白き花を抱く
20.全部、ちょうだい。*
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リシェーナはぎゅうっとジオークに抱きついて、頷く。
「う、ん」
大好きなひとと、ひとつに、なっている。
大好きなひとを、自分の中に、感じる。
ずっと、このひとと、こうなりたかった。
こうして、満たして、ほしかった。
前の夫のことなんか、思い出せない。
彼の、熱さと存在、彼に向ける想い、彼のことしか。
「あなたしか、わからないっ…」
リシェーナがジオークにそのように告白すると、ジオークはリシェーナの腕の中で頭を動かして、リシェーナの耳に唇を寄せる。
「うん。 …全部入ったから、動かすね」
「ぇ、あっ…? あっ…!」
思わず、声が上擦る。
リシェーナは驚いたが、ジオークにしがみつく腕は緩めなかった。
リシェーナが重くないようにと、きっとジオークは気を遣っている。
肌が重なって彼の熱を感じるのに、ジオークの重みは中途半端にしかかかっていないのだ。
きっと、ジオークがリシェーナの身体を囲むようにして置いた腕が、腕立て伏せのような感じでジオークの体重を支えているのだろう。
その体勢のままで、ジオークはゆっくりと、腰を引き、押し出しだす。
その動きと共に、彼自身が、リシェーナの中から出入りを繰り返す。
熱くて、どうしようもない。
こんなに気持ちいいことだなんて、知らなかった。
「あ…、っ…」
「…あぁ…リシェ」
ジオークの切なげな声が、熱い吐息と共に、耳元で揺れる。
声を抑えようとしたのだが、声を抑えることなんか、できなかった。
「あ…あ、ぁ」
漏れる、喘ぎ声にしか聞こえない音が恥ずかしくて、リシェーナはそれを意味を持った音に変える。
そうすれば少しでも、恥ずかしくなくなるのではないかと思ったのだ。
「すき…、すきっ…」
すると、ジオークの動きが、一瞬止まった。
なのに、体内に感じるジオークが大きくなった気がするのは、なぜだろう。
「うん…。 おれも…愛してる…」
「っ」
ゆったりとした抽送の動きを繰り返したジオークが、くっと腰を突き込んで上下するような動きに変わってリシェーナは息を呑む。
時折、リシェーナの中を堪能するように、グラインドするように動かされる。
「ぁ、なたっ…」
彼がいるところが、きゅうきゅうと反応し始める。
この先に何が待つかを、リシェーナは知っている。
「…あなたっ…」
リシェーナの小さな悲鳴に、ジオークは何がどうなりそうなのか、気づいたのだろう。
「うん、いいよ…。 だから、おれの名前、呼んで?」
ジオークの要求に、リシェーナは思わず腕の力を緩めてジオークの顔を見つめていた。
彼の、名前。
「ジオー…ク…? …ジオ?」
「どっちでもいいよ。 リシェが呼びたいように呼んで」
ジオークが小さく笑うと、繋がったところから振動が伝わるような気がして、リシェーナはジオークの首に手をかけたままで震えた。
「っ…ぁっ…わ、わたしっ……」
「ん…おれも…、もう、やばい」
ジオークのゆったりとした動きは、変わらない。
なのに、あの感覚が、じわじわとリシェーナに迫ってくる。
「ぁっ…アっ…」
「リシェ…中で、出して、いい…?」
「…なか…?」
リシェーナが問うと、ジオークが声をぐっと潜めた。
「リシェの、ここに、おれの…」
ひそ、と小さく囁かれて、リシェーナはかぁ、と頬を染めた。
「っ…リシェ、そんなに締められると、おれっ…」
リシェーナの顔の脇に置かれた手が、ぎゅっと拳を握り、ジオークの身体が小さく震えた。
ぐっと歯を食いしばって、一度ジオークが動きを止めたのもわかる。
「だ、だって…」
あのひとは、こんなふうに聞いてなんてくれなかった。
だから、リシェーナはあのひととの行為に関して、選択権はないものだと思っていた。
けれど、今は違う。
きっとジオークは、リシェーナがいやだと言ったら、しないのだろう。
今だって、思わず反応してしまったリシェーナの中で堪えたのは、きっとリシェーナがジオークに「いいよ」と言っていないからだ。
「リシェ…おれ、イきそ…。 中で、いい…?」
は、と熱い吐息を吐くジオークの顔から、余裕は消えていた。
切なげでありながら、どこか切羽詰まった飢餓感も見て取れる。
けれど、怖いとは思わなかった。
絶対に、このひとは、リシェーナを傷つけないし、裏切らないと知っているから。
同じだけのものを返したくて、リシェーナは微笑む。
「全部、ちょうだい」
ジオークの表情から、飢餓感が霧散した。
そして、やわらかくて、穏やかな、穏やかな微笑みを見せる。
「うん、ありがと…」
リシェーナは、ジオークのこの「ありがと」と、派手な顔立ちにやわらかくて穏やかで優しい笑みが浮かぶ瞬間が好きだ。
くっと押し込まれて、ぐるりと旋回する。
その動きが繰り返されると、お腹の奥からぐいぐいとその感覚が迫ってくる。
来る、それがわかって、リシェーナはぎゅっと目を瞑った。
「う、ん」
大好きなひとと、ひとつに、なっている。
大好きなひとを、自分の中に、感じる。
ずっと、このひとと、こうなりたかった。
こうして、満たして、ほしかった。
前の夫のことなんか、思い出せない。
彼の、熱さと存在、彼に向ける想い、彼のことしか。
「あなたしか、わからないっ…」
リシェーナがジオークにそのように告白すると、ジオークはリシェーナの腕の中で頭を動かして、リシェーナの耳に唇を寄せる。
「うん。 …全部入ったから、動かすね」
「ぇ、あっ…? あっ…!」
思わず、声が上擦る。
リシェーナは驚いたが、ジオークにしがみつく腕は緩めなかった。
リシェーナが重くないようにと、きっとジオークは気を遣っている。
肌が重なって彼の熱を感じるのに、ジオークの重みは中途半端にしかかかっていないのだ。
きっと、ジオークがリシェーナの身体を囲むようにして置いた腕が、腕立て伏せのような感じでジオークの体重を支えているのだろう。
その体勢のままで、ジオークはゆっくりと、腰を引き、押し出しだす。
その動きと共に、彼自身が、リシェーナの中から出入りを繰り返す。
熱くて、どうしようもない。
こんなに気持ちいいことだなんて、知らなかった。
「あ…、っ…」
「…あぁ…リシェ」
ジオークの切なげな声が、熱い吐息と共に、耳元で揺れる。
声を抑えようとしたのだが、声を抑えることなんか、できなかった。
「あ…あ、ぁ」
漏れる、喘ぎ声にしか聞こえない音が恥ずかしくて、リシェーナはそれを意味を持った音に変える。
そうすれば少しでも、恥ずかしくなくなるのではないかと思ったのだ。
「すき…、すきっ…」
すると、ジオークの動きが、一瞬止まった。
なのに、体内に感じるジオークが大きくなった気がするのは、なぜだろう。
「うん…。 おれも…愛してる…」
「っ」
ゆったりとした抽送の動きを繰り返したジオークが、くっと腰を突き込んで上下するような動きに変わってリシェーナは息を呑む。
時折、リシェーナの中を堪能するように、グラインドするように動かされる。
「ぁ、なたっ…」
彼がいるところが、きゅうきゅうと反応し始める。
この先に何が待つかを、リシェーナは知っている。
「…あなたっ…」
リシェーナの小さな悲鳴に、ジオークは何がどうなりそうなのか、気づいたのだろう。
「うん、いいよ…。 だから、おれの名前、呼んで?」
ジオークの要求に、リシェーナは思わず腕の力を緩めてジオークの顔を見つめていた。
彼の、名前。
「ジオー…ク…? …ジオ?」
「どっちでもいいよ。 リシェが呼びたいように呼んで」
ジオークが小さく笑うと、繋がったところから振動が伝わるような気がして、リシェーナはジオークの首に手をかけたままで震えた。
「っ…ぁっ…わ、わたしっ……」
「ん…おれも…、もう、やばい」
ジオークのゆったりとした動きは、変わらない。
なのに、あの感覚が、じわじわとリシェーナに迫ってくる。
「ぁっ…アっ…」
「リシェ…中で、出して、いい…?」
「…なか…?」
リシェーナが問うと、ジオークが声をぐっと潜めた。
「リシェの、ここに、おれの…」
ひそ、と小さく囁かれて、リシェーナはかぁ、と頬を染めた。
「っ…リシェ、そんなに締められると、おれっ…」
リシェーナの顔の脇に置かれた手が、ぎゅっと拳を握り、ジオークの身体が小さく震えた。
ぐっと歯を食いしばって、一度ジオークが動きを止めたのもわかる。
「だ、だって…」
あのひとは、こんなふうに聞いてなんてくれなかった。
だから、リシェーナはあのひととの行為に関して、選択権はないものだと思っていた。
けれど、今は違う。
きっとジオークは、リシェーナがいやだと言ったら、しないのだろう。
今だって、思わず反応してしまったリシェーナの中で堪えたのは、きっとリシェーナがジオークに「いいよ」と言っていないからだ。
「リシェ…おれ、イきそ…。 中で、いい…?」
は、と熱い吐息を吐くジオークの顔から、余裕は消えていた。
切なげでありながら、どこか切羽詰まった飢餓感も見て取れる。
けれど、怖いとは思わなかった。
絶対に、このひとは、リシェーナを傷つけないし、裏切らないと知っているから。
同じだけのものを返したくて、リシェーナは微笑む。
「全部、ちょうだい」
ジオークの表情から、飢餓感が霧散した。
そして、やわらかくて、穏やかな、穏やかな微笑みを見せる。
「うん、ありがと…」
リシェーナは、ジオークのこの「ありがと」と、派手な顔立ちにやわらかくて穏やかで優しい笑みが浮かぶ瞬間が好きだ。
くっと押し込まれて、ぐるりと旋回する。
その動きが繰り返されると、お腹の奥からぐいぐいとその感覚が迫ってくる。
来る、それがわかって、リシェーナはぎゅっと目を瞑った。
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