【R18】紅の獅子は白き花を抱く

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紅の騎士は白き花を抱く

16.恥ずかしくないよ、可愛いよ。*

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「…そろそろ、い…?」
 耳元で、ほとんど吐息で囁かれたかと思うと、身体がひっくり返された。
 気づけば、天井が映り、ベッドの柔らかさを背中に感じる。
 ジオークの姿を認識するとほぼ同時に、彼の手がぐっとリシェーナの太ももを持ち上げようとするから、リシェーナは慌てた。
「ゃっ…」
 制止しようと思ったわけではないが、そんな声が漏れていた。
 ジオークの動きが止まり、彼は少し寂しそうな顔になる。

「…やっぱり、おれとは、したくない?」
「ち、が…」
 そうではない、と否定しかけて、リシェーナはまた、赤くなる。
 どう伝えれば、わかってもらえるのかわからなくて、リシェーナは混乱したまま口を開いた。
「わたし、恥ずかしい、から…」
「恥ずかしくないよ、可愛いよ」

 真顔で臆面もなく告げるジオークに、今度は別の意味で照れながら、リシェーナは頭を悩ます。
 そこの場所を表す言葉が見つからなくて、リシェーナはそろそろと自分の恥部に手を伸ばし、控えめに茂みに触れた。
「きっと…すごく…ここ、が」
 ジオークを真っ直ぐに見ることはできなくて、リシェーナは、羞恥心を隠すためにそっと顔を背ける。
 ジオークは、リシェーナのどこがどうなっているのか察してくれたらしい。
「おれのために濡れてくれるの、おれは嬉しいよ? おれが好きだから、そうなってくれるリシェが、おれは好きだよ」


 恥ずかしいことを、さらりと口にするジオークが恥ずかしい。
 けれど、リシェーナは、そんなジオークが好きなのだ。


 大好きなジオークが、そんな風に言ってくれるのなら。
 リシェーナの太腿に込められていた力と緊張が緩んだのを、ジオークも感じたのだろう。 再度、リシェーナの様子を見ながら、ジオークが力を入れた。
 抵抗を止めたリシェーナの膝は、彼の手に導かれるまま、左右に割り開かれる。

 彼を見ることはできなかった。
 顔を背けて、目をぎゅっと瞑る。
 だから、不意に襲った刺激に、過剰なまでに反応してしまったのだ。

「ぁっ…」
 脚の間、男性を受け入れるための秘裂を、そっと指先で撫で上げられれば、身体がびくりと跳ねた。
 ジオークの指先がぬるりと滑ったのがわかったし、きっとそこはあられもない状態になっているのだろう。

「…ほんと、だ…。 こんなに」
 吐息混じりのジオークの声が聞こえて、恥ずかしいような、泣きたいような、身を隠したいような気分になる。
 リシェーナは脚を閉じて、胎児のように身体を丸め、顔を手で覆ったのだが、そのリシェーナの耳元で声が揺れた。
「だめだ…。 すごく、嬉しい」

 感極まったような声、耳を撫でる熱い吐息にリシェーナが思わず手を緩めると、手首を掴まれて抱き寄せられた。 背中に、素肌の熱、お腹に回された腕を感じる。
 ジオークの足の間に座らされ、後ろから抱きすくめられているのだろう。

 心臓がドキドキとうるさい。
 けれど、背中が触れている彼の胸からも伝わってくる鼓動も、リシェーナと同じように大きくて速い。
 そのことに安心して、少しだけ気持ちが落ち着く。

 ジオークの顔が見たくて、少しだけ振り返れば、ジオークも同じようにリシェーナの顔を覗こうとしてくれていた。 間近に見つめあえば、唇が引き寄せられ触れあうのがとても自然なことのように思える。
 啄むようなキスを二三度繰り返してリシェーナの身体の力が抜け始めたころ、するりとジオークの手がリシェーナの茂みをかき分けて、再び秘裂へと滑る。
「ン」
 ふるっとリシェーナが震えて唇を引き結ぶと、ジオークは宥めるようにリシェーナのこめかみや耳にキスをする。


「こんなに我慢させて、ごめんね」


 すぐには理解できなかったのだが、ジオークはどうやらそこに触れていること自体を謝っているわけではないらしい。 むしろ、今まで触れなかったことを謝っているように聞こえる、と気づいたときには、ジオークの愛撫が始まっていた。
「ん、ふ」
 リシェーナは口元に手を当てて、懸命に声を殺す。

 ジオークは、リシェーナが気持ちいいのを知っている、花芽には触れなかった。
 ジオークの指は、リシェーナの脚の間の秘裂から染み出す多少の粘度のある液体を指に纏わせるようにしながら動かしている。
「ン…」
 それが、こんなに気持ちのいいことだなんて知らなかったし、入り口をトントンと叩かれるとそこがきゅうきゅうと反応してしまう。

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