49 / 97
紅の騎士は白き花を癒す
24.おれと、結婚してください。
しおりを挟む
リシェーナの言外の言葉を、ジオークは拾ったのだろう。
小さく、息を吐いた。
「あの当時、おれは外務部門の官僚で…外交関係を担当してて、国を離れてた。 国に戻った時には、師の葬儀は終わってて、リシェの結婚式の日だったんだよ」
リシェーナの脳裏に、以前にジオークが言っていたことが蘇った。
――よくあっちこっち外交関係で行かされててさ
――おれは別に、旅がしたくて官僚になったわけじゃないし…
ああ、とリシェーナは目を眇める。
ジオークは、そのために、官僚を辞めて、軍人に――それも、基本的には王都の守りに徹する騎士に、転向したのか。
「すっごい、ショックだったなー…。 師の死に目に間に合わなかったこと。 リシェのことはもちろんだけど、師に、最期に逢えなかったこと。 帰国したその日が、ずっと恋してた女が、ほかの男の妻になる日だったこと」
リシェーナの思いを、考えを見透かしたかのように、ジオークは真っ直ぐにリシェーナを見つめる。
「馬鹿だよねー…。 一番大切なときに、大切なひとの近くにいられなかったら、意味がないのにさ」
自嘲気味の笑みを佩いたかと思うと、ジオークは一転して真剣な表情になる。
「そしたら、リシェをあんな男の妻になんかしないで済んだのに」
リシェーナを見下ろす瞳には、どこか暗く、押し殺したような感情が見えて、リシェーナは彼から目が逸らせなくなる。 彼の右手はリシェーナの腰に回されたままで、左手はそっと、リシェーナの右頬を包んだ。
「触れさせや、しなかったのに」
押し殺しような彼の声に滲んだのは、同じく押し殺したような怒り、だろうか。
――触れさせや、しなかったのに
その言葉から、彼が意図したことは、容易く読みとれた。
「っ…!」
体中の血が、逆流するような感じがした。
あの瞬間を、思い出すような。
途端に、ぞわっと全身に鳥肌が立って、自分がとてつもなく汚らわしい生き物のように感じられて、思わずジオークの胸を渾身の力で突き放していた。
気持ちが先走って行動に出たが、言いようもない痛みが下腹部に走った。
リシェーナはお腹を押さえて身体をくの字に折り、声にならない悲鳴を上げる。
「っ…」
「! リシェ、そんなに力入れたら、痛いでしょ」
血相を変えたジオークが、リシェーナに触れようとするから、リシェーナは痛みの中で声を絞り出した。
「やめて」
その声に、はっきりとした拒絶を感じ取ったのだろう。
ジオークの手は、リシェーナに触れる直前で止まった。
それでいい、と思うのに、寂しいような感じがするのはなぜだろう。
こんなに汚いリシェーナに触れたら、ジオークまで汚れてしまう。
「恥ずかしい。 …情けない。 …ごめんなさい…」
好きでもない、男に、身を任せていた。
そのことを、リシェーナのことを愛していると言ってくれたジオークは、どのように感じているだろう。
そう思うと怖くて、リシェーナは目を伏せる。
ようやく痛みが治まってきて、リシェーナがお腹から手を外せば、くいと顔を上げさせられた。
「おれは過去は気にしないよ。 どんなに思ってもやり直しなんてきかないんだ。 今リシェがここにいてくれて、共に過ごすこれからが大切だから」
視線を上げて出逢った石榴石の瞳には、真実の光しか見えなくて、リシェーナの目はまた潤む。
ジオークは、宥めるように、願うように、リシェーナの髪を梳いてくれる。
「もう、絶対に離さない。 離れないから。 守るから…。 絶対に、傷つけたりなんて、しないから」
ジオークは左腕でリシェーナの腰を抱いたままで、リシェーナの左手をすっと取った。
何をするのか見ていると、ジオークはリシェーナの左手の薬指の付け根に、唇を押し当てる。
「おれと、結婚してください」
息が、止まっても、いいと。
リシェーナは思いながら、声を震わせる。
「い、いいの…?」
リシェーナが問えば、ジオークは不思議そうにリシェーナを見つめる。
確かに、ジオークがプロポーズしてくれた以上、可否を決めるのはリシェーナであって、いいのも何もないのかもしれない。
けれど。
「間違えてたのは、わたし。 誰かに縋らずに、生きていくべき、だった。 そうしたら、もう少し、違った再会、できたかもしれないのに」
ジオークが、悔いる必要なんてないのだ。
全ては、リシェーナの甘えが招いた結果なのだから。
「こんなわたしで、いいの…?」
ジオークが相手なら、リシェーナは幸せになれるだろう。
けれど、こんなリシェーナで、ジオークは幸せになれるのだろうか?
不意に湧いた感情に、最も恐れているのはそれなのかもしれない、とリシェーナは思う。
けれど、リシェーナの危惧に反し、ジオークはふっと綺麗な、綺麗な笑みを見せる。
「リシェが、いい」
その一言で。
その笑顔一つで。
リシェーナの心は、ジオークに攫われる。
こんなふうにプロポーズされた今、彼を拒否することも、自分の想いを偽ることも、できやしない。
リシェーナは、気づけばジオークの胸に身を寄せていた。
「リシェ…」
「わたしだって、あなたが、すき。 あなたの、お嫁さんにして、ほしい」
リシェーナが決死の覚悟で口にした言葉に、ジオークは目を見張った。
驚いているのは感じ取れたけれど、溢れだす想いを止めることができなくて、リシェーナはジオークを見上げる。
「わたし、あなたが好き。 大好き」
ジオークはわずかに頬を染めて唇を引き結ぶと、すっと目を逸らした。
困ったように瞳を揺らしていたかと思うと、天を仰いでふーっと長い溜息と共に吐き出す。
「…本当、小悪魔…」
「え?」
また、【こあくま】の話だ。 と思って、リシェーナは枕元にあったくまのぬいぐるみに手を伸ばす。
そのリシェーナの耳に、溜息交じりの声が届いた。
「結婚まで、待つつもりだったけど…駄目だ」
リシェーナに諦めたような笑顔を見せたかと思うと、ぐっとジオークの顔が近づいた。
やわらかくてあたたかくて少し湿ったものが唇に触れて、離れる。
「あ、あなた」
何をされたのかはすぐにわかって、リシェーナは赤くなる。
そうすれば、息がかかるほど近くにあるジオークの顔は、再びリシェーナに近づいて、触れた。
軽く、重なるだけのキスを繰り返す。
それなのに、リシェーナは首筋がチリチリするような感覚に襲われて、自分が自分でなくなってしまいそうに感じる。 不安になってリシェーナがジオークの腕に手を添えると、今度こそ唇が離れた。
「ん。 可愛い」
にっこりと笑うジオークに、リシェーナは顔が発火するのではないかと思ったほどだ。
そんなことを知ってか知らずか、ジオークは甘く笑んだままでリシェーナの頬を指の背で撫でる。
「おれもリシェの体、大切にするから。 早く良くなってね」
色々と含みがある気がしないでもなかったが…。
リシェーナはそれには目を瞑り耳を塞ぐことにした。
今はただ、この幸福に酔っていたかったから。
小さく、息を吐いた。
「あの当時、おれは外務部門の官僚で…外交関係を担当してて、国を離れてた。 国に戻った時には、師の葬儀は終わってて、リシェの結婚式の日だったんだよ」
リシェーナの脳裏に、以前にジオークが言っていたことが蘇った。
――よくあっちこっち外交関係で行かされててさ
――おれは別に、旅がしたくて官僚になったわけじゃないし…
ああ、とリシェーナは目を眇める。
ジオークは、そのために、官僚を辞めて、軍人に――それも、基本的には王都の守りに徹する騎士に、転向したのか。
「すっごい、ショックだったなー…。 師の死に目に間に合わなかったこと。 リシェのことはもちろんだけど、師に、最期に逢えなかったこと。 帰国したその日が、ずっと恋してた女が、ほかの男の妻になる日だったこと」
リシェーナの思いを、考えを見透かしたかのように、ジオークは真っ直ぐにリシェーナを見つめる。
「馬鹿だよねー…。 一番大切なときに、大切なひとの近くにいられなかったら、意味がないのにさ」
自嘲気味の笑みを佩いたかと思うと、ジオークは一転して真剣な表情になる。
「そしたら、リシェをあんな男の妻になんかしないで済んだのに」
リシェーナを見下ろす瞳には、どこか暗く、押し殺したような感情が見えて、リシェーナは彼から目が逸らせなくなる。 彼の右手はリシェーナの腰に回されたままで、左手はそっと、リシェーナの右頬を包んだ。
「触れさせや、しなかったのに」
押し殺しような彼の声に滲んだのは、同じく押し殺したような怒り、だろうか。
――触れさせや、しなかったのに
その言葉から、彼が意図したことは、容易く読みとれた。
「っ…!」
体中の血が、逆流するような感じがした。
あの瞬間を、思い出すような。
途端に、ぞわっと全身に鳥肌が立って、自分がとてつもなく汚らわしい生き物のように感じられて、思わずジオークの胸を渾身の力で突き放していた。
気持ちが先走って行動に出たが、言いようもない痛みが下腹部に走った。
リシェーナはお腹を押さえて身体をくの字に折り、声にならない悲鳴を上げる。
「っ…」
「! リシェ、そんなに力入れたら、痛いでしょ」
血相を変えたジオークが、リシェーナに触れようとするから、リシェーナは痛みの中で声を絞り出した。
「やめて」
その声に、はっきりとした拒絶を感じ取ったのだろう。
ジオークの手は、リシェーナに触れる直前で止まった。
それでいい、と思うのに、寂しいような感じがするのはなぜだろう。
こんなに汚いリシェーナに触れたら、ジオークまで汚れてしまう。
「恥ずかしい。 …情けない。 …ごめんなさい…」
好きでもない、男に、身を任せていた。
そのことを、リシェーナのことを愛していると言ってくれたジオークは、どのように感じているだろう。
そう思うと怖くて、リシェーナは目を伏せる。
ようやく痛みが治まってきて、リシェーナがお腹から手を外せば、くいと顔を上げさせられた。
「おれは過去は気にしないよ。 どんなに思ってもやり直しなんてきかないんだ。 今リシェがここにいてくれて、共に過ごすこれからが大切だから」
視線を上げて出逢った石榴石の瞳には、真実の光しか見えなくて、リシェーナの目はまた潤む。
ジオークは、宥めるように、願うように、リシェーナの髪を梳いてくれる。
「もう、絶対に離さない。 離れないから。 守るから…。 絶対に、傷つけたりなんて、しないから」
ジオークは左腕でリシェーナの腰を抱いたままで、リシェーナの左手をすっと取った。
何をするのか見ていると、ジオークはリシェーナの左手の薬指の付け根に、唇を押し当てる。
「おれと、結婚してください」
息が、止まっても、いいと。
リシェーナは思いながら、声を震わせる。
「い、いいの…?」
リシェーナが問えば、ジオークは不思議そうにリシェーナを見つめる。
確かに、ジオークがプロポーズしてくれた以上、可否を決めるのはリシェーナであって、いいのも何もないのかもしれない。
けれど。
「間違えてたのは、わたし。 誰かに縋らずに、生きていくべき、だった。 そうしたら、もう少し、違った再会、できたかもしれないのに」
ジオークが、悔いる必要なんてないのだ。
全ては、リシェーナの甘えが招いた結果なのだから。
「こんなわたしで、いいの…?」
ジオークが相手なら、リシェーナは幸せになれるだろう。
けれど、こんなリシェーナで、ジオークは幸せになれるのだろうか?
不意に湧いた感情に、最も恐れているのはそれなのかもしれない、とリシェーナは思う。
けれど、リシェーナの危惧に反し、ジオークはふっと綺麗な、綺麗な笑みを見せる。
「リシェが、いい」
その一言で。
その笑顔一つで。
リシェーナの心は、ジオークに攫われる。
こんなふうにプロポーズされた今、彼を拒否することも、自分の想いを偽ることも、できやしない。
リシェーナは、気づけばジオークの胸に身を寄せていた。
「リシェ…」
「わたしだって、あなたが、すき。 あなたの、お嫁さんにして、ほしい」
リシェーナが決死の覚悟で口にした言葉に、ジオークは目を見張った。
驚いているのは感じ取れたけれど、溢れだす想いを止めることができなくて、リシェーナはジオークを見上げる。
「わたし、あなたが好き。 大好き」
ジオークはわずかに頬を染めて唇を引き結ぶと、すっと目を逸らした。
困ったように瞳を揺らしていたかと思うと、天を仰いでふーっと長い溜息と共に吐き出す。
「…本当、小悪魔…」
「え?」
また、【こあくま】の話だ。 と思って、リシェーナは枕元にあったくまのぬいぐるみに手を伸ばす。
そのリシェーナの耳に、溜息交じりの声が届いた。
「結婚まで、待つつもりだったけど…駄目だ」
リシェーナに諦めたような笑顔を見せたかと思うと、ぐっとジオークの顔が近づいた。
やわらかくてあたたかくて少し湿ったものが唇に触れて、離れる。
「あ、あなた」
何をされたのかはすぐにわかって、リシェーナは赤くなる。
そうすれば、息がかかるほど近くにあるジオークの顔は、再びリシェーナに近づいて、触れた。
軽く、重なるだけのキスを繰り返す。
それなのに、リシェーナは首筋がチリチリするような感覚に襲われて、自分が自分でなくなってしまいそうに感じる。 不安になってリシェーナがジオークの腕に手を添えると、今度こそ唇が離れた。
「ん。 可愛い」
にっこりと笑うジオークに、リシェーナは顔が発火するのではないかと思ったほどだ。
そんなことを知ってか知らずか、ジオークは甘く笑んだままでリシェーナの頬を指の背で撫でる。
「おれもリシェの体、大切にするから。 早く良くなってね」
色々と含みがある気がしないでもなかったが…。
リシェーナはそれには目を瞑り耳を塞ぐことにした。
今はただ、この幸福に酔っていたかったから。
10
お気に入りに追加
418
あなたにおすすめの小説

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました
Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。
そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。
お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。
挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに…
意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。
よろしくお願いしますm(__)m

【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
21時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる