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紅の騎士は白き花を愛でる
5.…あれは、見かけに反して頭がいい。
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ちら、と赤髪のサボり魔が時計を気にしたのを、アガットは横目に見る。
「ねぇ、おれもう帰っていいー?」
のんびりとした口調でジオーク・ブラッドベルが言うので、アガットはうんざりする。
「ブラッドベル殿、今日もですか」
それとなく、今日もを強調したのだが、このジオーク・ブラッドベルはメンタルが強い。
大抵の人間に言われる大抵のことは、聞き流す。
聞き流すというよりは、心に響かない。
気に留める必要がないと思っている風なのだ。
「暇なんだしやることないし、ひとがいたって人員過剰でしょ?」
「ですが、決裁が…」
自分の立場わかってるのか、このヤロウ、とは言わないが、思っていることは伝わっているだろう。
だが、王都騎士団の副団長である自覚は、残念ながらこの男には、ない。
「緊急性はないでしょ? 残業嫌だし、おれ帰る」
言い終わらないうちに、ジオーク・ブラッドベルはさっさと腰を浮かせた。
「じゃね。 よろしく」
言いたいことだけ言うと、ジオーク・ブラッドベルの姿は扉の向こうへと消えていってしまう。
パタン…と空しく閉まる扉を見届けると、アガットは勢いをつけてベンゼを振り返った。
「止めてくださいよ! ベンゼ殿!!」
同じく王都騎士団副団長であるベンゼが止められなければ、今この室内にジオーク・ブラッドベルを止められる者はいない。
掴みかかりそうな勢いのアガットにも、ベンゼは書類から顔を上げようとしない。
というか、ジオークの「帰っていいー?」の件から、このベンゼ、一度も顔を上げていない。 黙々と書類の決裁を進めている。
ベンゼが決裁処理を進めれば進めるだけ、ジオーク・ブラッドベルのところで書類が止まるのをわかっているのだろうかこのひとは。
いきり立つアガットとは正反対で、ベンゼはどっしり構えて落ち着き払っていた。
「言って止まるような男なら、言っている。」
さすがに、『岩壁のベンゼ』との異名を取るだけある。
そうは言いつつも、やはりベンゼにも気がかりはあるらしい。
落ち着いた様子で、憂いのため息を吐く。
「にしても…やる気がないのは前からだが、ここのところ頓にひどいな」
顔を書類から上げないものの、ベンゼの視線は一瞬だけ、ジオークのデスクに走ったように見えた。
ジオーク・ブラッドベルは以前からだが、【偵察】や【視察】と言ってふらっと姿を消すことが多かった。
そこに最近は、定時退勤が加わった。
「いないからといって困りはしないが、あのやる気のなさが周りに伝播すると困る」
低く言うベンゼに、アガットもジオークのデスクを見て、心底からの呟きを落とす。
「自分、あの人が自分より階級上って納得できないんですけど…」
「それは皆が思っていることだ」
淡々としたベンゼの応答は、限りなく低い。
だが、納得できないが、納得せざるを得ない。
王都騎士団の団長は国王陛下からの指名だが、副団長以下の役職は王都騎士団長の指名。 その役職・階級は、毎年春に行われる剣術大会の結果に大きく左右されている。
確かに、目に見える形で勝ち負けが見える剣術大会の結果はわかりやすくもあるのだが、ジオーク・ブラッドベルはその剣術大会の前回王者だ。
ジオーク・ブラッドベルが決勝戦でこのベンゼを倒しているのも、ベンゼがあまりジオーク・ブラッドベルに関わりたがらない一因ではないかと、アガットは思っている。
ベンゼが深く重く、息を吐いた。
「団長に、降格を進言してみるか…」
「無理ですよ。 あのひとなんでか陛下と仲いいじゃないですか」
平民出のジオーク・ブラッドベルだが、恐れ多いことに陛下と親しげなのだ。
本来、雲の上の御方である国王陛下が、ひょっこりと騎士団詰所までやって来るのは今でも慣れないし、心臓に悪いとしか言いようがない。
「私がどうかしたか?」
「っ陛下!?」
かけられた声、扉から現れた姿に、室内にいた者たちは即座に立ち上がり、敬礼をする。
もちろんアガットもだ。 このようにふらっと現われるのだから、本当に心臓に悪い。
国王陛下について静かに佇んでいるのは、近衛のフレイディア・ハルヴェールだったろうか。 最近、国王陛下から妃――白百合の女王とまで呼ばれた社交界の永遠の華を下賜された男。
羨ましいものである。
アルヴァート国王陛下は朗らかに笑った。
「ああ、いい。 畏まる必要なんてない。 …ブラッドベルはいるかな?」
一周室内を見回した国王陛下は、ジオークの姿が見えなかったために聞いたのだろう。
なんてタイムリーな…と皆が思いつつ、その行方について応えずにいると、勘のいい国王陛下は早々に察したらしい。
「帰ったのか。 早いな」
言いつつも、そのことを不快に思っているわけでもなく…言うなれば、「今日は雨か」程度の感じだ。
そして、国王陛下は愉しげに笑う。
「先程、ブラッドベルの降格、という話をしていたが、止めておいた方がいい。 騎士団にも頭脳はいたほうがいいだろう? あれは束縛を嫌うから、ある程度の自由を与えておかないと、逃げられてしまう。 そうしたら、国益には大打撃だ」
国王陛下が先の話を聞いていたのにも驚きだが――タイミングを見計らって入室してきたらしい――、「国益に大打撃」の意味がわからずに、皆が頭の上に疑問符を並べる。
「…あれは、見かけに反して頭がいい」
のんびりと、国王陛下はジオークのことを語る。
確かに、あの赤髪サボり魔チャラ男は、馬鹿っぽそうに見えるのだが、見かけに反して頭がいい。
「それは知っています。 最難関の国試をパスしてるんだから、頭はいいでしょう」
あの見かけで官僚出身なんて、笑うしかない。 笑いの種類は、失笑だ。
当時、赤髪の目立つ青年が国試を受けるということで、割と揶揄の対象となっていたと記憶している。
別に、外見で仕事をするわけではないので関係ないと言えば関係ないのだが、ジオーク・ブラッドベルは幸か不幸か派手すぎた。
祝典の席にジオークの姿があって、驚いた人間は数知れず。
更には、祝典にて陛下から訓辞を受けるという幸運を賜った奴が、その年の主席だということに世を儚んだ若者が何人いたことだろう。
ダークホース中のダークホースということで、当時は話題を独り占めしていた覚えがある。
奴はいったいどこの誰で、いったいどこに隠れていたのか、と。
「歴代最高点」
つらつらと考えていたアガットの耳に、国王陛下の零した呟きが届いた。
「…はい?」
その意味がわからぬままに、アガットが問い返すと、表情を変えぬままの国王陛下がさらりと言う。
「国試の歴代最高点、あいつが叩きだした」
「…冗談、でしょう…?」
というか、冗談であってほしい。
だって、剣術大会で優勝できるほどの腕がある上に、国試で歴代最高得点をたたき出せるなんて、そんな化物みたいな人間、いてたまるか。
恵まれすぎている。
「冗談を言って私に何の得がある?」
国王陛下は笑った。
官僚の登用試験――国試は、いくつもの分野に分かれている。
数日をかけての筆記試験のほかに、国王陛下並びに宰相を前にして行われる口述試験まであるのだ。
だからこそ、満点を出すのは不可能と言われている。
その国試の、歴代最高点を出したのが、あの赤髪サボり魔のチャラ男だと?
…納得がいかない。
皆の心がその事実を聞かなかったものとして処理しようとする中、国王陛下は静かに落とす。
「多少難有りでも、騎士として私たちの目の届くところにいてくれるなら、安いものだ」
国王陛下の言葉に、なぜかアガットの頭には【飼い殺し】という言葉が浮かんだ。
どこかで何か事を起こされるよりはマシだ、とでも言うような。
意外な思いでアガットは国王陛下を見る。
国王陛下とジオーク・ブラッドベルはただ親しいだけかと思っていたが、実はそうでなかったのかもしれない。 そう、アガットが考えを改めようとしていたときに、国王陛下はベンゼに向き直って言った。
「明日あいつが出勤したら伝えてもらえるか? たまには顔を見せろ、と」
かと思うと、もう用はないとばかりに去っていく。
フレイディア・ハルヴェールも、その後について出て行った。
国王の気配が遠ざかるのを確認してから、アガットは小さく呟く。
「…あのサボり魔に、サボりのお誘いですか…?」
あの、赤髪サボり魔のチャラ男が増長するのは、少なからず国王陛下のせいでもあるとアガットは確信する。
類は、友を呼ぶとは、本当らしい。
「ねぇ、おれもう帰っていいー?」
のんびりとした口調でジオーク・ブラッドベルが言うので、アガットはうんざりする。
「ブラッドベル殿、今日もですか」
それとなく、今日もを強調したのだが、このジオーク・ブラッドベルはメンタルが強い。
大抵の人間に言われる大抵のことは、聞き流す。
聞き流すというよりは、心に響かない。
気に留める必要がないと思っている風なのだ。
「暇なんだしやることないし、ひとがいたって人員過剰でしょ?」
「ですが、決裁が…」
自分の立場わかってるのか、このヤロウ、とは言わないが、思っていることは伝わっているだろう。
だが、王都騎士団の副団長である自覚は、残念ながらこの男には、ない。
「緊急性はないでしょ? 残業嫌だし、おれ帰る」
言い終わらないうちに、ジオーク・ブラッドベルはさっさと腰を浮かせた。
「じゃね。 よろしく」
言いたいことだけ言うと、ジオーク・ブラッドベルの姿は扉の向こうへと消えていってしまう。
パタン…と空しく閉まる扉を見届けると、アガットは勢いをつけてベンゼを振り返った。
「止めてくださいよ! ベンゼ殿!!」
同じく王都騎士団副団長であるベンゼが止められなければ、今この室内にジオーク・ブラッドベルを止められる者はいない。
掴みかかりそうな勢いのアガットにも、ベンゼは書類から顔を上げようとしない。
というか、ジオークの「帰っていいー?」の件から、このベンゼ、一度も顔を上げていない。 黙々と書類の決裁を進めている。
ベンゼが決裁処理を進めれば進めるだけ、ジオーク・ブラッドベルのところで書類が止まるのをわかっているのだろうかこのひとは。
いきり立つアガットとは正反対で、ベンゼはどっしり構えて落ち着き払っていた。
「言って止まるような男なら、言っている。」
さすがに、『岩壁のベンゼ』との異名を取るだけある。
そうは言いつつも、やはりベンゼにも気がかりはあるらしい。
落ち着いた様子で、憂いのため息を吐く。
「にしても…やる気がないのは前からだが、ここのところ頓にひどいな」
顔を書類から上げないものの、ベンゼの視線は一瞬だけ、ジオークのデスクに走ったように見えた。
ジオーク・ブラッドベルは以前からだが、【偵察】や【視察】と言ってふらっと姿を消すことが多かった。
そこに最近は、定時退勤が加わった。
「いないからといって困りはしないが、あのやる気のなさが周りに伝播すると困る」
低く言うベンゼに、アガットもジオークのデスクを見て、心底からの呟きを落とす。
「自分、あの人が自分より階級上って納得できないんですけど…」
「それは皆が思っていることだ」
淡々としたベンゼの応答は、限りなく低い。
だが、納得できないが、納得せざるを得ない。
王都騎士団の団長は国王陛下からの指名だが、副団長以下の役職は王都騎士団長の指名。 その役職・階級は、毎年春に行われる剣術大会の結果に大きく左右されている。
確かに、目に見える形で勝ち負けが見える剣術大会の結果はわかりやすくもあるのだが、ジオーク・ブラッドベルはその剣術大会の前回王者だ。
ジオーク・ブラッドベルが決勝戦でこのベンゼを倒しているのも、ベンゼがあまりジオーク・ブラッドベルに関わりたがらない一因ではないかと、アガットは思っている。
ベンゼが深く重く、息を吐いた。
「団長に、降格を進言してみるか…」
「無理ですよ。 あのひとなんでか陛下と仲いいじゃないですか」
平民出のジオーク・ブラッドベルだが、恐れ多いことに陛下と親しげなのだ。
本来、雲の上の御方である国王陛下が、ひょっこりと騎士団詰所までやって来るのは今でも慣れないし、心臓に悪いとしか言いようがない。
「私がどうかしたか?」
「っ陛下!?」
かけられた声、扉から現れた姿に、室内にいた者たちは即座に立ち上がり、敬礼をする。
もちろんアガットもだ。 このようにふらっと現われるのだから、本当に心臓に悪い。
国王陛下について静かに佇んでいるのは、近衛のフレイディア・ハルヴェールだったろうか。 最近、国王陛下から妃――白百合の女王とまで呼ばれた社交界の永遠の華を下賜された男。
羨ましいものである。
アルヴァート国王陛下は朗らかに笑った。
「ああ、いい。 畏まる必要なんてない。 …ブラッドベルはいるかな?」
一周室内を見回した国王陛下は、ジオークの姿が見えなかったために聞いたのだろう。
なんてタイムリーな…と皆が思いつつ、その行方について応えずにいると、勘のいい国王陛下は早々に察したらしい。
「帰ったのか。 早いな」
言いつつも、そのことを不快に思っているわけでもなく…言うなれば、「今日は雨か」程度の感じだ。
そして、国王陛下は愉しげに笑う。
「先程、ブラッドベルの降格、という話をしていたが、止めておいた方がいい。 騎士団にも頭脳はいたほうがいいだろう? あれは束縛を嫌うから、ある程度の自由を与えておかないと、逃げられてしまう。 そうしたら、国益には大打撃だ」
国王陛下が先の話を聞いていたのにも驚きだが――タイミングを見計らって入室してきたらしい――、「国益に大打撃」の意味がわからずに、皆が頭の上に疑問符を並べる。
「…あれは、見かけに反して頭がいい」
のんびりと、国王陛下はジオークのことを語る。
確かに、あの赤髪サボり魔チャラ男は、馬鹿っぽそうに見えるのだが、見かけに反して頭がいい。
「それは知っています。 最難関の国試をパスしてるんだから、頭はいいでしょう」
あの見かけで官僚出身なんて、笑うしかない。 笑いの種類は、失笑だ。
当時、赤髪の目立つ青年が国試を受けるということで、割と揶揄の対象となっていたと記憶している。
別に、外見で仕事をするわけではないので関係ないと言えば関係ないのだが、ジオーク・ブラッドベルは幸か不幸か派手すぎた。
祝典の席にジオークの姿があって、驚いた人間は数知れず。
更には、祝典にて陛下から訓辞を受けるという幸運を賜った奴が、その年の主席だということに世を儚んだ若者が何人いたことだろう。
ダークホース中のダークホースということで、当時は話題を独り占めしていた覚えがある。
奴はいったいどこの誰で、いったいどこに隠れていたのか、と。
「歴代最高点」
つらつらと考えていたアガットの耳に、国王陛下の零した呟きが届いた。
「…はい?」
その意味がわからぬままに、アガットが問い返すと、表情を変えぬままの国王陛下がさらりと言う。
「国試の歴代最高点、あいつが叩きだした」
「…冗談、でしょう…?」
というか、冗談であってほしい。
だって、剣術大会で優勝できるほどの腕がある上に、国試で歴代最高得点をたたき出せるなんて、そんな化物みたいな人間、いてたまるか。
恵まれすぎている。
「冗談を言って私に何の得がある?」
国王陛下は笑った。
官僚の登用試験――国試は、いくつもの分野に分かれている。
数日をかけての筆記試験のほかに、国王陛下並びに宰相を前にして行われる口述試験まであるのだ。
だからこそ、満点を出すのは不可能と言われている。
その国試の、歴代最高点を出したのが、あの赤髪サボり魔のチャラ男だと?
…納得がいかない。
皆の心がその事実を聞かなかったものとして処理しようとする中、国王陛下は静かに落とす。
「多少難有りでも、騎士として私たちの目の届くところにいてくれるなら、安いものだ」
国王陛下の言葉に、なぜかアガットの頭には【飼い殺し】という言葉が浮かんだ。
どこかで何か事を起こされるよりはマシだ、とでも言うような。
意外な思いでアガットは国王陛下を見る。
国王陛下とジオーク・ブラッドベルはただ親しいだけかと思っていたが、実はそうでなかったのかもしれない。 そう、アガットが考えを改めようとしていたときに、国王陛下はベンゼに向き直って言った。
「明日あいつが出勤したら伝えてもらえるか? たまには顔を見せろ、と」
かと思うと、もう用はないとばかりに去っていく。
フレイディア・ハルヴェールも、その後について出て行った。
国王の気配が遠ざかるのを確認してから、アガットは小さく呟く。
「…あのサボり魔に、サボりのお誘いですか…?」
あの、赤髪サボり魔のチャラ男が増長するのは、少なからず国王陛下のせいでもあるとアガットは確信する。
類は、友を呼ぶとは、本当らしい。
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