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第二章.婚約編
7.この前は、しなかったこと*
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ああ、もうこれ、脱がせる気満々だ。
観念したリーファは、ひとつだけ、条件を付けることにした。
「ねぇ、ヴェル。 脱がせてもいいけど、お願い。 …見ないで」
リーファを見上げるようにして、ぱちぱちと瞬きしたヴェルドライトは、にこりと笑う。
「大丈夫。 リーファも僕の全部、見ていいから」
何が大丈夫なのかわからないし、見ていいから見せてくれ、というのは、滅茶苦茶な理論ではないだろうか。
リーファが思考に気を取られた一瞬、下着を押さえていた手の力も抜けたのだろう。
するり、とヴェルドライトの手によって、下着が下げられてしまう。
股布が張り付くような不快感から解放されて、ほっとしたのも束の間。
ヴェルドライトが熱っぽい息を吐き出した。
「ああ、もう、リーファ、こんなにとろとろにして…」
「え…?」
ヴェルドライトの熱い視線は、彼が下げたリーファの下着に注がれている。
何が、と彼の視線を追って、リーファは後悔した。
引き下げられた下着の、股布の部分に、しみ…だけならまだよかったのだが、小さな水たまりができていて、どこかと透明な糸で繋がっている。
考えなければよかったのに、あの、透明な糸の起点はどこかと考えてしまった。
そして、それが、自分の脚の間だと、気づいてしまい、一瞬で体温が上がる。
隠すなら、下着を引き上げればよかったのに、あまりにも恥ずかしい光景に、ほとんど反射的で、リーファは顔を両手で覆っていた。
「や、やだ」
本当に、このときどうして悠長に顔など手で覆っていたのだろう。
突然の、浮遊感と、平衡感覚が失われる感じ。
恥ずかしすぎて、失神でもしそうになっているのだろうか。
だが、背中にやわらかい感覚。
まるで、ふわふわのソファや、ベッドに倒れ込んだときのような…。
ベッドに、倒れ込んだときのような?
パッと顔から手を外して目を開けば、映ったのは、天井。
一体、何が起きたのか、と視線を彷徨わせ、またもやリーファは後悔した。
リーファはなぜか、肩幅に脚を開いて膝立ちをした体勢のまま、ベッドに倒れこんでいたのだ。
ヴェルドライトに向かって脚を拡げた状態で、しかも、リーファの脚の間から見えるヴェルドライトは、リーファの脚の中央を、熱のこもった目で凝視している。
こんなの、耐えられない!
いつの間にか下着は取り去られてしまっているので、リーファはせめてもの抵抗で、脚を閉じようと試みる、が。
「閉じないで」
ヴェルドライトの静かな懇願に、リーファの膝に置かれた彼の手に、脚を閉じることができない。
ヴェルドライトが少し姿勢を下げるから、リーファは思わず身構える。
「ヴェル、なに」
「この前は、しなかったことをしようと思って」
微笑んだヴェルドライトが、信じられない場所に、顔を埋めた。
「え、…ぁア!」
小さな悲鳴のような声が、喉の奥から零れた。
あまりの刺激に、リーファは背を弓なりに反らせ、腰をくねらせてしまう。
さらさらとした、彼の髪が、下腹部をくすぐって、お腹の当たりがざわざわする。
熱く、濡れた、やわらかいものが、リーファの最も秘めたる部分――最奥へと繋がる入口を、愛撫している。
ぴちゃ、くちゅ、と小さな水音が耳に届くのが、恥ずかしい。
伝わる刺激に跳ねる身体を止められなくて、全身が汗ばんできて、更に恥ずかしくなる。
悪循環だ。
「…だめ、だめ、ヴェル。 …そ、んなこと、しないで」
声を殺すようにして、ヴェルドライトに訴えれば、ヴェルドライトはそっと顔を上げる。
「どうして? …気持ち、よく、ない?」
顔を上げてはくれたが、ヴェルドライトの視線は、リーファの脚の間に注がれたままだ。
そして、彼の指先は、ゆっくりとリーファの奥へと続く入口を撫でている。
「ぅ、ん、」
「教えて?」
「ァ」
びくり、とリーファはまた小さく震える。
やさしく、リーファの奥へと続く入口を撫でていた彼の指先が、沈んだからだ。
螺子を回すように、旋回するように、リーファの内側を撫でながら、奥へ進む指。
本音を隠すことなどできなかった。
「ぁ、きもち、いっ…、から、だめぇ…」
「気持ちいいなら、だめじゃないよ…」
ヴェルドライトは嬉しそうに、目を細めて微笑み、奥まで進んだ指を揺らし始める。
「ん…」
指が揺らされると、くぷ、くぷ、と音が立つのが、恥ずかしい。
ヴェルドライトに、全部見られているのも、恥ずかしい。
そう思っていたのだが、彼は再び、リーファの脚の間に顔を埋める。
「アっ…!」
リーファは目を見開いて、仰け反った。
先程まで、ヴェルドライトが唇で触れ、舌先でくすぐっていたのとは、別のところにキスをされた気がする。
今、彼の指が刺激しているところよりも、少しだけ上にある、何か。
そこに、何をされているかは、わからない。
いや、もしかすると、ビリビリとした刺激が強烈で、何も、考えられなくなっているだけかもしれない。
それほどに、強烈な、刺激。
否、快感。
一緒に、指を揺らされると、腰が浮くようで、リーファはこらえきれずに首を横に振った。
「ァ、ヴェル、だめ、それ、だめ」
すると、ピタリとヴェルドライトの動きが止まる。
「…リーファは、気持ちいいの、きらい?」
顔を上げたヴェルドライトが、上目遣いに尋ねてくる。
本音を言えば、脚の間から見るなんて、しないでほしい、けれど。
そのときのリーファは、混乱して、それどころではなかった。
刺激が強すぎて、リーファの中の何かが壊れてしまいそうで、だめだと思ったはずなのに、いざ止められると、その刺激が恋しくなる。
きっと、気持ちよすぎて、頭のどこか――言語機能を司るところが、壊れてしまったのだと思う。
信じられないようなことを、そのときのリーファは口走っていたのだ。
「…すき」
観念したリーファは、ひとつだけ、条件を付けることにした。
「ねぇ、ヴェル。 脱がせてもいいけど、お願い。 …見ないで」
リーファを見上げるようにして、ぱちぱちと瞬きしたヴェルドライトは、にこりと笑う。
「大丈夫。 リーファも僕の全部、見ていいから」
何が大丈夫なのかわからないし、見ていいから見せてくれ、というのは、滅茶苦茶な理論ではないだろうか。
リーファが思考に気を取られた一瞬、下着を押さえていた手の力も抜けたのだろう。
するり、とヴェルドライトの手によって、下着が下げられてしまう。
股布が張り付くような不快感から解放されて、ほっとしたのも束の間。
ヴェルドライトが熱っぽい息を吐き出した。
「ああ、もう、リーファ、こんなにとろとろにして…」
「え…?」
ヴェルドライトの熱い視線は、彼が下げたリーファの下着に注がれている。
何が、と彼の視線を追って、リーファは後悔した。
引き下げられた下着の、股布の部分に、しみ…だけならまだよかったのだが、小さな水たまりができていて、どこかと透明な糸で繋がっている。
考えなければよかったのに、あの、透明な糸の起点はどこかと考えてしまった。
そして、それが、自分の脚の間だと、気づいてしまい、一瞬で体温が上がる。
隠すなら、下着を引き上げればよかったのに、あまりにも恥ずかしい光景に、ほとんど反射的で、リーファは顔を両手で覆っていた。
「や、やだ」
本当に、このときどうして悠長に顔など手で覆っていたのだろう。
突然の、浮遊感と、平衡感覚が失われる感じ。
恥ずかしすぎて、失神でもしそうになっているのだろうか。
だが、背中にやわらかい感覚。
まるで、ふわふわのソファや、ベッドに倒れ込んだときのような…。
ベッドに、倒れ込んだときのような?
パッと顔から手を外して目を開けば、映ったのは、天井。
一体、何が起きたのか、と視線を彷徨わせ、またもやリーファは後悔した。
リーファはなぜか、肩幅に脚を開いて膝立ちをした体勢のまま、ベッドに倒れこんでいたのだ。
ヴェルドライトに向かって脚を拡げた状態で、しかも、リーファの脚の間から見えるヴェルドライトは、リーファの脚の中央を、熱のこもった目で凝視している。
こんなの、耐えられない!
いつの間にか下着は取り去られてしまっているので、リーファはせめてもの抵抗で、脚を閉じようと試みる、が。
「閉じないで」
ヴェルドライトの静かな懇願に、リーファの膝に置かれた彼の手に、脚を閉じることができない。
ヴェルドライトが少し姿勢を下げるから、リーファは思わず身構える。
「ヴェル、なに」
「この前は、しなかったことをしようと思って」
微笑んだヴェルドライトが、信じられない場所に、顔を埋めた。
「え、…ぁア!」
小さな悲鳴のような声が、喉の奥から零れた。
あまりの刺激に、リーファは背を弓なりに反らせ、腰をくねらせてしまう。
さらさらとした、彼の髪が、下腹部をくすぐって、お腹の当たりがざわざわする。
熱く、濡れた、やわらかいものが、リーファの最も秘めたる部分――最奥へと繋がる入口を、愛撫している。
ぴちゃ、くちゅ、と小さな水音が耳に届くのが、恥ずかしい。
伝わる刺激に跳ねる身体を止められなくて、全身が汗ばんできて、更に恥ずかしくなる。
悪循環だ。
「…だめ、だめ、ヴェル。 …そ、んなこと、しないで」
声を殺すようにして、ヴェルドライトに訴えれば、ヴェルドライトはそっと顔を上げる。
「どうして? …気持ち、よく、ない?」
顔を上げてはくれたが、ヴェルドライトの視線は、リーファの脚の間に注がれたままだ。
そして、彼の指先は、ゆっくりとリーファの奥へと続く入口を撫でている。
「ぅ、ん、」
「教えて?」
「ァ」
びくり、とリーファはまた小さく震える。
やさしく、リーファの奥へと続く入口を撫でていた彼の指先が、沈んだからだ。
螺子を回すように、旋回するように、リーファの内側を撫でながら、奥へ進む指。
本音を隠すことなどできなかった。
「ぁ、きもち、いっ…、から、だめぇ…」
「気持ちいいなら、だめじゃないよ…」
ヴェルドライトは嬉しそうに、目を細めて微笑み、奥まで進んだ指を揺らし始める。
「ん…」
指が揺らされると、くぷ、くぷ、と音が立つのが、恥ずかしい。
ヴェルドライトに、全部見られているのも、恥ずかしい。
そう思っていたのだが、彼は再び、リーファの脚の間に顔を埋める。
「アっ…!」
リーファは目を見開いて、仰け反った。
先程まで、ヴェルドライトが唇で触れ、舌先でくすぐっていたのとは、別のところにキスをされた気がする。
今、彼の指が刺激しているところよりも、少しだけ上にある、何か。
そこに、何をされているかは、わからない。
いや、もしかすると、ビリビリとした刺激が強烈で、何も、考えられなくなっているだけかもしれない。
それほどに、強烈な、刺激。
否、快感。
一緒に、指を揺らされると、腰が浮くようで、リーファはこらえきれずに首を横に振った。
「ァ、ヴェル、だめ、それ、だめ」
すると、ピタリとヴェルドライトの動きが止まる。
「…リーファは、気持ちいいの、きらい?」
顔を上げたヴェルドライトが、上目遣いに尋ねてくる。
本音を言えば、脚の間から見るなんて、しないでほしい、けれど。
そのときのリーファは、混乱して、それどころではなかった。
刺激が強すぎて、リーファの中の何かが壊れてしまいそうで、だめだと思ったはずなのに、いざ止められると、その刺激が恋しくなる。
きっと、気持ちよすぎて、頭のどこか――言語機能を司るところが、壊れてしまったのだと思う。
信じられないようなことを、そのときのリーファは口走っていたのだ。
「…すき」
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