ディルムッド悲恋譚

環名

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-one side-①

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 静かな、夜だった。
 静かな夜が、明けた、と思った。


 だが、目覚めた朝は騒然としていた。


 行き交う人々の慌しい様子。
 漏れ聞こえてくる囁き。
 それらから、アシーンは大方のことを把握しながら、父――フィン・マックールの元へ向かった。

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