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石に花咲く
―and then①―
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高熱から回復した後の日々は、それより前の日々と、明らかに違うものだった。
普段から、屋敷にいることの少ない叔父だったが、その叔父の姿が見当たらない。
どうやら叔父は、ラディスラウスが発熱した日から行方不明になっているらしい。
現公爵はお祖父様だし、公爵家の業務のほとんどをお祖父様が担っているのが、現在の状況だから、叔父がいなくなったところで、特に問題はない。
だが、お祖父様の妻であるお祖母様は既に亡くなっているために、本来公爵夫人がするべきことを、母に手伝ってほしい。
そのために、国王陛下に離縁の申し立てをしているということだった。
もちろん、叔父のことは探すし、失踪人届も出したが、七年経てば死亡宣告がなされる。
そのとき十二歳だったラディスラウスに、母と祖父はかみ砕きながらそんな話をしてくれた。
母も祖父も、ラディスラウスに、具体的にどうして欲しい、ということは口にしなかった。
けれど、このまま叔父が見つからずに、叔父の死亡宣告がなされた場合、公爵家の次期公爵は親類縁者の中から祖父によって指名されるのだろうな、と思った。
その候補者の中のひとりに、恐らく自分も含まれる。
目に見える、ラディスラウスが感じ取れる変化は、その程度。
決定的な違いが、あるはずなのに。
何かが足りない。
それだけは、わかるのに。
何が足りないのか、まるでわからないのだ。
月日は流れ、ラディスラウスは十六歳になった。
ラディスラウスは、十四のときに、王宮に戻ることとなった。
呼び戻された、というのが正確か。
異母兄である、第一王子が王太子と決まったが、次期国王についてのごたごたについてはまだ収まっていなかったらしい。
異母兄は、ラディスラウスを味方にしたかったのだと思う。
事実、ラディスラウスは、異母兄が王太子になることに異論はなかったし、むしろ異母兄以上に適役がいるとも思えない。
異母兄の側についたことは、ラディスラウスにとっては自然な流れだったし、祖父も母もそれに関して口を挟まなかった。
恐らく、ラディスラウスの判断は、間違いではなかったのだろう。
母とは離れ王宮で暮らし、学び、鍛え、母や祖父と会うのは社交シーズンくらいだ。
祖父…、ヴァルハール公爵はまだ、後継を決めてはいない。
だが何となく、ラディスラウスは、自分に声がかかるような気がしている。
だから、見聞を広げるため、領地にいたのでは学べないようなことを学ぶために、異母兄の元へ――…、王都へと、戻ってきたのだ。
「ラディスおにーさま、ごほんよんで!」
「ごほん!」
昼食を終えて、中庭を移動していたラディスラウスは、幼い声に足を止めた。
見れば、一番下の異母妹たちが、窓から手を振っている。
目敏いものだ、と思いながら、ラディスラウスは異母妹たちに近づいた。
部屋の中では、傍付きの侍女が恐縮して頭を下げている。
まだ、始業を報せる鐘も鳴っていないし、たまにはいいだろうと、ラディスラウスは異母妹たちに問いかけた。
「どの御本?」
すると、双子の異母妹の、妹の方が、さっと絵本を差し出してくる。
「これ!」
絵本の表紙に描かれた文字に、ラディスラウスの唇は自然と動いた。
「ラプンツェル…」
ラプンツェル。
窓を隔てて、あちらの世界と、こちらの世界。
どうしてだろう。
脳が揺れるような感じがして、ラディスラウスは右手で窓枠を握り、左手で額を押さえた。
それを、異母妹たちは、勘違いしたらしい。
無邪気な声で、問いかけてくる。
「おにーさま、ラプンツェルきらい? しらゆきひめにする?」
「あかずきんでもいいよ」
脳が、揺れる感じが治まらなくて、返事もできずにいるラディスラウスの代わりに、ラディスラウスの背後から、誰かが答えてくれた。
「そうだね、ラプンツェルはやめておきなさい。 それから、ラディス異母兄様は、これからお仕事だから、次の機会にしなさい。 御本を選び直す時間も必要だろう?」
「「はーい」」
双子の声が、弾むように、舞うように、重なりながら遠ざかる。
新しい本を見繕いに行ったのかもしれない。
それならば、早めにここから遠ざからないと。
そう思いながら、顔を上げたラディスラウスは、自分の代わりに双子に答えてくれたのが誰かを知る。
光を反射して煌めく、多少茶味がかった金髪に、紺碧の瞳。
柔和な顔立ちで優しげに微笑むそのひとの内面が、必ずしも外見と一致しないことを、ラディスラウスは理解している。
「殿下…」
呼ぼうと思ったわけではなく、ラディスラウスの口から言葉が漏れる。
それを耳にしたその方は、微苦笑したようだった。
「異母兄上、とは呼んでくれないのか? お前だって、【殿下】だろうに」
サッと踵を返した異母兄――王太子に続き、ラディスラウスも回れ右をした。
その場から離れよう、とは思ったが、王太子を追いかけようと思ったわけではない。
それでも、ラディスラウスは、王太子を追いかけていて、その背に尋ねていた。
「何か、良くない話なのですか?」
肩越しに振り返った王太子は、わずかに歩調を緩めながら、首を揺らす。
「何の話だ?」
「ラプンツェルです」
まだ、脳が揺れる感じがしている。
だが、足元がふわふわした感じはしない。
貧血や脳震盪ではなさそうだ。
例えるなら、窪みのある盆の上にビー玉をひとつ乗せて、角度を変えてビー玉を転がしている様に似ている。
何とか、ビー玉を、窪みに嵌めようとしているのだ。
本来、在るべき、その位置に。
「子ども向けのものには、そういった描写は省いてあるがね」
前を見た王太子は、ラディスラウスの問いに、そう前置きした上で、続けた。
「簡単に言ってしまえば、男を塔の中へ誘い入れて手玉に取る、売女の話だよ」
すとん、と。
居場所を探して転がっていたビー玉が、窪みに嵌った。
止めようと思ったわけではないが、ピタリとラディスラウスの足は止まった。
「…ラウ?」
急に立ち止まったラディスラウスを不審に思ったのか、王太子も足を止めて、後方にいるラディスラウスを振り返る。
どうして、忘れていたのだろう。
忘れて、いられたのだろう。
今なら、わかる。
理解する。
彼女が、一体、どういう存在だったのか。
ラディスラウスは俯き、右手で目元を覆って、自嘲した。
「はは…。 それは、彼女がいやだと言うわけだ」
何も知らない、数年前の自分が口にした、何気ない一言は、彼女を傷つけただろうか。
そう思って、ラディスラウスはハッとする。
感傷に浸っている場合ではない。
ラディスラウスが覚えている、最後に見た彼女は、息をしていなかった。
今、彼女は。
そう思ったら、居ても立っても居られなくなった。
「ラウ?」
もう一度、王太子の声が、ラディスラウスの愛称を呼んだ。
今度は、心配そうな響きが強い。
だから、ラディスラウスは顔を上げて、それに乗じることにしたのである。
「…異母兄上、明日からしばらく、お暇をいただきたく存じます」
普段から、屋敷にいることの少ない叔父だったが、その叔父の姿が見当たらない。
どうやら叔父は、ラディスラウスが発熱した日から行方不明になっているらしい。
現公爵はお祖父様だし、公爵家の業務のほとんどをお祖父様が担っているのが、現在の状況だから、叔父がいなくなったところで、特に問題はない。
だが、お祖父様の妻であるお祖母様は既に亡くなっているために、本来公爵夫人がするべきことを、母に手伝ってほしい。
そのために、国王陛下に離縁の申し立てをしているということだった。
もちろん、叔父のことは探すし、失踪人届も出したが、七年経てば死亡宣告がなされる。
そのとき十二歳だったラディスラウスに、母と祖父はかみ砕きながらそんな話をしてくれた。
母も祖父も、ラディスラウスに、具体的にどうして欲しい、ということは口にしなかった。
けれど、このまま叔父が見つからずに、叔父の死亡宣告がなされた場合、公爵家の次期公爵は親類縁者の中から祖父によって指名されるのだろうな、と思った。
その候補者の中のひとりに、恐らく自分も含まれる。
目に見える、ラディスラウスが感じ取れる変化は、その程度。
決定的な違いが、あるはずなのに。
何かが足りない。
それだけは、わかるのに。
何が足りないのか、まるでわからないのだ。
月日は流れ、ラディスラウスは十六歳になった。
ラディスラウスは、十四のときに、王宮に戻ることとなった。
呼び戻された、というのが正確か。
異母兄である、第一王子が王太子と決まったが、次期国王についてのごたごたについてはまだ収まっていなかったらしい。
異母兄は、ラディスラウスを味方にしたかったのだと思う。
事実、ラディスラウスは、異母兄が王太子になることに異論はなかったし、むしろ異母兄以上に適役がいるとも思えない。
異母兄の側についたことは、ラディスラウスにとっては自然な流れだったし、祖父も母もそれに関して口を挟まなかった。
恐らく、ラディスラウスの判断は、間違いではなかったのだろう。
母とは離れ王宮で暮らし、学び、鍛え、母や祖父と会うのは社交シーズンくらいだ。
祖父…、ヴァルハール公爵はまだ、後継を決めてはいない。
だが何となく、ラディスラウスは、自分に声がかかるような気がしている。
だから、見聞を広げるため、領地にいたのでは学べないようなことを学ぶために、異母兄の元へ――…、王都へと、戻ってきたのだ。
「ラディスおにーさま、ごほんよんで!」
「ごほん!」
昼食を終えて、中庭を移動していたラディスラウスは、幼い声に足を止めた。
見れば、一番下の異母妹たちが、窓から手を振っている。
目敏いものだ、と思いながら、ラディスラウスは異母妹たちに近づいた。
部屋の中では、傍付きの侍女が恐縮して頭を下げている。
まだ、始業を報せる鐘も鳴っていないし、たまにはいいだろうと、ラディスラウスは異母妹たちに問いかけた。
「どの御本?」
すると、双子の異母妹の、妹の方が、さっと絵本を差し出してくる。
「これ!」
絵本の表紙に描かれた文字に、ラディスラウスの唇は自然と動いた。
「ラプンツェル…」
ラプンツェル。
窓を隔てて、あちらの世界と、こちらの世界。
どうしてだろう。
脳が揺れるような感じがして、ラディスラウスは右手で窓枠を握り、左手で額を押さえた。
それを、異母妹たちは、勘違いしたらしい。
無邪気な声で、問いかけてくる。
「おにーさま、ラプンツェルきらい? しらゆきひめにする?」
「あかずきんでもいいよ」
脳が、揺れる感じが治まらなくて、返事もできずにいるラディスラウスの代わりに、ラディスラウスの背後から、誰かが答えてくれた。
「そうだね、ラプンツェルはやめておきなさい。 それから、ラディス異母兄様は、これからお仕事だから、次の機会にしなさい。 御本を選び直す時間も必要だろう?」
「「はーい」」
双子の声が、弾むように、舞うように、重なりながら遠ざかる。
新しい本を見繕いに行ったのかもしれない。
それならば、早めにここから遠ざからないと。
そう思いながら、顔を上げたラディスラウスは、自分の代わりに双子に答えてくれたのが誰かを知る。
光を反射して煌めく、多少茶味がかった金髪に、紺碧の瞳。
柔和な顔立ちで優しげに微笑むそのひとの内面が、必ずしも外見と一致しないことを、ラディスラウスは理解している。
「殿下…」
呼ぼうと思ったわけではなく、ラディスラウスの口から言葉が漏れる。
それを耳にしたその方は、微苦笑したようだった。
「異母兄上、とは呼んでくれないのか? お前だって、【殿下】だろうに」
サッと踵を返した異母兄――王太子に続き、ラディスラウスも回れ右をした。
その場から離れよう、とは思ったが、王太子を追いかけようと思ったわけではない。
それでも、ラディスラウスは、王太子を追いかけていて、その背に尋ねていた。
「何か、良くない話なのですか?」
肩越しに振り返った王太子は、わずかに歩調を緩めながら、首を揺らす。
「何の話だ?」
「ラプンツェルです」
まだ、脳が揺れる感じがしている。
だが、足元がふわふわした感じはしない。
貧血や脳震盪ではなさそうだ。
例えるなら、窪みのある盆の上にビー玉をひとつ乗せて、角度を変えてビー玉を転がしている様に似ている。
何とか、ビー玉を、窪みに嵌めようとしているのだ。
本来、在るべき、その位置に。
「子ども向けのものには、そういった描写は省いてあるがね」
前を見た王太子は、ラディスラウスの問いに、そう前置きした上で、続けた。
「簡単に言ってしまえば、男を塔の中へ誘い入れて手玉に取る、売女の話だよ」
すとん、と。
居場所を探して転がっていたビー玉が、窪みに嵌った。
止めようと思ったわけではないが、ピタリとラディスラウスの足は止まった。
「…ラウ?」
急に立ち止まったラディスラウスを不審に思ったのか、王太子も足を止めて、後方にいるラディスラウスを振り返る。
どうして、忘れていたのだろう。
忘れて、いられたのだろう。
今なら、わかる。
理解する。
彼女が、一体、どういう存在だったのか。
ラディスラウスは俯き、右手で目元を覆って、自嘲した。
「はは…。 それは、彼女がいやだと言うわけだ」
何も知らない、数年前の自分が口にした、何気ない一言は、彼女を傷つけただろうか。
そう思って、ラディスラウスはハッとする。
感傷に浸っている場合ではない。
ラディスラウスが覚えている、最後に見た彼女は、息をしていなかった。
今、彼女は。
そう思ったら、居ても立っても居られなくなった。
「ラウ?」
もう一度、王太子の声が、ラディスラウスの愛称を呼んだ。
今度は、心配そうな響きが強い。
だから、ラディスラウスは顔を上げて、それに乗じることにしたのである。
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