38 / 65
石に花咲く
36.**
しおりを挟む
焦らされている。
おあずけをくらわされている。
シィーファは、ようやく、そう理解した。
ではどうして、と考えれば、ラディスがまだ、静かに怒っているということなのだろう。
これまで、シィーファが、【ごっこ遊び】ととらえてきたものとは、種類が異なるということだ。
「ぁあ、ぅ、ん」
四つん這いになって、膝と肘で身体を支える。
背後から揺さぶられ、与えられる刺激に、シィーファは堪らず声を上げた。
もう、どのくらいこうして揺さぶられているかわからない。
けれど、閉め切られた窓のカーテンの向こうが、暗いのがわかる。
ラディスは、枕元のランプをつけたところだった。
高いところにあった太陽が落ちて、夜を迎えようとしているのだ。
「たくさん声、出していいよ。 あとで、蜂蜜たっぷりのホットミルクを用意してもらおうね」
「んん」
ラディスはどうやら、シィーファの喉の心配をしつつも、やめるつもりはないらしい。
何もかも終えた後の埋め合わせについて言及しているのが、いい証拠だ。
「ぁあ」
うなじのあたりに吸いつかれると、ぞわぞわとしたものが背中を駆けて、シィーファは声を上げた。
ラディスに後ろからされるのは初めてだが、後ろからされること自体は、初めてではない。
けれど、そのときは、獣のように交わることへの嫌悪感が勝り、早く終わるようにと祈っていた覚えしかない。
でも、ラディスとするのは、やっぱり気持ちいいのだ。
れろ、と背筋を生温かくてぬめったやわらかいものが這って、びくっとすると同時に、シィーファは非難の声を上げる。
「やぁ、汗、かいてる、から」
だから、舐められるのは、恥ずかしい。 嫌だ。
けれど、ラディスにはいまいち伝わらなかったらしい。
「ん…、少し、しょっぱい。 けれど、嫌ではないよ」
「んぁあ…」
肩甲骨を舌で辿られ、そのままきつくちゅううっと吸われる。
ぞわぞわっ…としてシィーファが震えていると、ラディスの腰の動きが、ぴた、と止まった。
つ、とラディスの指先が、シィーファの肌を擦るようにして触れる。
「…なんか、紅い跡、ついた」
「!」
ラディスの呟きに、シィーファは頬を染めた。
恐らく、先程ラディスがシィーファの肌を擦ったのは、その赤い跡がすぐ消えるかどうかを確かめるためだったのだろう。
ラディスの言う、赤い跡は、恐らく、口づけの跡のこと。
女はシィーファが初めてだというラディスは、男女のことに関しては、知らないことの方が多かったりする。
偶然についた口づけの跡は、ラディスの興味をそそるものだったらしく、ラディスはまた、同じところを指で撫でた。
「シィーファ、これ、痛い?」
「いたく、な、ぁ…」
シィーファが痛いか痛くないかを気にしてくれるところがラディスらしい、と思っている間に、また、ラディスは腰を動かし始める、
「これ、マーキングみたい…」
興が乗ったのか、ゆさ、と後ろからシィーファを揺さぶりながら、ラディスは、シィーファの背中に唇を押しつけてきつく吸っていく。
その度に、ぞわっ…と肌が泡立ち、お腹がきゅうう、となかにいるラディスを締め付けてしまうのだ。
肘をついて姿勢を維持するのも困難になり、シィーファはぺしょ、と潰れて敷布に顔を埋めてしまった。
うなじにぢゅううっと吸いつかれて、シィーファは敷布に爪を立て、ぎゅううと渾身の力で握りしめる。
同じだけの力が、身体の中心に込められることにまで頭は回らなかったし、回っていたところでどうにかできたとは思えないけれど。
「あぁ、やらぁ…」
「あ、シィーファ、そんな締めたら、…っつぅ」
ラディスの、狼狽したような声が、シィーファの耳の近くで揺れた。
びく、びく、と反応するラディスを、身体の中に感じて、シィーファは半ば呆けながら、声を上げた。
声を、出そうと思ったわけではないのに、喉の奥から声が零れる。
「あ、あ…」
「シィーファが締めるから、また出た…」
少し、照れくさそうな様子で溜息をつきながらも、ラディスは身体を重ねたままで後ろから、ぎゅううとシィーファの身体を抱きしめてくれる。
もつれて、倒れ込むような、不自由な体勢なのに。
獣のように交わっているというのに、護られているように感じるのが、とても不思議だ。
ラディスは、ぎゅううとシィーファの身体を抱きしめたままで、シィーファの首筋に軽いキスをしながら耳へと上がっていき、シィーファの右耳を食んだところだ。
欲望を吐き出したというのに、まださほど形状の変わらないラディスはそのままシィーファのなかにいる。
ラディスに、それを引き抜く気配はない。
無意識なのか、ゆるく腰を揺らしてすら、いる。
このままラディスは、続けるつもりなのだろうか。
それを、シィーファは、別の問いに変えた。
「…ラディス、後ろからするの、好き…?」
シィーファはまだ、快感らしい快感を享受してはいない――小さな快感には何度も何度も襲われている――が、ラディスは確か、三回達したはずだ。
一度目は、正常位で。 二度目と三度目は、後背位だった。
二度目のラディスは「あ…、何これ、全然違う…」と零していて、割とすぐに達してくれた。
三度目は先の流れだが、まあ、そういうわけで、シィーファはラディスがこの体位が好きなのではないかと察したのだ。
ラディスは、体位の好き嫌いを考える機会など今までなかったのだろう。
少し、考えるような間があった後で、口を開いた。
「…好き、かも。 顔が見えないのは寂しいけれど、シィーファが抱きついてくれなくても、私が抱きしめれば、ぴったりと身体が重なれるのが、いいな」
「ぁん」
ラディスの手が交差されて、シィーファの胸に触れた。
静かに忍び寄るような動きで、シィーファは反射的に声を上げてしまう。
「抱きしめながら、ここも可愛がれるし、背中にキスだってできる」
ラディスは、シィーファの胸を揉みしだきながら、胸の先端を指の間に挟んで刺激する。
それと同時に、腰を奥に突き込むように、くっくっと揺らしながら、肩甲骨の間を強く吸われて、シィーファはぶるっと大きく震えた。
「んくぅ」
「あ、また、なか、うねってる…。 起っちゃうよ…」
余談だが、既に三回射したというのに、ラディスはまだ元気である。
このまま四度目に突入しようかという勢いだ。
若いから、というのもあるのだろうが、恐らく、行為を覚えたてだということも影響しているのだろう。
それから、若くて覚えたてではあるものの、やはりラディスは理性がよく利く性質らしい。
がむしゃらに、相手を思いやらずに、自分の快楽だけを追うような抱き方はしないのだ。
今日の行為は、【お仕置き】の名のもとに、焦らされたり、おあずけされたりはしているものの、全くシィーファを置き去りにしているわけではないと、思う。
だって、やめてほしい、とか、もうラディスとはしたくない、という方向には、気持ちが動かないのだから。
むしろ、早く気持ちよくしてほしい、なんてことまで、考えてしまう。
シィーファがラディスに、絆されているだけかもしれないが。
味わうように、ゆったりと腰を動かすラディスが、起ったのはシィーファのせい、みたいなことを言っているが、そもそも射したのに萎えていなかっただろう、と言いたい。
だが、シィーファの口から出たのは、別の言葉だった。
「もう、おっきぃ…」
ぷつっ…。
何かが、切れるような音がしたのは、気のせいだろうか。
そんなことを思っていると、無言のままに、がちがちのラディスがシィーファのなかから出ていってしまう。
腰から力が抜けて、シィーファはわずかに腰を落としたのだが、つつっ…、と何かが自分のなかを伝う感じがして、ハッとした。
おあずけをくらわされている。
シィーファは、ようやく、そう理解した。
ではどうして、と考えれば、ラディスがまだ、静かに怒っているということなのだろう。
これまで、シィーファが、【ごっこ遊び】ととらえてきたものとは、種類が異なるということだ。
「ぁあ、ぅ、ん」
四つん這いになって、膝と肘で身体を支える。
背後から揺さぶられ、与えられる刺激に、シィーファは堪らず声を上げた。
もう、どのくらいこうして揺さぶられているかわからない。
けれど、閉め切られた窓のカーテンの向こうが、暗いのがわかる。
ラディスは、枕元のランプをつけたところだった。
高いところにあった太陽が落ちて、夜を迎えようとしているのだ。
「たくさん声、出していいよ。 あとで、蜂蜜たっぷりのホットミルクを用意してもらおうね」
「んん」
ラディスはどうやら、シィーファの喉の心配をしつつも、やめるつもりはないらしい。
何もかも終えた後の埋め合わせについて言及しているのが、いい証拠だ。
「ぁあ」
うなじのあたりに吸いつかれると、ぞわぞわとしたものが背中を駆けて、シィーファは声を上げた。
ラディスに後ろからされるのは初めてだが、後ろからされること自体は、初めてではない。
けれど、そのときは、獣のように交わることへの嫌悪感が勝り、早く終わるようにと祈っていた覚えしかない。
でも、ラディスとするのは、やっぱり気持ちいいのだ。
れろ、と背筋を生温かくてぬめったやわらかいものが這って、びくっとすると同時に、シィーファは非難の声を上げる。
「やぁ、汗、かいてる、から」
だから、舐められるのは、恥ずかしい。 嫌だ。
けれど、ラディスにはいまいち伝わらなかったらしい。
「ん…、少し、しょっぱい。 けれど、嫌ではないよ」
「んぁあ…」
肩甲骨を舌で辿られ、そのままきつくちゅううっと吸われる。
ぞわぞわっ…としてシィーファが震えていると、ラディスの腰の動きが、ぴた、と止まった。
つ、とラディスの指先が、シィーファの肌を擦るようにして触れる。
「…なんか、紅い跡、ついた」
「!」
ラディスの呟きに、シィーファは頬を染めた。
恐らく、先程ラディスがシィーファの肌を擦ったのは、その赤い跡がすぐ消えるかどうかを確かめるためだったのだろう。
ラディスの言う、赤い跡は、恐らく、口づけの跡のこと。
女はシィーファが初めてだというラディスは、男女のことに関しては、知らないことの方が多かったりする。
偶然についた口づけの跡は、ラディスの興味をそそるものだったらしく、ラディスはまた、同じところを指で撫でた。
「シィーファ、これ、痛い?」
「いたく、な、ぁ…」
シィーファが痛いか痛くないかを気にしてくれるところがラディスらしい、と思っている間に、また、ラディスは腰を動かし始める、
「これ、マーキングみたい…」
興が乗ったのか、ゆさ、と後ろからシィーファを揺さぶりながら、ラディスは、シィーファの背中に唇を押しつけてきつく吸っていく。
その度に、ぞわっ…と肌が泡立ち、お腹がきゅうう、となかにいるラディスを締め付けてしまうのだ。
肘をついて姿勢を維持するのも困難になり、シィーファはぺしょ、と潰れて敷布に顔を埋めてしまった。
うなじにぢゅううっと吸いつかれて、シィーファは敷布に爪を立て、ぎゅううと渾身の力で握りしめる。
同じだけの力が、身体の中心に込められることにまで頭は回らなかったし、回っていたところでどうにかできたとは思えないけれど。
「あぁ、やらぁ…」
「あ、シィーファ、そんな締めたら、…っつぅ」
ラディスの、狼狽したような声が、シィーファの耳の近くで揺れた。
びく、びく、と反応するラディスを、身体の中に感じて、シィーファは半ば呆けながら、声を上げた。
声を、出そうと思ったわけではないのに、喉の奥から声が零れる。
「あ、あ…」
「シィーファが締めるから、また出た…」
少し、照れくさそうな様子で溜息をつきながらも、ラディスは身体を重ねたままで後ろから、ぎゅううとシィーファの身体を抱きしめてくれる。
もつれて、倒れ込むような、不自由な体勢なのに。
獣のように交わっているというのに、護られているように感じるのが、とても不思議だ。
ラディスは、ぎゅううとシィーファの身体を抱きしめたままで、シィーファの首筋に軽いキスをしながら耳へと上がっていき、シィーファの右耳を食んだところだ。
欲望を吐き出したというのに、まださほど形状の変わらないラディスはそのままシィーファのなかにいる。
ラディスに、それを引き抜く気配はない。
無意識なのか、ゆるく腰を揺らしてすら、いる。
このままラディスは、続けるつもりなのだろうか。
それを、シィーファは、別の問いに変えた。
「…ラディス、後ろからするの、好き…?」
シィーファはまだ、快感らしい快感を享受してはいない――小さな快感には何度も何度も襲われている――が、ラディスは確か、三回達したはずだ。
一度目は、正常位で。 二度目と三度目は、後背位だった。
二度目のラディスは「あ…、何これ、全然違う…」と零していて、割とすぐに達してくれた。
三度目は先の流れだが、まあ、そういうわけで、シィーファはラディスがこの体位が好きなのではないかと察したのだ。
ラディスは、体位の好き嫌いを考える機会など今までなかったのだろう。
少し、考えるような間があった後で、口を開いた。
「…好き、かも。 顔が見えないのは寂しいけれど、シィーファが抱きついてくれなくても、私が抱きしめれば、ぴったりと身体が重なれるのが、いいな」
「ぁん」
ラディスの手が交差されて、シィーファの胸に触れた。
静かに忍び寄るような動きで、シィーファは反射的に声を上げてしまう。
「抱きしめながら、ここも可愛がれるし、背中にキスだってできる」
ラディスは、シィーファの胸を揉みしだきながら、胸の先端を指の間に挟んで刺激する。
それと同時に、腰を奥に突き込むように、くっくっと揺らしながら、肩甲骨の間を強く吸われて、シィーファはぶるっと大きく震えた。
「んくぅ」
「あ、また、なか、うねってる…。 起っちゃうよ…」
余談だが、既に三回射したというのに、ラディスはまだ元気である。
このまま四度目に突入しようかという勢いだ。
若いから、というのもあるのだろうが、恐らく、行為を覚えたてだということも影響しているのだろう。
それから、若くて覚えたてではあるものの、やはりラディスは理性がよく利く性質らしい。
がむしゃらに、相手を思いやらずに、自分の快楽だけを追うような抱き方はしないのだ。
今日の行為は、【お仕置き】の名のもとに、焦らされたり、おあずけされたりはしているものの、全くシィーファを置き去りにしているわけではないと、思う。
だって、やめてほしい、とか、もうラディスとはしたくない、という方向には、気持ちが動かないのだから。
むしろ、早く気持ちよくしてほしい、なんてことまで、考えてしまう。
シィーファがラディスに、絆されているだけかもしれないが。
味わうように、ゆったりと腰を動かすラディスが、起ったのはシィーファのせい、みたいなことを言っているが、そもそも射したのに萎えていなかっただろう、と言いたい。
だが、シィーファの口から出たのは、別の言葉だった。
「もう、おっきぃ…」
ぷつっ…。
何かが、切れるような音がしたのは、気のせいだろうか。
そんなことを思っていると、無言のままに、がちがちのラディスがシィーファのなかから出ていってしまう。
腰から力が抜けて、シィーファはわずかに腰を落としたのだが、つつっ…、と何かが自分のなかを伝う感じがして、ハッとした。
10
お気に入りに追加
79
あなたにおすすめの小説

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です
片想いの相手と二人、深夜、狭い部屋。何も起きないはずはなく
おりの まるる
恋愛
ユディットは片想いしている室長が、再婚すると言う噂を聞いて、情緒不安定な日々を過ごしていた。
そんなある日、怖い噂話が尽きない古い教会を改装して使っている書庫で、仕事を終えるとすっかり夜になっていた。
夕方からの大雨で研究棟へ帰れなくなり、途方に暮れていた。
そんな彼女を室長が迎えに来てくれたのだが、トラブルに見舞われ、二人っきりで夜を過ごすことになる。
全4話です。
FLORAL-敏腕社長が可愛がるのは路地裏の花屋の店主-
さとう涼
恋愛
恋愛を封印し、花屋の店主として一心不乱に仕事に打ち込んでいた咲都。そんなある日、ひとりの男性(社長)が花を買いにくる──。出会いは偶然。だけど咲都を気に入った彼はなにかにつけて咲都と接点を持とうとしてくる。
「お昼ごはんを一緒に食べてくれるだけでいいんだよ。なにも難しいことなんてないだろう?」
「でも……」
「もしつき合ってくれたら、今回の仕事を長期プランに変更してあげるよ」
「はい?」
「とりあえず一年契約でどう?」
穏やかでやさしそうな雰囲気なのに意外に策士。最初は身分差にとまどっていた咲都だが、気づいたらすっかり彼のペースに巻き込まれていた。
☆第14回恋愛小説大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる