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【後日談】
シャルデル伯爵夫人の懊悩① *
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身内だけでの結婚式を終えて、リシアとディアヴェルは正式に夫婦となった。
それ自体は嬉しい、のだが…。
リシアにはひとつ、困ったことがある。
「…もう、だめ…。 もう、抜いて…?」
とんでもないことを口にしているのはわかっているが、もうこれ以上は無理だ。
リシアは喘ぐように息をしながら、自分を貫いている夫――ディアヴェルに訴えた。
だが、ディアヴェルは、リシアにあやすようにキスをくれるだけだ。
「まだ、だめ…。 もっと、リシアの中にいたい」
そして、ゆったりと腰を揺らし始めるから、リシアはびくりとする。
ついさっき、ディアヴェルはリシアのなかに放ったところなのだ。
今、抜いてもらわないと、またこのまま続きということになる。
リシアは必死に訴えた。
「…もう、お腹、いっぱいなの…。 貴方ので、いっぱいで、もう…」
「俺のを、中に感じるの、いや? 俺は、貴女の中を、俺で満たしたい…」
「もう、満たされてるから…。 お願い、一度、抜いて…? また、挿入て、いいから」
とんでもない会話をしているのも、重々承知だ。
けれど、この夫には、嫌なことは嫌と、無理なことは無理としっかりと伝えないと続行されてしまう。
「…愛してるよ、リシア」
ちゅう、とディアヴェルがリシアの唇にひとつキスをくれた。
一度休憩させてもらえる、とリシアはほっと息を吐く。
ディアヴェルは手を伸ばして、バスローブを手にする。 いつも、そうしてくれる。
本来、これは、女性としてのマナーらしいのだが、ディアヴェルはリシアの股間をリシアに拭わせることはしない。 必ず、ディアヴェルがそれを行うのだ。
今回も、ディアヴェルがそれをしようとしているのはわかった。
だから、リシアはディアヴェルが手にしたバスローブの端を掴む。
「ね…奥さんになったの。 だから、わたしが、するから」
リシアの訴えに、ディアヴェルはきょとんとする。
「どうして? いつも俺がしているでしょう? 俺が貴女の中に出しているのだから、俺がきれいにしてあげないと」
確かに、いつもディアヴェルにしてもらってはいるが、それでいいと思っているかといえば、違うのだ。
けれど、ディアヴェルはリシアの訴えも何のその、リシアの手を解いて、リシアのお尻の下にバスローブを敷いてしまう。
「今日は、わたしに、させて。 貴方、いっぱい出したから…恥ずかしいの」
恥ずかしさを押し殺して訴えると、ディアヴェルは菫青石の瞳を細めて笑んだ。
「知ってる。 抜かずに三回もしちゃったもんね?」
くす、と笑んで、ディアヴェルがずるりと引き抜く。
あ、と思ったときにはもう遅い。
内部を伝う感覚に、リシアは慌てて股間を手で覆った。
「ゃ、出ちゃう…、ん」
音がしなかったのは幸いだが、どぷどぷと、そこから熱い粘液が溢れて、リシアの手を濡らすのがわかった。
びくびくと身体が震えてしまう。
羞恥に涙目になっていると、ディアヴェルは恍惚とした表情でそれを見つめていた。
「出したくなかった? じゃあ、中に戻してあげる」
「ぇ、や、今、だ、めぇ…」
溢れた白濁を指ですくって、ディアヴェルがリシアの中に挿し入れる。
リシアの身体は、びくん、と震えた。
彼の白濁と自分の愛液でぐずぐずになったそこは、抵抗などせずに…むしろ悦んで彼の指を飲み込む。
そして、きゅうきゅうと締めつけてしまう。
「…ディアヴェル…」
リシアがディアヴェルを呼ぶと、ディアヴェルは色香を纏わせて笑む。
「ねぇ、リシア。 一回抜いたよ? また、中に挿入っていいだろう?」
リシアは、どきり、とした。
「も…もう?」
「大丈夫、中に挿入るだけにするから。 ほら、どんどん零れて来てしまうから、早めに塞がないと」
リシアはかぁ、と頬を染めた。
どうしてディアヴェルは、真顔でそう恥ずかしいことを言えるのだろう。
ディアヴェルは、リシアを無言を別の意味でとったようで、優しく微笑んでくれる。
「つらいなら、動かさないよ。 一度、貴女の中に埋め込んで、貴女に包まれたままで朝を迎えてみたかったんだ。 ね? だから、いいでしょう?」
甘えるように問われて、リシアは折れた。
ディアヴェルはよくリシアに、「俺を意のままに出来るのは貴女だけ」と言うが、リシアはディアヴェルの意のままにされているような気がしてならない。
それ自体は嬉しい、のだが…。
リシアにはひとつ、困ったことがある。
「…もう、だめ…。 もう、抜いて…?」
とんでもないことを口にしているのはわかっているが、もうこれ以上は無理だ。
リシアは喘ぐように息をしながら、自分を貫いている夫――ディアヴェルに訴えた。
だが、ディアヴェルは、リシアにあやすようにキスをくれるだけだ。
「まだ、だめ…。 もっと、リシアの中にいたい」
そして、ゆったりと腰を揺らし始めるから、リシアはびくりとする。
ついさっき、ディアヴェルはリシアのなかに放ったところなのだ。
今、抜いてもらわないと、またこのまま続きということになる。
リシアは必死に訴えた。
「…もう、お腹、いっぱいなの…。 貴方ので、いっぱいで、もう…」
「俺のを、中に感じるの、いや? 俺は、貴女の中を、俺で満たしたい…」
「もう、満たされてるから…。 お願い、一度、抜いて…? また、挿入て、いいから」
とんでもない会話をしているのも、重々承知だ。
けれど、この夫には、嫌なことは嫌と、無理なことは無理としっかりと伝えないと続行されてしまう。
「…愛してるよ、リシア」
ちゅう、とディアヴェルがリシアの唇にひとつキスをくれた。
一度休憩させてもらえる、とリシアはほっと息を吐く。
ディアヴェルは手を伸ばして、バスローブを手にする。 いつも、そうしてくれる。
本来、これは、女性としてのマナーらしいのだが、ディアヴェルはリシアの股間をリシアに拭わせることはしない。 必ず、ディアヴェルがそれを行うのだ。
今回も、ディアヴェルがそれをしようとしているのはわかった。
だから、リシアはディアヴェルが手にしたバスローブの端を掴む。
「ね…奥さんになったの。 だから、わたしが、するから」
リシアの訴えに、ディアヴェルはきょとんとする。
「どうして? いつも俺がしているでしょう? 俺が貴女の中に出しているのだから、俺がきれいにしてあげないと」
確かに、いつもディアヴェルにしてもらってはいるが、それでいいと思っているかといえば、違うのだ。
けれど、ディアヴェルはリシアの訴えも何のその、リシアの手を解いて、リシアのお尻の下にバスローブを敷いてしまう。
「今日は、わたしに、させて。 貴方、いっぱい出したから…恥ずかしいの」
恥ずかしさを押し殺して訴えると、ディアヴェルは菫青石の瞳を細めて笑んだ。
「知ってる。 抜かずに三回もしちゃったもんね?」
くす、と笑んで、ディアヴェルがずるりと引き抜く。
あ、と思ったときにはもう遅い。
内部を伝う感覚に、リシアは慌てて股間を手で覆った。
「ゃ、出ちゃう…、ん」
音がしなかったのは幸いだが、どぷどぷと、そこから熱い粘液が溢れて、リシアの手を濡らすのがわかった。
びくびくと身体が震えてしまう。
羞恥に涙目になっていると、ディアヴェルは恍惚とした表情でそれを見つめていた。
「出したくなかった? じゃあ、中に戻してあげる」
「ぇ、や、今、だ、めぇ…」
溢れた白濁を指ですくって、ディアヴェルがリシアの中に挿し入れる。
リシアの身体は、びくん、と震えた。
彼の白濁と自分の愛液でぐずぐずになったそこは、抵抗などせずに…むしろ悦んで彼の指を飲み込む。
そして、きゅうきゅうと締めつけてしまう。
「…ディアヴェル…」
リシアがディアヴェルを呼ぶと、ディアヴェルは色香を纏わせて笑む。
「ねぇ、リシア。 一回抜いたよ? また、中に挿入っていいだろう?」
リシアは、どきり、とした。
「も…もう?」
「大丈夫、中に挿入るだけにするから。 ほら、どんどん零れて来てしまうから、早めに塞がないと」
リシアはかぁ、と頬を染めた。
どうしてディアヴェルは、真顔でそう恥ずかしいことを言えるのだろう。
ディアヴェルは、リシアを無言を別の意味でとったようで、優しく微笑んでくれる。
「つらいなら、動かさないよ。 一度、貴女の中に埋め込んで、貴女に包まれたままで朝を迎えてみたかったんだ。 ね? だから、いいでしょう?」
甘えるように問われて、リシアは折れた。
ディアヴェルはよくリシアに、「俺を意のままに出来るのは貴女だけ」と言うが、リシアはディアヴェルの意のままにされているような気がしてならない。
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