【R18】レイナール夫人の華麗なる転身

環名

文字の大きさ
上 下
36 / 55
【シャルデル伯爵の房中】

4.レイナール夫人の謝罪 *

しおりを挟む
 目を閉じたリシアの唇に、唇が重ねられる。


 彼を、受け容れてしまった。
 ちろ、と舌で唇を舐められれば、受け容れるばかりでなく、口づけに応じて求めることさえもしてしまう。
「ん…」
「リシア…」
 低く甘い声がリシアの名を囁く。 それだけで、身体が熱くなる気がする。


「美味し…蕩けそうだ…」
 夢中で、シャルデル伯爵はリシアの舌を吸っているようだった。
 舌先が痺れてしまいそうなくらい、気持ちがいい。


「俺が教えた口づけ、覚えていらっしゃるようですね…?」
 そう囁いたシャルデル伯爵は、嬉しそうに微笑んだ。
 その微笑がきれいで、リシアはなぜか、泣きたいような心持ちになる。


 口づけながら、シャルデル伯爵は器用にリシアの服を脱がせ、自分の服を脱いでいく。
「ああ、俺のしるしだ…」
 リシアの裸体を見下ろすシャルデル伯爵が、うっとりとした声音で語る。


 リシアは思わず頬を染めた。
 シャルデル伯爵が差しているのが、リシアの身体に彼が刻んだキスマークだというのは、容易に想像できたからだ。


「思い出されました? ここ…固くなってしまいましたよ?」


 言いながらも、彼は焦らすように胸の膨らみの中央の蕾にはなかなか触れない。
 恥ずかしい願いが口をついて出そうになる頃にようやく、彼の指がそこに触れる。
 リシアは身体を跳ねさせて、過剰なまでに反応してしまった。


「ぁんっ…」
「気持ちいい、ですか?」
 リシアは、目を伏せて、小さく頷く。
 そうすれば、リシアを見下ろしていたシャルデル伯爵の喉が、ごくりと上下する。


「っ…俺、もう、限界」
「ぇ」


 リシアが一体何をされるのかとびくびくしていると、シャルデル伯爵の影がリシアの上に落ちてくる。
「もっと気持ちよくして差し上げます…。 だから、俺のことも、よくして…?」
「ぁっ…」
 リシアは短く声を上げた。


 シャルデル伯爵の唇が、リシアの右の胸の先に触れる。 リシアの様子を上目遣いで見るようにしながら、舌が、そこを愛撫する。
 右手は、もう片方のそこを。 彼の左手は、リシアの右手に重ねられている。


「ん、ん、ぅ」
 胸の先が、溶けそう。
 気持ちが、よすぎて、じわり、と脚の間が熱くなる。
 もじもじと腰をくねらせ、太腿を擦り合わせていると、それに気づいたらしいシャルデル伯爵が笑んだ。


「そろそろ、こちらの準備ができましたね…?」
 彼が一度、リシアの身体から離れる。 そのときに、リシアは見てしまう。
 彼のものは、雄々しく猛って凶暴なまでの姿を晒している。


 自分は、どれだけ彼に我慢を強いたのか。 そんなことを実感する。
 リシアが彼の邸に来てこの方、彼が夜に単身で出かけたことはない。
 シャルデル伯爵が、リシアの膝に手をかけて、一度リシアの顔を見た。
 きっと、「いいのか」と聞かれたのだと思う。 だから、リシアは、観念する。


 …ごめんなさい。


 もう一度、胸の中で、謝罪して、目を伏せた。
 シャルデル伯爵だけを悪者にしないために、頷く。


 そうすれば、シャルデル伯爵はリシアの脚を左右に大きく開かせた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

次期騎士団長の秘密を知ってしまったら、迫られ捕まってしまいました

Karamimi
恋愛
侯爵令嬢で貴族学院2年のルミナスは、元騎士団長だった父親を8歳の時に魔物討伐で亡くした。一家の大黒柱だった父を亡くしたことで、次期騎士団長と期待されていた兄は騎士団を辞め、12歳という若さで侯爵を継いだ。 そんな兄を支えていたルミナスは、ある日貴族学院3年、公爵令息カルロスの意外な姿を見てしまった。学院卒院後は騎士団長になる事も決まっているうえ、容姿端麗で勉学、武術も優れているまさに完璧公爵令息の彼とはあまりにも違う姿に、笑いが止まらない。 お兄様の夢だった騎士団長の座を奪ったと、一方的にカルロスを嫌っていたルミナスだが、さすがにこの秘密は墓場まで持って行こう。そう決めていたのだが、翌日カルロスに捕まり、鼻息荒く迫って来る姿にドン引きのルミナス。 挙句の果てに“ルミタン”だなんて呼ぶ始末。もうあの男に関わるのはやめよう、そう思っていたのに… 意地っ張りで素直になれない令嬢、ルミナスと、ちょっと気持ち悪いがルミナスを誰よりも愛している次期騎士団長、カルロスが幸せになるまでのお話しです。 よろしくお願いしますm(__)m

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

【完結】異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます

七夜かなた
恋愛
仕事中に突然異世界に転移された、向先唯奈 29歳 どうやら聖女召喚に巻き込まれたらしい。 一緒に召喚されたのはお金持ち女子校の美少女、財前麗。当然誰もが彼女を聖女と認定する。 聖女じゃない方だと認定されたが、国として責任は取ると言われ、取り敢えず王族の家に居候して面倒見てもらうことになった。 居候先はアドルファス・レインズフォードの邸宅。 左顔面に大きな傷跡を持ち、片脚を少し引きずっている。 かつて優秀な騎士だった彼は魔獣討伐の折にその傷を負ったということだった。 今は現役を退き王立学園の教授を勤めているという。 彼の元で帰れる日が来ることを願い日々を過ごすことになった。 怪我のせいで今は女性から嫌厭されているが、元は女性との付き合いも派手な伊達男だったらしいアドルファスから恋人にならないかと迫られて ムーライトノベルでも先行掲載しています。 前半はあまりイチャイチャはありません。 イラストは青ちょびれさんに依頼しました 118話完結です。 ムーライトノベル、ベリーズカフェでも掲載しています。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

処理中です...