6 / 7
おやすみ
しおりを挟む
「ごめんなさい」
言い訳を考えていた私にこの人は謝ってきたが、何に対して謝られているのかわからない。
「貴方の…過去を見たの…」
『過去』
それは先ほど見た夢の内容のこと?
「夕食前に仮眠をしたの。ラフィさんが、かけられていた呪いは解いた人物にも夢で共有されるから…わざとではないけど、見てしまってごめんなさい」
「…私が、魔族を心から憎み嫌っている理由を知ったんだ…
じゃぁわかったでしょ?私は魔族がだいっ嫌い。存在していてほしくない。
貴方は魔族、黒髪、赤い目それが何よりも証明してる!!人間!?ふざけないで!!貴方は私が消し去りたい魔族そのものよ!!!!」
あぁ違う。そんなこと言いたいんじゃない。
魔族は消し去りたい。この人は優しくていい人。
魔族は私の両親を殺した。この人は私を助けてくれた。
いろんな感情がもうぐちゃぐちゃで何を言っているのか何を考えているのかさえもうわからなくなってきた
「そう…」
「あっ…」
すっと私から離れ部屋から出ていった
当たり前だ。貴方を殺すと宣言したも同じ。離れていくのは当然。
しかしすぐに戻ってきた。短剣を持って。
あんなこと言ったから私は殺されるんだ。
怖い
夢を見ているときのような恐怖が私をまた襲う。
「はい、これで私の心臓を刺しなさい」
「…え?」
私の手に短剣を握らせ刃をこの人の胸に向けさせられた
「な…に…して…」
「ラフィさんは魔族…私を消し去りたいのでしょう?
だから貴方の手で私を刺しなさい」
「意味がわからない!なんでっ…そんな簡単に命を…」
「死んだとしてもまた別の世界で生まれ変わってしまうし…
私を殺すことで少しでも気持ちが軽くなるなら喜んでこの命を差し出す。
この世界に生まれたのは貴方の心を軽くする為なのかもしれない
同じ死だとしても、何か意味をもって死にたいの」
まっすぐと赤い目が私を見ている
震える手は握力を失くし短剣を落とした
「違うっ
違うの…わた…しは…」
ボロボロと目から涙が出てくる
手で抑えても止まることはなかった
「魔族は憎いっ…でもっ復讐したいのはっあの襲ってきた奴らでっ…私はっ…
フィンさんを殺したくないっ!!」
私はフィンさんに抱きついた
小さな子供をあやすように優しく優しく頭を撫でてくれた
どれくらい経ったか
私は少しずつ平静を取り戻していった
それと同時に泣きじゃくった恥ずかしさが込み上げてくる
「泣いたから喉が渇いたでしょう?飲み物を取ってくるから」
「わ、私も一緒にいく」
今は一人になりたくなくて、ラフィさんの袖を掴んだ。
いつも飲んでいるというお茶を私も飲ませてもらい、寝なさいと、言われたがラフィさんと離れるのは嫌だった。
「あのっ…今日だけ、一緒に…寝てください」
ラフィさんは微笑んでいいよと答えてくれた。
一緒に寝るとフワフワした気持ちになり夢を見ることなく、ぐっすりと寝られた。
言い訳を考えていた私にこの人は謝ってきたが、何に対して謝られているのかわからない。
「貴方の…過去を見たの…」
『過去』
それは先ほど見た夢の内容のこと?
「夕食前に仮眠をしたの。ラフィさんが、かけられていた呪いは解いた人物にも夢で共有されるから…わざとではないけど、見てしまってごめんなさい」
「…私が、魔族を心から憎み嫌っている理由を知ったんだ…
じゃぁわかったでしょ?私は魔族がだいっ嫌い。存在していてほしくない。
貴方は魔族、黒髪、赤い目それが何よりも証明してる!!人間!?ふざけないで!!貴方は私が消し去りたい魔族そのものよ!!!!」
あぁ違う。そんなこと言いたいんじゃない。
魔族は消し去りたい。この人は優しくていい人。
魔族は私の両親を殺した。この人は私を助けてくれた。
いろんな感情がもうぐちゃぐちゃで何を言っているのか何を考えているのかさえもうわからなくなってきた
「そう…」
「あっ…」
すっと私から離れ部屋から出ていった
当たり前だ。貴方を殺すと宣言したも同じ。離れていくのは当然。
しかしすぐに戻ってきた。短剣を持って。
あんなこと言ったから私は殺されるんだ。
怖い
夢を見ているときのような恐怖が私をまた襲う。
「はい、これで私の心臓を刺しなさい」
「…え?」
私の手に短剣を握らせ刃をこの人の胸に向けさせられた
「な…に…して…」
「ラフィさんは魔族…私を消し去りたいのでしょう?
だから貴方の手で私を刺しなさい」
「意味がわからない!なんでっ…そんな簡単に命を…」
「死んだとしてもまた別の世界で生まれ変わってしまうし…
私を殺すことで少しでも気持ちが軽くなるなら喜んでこの命を差し出す。
この世界に生まれたのは貴方の心を軽くする為なのかもしれない
同じ死だとしても、何か意味をもって死にたいの」
まっすぐと赤い目が私を見ている
震える手は握力を失くし短剣を落とした
「違うっ
違うの…わた…しは…」
ボロボロと目から涙が出てくる
手で抑えても止まることはなかった
「魔族は憎いっ…でもっ復讐したいのはっあの襲ってきた奴らでっ…私はっ…
フィンさんを殺したくないっ!!」
私はフィンさんに抱きついた
小さな子供をあやすように優しく優しく頭を撫でてくれた
どれくらい経ったか
私は少しずつ平静を取り戻していった
それと同時に泣きじゃくった恥ずかしさが込み上げてくる
「泣いたから喉が渇いたでしょう?飲み物を取ってくるから」
「わ、私も一緒にいく」
今は一人になりたくなくて、ラフィさんの袖を掴んだ。
いつも飲んでいるというお茶を私も飲ませてもらい、寝なさいと、言われたがラフィさんと離れるのは嫌だった。
「あのっ…今日だけ、一緒に…寝てください」
ラフィさんは微笑んでいいよと答えてくれた。
一緒に寝るとフワフワした気持ちになり夢を見ることなく、ぐっすりと寝られた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
元ゲーマーのオタクが悪役令嬢? ごめん、そのゲーム全然知らない。とりま異世界ライフは普通に楽しめそうなので、設定無視して自分らしく生きます
みなみ抄花
ファンタジー
前世で死んだ自分は、どうやらやったこともないゲームの悪役令嬢に転生させられたようです。
女子力皆無の私が令嬢なんてそもそもが無理だから、設定無視して自分らしく生きますね。
勝手に転生させたどっかの神さま、ヒロインいじめとか勇者とか物語の盛り上げ役とかほんっと心底どうでも良いんで、そんなことよりチート能力もっとよこしてください。
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
知らない異世界を生き抜く方法
明日葉
ファンタジー
異世界転生、とか、異世界召喚、とか。そんなジャンルの小説や漫画は好きで読んでいたけれど。よく元ネタになるようなゲームはやったことがない。
なんの情報もない異世界で、当然自分の立ち位置もわからなければ立ち回りもわからない。
そんな状況で生き抜く方法は?
初夜に目覚めた悪役令嬢(R15)
朋 美緒(とも みお)
ファンタジー
R18版のエロを少なくしたR15バージョンです。
目覚めたのはあれのまっ最中だった
男性に組み敷かれている自分に戸惑っていた
(え?何?何やっ・・・)
「あんっ」
「ロゼッタ、私がそなたの元に来るのは今日が最初で最後だ」
(体が動かないなんて力、違うこれは精霊魔法)
「ロゼッタ!魔法は使えないんじゃなかったのか」
「使えますよ、うふっ全属性」
「なっ!それじゃ聖女じゃないか、結婚出来ない」
「それが嫌だから黙ってたの、だってルードヴィッヒ様の妻になって子供を作るのが夢ですもの」
「そんなことしたら魔法が使えなく・・・」
「使えてますわよ」
そう言うと裸の2人の周りに色とりどりの光が周り出した
「皆、おめでとうって言ってくれてる、一つ夢が叶ったねって」
結婚初夜に前世の記憶が戻り、混乱の中、皇太子を押さえつけて襲うという暴挙をした自己嫌悪真っ最中のロゼッタだった
最初拒否されて傷ついたロゼッタが再び王子と相思相愛になって行く
転生チート物語
「あなたのことはもう忘れることにします。 探さないでください」〜 お飾りの妻だなんてまっぴらごめんです!
友坂 悠
恋愛
あなたのことはもう忘れることにします。
探さないでください。
そう置き手紙を残して妻セリーヌは姿を消した。
政略結婚で結ばれた公爵令嬢セリーヌと、公爵であるパトリック。
しかし婚姻の初夜で語られたのは「私は君を愛することができない」という夫パトリックの言葉。
それでも、いつかは穏やかな夫婦になれるとそう信じてきたのに。
よりにもよって妹マリアンネとの浮気現場を目撃してしまったセリーヌは。
泣き崩れ寝て転生前の記憶を夢に見た拍子に自分が生前日本人であったという意識が蘇り。
もう何もかも捨てて家出をする決意をするのです。
全てを捨てて家を出て、まったり自由に生きようと頑張るセリーヌ。
そんな彼女が新しい恋を見つけて幸せになるまでの物語。
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
私、実は若返り王妃ですの。シミュレーション能力で第二の人生を切り開いておりますので、邪魔はしないでくださいませ
もぐすけ
ファンタジー
シーファは王妃だが、王が新しい妃に夢中になり始めてからは、王宮内でぞんざいに扱われるようになり、遂には廃屋で暮らすよう言い渡される。
あまりの扱いにシーファは侍女のテレサと王宮を抜け出すことを決意するが、王の寵愛をかさに横暴を極めるユリカ姫は、シーファを見張っており、逃亡の準備をしていたテレサを手討ちにしてしまう。
テレサを娘のように思っていたシーファは絶望するが、テレサは天に召される前に、シーファに二つのギフトを手渡した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる