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第一部 ふたつの世界
16.始まりの合図(1)
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さやかが店の外から戻ってくると、その顔が真っ青になっていた。
席に座りアキトのほうを見ながらなにかボソボソと話し出す。
話しながら彼を見てはいるが、目の焦点は相手を見てはいない。
ガタッ。
アキトは席から立ち上がりさやかの両肩をつかむ。そして自分の顔を彼女の面前にまで近づけて話しかける。
「さやか、何があった?」
「!!!」
アキトの声を聞いてさやかの身体が「ビクッ」と震える。
さやかはアキトの言葉を聞き、大きく息を吸って大きく吐いた。そして震える声で話し出す。
「父が……父が襲われて亡くなったそうです。だから……今から病院に行かないと……」
触れているさやかの肩から、アキトへ向かって彼女の気持ちが伝わってくる。アキトは店の店員に声をかけた。
「すみません、お会計お願いします」
アキトは会計を済ませるとさやかを店の外に連れ出し、向かってきたタクシーを捕まえる。
ドアが開いたタクシーの中にさやかを放り込むと、その勢いでアキトもタクシーへ乗り込んだ。
さやかは少し驚いたような表情になる。
「さやか、病院の場所は?」
彼女はそこで「ハッ」と気がついたように、運転手に病院の名を告げた。
病院までの車中でさやかは少し落ち着いたように見えた。
「すみません。さっきの店でお支払いしていただきましたよね。本当はわたしが支払わなければならないはずだったのに……」
「気にするな。でもタクシー代まではないぜ」
「いえ、本当にありがとうございます。しかも、関係ないのに一緒に来てくれるなんて……」
さやかはそう言ってアキトに礼を言うが、彼は首を横に振り微笑みながら話し出す。
「それも気にするな。俺が勝手についてきただけだ。それにあそこで放りだせるようなら最初から助けちゃいない。後味だって悪くなるだろ」
「…………」
さやかが泣きそうな顔でアキトを見ている。アキトは恥ずかしくなり彼女の目線から顔をそむけた。さやかに対して言った自分の言葉に恥ずかしくなったからだ。
30分ほどで病院に到着した。
病院の前には数台のパトカーが止まっている。
ふたりはタクシーから降りると正面の入り口へ向かった。
警官の一人が近づいてくるふたりに気づいて走り寄る。先頭のさやかに話しかけようとしたが、一緒にいるアキトのほうもチラッと見た。
「すみません。関係者の方でしょうか? お名前を教えてください」
警官がさやかに問いかける。
「……北畠沙也加です。父が運ばれたと兄に聞いてきました」
彼女は自分の免許証をだして証明する。
「そちらの方は?」
警官はアキトを見ながらさやかに問いただした。
さやかは一瞬停止したが躊躇せず警官に告げる。
「わたしの婚約者です」
「!!!」
アキトはさやかの言葉に一瞬「えっ?」と目が点になり「おいおい、この場を取り繕うためとはいえ、その言い訳はさすがに無理があるだろう」と思った。でも「けっこう思い切りがいいな」とも感じる。
さやかにそう告げられた警官も、なんだかその返答に怪しんでいるように見えた。ややこしくなりそうだから、この場から消えたほうが良いかとアキトが考えたとき、突然声がかかった。
「おい、君」
いつのまにか警官の後ろにいたスーツ姿の太った男が、警官に声をかけたのだ。
その男の顔つきは白く、白髪頭の男だった。
「その二人の身元は私が保証する。早く中に入れなさい」
警官は素直にその場から離れる。
その白髪頭のおかげで、アキトとさやかは病院に入れた。
アキトとさやかは一緒に白髪頭の後ろをついていく。アキトから見て年齢は50歳くらいに見える白髪頭の男。身長は170センチもないだろう。体型は肥満型で格闘には適していない身体つきだった。それでもアキトから見ると「弱く」は感じられない、不思議な男だと彼は思った。
「ありがとう。徹おじさん」
さやかが白髪頭に礼を言い、言われたほうの白髪頭は彼女に告げる。
「将人から君が向かってくると聞いて、すぐに入れるように待っていたんだよ。とりあえず私についてきなさい」
三人はともに歩き出す。アキトはさやかの「叔父さん」という言葉を聞いたが、どうやら彼女の知り合いのようで安心することができた。
この白髪頭の叔父さんとやらが、アキトのほうをチラッと見て言った。
「さやか、この方は?」
「「…………」」
さやかは一瞬歩くのを止め、思案するような顔つきになったが、なにかを弾き飛ばすようにかるく顔を横に振る。そして答えた。
「今日の夕方、研究所の帰りに襲われたところを助けてくれた方です。悪い人ではありません」
さやかの言葉を聞き、白髪頭は険しい顔つきで話し出す。
「さやかが襲われたのか? あとで詳しく聞くからとりあえず行こう。君もだ。すまないが今返すわけにはいかないので一緒に来てください」
白髪頭はアキトに向かってそう言った。アキトは若干の威圧感を感じたが、無言でうなづく。
三人はふたたび歩きだした。
通路の先にあった突き当りの扉を開けると、正面のベッドに寝かされている男がいた。その人がさやかの父親だろう。雰囲気でわかるがすでにこと切れている。
さやかはベッドに近寄ると、崩れるようにして父親に覆いかぶさる。そして静かに泣きはじめた。
アキトはさやかのうしろからそれを見ていたが、泣いている彼女の横に男が立っている。
さやかを上から見下ろしつつ悔しそうな、それでいてベッドに横たわっている父親をにらみつけるような表情をしていた。
「失礼、すまないが念のために君の名前を教えてくれるかい。私は沙也加の叔父で常守と言います。警官です」
話しかけてきた白髪頭の名をアキトは知ることができた。常守という男は懐から出した警察手帳をアキトに見せる。さやかの親戚は警官だったのだ。
「アキートと言います。外国人ですが今は身分を証明する物を持っていません。部屋に忘れてきました」
これはアキトが外国人として言い訳するパターンの一つだった。だから名前も外国人らしく「アキト」ではなく「アキート」と伸ばす。どっちみち都合が悪くなったら最後は『寝げる』のだからと、安易に考えている対処法だった。
常守はアキトの答えを聞いて彼の目を「ジッ」と見る。アキトの言い分を素直に信じている感じではない。
「……まぁ、今はいいでしょう。それより沙也加が襲われたときのことを話してください」
アキトは端的にこの常守という男に事情を説明した。
工事現場での仕事帰りに悲鳴が聞こえたので向かったこと。さやかが4人の暴漢にさらわれそうになっていたこと。アキトが彼女を連れて逃げたこと。その後さやかがお礼と称して食事に誘ってくれたことだ。
「4人を相手にして沙也加を助けてくれたのですか……。まず最初に叔父としてお礼を言わせてもらいます」
常守はアキトに対してとても丁寧に頭を下げたが、常守は続けて言う。
「とは言え、たいへん申し訳ないが、それと君が不審人物であるという事とは別の話だ」
常守は警官だからなのか、ちゃんと判断と区別ができる男のようだとアキトは感じた。
「それは当然でしょう。怪しい男がいたら警戒するのは当たり前です。しかも、それがあなたの責務であるのならなおさらでしょう」
アキトの返答に対して常守は、一瞬怪訝そうな顔つきになり、彼をまた「ジッ」と見つめる。
「「…………」」
「ふっ」
わずかなの沈黙のあと、常守が微笑みながら息を吐くと、二人の間の緊張が途切れ常守が口を開く。
「これでも人を見る目はあるつもりです。悪いようにはしませんから……」
「徹おじさん……」
父のベッドから離れたさやかと、横にいた男が一緒にこちらへやってきて常守に声をかけた。
「沙也加、こいつは誰だ?」
さやかと一緒にきた男が口を開く。
「兄さん! 失礼なことを言わないで! アキトさんはわたしを助けてくれた人なのよ」
アキトはさやかが「兄さん」と呼んだ男を見る。と言うことは、この男がさやかの兄なのだろう。口調は荒かったが、これは純粋に妹を心配する態度なのだろうと感じた。
「助けてくれただと? それはどういうことだ?」
「将人君」
常守がさやかの兄である男に語りかける。そのとき、彼女の兄が将人という名前なのだとアキトは知った。要するに常守は、兄弟ふたりの叔父だということだった。
「彼、アキートさんに関しては先ほどまで私が説明を聞いていた。今は彼の素性よりもこの事件のことを整理したい。マスコミもまだ動いてはいないが、騒ぎが大きくなるのも時間の問題だろう……」
常守の言葉を聞いてさやかが将人に問いただす。
「兄さん、お父さんはなぜ……」
将人はさやかに問われ、最初の状況を話し出した。
「1時間半前。門を警備していた警官が書斎で倒れている父を発見した。その際、1階で小津さんと、中にいたSPが倒れているのも発見している……」
将人の話を聞いてさやか問い返す。
「まさか、なんで小津さんまで! それに屋敷の中にまでSPがいるなんて、そんな危ないことになっていたなんて、兄さんからはなにも聞いてないわ」
「さやか」
兄を問い詰めるような口調になっているさやかに対して、常守が彼女に問いかけ、将人の代わりに話しはじめた。
「小津さんは眠らされていただけで心配はない。検査が終わり次第会えるだろう。SPは重傷ではあるが命に別状はないそうだ。SPがなぜ屋敷内に配備されていたのかという質問だが、それは私の指示だったからだ。結局こんな結果になっては言いようがないが……」
常守はさやかに対して申し訳なさそうに答えるが、彼女は常守に近寄り問いただす。
「待ってください。こんな結果って……。父の死因はなんなのでしょう? まだ状況がよくつかめません」
「さやか」
アキトはそう言うと混乱しているさやかに近寄り、落ち着かせるように彼女の肩に手を置いた……。
席に座りアキトのほうを見ながらなにかボソボソと話し出す。
話しながら彼を見てはいるが、目の焦点は相手を見てはいない。
ガタッ。
アキトは席から立ち上がりさやかの両肩をつかむ。そして自分の顔を彼女の面前にまで近づけて話しかける。
「さやか、何があった?」
「!!!」
アキトの声を聞いてさやかの身体が「ビクッ」と震える。
さやかはアキトの言葉を聞き、大きく息を吸って大きく吐いた。そして震える声で話し出す。
「父が……父が襲われて亡くなったそうです。だから……今から病院に行かないと……」
触れているさやかの肩から、アキトへ向かって彼女の気持ちが伝わってくる。アキトは店の店員に声をかけた。
「すみません、お会計お願いします」
アキトは会計を済ませるとさやかを店の外に連れ出し、向かってきたタクシーを捕まえる。
ドアが開いたタクシーの中にさやかを放り込むと、その勢いでアキトもタクシーへ乗り込んだ。
さやかは少し驚いたような表情になる。
「さやか、病院の場所は?」
彼女はそこで「ハッ」と気がついたように、運転手に病院の名を告げた。
病院までの車中でさやかは少し落ち着いたように見えた。
「すみません。さっきの店でお支払いしていただきましたよね。本当はわたしが支払わなければならないはずだったのに……」
「気にするな。でもタクシー代まではないぜ」
「いえ、本当にありがとうございます。しかも、関係ないのに一緒に来てくれるなんて……」
さやかはそう言ってアキトに礼を言うが、彼は首を横に振り微笑みながら話し出す。
「それも気にするな。俺が勝手についてきただけだ。それにあそこで放りだせるようなら最初から助けちゃいない。後味だって悪くなるだろ」
「…………」
さやかが泣きそうな顔でアキトを見ている。アキトは恥ずかしくなり彼女の目線から顔をそむけた。さやかに対して言った自分の言葉に恥ずかしくなったからだ。
30分ほどで病院に到着した。
病院の前には数台のパトカーが止まっている。
ふたりはタクシーから降りると正面の入り口へ向かった。
警官の一人が近づいてくるふたりに気づいて走り寄る。先頭のさやかに話しかけようとしたが、一緒にいるアキトのほうもチラッと見た。
「すみません。関係者の方でしょうか? お名前を教えてください」
警官がさやかに問いかける。
「……北畠沙也加です。父が運ばれたと兄に聞いてきました」
彼女は自分の免許証をだして証明する。
「そちらの方は?」
警官はアキトを見ながらさやかに問いただした。
さやかは一瞬停止したが躊躇せず警官に告げる。
「わたしの婚約者です」
「!!!」
アキトはさやかの言葉に一瞬「えっ?」と目が点になり「おいおい、この場を取り繕うためとはいえ、その言い訳はさすがに無理があるだろう」と思った。でも「けっこう思い切りがいいな」とも感じる。
さやかにそう告げられた警官も、なんだかその返答に怪しんでいるように見えた。ややこしくなりそうだから、この場から消えたほうが良いかとアキトが考えたとき、突然声がかかった。
「おい、君」
いつのまにか警官の後ろにいたスーツ姿の太った男が、警官に声をかけたのだ。
その男の顔つきは白く、白髪頭の男だった。
「その二人の身元は私が保証する。早く中に入れなさい」
警官は素直にその場から離れる。
その白髪頭のおかげで、アキトとさやかは病院に入れた。
アキトとさやかは一緒に白髪頭の後ろをついていく。アキトから見て年齢は50歳くらいに見える白髪頭の男。身長は170センチもないだろう。体型は肥満型で格闘には適していない身体つきだった。それでもアキトから見ると「弱く」は感じられない、不思議な男だと彼は思った。
「ありがとう。徹おじさん」
さやかが白髪頭に礼を言い、言われたほうの白髪頭は彼女に告げる。
「将人から君が向かってくると聞いて、すぐに入れるように待っていたんだよ。とりあえず私についてきなさい」
三人はともに歩き出す。アキトはさやかの「叔父さん」という言葉を聞いたが、どうやら彼女の知り合いのようで安心することができた。
この白髪頭の叔父さんとやらが、アキトのほうをチラッと見て言った。
「さやか、この方は?」
「「…………」」
さやかは一瞬歩くのを止め、思案するような顔つきになったが、なにかを弾き飛ばすようにかるく顔を横に振る。そして答えた。
「今日の夕方、研究所の帰りに襲われたところを助けてくれた方です。悪い人ではありません」
さやかの言葉を聞き、白髪頭は険しい顔つきで話し出す。
「さやかが襲われたのか? あとで詳しく聞くからとりあえず行こう。君もだ。すまないが今返すわけにはいかないので一緒に来てください」
白髪頭はアキトに向かってそう言った。アキトは若干の威圧感を感じたが、無言でうなづく。
三人はふたたび歩きだした。
通路の先にあった突き当りの扉を開けると、正面のベッドに寝かされている男がいた。その人がさやかの父親だろう。雰囲気でわかるがすでにこと切れている。
さやかはベッドに近寄ると、崩れるようにして父親に覆いかぶさる。そして静かに泣きはじめた。
アキトはさやかのうしろからそれを見ていたが、泣いている彼女の横に男が立っている。
さやかを上から見下ろしつつ悔しそうな、それでいてベッドに横たわっている父親をにらみつけるような表情をしていた。
「失礼、すまないが念のために君の名前を教えてくれるかい。私は沙也加の叔父で常守と言います。警官です」
話しかけてきた白髪頭の名をアキトは知ることができた。常守という男は懐から出した警察手帳をアキトに見せる。さやかの親戚は警官だったのだ。
「アキートと言います。外国人ですが今は身分を証明する物を持っていません。部屋に忘れてきました」
これはアキトが外国人として言い訳するパターンの一つだった。だから名前も外国人らしく「アキト」ではなく「アキート」と伸ばす。どっちみち都合が悪くなったら最後は『寝げる』のだからと、安易に考えている対処法だった。
常守はアキトの答えを聞いて彼の目を「ジッ」と見る。アキトの言い分を素直に信じている感じではない。
「……まぁ、今はいいでしょう。それより沙也加が襲われたときのことを話してください」
アキトは端的にこの常守という男に事情を説明した。
工事現場での仕事帰りに悲鳴が聞こえたので向かったこと。さやかが4人の暴漢にさらわれそうになっていたこと。アキトが彼女を連れて逃げたこと。その後さやかがお礼と称して食事に誘ってくれたことだ。
「4人を相手にして沙也加を助けてくれたのですか……。まず最初に叔父としてお礼を言わせてもらいます」
常守はアキトに対してとても丁寧に頭を下げたが、常守は続けて言う。
「とは言え、たいへん申し訳ないが、それと君が不審人物であるという事とは別の話だ」
常守は警官だからなのか、ちゃんと判断と区別ができる男のようだとアキトは感じた。
「それは当然でしょう。怪しい男がいたら警戒するのは当たり前です。しかも、それがあなたの責務であるのならなおさらでしょう」
アキトの返答に対して常守は、一瞬怪訝そうな顔つきになり、彼をまた「ジッ」と見つめる。
「「…………」」
「ふっ」
わずかなの沈黙のあと、常守が微笑みながら息を吐くと、二人の間の緊張が途切れ常守が口を開く。
「これでも人を見る目はあるつもりです。悪いようにはしませんから……」
「徹おじさん……」
父のベッドから離れたさやかと、横にいた男が一緒にこちらへやってきて常守に声をかけた。
「沙也加、こいつは誰だ?」
さやかと一緒にきた男が口を開く。
「兄さん! 失礼なことを言わないで! アキトさんはわたしを助けてくれた人なのよ」
アキトはさやかが「兄さん」と呼んだ男を見る。と言うことは、この男がさやかの兄なのだろう。口調は荒かったが、これは純粋に妹を心配する態度なのだろうと感じた。
「助けてくれただと? それはどういうことだ?」
「将人君」
常守がさやかの兄である男に語りかける。そのとき、彼女の兄が将人という名前なのだとアキトは知った。要するに常守は、兄弟ふたりの叔父だということだった。
「彼、アキートさんに関しては先ほどまで私が説明を聞いていた。今は彼の素性よりもこの事件のことを整理したい。マスコミもまだ動いてはいないが、騒ぎが大きくなるのも時間の問題だろう……」
常守の言葉を聞いてさやかが将人に問いただす。
「兄さん、お父さんはなぜ……」
将人はさやかに問われ、最初の状況を話し出した。
「1時間半前。門を警備していた警官が書斎で倒れている父を発見した。その際、1階で小津さんと、中にいたSPが倒れているのも発見している……」
将人の話を聞いてさやか問い返す。
「まさか、なんで小津さんまで! それに屋敷の中にまでSPがいるなんて、そんな危ないことになっていたなんて、兄さんからはなにも聞いてないわ」
「さやか」
兄を問い詰めるような口調になっているさやかに対して、常守が彼女に問いかけ、将人の代わりに話しはじめた。
「小津さんは眠らされていただけで心配はない。検査が終わり次第会えるだろう。SPは重傷ではあるが命に別状はないそうだ。SPがなぜ屋敷内に配備されていたのかという質問だが、それは私の指示だったからだ。結局こんな結果になっては言いようがないが……」
常守はさやかに対して申し訳なさそうに答えるが、彼女は常守に近寄り問いただす。
「待ってください。こんな結果って……。父の死因はなんなのでしょう? まだ状況がよくつかめません」
「さやか」
アキトはそう言うと混乱しているさやかに近寄り、落ち着かせるように彼女の肩に手を置いた……。
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