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第一部 ふたつの世界
09.妻の仇を(2) 時節
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すでに、5期10年間を政界で過ごしていた北畠勇樹は党の要職も経験しており、今回の内閣では総務大臣の任を帯びた。
日本の警察組織は総務省の管轄であり、地位的には警察庁長官や警視総監とも交流する。
警視総監は、新たに総務大臣になった勇樹の情報も調べていたのだろう。
関係者との会合中、総監は彼との歓談の中で、都内の交通事故件数の話になり、妻の事故のことも話題にあがった。
当時、暴走した車を運転していた人物は78歳。高齢で認知症の疑いがあったせいもあり、執行猶予がついていたはずだった。
正直、生きていれば88歳になっているだろう老人だ。総監は妻を殺した相手の話をすれば、勇樹が興味をもつと考えたのだろう。
「加害者である男は、事件から2年後に交通事故で亡くなっています。同じように車に引かれたのですが、何の因果でしょうかね……」
総監の考え深そうな表情は、演技なのか同情なのかの判断はつかない。どちらにしろ、今さら言われてもどうしようもないことだ。勇樹は薄ら笑いで返しておいた。
後日、警視庁への訪問を行った際に、10年ぶりに目にした人物がいる。
死んだ妻。恵の弟である『常守徹』だった。
彼は、12歳のときに妻の実家である『楠木家』から、遠縁の『常守家』に養子に出されている。勇樹に直接会うのは恵の葬式以来だった。
常守が警視庁にいたことは知らなかったが、その場では長話をする状況ではなく、彼の連絡先だけを教えてもらった。
2週間後、彼と連絡をとったが話したいことがあるというので、勇樹の屋敷へ来てもらう約束をする。
当日、常守は屋敷へやってきた。話を聞き今は公安に在籍していると教えてくれる。公安という仕事の特殊性なのか、会ったときの彼の表情は硬かったが問いただすことはしない。
それでも常守は、10年ぶりに会った娘の沙也加を見ると表情が緩み、目頭を赤くした。
沙也加も喜んでいたが、ふたりで話したいこともあるだろうからと、沙也加は同席を遠慮する。
ふたりは書斎で話をすることにした。
そこでは、今までの彼の人生や勇樹の政治活動に関することを話したが、恵の事件に関することに話が変わると空気は変わる。
常守は恵の事故の加害者だった老人が、すでに事故で死んでいることも知っていた。
彼は持っていたバッグから、ファイルを一冊取り出して勇樹の目の前に置く。
「これは?」
勇樹はそう言って常守を見た。以前会ったときよりも、体型や顔立ちがだいぶふくよかになっている。
常守の表情は、無表情ながら目だけで「それを見てほしい」と訴えていた。
勇樹はファイルに手を伸ばし開く。
……恵の事故の調書だった。
勇樹は「なぜ今さら?」という表情で常守を一瞬見たが、わざわざこのファイルを見せるために会いに来たのだろうと考えたので、勇樹は開いたファイルに顔を向ける。
調書には事件の日時や、現場の詳細な情報、当時現場にいた人物の内容が明確に記載されていた。
当時、現場は人通りの多い街中だったせいか、現場を目撃した十数人から話を聞いている。
主な事件の関係者として加害者の老人、さやかを助けた警官。それと『常守徹』の名前が記されている。
「君もあの現場にいたのか!」
勇樹は、常守を見返しながら声に出す。
「事故の瞬間は見ていません。見たのは倒れている姉さんに覆いかぶさって、泣いている沙也加の姿でした……。北畠さんに言わなかったのは申し訳なかったと思っています」
勇樹は彼の事情をあえて聞かないことにした。なによりも、ここで聞くべきことではないと判断したからだ。
「そこに私の名前が載っているのは、私が目撃者の一人でもあり、すでに警察官だったからですが……。見ていただきたいのは、後半に記載がある救急車で運ばれた人物。付箋が付いているところです」
勇樹は付箋が付いているページを開く。
「運ばれたのは、被害者である姉さんと沙也加。他は加害者の老人と、暴走した車と接触して負傷した3人です。3人のうち2名は重症で入院しましたが、もう一人若者がいました。その若者は病院に運ばれましたが、診察では異常はなく当日に帰宅しています」
「その若者が何か?」
勇樹は、不審な眼差しで常守に問う。
「当時、彼は保険証を不携帯でしたが、大学の学生証から名前がわかっています」
手に持つファイル。その内容の記載部分に目が入り、書かれていた名前に心の奥底で不気味な感覚が沸き上がる。
そして、頭の中に思い出したくないあの光景が映し出された。そしてあの冷たい感覚も……。
「鞆浦ヒカル。当時の姉の教え子です」
「!!!」
はっきりと……記憶の中で暴漢に襲われたときの光景。さらに鞆浦の冷たい表情が思い出される。
あの恐怖心が沸き上がってきた。
忌避したい感情が口から強く出た。
「なぜ、徹君は私にこれを教えるんだい? だからといって彼が現場にいた事と、恵の事故との関連性はひもづけられないんじゃないのか?」
勇樹は自分の口調が強くなっていることに気がつかない。
勇樹の目の前にいる男は、彼の目を見据えながら口を開く。
「私も当時、鞆浦の状況を詳細に覚えていませんでした。最初に調書の名前を見たときにも、何も疑問は感じなかったのです。ですが、公安という特殊な仕事柄、さまざまな組織の人物リストには目を通します」
「組織? まさか鞆浦は過激派かなにかなのか?」
勇樹は、驚きの表情で常守に問いただす。
公安と聞けば、最初に捜査対象として頭に上がるのは、国内外の過激派だからだ。
「いえ。表面上は、犯罪に関与していそうな組織ではありません。とは言え、鞆浦の名前に気づいたのは最近です。とある新興宗教団体の資料でした」
「新興宗教団体?」
「はい。『光のバシュタ教』と呼ばれる宗教団体で『トモーラ』と名乗り、そこの教祖となっています。教義は自然エネルギーである原子力を崇めるという一風変わった団体ですが……」
常守の話は、まだ恵の事故と鞆浦を結びつけるには程遠いと勇樹は思った。自分自身を納得させるための材料にはまだ……。
そんな思いの勇樹を見つめながら、常守は話を続ける。
「姉が事故にあった日、私と姉は久しぶりに会う約束をしていました。その日、姉はこの屋敷から出る前に私と電話で話をしましたが、途中で生徒に会うなんてことは言っていません。とは言え、偶然に遭遇することもあるでしょう」
「…………」
「それであったとしても、私には気になることがあります。車に吹き飛ばされた他の二人は重傷だったのに対して鞆浦自身は無傷だったこと。姉の事故の半年後に、彼は教団を設立したこと。それと……」
「たしかに不自然には感じるが、まだ感じるだけだ」
勇樹は常守の話に口をはさんだが、彼はなおも話を続ける。
「それに私は……事故で暴走した車が持ち込まれた整備工場に行きました。そして当時、車を確認した整備工がまだ在籍しており、その人が教えてくれました」
「それで?」
勇樹は、少しずつ息苦しくなってきたと感じていた。
「サイドブレーキが……ねじ曲がっていたそうです」
常守は、勇樹の目から視線を外さずにそう告げた。
「ねじ曲がっていた? それは加害者である老人が、急にアクセルを踏んだせいでは?」
「確認しましたが、アクセルを強く踏み、急発進してもいきなりねじ曲がるようなことはないそうです。通常はゆっくりと過熱してから不具合を起こします。なので、こんな珍しいこともあるものだと。整備工はよく覚えていたそうです」
――ブレーキがねじ曲がる……。
「どう感じますか? 一つ一つの事柄と鞆浦と姉の接点は見つかりません。ですが、この怪しさに何かが気にかかり、モヤモヤするのです。構成する何かがハマれば……」
常守は続けて話していたが、勇樹の別のことを考えていた。
――ねじ曲がる……。
その言葉に、勇樹の脳裏には『あのナイフ』の光景が浮かんだ。
あのとき、暴漢が手から落としたナイフもねじ曲がっていたのだ。
「その宗教団体や教祖自身には……なにか他に不思議な情報はないのかい?」
勇樹は、ゆっくりとした口調で常守に聞く。
常守は勇樹の質問に対して少し考え込み、無表情のまま質問に答える。
「新興宗教の教祖に、よくある噂話ならあります」
「それは?」
勇樹は再度聞き返す。
「手に触れずに物を動かしたり、空中に浮いたりするなどですが、あくまでも最初だけの噂です。今ではそんな話すらないそうです」
あぁぁぁ……。
勇樹の中で、今……不完全なピースがハマった。
もう……自分を騙すことはできない。勇樹は恐怖心から逃げていた。もう……目をそらして逃げるのはやめなければならない。
恵の顔が頭に浮かぶ。なぜか幼い頃の沙也加の顔も浮かんだ。
「徹君」
「はい」
勇樹は立ち上がり、常守に背を向け窓から外をみる。
窓の向こうには庭が見え、庭木が風に揺られている。一瞬強い風が吹いたのか、木から葉が何枚か吹き飛び窓に当たった。
「私は以前、鞆浦が触れずに人を吹き飛ばしたり、ナイフを曲げるところを目撃している」
勇樹は確信した……。
「理由はわからないが、妻を殺したのは鞆浦だ」
勇樹は心の奥底で封印していた気持ちを呼び起こす。
「私は……恵の仇をとりたい……」
眼の前の常守は、無表情のまま立ち上がり、勇樹に対して手を差し出した……。
日本の警察組織は総務省の管轄であり、地位的には警察庁長官や警視総監とも交流する。
警視総監は、新たに総務大臣になった勇樹の情報も調べていたのだろう。
関係者との会合中、総監は彼との歓談の中で、都内の交通事故件数の話になり、妻の事故のことも話題にあがった。
当時、暴走した車を運転していた人物は78歳。高齢で認知症の疑いがあったせいもあり、執行猶予がついていたはずだった。
正直、生きていれば88歳になっているだろう老人だ。総監は妻を殺した相手の話をすれば、勇樹が興味をもつと考えたのだろう。
「加害者である男は、事件から2年後に交通事故で亡くなっています。同じように車に引かれたのですが、何の因果でしょうかね……」
総監の考え深そうな表情は、演技なのか同情なのかの判断はつかない。どちらにしろ、今さら言われてもどうしようもないことだ。勇樹は薄ら笑いで返しておいた。
後日、警視庁への訪問を行った際に、10年ぶりに目にした人物がいる。
死んだ妻。恵の弟である『常守徹』だった。
彼は、12歳のときに妻の実家である『楠木家』から、遠縁の『常守家』に養子に出されている。勇樹に直接会うのは恵の葬式以来だった。
常守が警視庁にいたことは知らなかったが、その場では長話をする状況ではなく、彼の連絡先だけを教えてもらった。
2週間後、彼と連絡をとったが話したいことがあるというので、勇樹の屋敷へ来てもらう約束をする。
当日、常守は屋敷へやってきた。話を聞き今は公安に在籍していると教えてくれる。公安という仕事の特殊性なのか、会ったときの彼の表情は硬かったが問いただすことはしない。
それでも常守は、10年ぶりに会った娘の沙也加を見ると表情が緩み、目頭を赤くした。
沙也加も喜んでいたが、ふたりで話したいこともあるだろうからと、沙也加は同席を遠慮する。
ふたりは書斎で話をすることにした。
そこでは、今までの彼の人生や勇樹の政治活動に関することを話したが、恵の事件に関することに話が変わると空気は変わる。
常守は恵の事故の加害者だった老人が、すでに事故で死んでいることも知っていた。
彼は持っていたバッグから、ファイルを一冊取り出して勇樹の目の前に置く。
「これは?」
勇樹はそう言って常守を見た。以前会ったときよりも、体型や顔立ちがだいぶふくよかになっている。
常守の表情は、無表情ながら目だけで「それを見てほしい」と訴えていた。
勇樹はファイルに手を伸ばし開く。
……恵の事故の調書だった。
勇樹は「なぜ今さら?」という表情で常守を一瞬見たが、わざわざこのファイルを見せるために会いに来たのだろうと考えたので、勇樹は開いたファイルに顔を向ける。
調書には事件の日時や、現場の詳細な情報、当時現場にいた人物の内容が明確に記載されていた。
当時、現場は人通りの多い街中だったせいか、現場を目撃した十数人から話を聞いている。
主な事件の関係者として加害者の老人、さやかを助けた警官。それと『常守徹』の名前が記されている。
「君もあの現場にいたのか!」
勇樹は、常守を見返しながら声に出す。
「事故の瞬間は見ていません。見たのは倒れている姉さんに覆いかぶさって、泣いている沙也加の姿でした……。北畠さんに言わなかったのは申し訳なかったと思っています」
勇樹は彼の事情をあえて聞かないことにした。なによりも、ここで聞くべきことではないと判断したからだ。
「そこに私の名前が載っているのは、私が目撃者の一人でもあり、すでに警察官だったからですが……。見ていただきたいのは、後半に記載がある救急車で運ばれた人物。付箋が付いているところです」
勇樹は付箋が付いているページを開く。
「運ばれたのは、被害者である姉さんと沙也加。他は加害者の老人と、暴走した車と接触して負傷した3人です。3人のうち2名は重症で入院しましたが、もう一人若者がいました。その若者は病院に運ばれましたが、診察では異常はなく当日に帰宅しています」
「その若者が何か?」
勇樹は、不審な眼差しで常守に問う。
「当時、彼は保険証を不携帯でしたが、大学の学生証から名前がわかっています」
手に持つファイル。その内容の記載部分に目が入り、書かれていた名前に心の奥底で不気味な感覚が沸き上がる。
そして、頭の中に思い出したくないあの光景が映し出された。そしてあの冷たい感覚も……。
「鞆浦ヒカル。当時の姉の教え子です」
「!!!」
はっきりと……記憶の中で暴漢に襲われたときの光景。さらに鞆浦の冷たい表情が思い出される。
あの恐怖心が沸き上がってきた。
忌避したい感情が口から強く出た。
「なぜ、徹君は私にこれを教えるんだい? だからといって彼が現場にいた事と、恵の事故との関連性はひもづけられないんじゃないのか?」
勇樹は自分の口調が強くなっていることに気がつかない。
勇樹の目の前にいる男は、彼の目を見据えながら口を開く。
「私も当時、鞆浦の状況を詳細に覚えていませんでした。最初に調書の名前を見たときにも、何も疑問は感じなかったのです。ですが、公安という特殊な仕事柄、さまざまな組織の人物リストには目を通します」
「組織? まさか鞆浦は過激派かなにかなのか?」
勇樹は、驚きの表情で常守に問いただす。
公安と聞けば、最初に捜査対象として頭に上がるのは、国内外の過激派だからだ。
「いえ。表面上は、犯罪に関与していそうな組織ではありません。とは言え、鞆浦の名前に気づいたのは最近です。とある新興宗教団体の資料でした」
「新興宗教団体?」
「はい。『光のバシュタ教』と呼ばれる宗教団体で『トモーラ』と名乗り、そこの教祖となっています。教義は自然エネルギーである原子力を崇めるという一風変わった団体ですが……」
常守の話は、まだ恵の事故と鞆浦を結びつけるには程遠いと勇樹は思った。自分自身を納得させるための材料にはまだ……。
そんな思いの勇樹を見つめながら、常守は話を続ける。
「姉が事故にあった日、私と姉は久しぶりに会う約束をしていました。その日、姉はこの屋敷から出る前に私と電話で話をしましたが、途中で生徒に会うなんてことは言っていません。とは言え、偶然に遭遇することもあるでしょう」
「…………」
「それであったとしても、私には気になることがあります。車に吹き飛ばされた他の二人は重傷だったのに対して鞆浦自身は無傷だったこと。姉の事故の半年後に、彼は教団を設立したこと。それと……」
「たしかに不自然には感じるが、まだ感じるだけだ」
勇樹は常守の話に口をはさんだが、彼はなおも話を続ける。
「それに私は……事故で暴走した車が持ち込まれた整備工場に行きました。そして当時、車を確認した整備工がまだ在籍しており、その人が教えてくれました」
「それで?」
勇樹は、少しずつ息苦しくなってきたと感じていた。
「サイドブレーキが……ねじ曲がっていたそうです」
常守は、勇樹の目から視線を外さずにそう告げた。
「ねじ曲がっていた? それは加害者である老人が、急にアクセルを踏んだせいでは?」
「確認しましたが、アクセルを強く踏み、急発進してもいきなりねじ曲がるようなことはないそうです。通常はゆっくりと過熱してから不具合を起こします。なので、こんな珍しいこともあるものだと。整備工はよく覚えていたそうです」
――ブレーキがねじ曲がる……。
「どう感じますか? 一つ一つの事柄と鞆浦と姉の接点は見つかりません。ですが、この怪しさに何かが気にかかり、モヤモヤするのです。構成する何かがハマれば……」
常守は続けて話していたが、勇樹の別のことを考えていた。
――ねじ曲がる……。
その言葉に、勇樹の脳裏には『あのナイフ』の光景が浮かんだ。
あのとき、暴漢が手から落としたナイフもねじ曲がっていたのだ。
「その宗教団体や教祖自身には……なにか他に不思議な情報はないのかい?」
勇樹は、ゆっくりとした口調で常守に聞く。
常守は勇樹の質問に対して少し考え込み、無表情のまま質問に答える。
「新興宗教の教祖に、よくある噂話ならあります」
「それは?」
勇樹は再度聞き返す。
「手に触れずに物を動かしたり、空中に浮いたりするなどですが、あくまでも最初だけの噂です。今ではそんな話すらないそうです」
あぁぁぁ……。
勇樹の中で、今……不完全なピースがハマった。
もう……自分を騙すことはできない。勇樹は恐怖心から逃げていた。もう……目をそらして逃げるのはやめなければならない。
恵の顔が頭に浮かぶ。なぜか幼い頃の沙也加の顔も浮かんだ。
「徹君」
「はい」
勇樹は立ち上がり、常守に背を向け窓から外をみる。
窓の向こうには庭が見え、庭木が風に揺られている。一瞬強い風が吹いたのか、木から葉が何枚か吹き飛び窓に当たった。
「私は以前、鞆浦が触れずに人を吹き飛ばしたり、ナイフを曲げるところを目撃している」
勇樹は確信した……。
「理由はわからないが、妻を殺したのは鞆浦だ」
勇樹は心の奥底で封印していた気持ちを呼び起こす。
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