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第四章 悩める部活と猛練習
第85話 誰かはできないという現実
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「二人とも、どうして?」
「あら、待たれて困ることでもあるのかしら?」
「いや、そんなことはないですけど……」
え、なんでちょっと機嫌悪いんすか。
笑顔の裏に般若が見えるんだけど。
「まぁまぁ落ち着けって、二人を待ってたんだよ」
「何かあったの?」
「いいや、ただこっちはこっちで話したんだよ、池本のこと」
樫田が俺と椎名に割って入りながら、増倉の質問に答えた。
池本のこと。その一言でなんとなく察することができた。
椎名が補足するように付け加える。
「佐恵と大槻、山路とも話したわ。全員で待っていても仕方ないから私たちが代表で待っていたのよ」
「なるほど」
「やっぱりみんな気にしてたのね」
「時間も遅いし、歩きながら話そうか」
樫田が駅のある方向に歩き始める。
増倉がその横を付いて行き、俺と椎名が後ろから付いて行く。
歩きながら、樫田は顔を横に向けながら話す。
「現状、池本についてみんな心配している。やる気が空回っていること。そしてこのままじゃ、役を得ることが難しいこと……今日の稽古も、池本のレベルアップが目的なところはあったからな」
「それは分かるけど、もっと他になかったの? なんかこう効率のいい稽古」
「バカ言え。そんなんあれば苦労しないわ。それに部活の時間を使うんだ。池本一人に全てを構ってられない」
樫田の意見はごもっともだ。
勉強についていけないやつがいたとしても学校の授業が進むように、集団の中にいるってことは遅い一人に合わせて全体のスピードを下げることはできない。
残酷だが、池本一人に構い過ぎて俺達や他の一年生が成長しないとなったら、それはそれで問題だ。
だが。
「でも、このままじゃ池本、春大会に出れないんだよ! それでもいいの!?」
「そのことなのだけど、栞」
「何?」
「誰かは確実に出れないのよ?」
振り返った増倉に、椎名が真っ直ぐに問うた。
……ああ、そうだ。その通りだ。
今回の春大会、役の数より役者の方が多い。
それつまり、誰かが出れなくて裏方に回るということだ。
さらに言うなら、男性役は数的にピッタリだ。多いのは女性役者。
「……それは、そうだけど! でも!」
増倉が辛そうな顔で、何かを言おうとしてぐっと堪えていた。
俺達は立ち止まった。
横行く車たちの走る音だけが聞こえる。
ほんの数秒の沈黙。破ったのは樫田だった。
「増倉の言い分も理解できるが、それでも部活として先輩として誰か一人に肩入れすることはできない」
「じゃあ、池本はどうなるの?」
「本人の努力次第だ。彼女だけに特別時間を取ることはない」
「なにそれ! 樫田は演出家なんでしょ! なら――」
「栞。樫田は少なくても貴重な今日の稽古を池本のために使ったと言っても過言ではないわ」
増倉が言いかけた言葉を、椎名が遮る。
演出家として樫田は先輩たちにお願いして今日の稽古を変えた。
ある意味、一番池本のために行動をしている。
「それは分かっている。でも、この現状を許すわけ?」
「誰もそんなことは言っていないわ。出来ることをできる範囲ではするつもりよ」
「それじゃあ遅いって言っているの」
「だからといって全体の進行ペースを遅くすることはできないって、今樫田も言ってたでしょ」
「だったら何か別の対策を考えるしかないでしょ!」
ヒートアップしていく増倉と椎名。
いつもなら樫田が止めてくるはずだが、なぜか今日は黙って見ていた。
なんだ? どうして止めない?
気になったがそれ以上にこのままではいけないと思い、二人の会話に割って入る。
「二人とも、ちょっと落ち着けって!」
「何杉野? さっきまで私と話していたのに、もう香奈の味方するの?」
「別にどっちの味方ってわけじゃない。ただ今ここで言い争っても仕方ないだろ」
「……そうね。杉野の言う通りだわ」
椎名は俺に賛同してくれたが、増倉は納得いっていないようだった。
助けを求め樫田に視線を送る。
「とりあえず、歩こう」
そのまま駅へ向かって進む樫田に俺達は黙って付いて行く。
今日の樫田はやけに冷たく感じた。
「それでどうするの?」
増倉が誰にでもなく、みんなに聞いた。
樫田は本人の努力次第と言ったが、それはつまりこのまま見守るということだろうか。
「栞、池本のことはみんな気にしているわ。でもだからといって彼女だけ特別扱いもできないのは分かるわよね?」
「それは、分かるけど」
「こっちで話し合った結果。一年生全員に特別練習をするのはどうかって話が出たのよ」
「え?」
「特別練習?」
増倉と俺が聞き返すと、椎名は頷き説明した。
「今日の稽古で金子と田島にも改善しないといけないところが見つかったわ。でもそれは池本とは違うベクトルの話。そこで今日のチームのまましばらく練習して、それぞれ一年生を成長させないかって話になったのよ」
要は個人練習ってことか。
確かにそれなら特別扱いではないな。
あれ、でもならさっき樫田が言っていたことは?
「でも、さっき樫田が……」
増倉も俺と同じことを思ったのか、樫田の方を見る。
樫田は前に進みながら、背中で答える。
「本人の努力次第なことは変わらないからな。それに俺としては一年生にかまけて自分たちの練習を疎かにしてほしくなくてな」
「なんだ! ちゃんと考えあるなら言ってよ! もうー」
増倉が樫田の横に行き、背中を叩く。
確かに俺もこのまま見守る方向かと思った心配したわ。
「痛い痛い! 一応言っておくが、だとしても池本が一番遅れていることには変わりない。それに誰かは裏方に回ることも変わらない。分かっているのか?」
「……そうだね。それは分かっているよ」
「なら、何も言わないが」
会話はそこで止まった。
ああそうだ。誰かは役をあずかることができない。
それは一年生かもしれないし、俺達二年生かもしれない。
樫田も複雑なのだろう。
仲間として演出家として俺たちの練習時間を割いてまで、一年生たちの練習を優先すべきか。
そして、それが劇にどう影響するのかまで考えていたのだろう。
前を行く樫田の背中は大きかったが、背負っているものの重さを俺は知らなかった。
「あら、待たれて困ることでもあるのかしら?」
「いや、そんなことはないですけど……」
え、なんでちょっと機嫌悪いんすか。
笑顔の裏に般若が見えるんだけど。
「まぁまぁ落ち着けって、二人を待ってたんだよ」
「何かあったの?」
「いいや、ただこっちはこっちで話したんだよ、池本のこと」
樫田が俺と椎名に割って入りながら、増倉の質問に答えた。
池本のこと。その一言でなんとなく察することができた。
椎名が補足するように付け加える。
「佐恵と大槻、山路とも話したわ。全員で待っていても仕方ないから私たちが代表で待っていたのよ」
「なるほど」
「やっぱりみんな気にしてたのね」
「時間も遅いし、歩きながら話そうか」
樫田が駅のある方向に歩き始める。
増倉がその横を付いて行き、俺と椎名が後ろから付いて行く。
歩きながら、樫田は顔を横に向けながら話す。
「現状、池本についてみんな心配している。やる気が空回っていること。そしてこのままじゃ、役を得ることが難しいこと……今日の稽古も、池本のレベルアップが目的なところはあったからな」
「それは分かるけど、もっと他になかったの? なんかこう効率のいい稽古」
「バカ言え。そんなんあれば苦労しないわ。それに部活の時間を使うんだ。池本一人に全てを構ってられない」
樫田の意見はごもっともだ。
勉強についていけないやつがいたとしても学校の授業が進むように、集団の中にいるってことは遅い一人に合わせて全体のスピードを下げることはできない。
残酷だが、池本一人に構い過ぎて俺達や他の一年生が成長しないとなったら、それはそれで問題だ。
だが。
「でも、このままじゃ池本、春大会に出れないんだよ! それでもいいの!?」
「そのことなのだけど、栞」
「何?」
「誰かは確実に出れないのよ?」
振り返った増倉に、椎名が真っ直ぐに問うた。
……ああ、そうだ。その通りだ。
今回の春大会、役の数より役者の方が多い。
それつまり、誰かが出れなくて裏方に回るということだ。
さらに言うなら、男性役は数的にピッタリだ。多いのは女性役者。
「……それは、そうだけど! でも!」
増倉が辛そうな顔で、何かを言おうとしてぐっと堪えていた。
俺達は立ち止まった。
横行く車たちの走る音だけが聞こえる。
ほんの数秒の沈黙。破ったのは樫田だった。
「増倉の言い分も理解できるが、それでも部活として先輩として誰か一人に肩入れすることはできない」
「じゃあ、池本はどうなるの?」
「本人の努力次第だ。彼女だけに特別時間を取ることはない」
「なにそれ! 樫田は演出家なんでしょ! なら――」
「栞。樫田は少なくても貴重な今日の稽古を池本のために使ったと言っても過言ではないわ」
増倉が言いかけた言葉を、椎名が遮る。
演出家として樫田は先輩たちにお願いして今日の稽古を変えた。
ある意味、一番池本のために行動をしている。
「それは分かっている。でも、この現状を許すわけ?」
「誰もそんなことは言っていないわ。出来ることをできる範囲ではするつもりよ」
「それじゃあ遅いって言っているの」
「だからといって全体の進行ペースを遅くすることはできないって、今樫田も言ってたでしょ」
「だったら何か別の対策を考えるしかないでしょ!」
ヒートアップしていく増倉と椎名。
いつもなら樫田が止めてくるはずだが、なぜか今日は黙って見ていた。
なんだ? どうして止めない?
気になったがそれ以上にこのままではいけないと思い、二人の会話に割って入る。
「二人とも、ちょっと落ち着けって!」
「何杉野? さっきまで私と話していたのに、もう香奈の味方するの?」
「別にどっちの味方ってわけじゃない。ただ今ここで言い争っても仕方ないだろ」
「……そうね。杉野の言う通りだわ」
椎名は俺に賛同してくれたが、増倉は納得いっていないようだった。
助けを求め樫田に視線を送る。
「とりあえず、歩こう」
そのまま駅へ向かって進む樫田に俺達は黙って付いて行く。
今日の樫田はやけに冷たく感じた。
「それでどうするの?」
増倉が誰にでもなく、みんなに聞いた。
樫田は本人の努力次第と言ったが、それはつまりこのまま見守るということだろうか。
「栞、池本のことはみんな気にしているわ。でもだからといって彼女だけ特別扱いもできないのは分かるわよね?」
「それは、分かるけど」
「こっちで話し合った結果。一年生全員に特別練習をするのはどうかって話が出たのよ」
「え?」
「特別練習?」
増倉と俺が聞き返すと、椎名は頷き説明した。
「今日の稽古で金子と田島にも改善しないといけないところが見つかったわ。でもそれは池本とは違うベクトルの話。そこで今日のチームのまましばらく練習して、それぞれ一年生を成長させないかって話になったのよ」
要は個人練習ってことか。
確かにそれなら特別扱いではないな。
あれ、でもならさっき樫田が言っていたことは?
「でも、さっき樫田が……」
増倉も俺と同じことを思ったのか、樫田の方を見る。
樫田は前に進みながら、背中で答える。
「本人の努力次第なことは変わらないからな。それに俺としては一年生にかまけて自分たちの練習を疎かにしてほしくなくてな」
「なんだ! ちゃんと考えあるなら言ってよ! もうー」
増倉が樫田の横に行き、背中を叩く。
確かに俺もこのまま見守る方向かと思った心配したわ。
「痛い痛い! 一応言っておくが、だとしても池本が一番遅れていることには変わりない。それに誰かは裏方に回ることも変わらない。分かっているのか?」
「……そうだね。それは分かっているよ」
「なら、何も言わないが」
会話はそこで止まった。
ああそうだ。誰かは役をあずかることができない。
それは一年生かもしれないし、俺達二年生かもしれない。
樫田も複雑なのだろう。
仲間として演出家として俺たちの練習時間を割いてまで、一年生たちの練習を優先すべきか。
そして、それが劇にどう影響するのかまで考えていたのだろう。
前を行く樫田の背中は大きかったが、背負っているものの重さを俺は知らなかった。
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