その演劇部は、舞台に上がらない

 そこはどこにでもあるありふれた部活だった。
 名門でもなく伝説があるわけでもなく、普通の実力しかない小さな高校の演劇部だった。
 大会に本気で勝ちたいと言う人もいれば、楽しくできればそれでいいという人もいて、
 部活さえできればいいという人もいれば、バイトを優先してサボるという人もいて、
 仲のいい奴もいれば、仲の悪いやつもいる。
 ぐちゃぐちゃで、ばらばらで、ぐだぐだで
 それでも青春を目指そうとする、そんなありふれた部活。
 
 そんな部活に所属している杉野はある日、同じ演劇部の椎名に呼び出される。
「単刀直入に言うわ。私、秋の演劇大会で全国に出たいの」
 すぐに返事は出せなかったが紆余曲折あって、全国を目指すことに。
 そこから始まるのは演劇に青春をかけた物語。
 大会、恋愛、人間関係。あらゆる青春の問題がここに。
 演劇×青春×ヒューマンドラマ そして彼らの舞台はどこにあるのか。
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