158 / 176
第2章 暁の竜神
第8話 紅竜同盟の話し合い 3
しおりを挟む
良い結果になる可能性は低い。関門がいくつもあるのだ。まず話せる内容にかなりの制限がかかる。ローレンの質問に答える形でなければまた遮られてしまうだろう。次に聴衆の心象は最悪だ。並大抵の発言では心を変えることなどできまい。そして最後に、それら全てを無に帰しかねないローレンを納得させなくてはならない。この全てをこなす必要がある。
「はい、何でしょうか?」
やれるか、ではなくやるしかない。藁にすら喜んですがり絶対に生かさなければ、もう打つ手は二度とやって来ないだろうから。
レヴィは平静を保ったままのように返したが、その言葉は少し震えていた。許容し切れないはずのプレッシャーに懸命に耐えているためと、そして何より絶対にやってやるという武者震いによるものだった。
「仮に、だ。もしも奇跡的に人間がその場に立ち会って生き延びたのだとしよう。では竜人が太刀打ちできない相手を前にどうして人間が生還した? よもや、竜人を超える人間がいたなどと世迷言は言うまい?」
実際のところを知る由など無い。なぜならレヴィは又聞きなのだ。当り前だが映像があるはずがなく、現地で戦いを見た訳でもない。でもこれだけははっきりしている。キダを倒したのは人間ではなく魔王とその配下だ。彼らの力は絶大だ。造作もなく葬ったのだろう。
そう言おうとしてはたとレヴィは気付く。なぜ、魔王はその人間を見逃したのだろうか。5年前の大災厄を引き起こした悪の元凶かもしれない奴がどうしてたった1人を。考えられる答えはひとつ。いや、強引に言ってしまえばふたつ。先にあり得ない方を言えば偶然見落とした。やはり無理矢理過ぎる。ならば、やはりそうとしか考えられない。その人間は魔王の仲間、いや、下僕なのだ。だから見逃された。そう考えるのが自然。下僕からもたらされた情報など誰が信じられるものか。
「ようやく気が付いたか、この愚か者めが」
青冷めた顔をローレンは見逃さない。勝利を確信してそう言い放つと、もう結構と自ら模範解答を説明し始める。
レヴィは機会を与えられたのではない。奪わなければなかった。そのことに気付いた時にはもう術中にはまっていて、どうにもできない状況に陥ってしまっていた。
「もしもその人間が生還したのだとしたら、それは生き延びたのではなく魔王に守られただけのこと。なぜ守る? 下僕だからだ。さて問おうか、聡明な同胞たちよ。その人間とやら……信用して良いものか?」
「ま、待ってください! その者は四大将軍のルーチェです! リリス様の守護が働けば……!」
それでも必死にレヴィは食らいつく。自分でも無駄と悟りながら1人だけでも味方を増やしたくて。そんなせめてもの抵抗は実るはずもなく、初耳の、そして驚愕の事実と共にローレンにバッサリと切り捨てられる。
「だからと言って見逃される理由にはならん! 大体、キダの被害に遭った者の中には同じ四大将軍のロアもいたのだぞ!」
頼みの綱の守護ですらキダに敗れたと言われては打つ手は無い。確認できるだけの情報をレヴィは持っていない。一方で向こうは確固たる証拠を得ているのだろうし、何よりあのローレンが言ったのだからと竜人たちは信じ切っているようだ。
はっきり言ってゲームセットだ。反論などできるはずもない。もしも苦し紛れに魔王の攻撃が通らなかったと主張しようものなら、いくら魔王でもそんな脅威を放っておく訳がないとでも指摘されてしまうだろう。つまり、どう足掻いてもその人間が白だとは言えない。
「そ、それでも……あの魔王がキダを討ったのは紛れもない事実です! 現に、行方不明になっていた者の多くは帰還しているではありませんか!」
そう、ある日を境にキダの捜索や討伐のために出陣した部隊が次々と戻って来ている。その間の記憶を失っているものの他に異常は見当たらなかった者ばかりだ。なぜ突然帰って来られたのか。その理由はキダが討たれた以外に考えられないはずだ。それならやはり魔王と配下は警戒すべき。せめて方向性を変えてそう主張するために発した言葉だったが、
「別に俺はそこを疑っている訳ではない!」
ローレンは違うと一喝する。違うのだ、論点が。レヴィはナディアに魔王と配下の脅威を伝えるよう命じられ、この情報を諜報部から与えられた。情報の信ぴょう性が問われていたはずなのに、気が付いてみれば、目的を果たせないことに恐れを覚えて見失ってしまっていた。
「ふん、これについては俺も悪いところもあった。竜人を侮辱するような発言が飛び出したものでな、我慢ならず激高してしまったらしい。それについては謝罪しよう。しかしこれでわかっただろう? お前はまだまだ青い。己の発する言葉すら理解できなくなったのだ、反論はあるまい?」
ローレンはやれやれと首を振りながら、一気にトーンがダウンする。もうかける言葉も無いと言うように、今度は親が不出来な子を見るような目をしていた。レヴィは受け入れるしかない。事実、そうなのだから。
「待って貰おうか、ローレン」
大勢もしきりにウンウンと頷く中、たった1人、ローレンに待ったをかける者が現れる。紅蓮魔導隊の隊長ナーガである。紅竜同盟の中でも最も経歴の長い戦士だ。まるでライオンのたてがみのような立派な顎髭が、老練の兵である事をよく物語っていた。
「これはナーガ様。一体どうされたのでしょう?」
これまで強気一辺倒だったローレンも流石にたじろいだ。周りの竜人たちも同様である。ここにいる者のほとんどはナディアとナーガのお陰で生きているようなもの。それに加えて彼は歴戦の勇士。その言葉を軽んじるなどあってはならない。
「我らの優良さは今更語ったところで何の実りも無いだろう。ではどうすると言うのだ?」
「どう……とは?」
「魔王と配下への対応だ。まさか何のデータも無いままに議論を進めるつもりではあるまい?」
ナーガの指摘は至極当然だ。普通の戦争の前ですら相手の戦力を正しく把握していることが望ましい。まぁそれは理想論にしても、そのおおよそのところは知っていなければ話にならない。決まらないではないか。部隊編成も、陣形も、そもそも作戦自体が。敵の総数が百人なのか、千人なのか、それとも万か、十万すら超えてしまうのか。ほら、数だけでも相手が不気味に思えるだろう。ただ漠然とした脅威ほど恐ろしいものは無い。まして今回の相手は魔王だ。まだ戦いになると決まった訳ではないが、和平交渉に出るのだとしても同じこと。決裂する恐れがある以上、やはり相手と事を構える覚悟は要る。それには同じように相手のデータが欲しいところだ。
「ナーガ様の言う通り、このままでは話し合いが進みませんね」
「屋台の者や目撃者からの報告によれば魔王と配下は危険らしい。それも最大級の警戒を、と嘆願されている。この民意を無視はできないが、これだけでは何も判断できない。どうするつもりだ?」
「なるほど、では俺の……いや、俺たちの見解を言いましょう」
俺たちのと言った。彼1人の意見ではなくこの場全員の総意なのだということ。反論する者は無く、多くの者が頷いて見せた。
「はい、何でしょうか?」
やれるか、ではなくやるしかない。藁にすら喜んですがり絶対に生かさなければ、もう打つ手は二度とやって来ないだろうから。
レヴィは平静を保ったままのように返したが、その言葉は少し震えていた。許容し切れないはずのプレッシャーに懸命に耐えているためと、そして何より絶対にやってやるという武者震いによるものだった。
「仮に、だ。もしも奇跡的に人間がその場に立ち会って生き延びたのだとしよう。では竜人が太刀打ちできない相手を前にどうして人間が生還した? よもや、竜人を超える人間がいたなどと世迷言は言うまい?」
実際のところを知る由など無い。なぜならレヴィは又聞きなのだ。当り前だが映像があるはずがなく、現地で戦いを見た訳でもない。でもこれだけははっきりしている。キダを倒したのは人間ではなく魔王とその配下だ。彼らの力は絶大だ。造作もなく葬ったのだろう。
そう言おうとしてはたとレヴィは気付く。なぜ、魔王はその人間を見逃したのだろうか。5年前の大災厄を引き起こした悪の元凶かもしれない奴がどうしてたった1人を。考えられる答えはひとつ。いや、強引に言ってしまえばふたつ。先にあり得ない方を言えば偶然見落とした。やはり無理矢理過ぎる。ならば、やはりそうとしか考えられない。その人間は魔王の仲間、いや、下僕なのだ。だから見逃された。そう考えるのが自然。下僕からもたらされた情報など誰が信じられるものか。
「ようやく気が付いたか、この愚か者めが」
青冷めた顔をローレンは見逃さない。勝利を確信してそう言い放つと、もう結構と自ら模範解答を説明し始める。
レヴィは機会を与えられたのではない。奪わなければなかった。そのことに気付いた時にはもう術中にはまっていて、どうにもできない状況に陥ってしまっていた。
「もしもその人間が生還したのだとしたら、それは生き延びたのではなく魔王に守られただけのこと。なぜ守る? 下僕だからだ。さて問おうか、聡明な同胞たちよ。その人間とやら……信用して良いものか?」
「ま、待ってください! その者は四大将軍のルーチェです! リリス様の守護が働けば……!」
それでも必死にレヴィは食らいつく。自分でも無駄と悟りながら1人だけでも味方を増やしたくて。そんなせめてもの抵抗は実るはずもなく、初耳の、そして驚愕の事実と共にローレンにバッサリと切り捨てられる。
「だからと言って見逃される理由にはならん! 大体、キダの被害に遭った者の中には同じ四大将軍のロアもいたのだぞ!」
頼みの綱の守護ですらキダに敗れたと言われては打つ手は無い。確認できるだけの情報をレヴィは持っていない。一方で向こうは確固たる証拠を得ているのだろうし、何よりあのローレンが言ったのだからと竜人たちは信じ切っているようだ。
はっきり言ってゲームセットだ。反論などできるはずもない。もしも苦し紛れに魔王の攻撃が通らなかったと主張しようものなら、いくら魔王でもそんな脅威を放っておく訳がないとでも指摘されてしまうだろう。つまり、どう足掻いてもその人間が白だとは言えない。
「そ、それでも……あの魔王がキダを討ったのは紛れもない事実です! 現に、行方不明になっていた者の多くは帰還しているではありませんか!」
そう、ある日を境にキダの捜索や討伐のために出陣した部隊が次々と戻って来ている。その間の記憶を失っているものの他に異常は見当たらなかった者ばかりだ。なぜ突然帰って来られたのか。その理由はキダが討たれた以外に考えられないはずだ。それならやはり魔王と配下は警戒すべき。せめて方向性を変えてそう主張するために発した言葉だったが、
「別に俺はそこを疑っている訳ではない!」
ローレンは違うと一喝する。違うのだ、論点が。レヴィはナディアに魔王と配下の脅威を伝えるよう命じられ、この情報を諜報部から与えられた。情報の信ぴょう性が問われていたはずなのに、気が付いてみれば、目的を果たせないことに恐れを覚えて見失ってしまっていた。
「ふん、これについては俺も悪いところもあった。竜人を侮辱するような発言が飛び出したものでな、我慢ならず激高してしまったらしい。それについては謝罪しよう。しかしこれでわかっただろう? お前はまだまだ青い。己の発する言葉すら理解できなくなったのだ、反論はあるまい?」
ローレンはやれやれと首を振りながら、一気にトーンがダウンする。もうかける言葉も無いと言うように、今度は親が不出来な子を見るような目をしていた。レヴィは受け入れるしかない。事実、そうなのだから。
「待って貰おうか、ローレン」
大勢もしきりにウンウンと頷く中、たった1人、ローレンに待ったをかける者が現れる。紅蓮魔導隊の隊長ナーガである。紅竜同盟の中でも最も経歴の長い戦士だ。まるでライオンのたてがみのような立派な顎髭が、老練の兵である事をよく物語っていた。
「これはナーガ様。一体どうされたのでしょう?」
これまで強気一辺倒だったローレンも流石にたじろいだ。周りの竜人たちも同様である。ここにいる者のほとんどはナディアとナーガのお陰で生きているようなもの。それに加えて彼は歴戦の勇士。その言葉を軽んじるなどあってはならない。
「我らの優良さは今更語ったところで何の実りも無いだろう。ではどうすると言うのだ?」
「どう……とは?」
「魔王と配下への対応だ。まさか何のデータも無いままに議論を進めるつもりではあるまい?」
ナーガの指摘は至極当然だ。普通の戦争の前ですら相手の戦力を正しく把握していることが望ましい。まぁそれは理想論にしても、そのおおよそのところは知っていなければ話にならない。決まらないではないか。部隊編成も、陣形も、そもそも作戦自体が。敵の総数が百人なのか、千人なのか、それとも万か、十万すら超えてしまうのか。ほら、数だけでも相手が不気味に思えるだろう。ただ漠然とした脅威ほど恐ろしいものは無い。まして今回の相手は魔王だ。まだ戦いになると決まった訳ではないが、和平交渉に出るのだとしても同じこと。決裂する恐れがある以上、やはり相手と事を構える覚悟は要る。それには同じように相手のデータが欲しいところだ。
「ナーガ様の言う通り、このままでは話し合いが進みませんね」
「屋台の者や目撃者からの報告によれば魔王と配下は危険らしい。それも最大級の警戒を、と嘆願されている。この民意を無視はできないが、これだけでは何も判断できない。どうするつもりだ?」
「なるほど、では俺の……いや、俺たちの見解を言いましょう」
俺たちのと言った。彼1人の意見ではなくこの場全員の総意なのだということ。反論する者は無く、多くの者が頷いて見せた。
0
お気に入りに追加
128
あなたにおすすめの小説
ディミオルゴ=プリェダーニエ
《シンボル》
ファンタジー
良くも悪くもない平凡な高校生のトシジは自分の日々の生活を持て余していた。そんなトシジが非現実的で奇妙な運命に巻き込まれることとなる。
ーこれは平凡な高校生が後に伝説的な人物になるまでの物語であるー
何話か主人公が違う部分があります。
ジャンルを変更する事がありますが、この世界は異世界と現実世界がごっちゃになっていますのでご了承ください。
《二重投稿》
・カクヨム
・小説家になろう
隣国は魔法世界
各務みづほ
ファンタジー
【魔法なんてあり得ないーー理系女子ライサ、魔法世界へ行く】
隣接する二つの国、科学技術の発達した国と、魔法使いの住む国。
この相反する二つの世界は、古来より敵対し、戦争を繰り返し、そして領土を分断した後に現在休戦していた。
科学世界メルレーン王国の少女ライサは、人々の間で禁断とされているこの境界の壁を越え、隣国の魔法世界オスフォード王国に足を踏み入れる。
それは再び始まる戦乱の幕開けであった。
⚫︎恋愛要素ありの王国ファンタジーです。科学vs魔法。三部構成で、第一部は冒険編から始まります。
⚫︎異世界ですが転生、転移ではありません。
⚫︎挿絵のあるお話に◆をつけています。
⚫︎外伝「隣国は科学世界 ー隣国は魔法世界 another storyー」もよろしくお願いいたします。
無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~
桜井正宗
ファンタジー
元恋人に騙され、捨てられたケイオス帝国出身の少年・アビスは絶望していた。資産を奪われ、何もかも失ったからだ。
仕方なく、冒険者を志すが道半ばで死にかける。そこで大聖女のローザと出会う。幼少の頃、彼女から『無限初回ログインボーナス』を授かっていた事実が発覚。アビスは、三年間もの間に多くのログインボーナスを受け取っていた。今まで気づかず生活を送っていたのだ。
気づけばSSS級の武具アイテムであふれかえっていた。最強となったアビスは、アイテムの受け取りを拒絶――!?
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
【完結】引きこもり魔公爵は、召喚おひとり娘を手放せない!
文野さと@ぷんにゃご
恋愛
身寄りがなく、高卒で苦労しながらヘルパーをしていた美玲(みれい)は、ある日、倉庫の整理をしていたところ、誰かに呼ばれて異世界へ召喚されてしまった。
目が覚めた時に見たものは、絶世の美男、リュストレー。しかし、彼は偏屈、生活能力皆無、人間嫌いの引きこもり。
苦労人ゆえに、現実主義者の美玲は、元王太子のリュストレーに前向きになって、自分を現代日本へ返してもらおうとするが、彼には何か隠し事があるようで・・・。
正反対の二人。微妙に噛み合わない関わりの中から生まれるものは?
全39話。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
デッドエンド済み負け犬令嬢、隣国で冒険者にジョブチェンジします
古森真朝
ファンタジー
乙女ゲームなのに、大河ドラマも真っ青の重厚シナリオが話題の『エトワール・クロニクル』(通称エトクロ)。友人から勧められてあっさりハマった『わたし』は、気の毒すぎるライバル令嬢が救われるエンディングを探して延々とやり込みを続けていた……が、なぜか気が付いたらキャラクター本人に憑依トリップしてしまう。
しかも時間軸は、ライバルが婚約破棄&追放&死亡というエンディングを迎えた後。馬車ごと崖から落ちたところを、たまたま通りがかった冒険者たちに助けられたらしい。家なし、資金なし、ついでに得意だったはずの魔法はほぼすべて使用不可能。そんな状況を見かねた若手冒険者チームのリーダー・ショウに勧められ、ひとまず名前をイブマリーと改めて近くの町まで行ってみることになる。
しかしそんな中、道すがらに出くわしたモンスターとの戦闘にて、唯一残っていた生得魔法【ギフト】が思いがけない万能っぷりを発揮。ついでに神話級のレア幻獣になつかれたり、解けないはずの呪いを解いてしまったりと珍道中を続ける中、追放されてきた実家の方から何やら陰謀の気配が漂ってきて――
「もうわたし、理不尽はコリゴリだから! 楽しい余生のジャマするんなら、覚悟してもらいましょうか!!」
長すぎる余生、というか異世界ライフを、自由に楽しく過ごせるか。元・負け犬令嬢第二の人生の幕が、いま切って落とされた!
※エブリスタ様、カクヨム様、小説になろう様で並行連載中です。皆様の応援のおかげで第一部を書き切り、第二部に突入いたしました!
引き続き楽しんでいただけるように努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる