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第2章 暁の竜神
第4話 竜神祭 前編 3
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恐る恐る隣へ目を向けると、ウロボロスさんが妙に強く腕組みをしている。その顔は微笑んでいるのに目は笑っていない。心なしか頬の辺りがピクピクしているような気もする。
「我が君……? 今日は私とデートだと決まったはずですが……?」
「あー……ごめん、そうだったかな」
確か、そんな誓約書もとい終戦協定を結んだ気がしてきた。不思議なことに、これから敵情視察だというのに、デートがメインみたいな条文だったと思い出す。
「そうです! 今日は私だけを見てくれないと嫌ですからね!」
おいおい、ウロボロスさん、それは殺人的だよ。浴衣姿、更に涙目で、すねたように言われては一発ノックアウトさ。耳まで熱くなったのを感じながら、悟られないようにそっぽを向くような感じで顔を背けておく。
「ぜ……善処する。そ、それよりもムラクモはどうした?」
こういう時にブレーキ役となってくれるのがムラクモだ。その名を出すだけで、見ろ、こんなにも流れが切り替わってしまう。ウロボロスも、心なしか頭が冷えてくれたように見えなくもない。この隙に本当に登場してくれれば文句なしで完璧なんだが、どういう訳か、今日ばかりはどこにも見当たらない。
「ムラクモは志願してお留守番です。念のため、オラクル・ラビリンスの守護をして貰います」
来ないパターンでしたか。それは損な役回りを。そういうのは召喚モンスターやゴーレムに任せておけばいいのに。頼むから、もっと損な役から逃げないで欲しかった。誰がブレーキ踏めるの、この状況。
「そ、それは仕方ないとして。そろそろ出かけようかなー……と思うんだけど」
改めて見ると、三者三様とはこのことで、大変に個性的なファッションである。季節感はバラバラ、各々の目的に至っては1ミリたりとも合っていない。
これは偏見かもしれないが、祭りは色々と大切なネジやらストッパーやらを外して楽しむものだろう。でも、そんな濁った眼を通して見てもなお、これはエキサイティングし過ぎて狂気の域だと思う。
「何か問題が御座いますか、我が君?」
もっとも、存在自体が痛々しい俺みたいなのもいる。今まであえて考えないようにしていたけどさ、魔王とか名乗っちゃって、はっきり言って痛い。急に恥ずかしくなってきた。だからまぁ、今更変な目で見られるのが何だ。仮装してきたと言い張って無理にでも押し通してみせよう。
「いや、行くぞ。これも思い出になるだろうからさ」
そう思い出。こんなに可愛くドレスアップしてくれたんだ。スクショ、あ、そんな機能は無いか。じゃあ俺の脳みそにでもいいから、一生消えないように焼き付けたい。
「畏まりました。では指定座標へ転移致します」
行き着いた先は、草木の一切無い石だらけ土地だった。聞いた話によると、砂漠とはこういった石や岩だらけの所もあるという。それに似たようなものだろう。遠くには大きな山々が連なり、山頂からはマグマが噴き出していた。砂漠ではなく火山地帯というやつなのだろうか。
直射日光と火山からの物凄い熱気で、一瞬で汗が噴き出す。各々、暑そうに襟元をはだけたり、手で仰いだりしていた。
「こんな暑いところで神輿かぁ……」
「さぞ燃え上がるでしょうね、我が君」
そんな中、強気なウロボロスさんは腕を組んだままである。ドラゴンメイドという種族の特性上、暑さに耐性があるんだろう。皆ほどの汗はかいていない。
一方で俺は暑さで滅してしまいそうだ。頭がボーっとして意識が飛びそうである。こりゃ、熱中症で倒れる奴がいても不思議じゃないぞ。特に最も懸念すべきは俺の後ろの人か。
「か……カルマは大丈夫なのか?」
この過酷な環境でまだ頑なにスキーウェアとか、どの頭のネジが外れれば、そんな凶行に及べるのかと突っ込みたい。明らかな自殺行為。そう思ったのだが、どういう訳か当の本人は汗ひとつかかずに涼しい顔をしている。日傘と扇子ってそんなに万能だったか。試しに風下に立って当たってみると、うん、熱風が来るだけだ。
そんな俺の行動を不思議に思ったのだろう。カルマが小首を傾げる。
「……む、どうされたのじゃ、魔王様?」
「いや、その……暑くないのかなーって」
余りの暑さに気でも触れたか。そうでなくては、この状況、この状態で汗ひとつかかないなんてあり得ない。さっきはほとんど大丈夫と言ったが、流石のウロボロスだって額からじわりと汗が滲んでいるというのに。
と、霞む視界でそれに気付いた。何だこれ。カルマの足下に魔法陣が展開されている。
「環境適応の魔法を使ったのじゃ。このまま砂漠、水着で冬山も何のそのじゃ」
「そ……そういえばそんな魔法もあったな」
思い出した。別に欲しくて習得した訳ではない。目的のスキルはその先にあって、そのスキルツリーの道中で仕方なく取った気がする。もっともドミニオンズでは使う機会がほとんどなかった。過酷な環境なんて不評で実装時以外はほとんど追加されず、お陰ですっかり忘れていた。
さっさと使ってみると、うん、涼しい。なんて快適な場所なんだ。このままマグマにダイブできそうなくらいだ。
「素晴らしい。カルマ、ありがとうな」
ただ、暑さ寒さを無視するのは情緒が無い気もしないではない。でもね、考えてみて欲しい。仮にカルマなんかがあのまま彷徨ったら情緒以前に死んじゃうから。これは趣の放棄ではない。極めて切実な生存本能だ。それにさ、夏にエアコン、冬にストーブをフル稼働させていた俺にはそもそも関係ない話である。
「そうだ、ついでにウロボロスとフェンリスにも……」
それはそうと、こんなに快適なんだ。皆にも、と振り返って、ウロボロスを見て体中に電流が走る。浴衣美人がほんのりと汗をかいていた。どれだけ美しいかわかるだろうか。この妖艶な大人の魅力がわかるだろうか。少なくとも俺は、心臓が飛び散った気がした。あっ、と思い手を胸に当てる。良かった、まだある。
「如何されましたか、我が君?」
「あー……その、えっと」
咄嗟に目を反らすと今度はフェンリスと目が合った。同じく額に汗を浮かべてほんのりと上気した顔でありながら、楽しそうに笑顔を浮かべていた。健康的。絵に描いたような元気な子。可愛い天使である。
「魔王様、あっちが凄く賑わっていますよ! 早く行きましょう!」
暑さにも負けず元気一杯の様子で、今すぐ駆け出したいのを我慢しているようだ。この感情は父性だろう。やましくない。そのはず。そのはずなのに、ウロボロスとはまた違うほんのりと背徳的な感情を抱いてしまう。全国のお父さんは正常です、ごめんなさい。じゃなくて何を考えているんだ、俺は。
「僕も暑いですが、ご覧ください、この艶やかな肉体を……!」
今だけはありがとう。お陰で冷静になれたよ、アザレア。でも悪いな。きっともう時間が差し迫っている。何より、俺の精神がもう無理と声を大にして叫んでいる。諸々の理由でそろそろ行かねばなるまい。
「よし、早速出発だ!」
ちょっと遠くに見えた街へ一直線に歩き出すこと約10分。入り口からお祭り一色になっていた。暗赤色の煉瓦で作られた入り口のゲートや家々は風船や色紙で飾り付けられている。メインストリートには屋台が並び、たくさんの竜人たちで賑わっていた。ザ・祭りと言える状況である。事実、辺りを見渡せばウロボロスと同じように浴衣姿の竜人たちがちらほら歩いていた。
「我が君……? 今日は私とデートだと決まったはずですが……?」
「あー……ごめん、そうだったかな」
確か、そんな誓約書もとい終戦協定を結んだ気がしてきた。不思議なことに、これから敵情視察だというのに、デートがメインみたいな条文だったと思い出す。
「そうです! 今日は私だけを見てくれないと嫌ですからね!」
おいおい、ウロボロスさん、それは殺人的だよ。浴衣姿、更に涙目で、すねたように言われては一発ノックアウトさ。耳まで熱くなったのを感じながら、悟られないようにそっぽを向くような感じで顔を背けておく。
「ぜ……善処する。そ、それよりもムラクモはどうした?」
こういう時にブレーキ役となってくれるのがムラクモだ。その名を出すだけで、見ろ、こんなにも流れが切り替わってしまう。ウロボロスも、心なしか頭が冷えてくれたように見えなくもない。この隙に本当に登場してくれれば文句なしで完璧なんだが、どういう訳か、今日ばかりはどこにも見当たらない。
「ムラクモは志願してお留守番です。念のため、オラクル・ラビリンスの守護をして貰います」
来ないパターンでしたか。それは損な役回りを。そういうのは召喚モンスターやゴーレムに任せておけばいいのに。頼むから、もっと損な役から逃げないで欲しかった。誰がブレーキ踏めるの、この状況。
「そ、それは仕方ないとして。そろそろ出かけようかなー……と思うんだけど」
改めて見ると、三者三様とはこのことで、大変に個性的なファッションである。季節感はバラバラ、各々の目的に至っては1ミリたりとも合っていない。
これは偏見かもしれないが、祭りは色々と大切なネジやらストッパーやらを外して楽しむものだろう。でも、そんな濁った眼を通して見てもなお、これはエキサイティングし過ぎて狂気の域だと思う。
「何か問題が御座いますか、我が君?」
もっとも、存在自体が痛々しい俺みたいなのもいる。今まであえて考えないようにしていたけどさ、魔王とか名乗っちゃって、はっきり言って痛い。急に恥ずかしくなってきた。だからまぁ、今更変な目で見られるのが何だ。仮装してきたと言い張って無理にでも押し通してみせよう。
「いや、行くぞ。これも思い出になるだろうからさ」
そう思い出。こんなに可愛くドレスアップしてくれたんだ。スクショ、あ、そんな機能は無いか。じゃあ俺の脳みそにでもいいから、一生消えないように焼き付けたい。
「畏まりました。では指定座標へ転移致します」
行き着いた先は、草木の一切無い石だらけ土地だった。聞いた話によると、砂漠とはこういった石や岩だらけの所もあるという。それに似たようなものだろう。遠くには大きな山々が連なり、山頂からはマグマが噴き出していた。砂漠ではなく火山地帯というやつなのだろうか。
直射日光と火山からの物凄い熱気で、一瞬で汗が噴き出す。各々、暑そうに襟元をはだけたり、手で仰いだりしていた。
「こんな暑いところで神輿かぁ……」
「さぞ燃え上がるでしょうね、我が君」
そんな中、強気なウロボロスさんは腕を組んだままである。ドラゴンメイドという種族の特性上、暑さに耐性があるんだろう。皆ほどの汗はかいていない。
一方で俺は暑さで滅してしまいそうだ。頭がボーっとして意識が飛びそうである。こりゃ、熱中症で倒れる奴がいても不思議じゃないぞ。特に最も懸念すべきは俺の後ろの人か。
「か……カルマは大丈夫なのか?」
この過酷な環境でまだ頑なにスキーウェアとか、どの頭のネジが外れれば、そんな凶行に及べるのかと突っ込みたい。明らかな自殺行為。そう思ったのだが、どういう訳か当の本人は汗ひとつかかずに涼しい顔をしている。日傘と扇子ってそんなに万能だったか。試しに風下に立って当たってみると、うん、熱風が来るだけだ。
そんな俺の行動を不思議に思ったのだろう。カルマが小首を傾げる。
「……む、どうされたのじゃ、魔王様?」
「いや、その……暑くないのかなーって」
余りの暑さに気でも触れたか。そうでなくては、この状況、この状態で汗ひとつかかないなんてあり得ない。さっきはほとんど大丈夫と言ったが、流石のウロボロスだって額からじわりと汗が滲んでいるというのに。
と、霞む視界でそれに気付いた。何だこれ。カルマの足下に魔法陣が展開されている。
「環境適応の魔法を使ったのじゃ。このまま砂漠、水着で冬山も何のそのじゃ」
「そ……そういえばそんな魔法もあったな」
思い出した。別に欲しくて習得した訳ではない。目的のスキルはその先にあって、そのスキルツリーの道中で仕方なく取った気がする。もっともドミニオンズでは使う機会がほとんどなかった。過酷な環境なんて不評で実装時以外はほとんど追加されず、お陰ですっかり忘れていた。
さっさと使ってみると、うん、涼しい。なんて快適な場所なんだ。このままマグマにダイブできそうなくらいだ。
「素晴らしい。カルマ、ありがとうな」
ただ、暑さ寒さを無視するのは情緒が無い気もしないではない。でもね、考えてみて欲しい。仮にカルマなんかがあのまま彷徨ったら情緒以前に死んじゃうから。これは趣の放棄ではない。極めて切実な生存本能だ。それにさ、夏にエアコン、冬にストーブをフル稼働させていた俺にはそもそも関係ない話である。
「そうだ、ついでにウロボロスとフェンリスにも……」
それはそうと、こんなに快適なんだ。皆にも、と振り返って、ウロボロスを見て体中に電流が走る。浴衣美人がほんのりと汗をかいていた。どれだけ美しいかわかるだろうか。この妖艶な大人の魅力がわかるだろうか。少なくとも俺は、心臓が飛び散った気がした。あっ、と思い手を胸に当てる。良かった、まだある。
「如何されましたか、我が君?」
「あー……その、えっと」
咄嗟に目を反らすと今度はフェンリスと目が合った。同じく額に汗を浮かべてほんのりと上気した顔でありながら、楽しそうに笑顔を浮かべていた。健康的。絵に描いたような元気な子。可愛い天使である。
「魔王様、あっちが凄く賑わっていますよ! 早く行きましょう!」
暑さにも負けず元気一杯の様子で、今すぐ駆け出したいのを我慢しているようだ。この感情は父性だろう。やましくない。そのはず。そのはずなのに、ウロボロスとはまた違うほんのりと背徳的な感情を抱いてしまう。全国のお父さんは正常です、ごめんなさい。じゃなくて何を考えているんだ、俺は。
「僕も暑いですが、ご覧ください、この艶やかな肉体を……!」
今だけはありがとう。お陰で冷静になれたよ、アザレア。でも悪いな。きっともう時間が差し迫っている。何より、俺の精神がもう無理と声を大にして叫んでいる。諸々の理由でそろそろ行かねばなるまい。
「よし、早速出発だ!」
ちょっと遠くに見えた街へ一直線に歩き出すこと約10分。入り口からお祭り一色になっていた。暗赤色の煉瓦で作られた入り口のゲートや家々は風船や色紙で飾り付けられている。メインストリートには屋台が並び、たくさんの竜人たちで賑わっていた。ザ・祭りと言える状況である。事実、辺りを見渡せばウロボロスと同じように浴衣姿の竜人たちがちらほら歩いていた。
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