幸せになってみたい。

幸せになれない。

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「･･････きれいだなぁ」

　この世にあるとは思えないとてもきれいな花を見ていると心が安らぐ

「この花のようにもっと楽が出来たらいいのに」

　俺には弟2人と妹1人がいる。姉は去年、交通事故で亡くなった
　父は病気でずっと寝ていて、母は暴力を振ったりギャンブルをしたり高い酒を買ったり･･････

　だから俺には金があまりない。だから中学生の俺はバイトなどを掛け持ちで行っていて、寝る時間なんてたまにない日がある
　母は金をたくさん使うから、弟と妹を養って、更には父の病気代もなんてもっと頑張らないとと思う毎日
　とても大変だが、弟や妹に自由になって欲しいからな、と思う気持ちで仕事をしている

今頑張ることは、母が兄弟に暴力を振るわないかしっかり見ておくこと
まだ将来の希望がある兄弟に暴力を振るわれると･･････。いや、考えないでおこう

「花はいつまでもきれいだな。俺もこんなに綺麗だったら･･････もっと金を稼げたのに」

俺の顔はそこまで良くない。ただ良かったらそこらへんの店で体を売ったり･･････もっと家族のために働いてお金を入れることが出来たのに

あぁ･･････、いつか家族を助けてくれる人が居ないかな。と思うくらいには参っている
そんな人間がいるとは思わないけど、そんな希望を持ってしまう

「ほら、夜海くん。花を見てないで仕事をやってくれない？」
「･･･はい。すいません」

花を見すぎて先輩に怒られてしまった。まずい、ちゃんと仕事をしないと

「じゃ、このダンボールを開けて商品の棚に並べてくれない？」
「はい。わかりました」

段ボール箱って地味に開けるの難しいなぁ、と思いながら考える
俺はコンビニのバイトと喫茶店と飲食店のバイトをしている
全部食料に関係しているけど、食料関係が一番簡単なんだ
中学生ではバイトは出来ないけど年齢詐称して頑張っている。全ては家族のためだから！
あ、今はコンビニね

テープを取ってダンボールを開けて、商品を持って棚に奥からきれいに並べる。
これもいつもどおりの仕事。随分と慣れてきた
この作業をしていると無になれるんだよな
楽しいとも楽しくないとも言えない

「先輩、終わりました」
「おけ～、じゃレジやってくれる？」

先輩が俺にレジ打ちを頼んできた
正直言ってレジが一番キツイ
俺は陰キャでコミュ障だ。声は男にしては高く、女性の普通より少し低いくらいかな

顔も女性っぽくて背丈もあまり伸びないから少しコンプレックスだ
ま、普段着だったらナンパとか全然ないけどね

だからレジとか人と関わることは苦手なんだよなぁ
習い事だってそろばんしかやったこと無いし
だが多少は俺には向いていたらしい
よく褒められることが多かったなぁ
でもそろばんで何が出来る！？人と戦ったりはさすがに出来ないでしょ･･･

ま、これまでなんとかなったし、これからもなんとかなるか！