異世界転移 山田世界の異世界英雄譚

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ダークエルフの隠れ里⑤

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 「私の名前はリミリと申します。あなたが、水を生み出す魔道具を持っているのは本当ですか?」

 とても優しい声で里長は質問してくれた。

 「はい、本当です!」

 「では私にも見せていただけないでしょうか?」

 もちろんですと即答した。僕は蛇口を取り出しそれを地面にさして蛇口をひねり水を出して見せた。

 「「おおっ」」と周りの若いダークエルフからは歓声のような声が聞こえた。すると里長のリミリさんは水を手にすくって飲むと。「ああ、おいしい。」と言葉を漏らした。
 そして僕のほうを向いてひざまずいた。

 「これはただの魔道具ではありませんね。とても清らかな、見たこともない魔力が流れています。一体あなたは?」

 「私の名前は山田世界。世界に物語を紡ぐものとしてこの世界に来ました。」

 ちょっとキメ顔で行ったけど話は盛ってないしこのぐらいいいですよね女神様っと思っていたら、「ではあなたが伝承に伝わる勇者様ですか。」と耳を疑う言葉が返ってきた。

 「伝承ってどういうことですか?」

 「この里にある古より伝わる石板に、『異国の服をまとう少年現れ、灰色の世界を彩るために不思議な道具を用い、世界に物語を紡いでいく。』という言葉が刻まれているのです。そして最後にその者の名はヤマダセカイと記されています。」

 「、、、失礼ながら、リミリさんお年は?」

 「私は数えで二千と五十八になります。ほかの者たちは一番年齢が低いリリムで三百になります。」

 女神様-、いったいいつから僕のことを選んでたんですかー。
 僕は心の中で叫ばずにはいられなかった。

 僕は牢屋から出されると人が集まっている広場に連れていかれた。ダークエルフの人々はよく見るとみんな痩せた感じで精気がないように見える。

 するとリミリさんが、「この方は古の石板に刻まれし約束された勇者ヤマダセカイ様よ。古の盟約に従い我々の窮地を救うためにこの世界に降臨されたわ。」

 そして、どうぞという顔で僕の顔を見て皆の前に立つように促している。リミリさん、かなり話盛ってるじゃないですか!
 ここで引いたら男じゃない!というかもう引ける雰囲気じゃない。下手をしたら本当にダイダロス様の腹の中に納まることになるかもしれない。腹をくくろう。

 「私の名は山田世界、女神により選ばれしもの!」

 名乗った時に風が吹き始めた。

 「そしてこれが皆の命を救いし聖なる魔道具。水を生み出す蛇口‼」

 どんどん風が強くなり、空も曇り始める。そして蛇口を地面にさしひねると水が出ると同時に雷まで鳴り始めた。

 女神様、もうそんなエフェクトいいですから。もう十分目立ってますから。里の人軽くおびえてますからもう止めて!
 心の叫びが通じたのか空は晴れ雨が降っていないのに虹までかかっている。

 絶対見てる、っていうか僕の心の声まで聞こえてる。女神様これから僕にこの世界で何をさせようっていうんですかー。
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