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工場編
15.
しおりを挟む消魔装置を投げて部屋全体にドームを発動する
「これで魔法は使えないよ」
「そうだな」
あれ?もっと慌てると思ったがそうでもないな?
魔法が使えないって言うのに何故か落ち着いている。バズーカで一掃した爺さんたちは魔法が使えないことに大分慌ててたのにこの爺さんに焦りはない
「不思議か?だがその答えは簡単なことだ。エアブレード!」
杖を振ったら緑がかった光が先端から放出される
「て、使えんのかい!」
サイドステップで避ける。青爺さんのアイスロックと違って着弾してから何かあるようではないのでよかった
ただ、エアブレードが当たった壁には綺麗な切れ跡が残った
「理由は教えて貰えたりする?」
「魔法か?」
「そう!なんで消魔装置の範囲内で魔法が使えたか」
実際十数人が使えていなかったし
「簡単なことだ、これが科学の力と言うものだ
原理は簡単。そもそも消魔装置は魔力を魔法に変えるのを阻止する道具だ
ならば、その過程を飛ばしてやれば解決できると思わんか?」
こっちに杖を向けながらも、抗議を始める緑ローブの爺さん。恒例としてこいつのことは緑爺さんと呼ぼう
「でも魔力を使わないと魔法は発動しないはずだろ?」
「その通りだ。それは間違っていない
魔法は魔力が無ければ絶対に発動しない」
「ならどうやってるの?」
「そこでこの杖だ。幹部にはこの杖が渡されている。他の者が持っているのはただの魔法増幅装置
幹部が持っているのは魔導装置、元々魔力が詰まっているんだよ。新たな魔力を使う訳じゃないから消魔装置の影響を受けんのだ
お前の体が動けているのも同じ理由だな。魔力を使って動いているお前が、消魔装置の範囲内で動けるのは私たちの体力と同じように体内に蓄積されているのを使っているからだ」
「丁寧な説明ありがとう。ならこれは意味ないね」
パリンッと消魔装置を割り砕く
「ほう…消魔装置を砕くか。私に魔法を使わせる気か」
「別にーー、その装置があるとこっちも邪魔だからさ」
アイテムボックスから剣を出して構える
「なるほどな、確かにそれを使うなら消魔装置は邪魔になるだろうな
しかし、それでは私には勝てんがな」
杖を数回振る
「エアブレード」
さっきと同じ魔法か、なら
「もうそれは効かない!!」
魔法に剣を当てて相殺する。その時に杖の軌道と同じように剣を振るう
キンッキンッキンと音が鳴り魔法が消える
「すごいすごい」パチパチ
「どうも」
とってもうれししくない拍手をされてしまった……ってこんなことやってる場合じゃないか
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