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番外編2 ツンデレな彼女が気になって仕方ない
1.取り巻きになっちゃったの巻
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今度の番外編では、本編の主人公カップル佐藤萌と園田悠は脇役で、本編の脇役野村孝之が主人公、新田真理がヒロインとなります。本編第17話で萌と悠、萌の親友リコが他の学生達と研究発表グループを作り、そこに孝之が第18話で入る辺りからこの番外編は始まります。番外編第1話はそれ以前の説明的なプロローグなので、短いです。
この番外編には不穏な話が出てきますが、もちろん犯罪行為の推進はしておりません。あくまで架空の設定で、話の中でも未遂になる話です。
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俺――野村孝之――は、言っちゃ悪いが女には困っていない。だから、うちの大学のミスコン『ミス甲北』で優勝した新田真理に群がる気持ち悪い軍団の仲間になる気は、本当はなかった。どちらかと言うと、同時優勝したもう1人のミス甲北の佐藤萌の方が気になる存在だった。
萌は美人タイプの真理と違ってよく言えば素朴な感じ、はっきり言えばまだ垢ぬけていない。でも可愛いし、巨乳だし、性格がいい。だから真理と違って取り巻き連中を侍らす訳ではなくても、本人も知らないうちに隠れファンが結構できている。
真理は、その事実を正確に把握していてファンの男の子達を持っていかれないように一生懸命牽制していた。それが害のない範囲だったうちは静観していたけど、段々エスカレートしていって見逃せない範囲にまでなってきた。
ある日、人気のない講義室の前を通りかかった時、俺は真理と取り巻きの1人田中の会話を偶然聞いてしまった。
「ねえ、田中君だから頼んでるのよ」
「で、で、でも……そ、それって犯罪なんじゃ……」
「そんな事ないわよ! 萌が意識朦朧になっても首を縦に振らせれば合意よ! アンタだってもう1人のミス甲北とヤれたら嬉しいでしょ?!」
「そ、そ、そりゃ……でも……」
「ちょっと! そこは私の方がいいって言う所でしょ!」
なんだか滅茶苦茶、かつ犯罪チックな匂いがしてきた。気の弱い田中は押しに弱い。このままだと萌が危ない。翌日から俺は真理に近づいた。一部でチャラ男と言われている俺が真理に近づいて来るのを見て取り巻き連中は警戒していたが、俺は気にしない体で図々しく真理に話しかけた。
「真理ちゃん、こんにちは!」
「えっと、貴方は?」
なんか警戒されちゃったみたいだ。俺はイケメンだし、同じゼミだと強調して美人と持ち上げれば、真理は単純だから機嫌が直るだろう。
「野村孝之。同じゼミだよ。美人に覚えていてもらえないって悲しいなぁ」
「えっ、お、覚えてるわよ」
「嬉しいな。お近づきの印にこれからランチどう? まだお昼食べてないよね?」
軍団がギッと俺を睨んだけど、俺は気にしない。真理の耳元で『2人っきりでランチしたいな』と囁いたら、真理は頬を染めていた。案外、単純、もとい初心なんだなと意外に思った。
この番外編には不穏な話が出てきますが、もちろん犯罪行為の推進はしておりません。あくまで架空の設定で、話の中でも未遂になる話です。
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俺――野村孝之――は、言っちゃ悪いが女には困っていない。だから、うちの大学のミスコン『ミス甲北』で優勝した新田真理に群がる気持ち悪い軍団の仲間になる気は、本当はなかった。どちらかと言うと、同時優勝したもう1人のミス甲北の佐藤萌の方が気になる存在だった。
萌は美人タイプの真理と違ってよく言えば素朴な感じ、はっきり言えばまだ垢ぬけていない。でも可愛いし、巨乳だし、性格がいい。だから真理と違って取り巻き連中を侍らす訳ではなくても、本人も知らないうちに隠れファンが結構できている。
真理は、その事実を正確に把握していてファンの男の子達を持っていかれないように一生懸命牽制していた。それが害のない範囲だったうちは静観していたけど、段々エスカレートしていって見逃せない範囲にまでなってきた。
ある日、人気のない講義室の前を通りかかった時、俺は真理と取り巻きの1人田中の会話を偶然聞いてしまった。
「ねえ、田中君だから頼んでるのよ」
「で、で、でも……そ、それって犯罪なんじゃ……」
「そんな事ないわよ! 萌が意識朦朧になっても首を縦に振らせれば合意よ! アンタだってもう1人のミス甲北とヤれたら嬉しいでしょ?!」
「そ、そ、そりゃ……でも……」
「ちょっと! そこは私の方がいいって言う所でしょ!」
なんだか滅茶苦茶、かつ犯罪チックな匂いがしてきた。気の弱い田中は押しに弱い。このままだと萌が危ない。翌日から俺は真理に近づいた。一部でチャラ男と言われている俺が真理に近づいて来るのを見て取り巻き連中は警戒していたが、俺は気にしない体で図々しく真理に話しかけた。
「真理ちゃん、こんにちは!」
「えっと、貴方は?」
なんか警戒されちゃったみたいだ。俺はイケメンだし、同じゼミだと強調して美人と持ち上げれば、真理は単純だから機嫌が直るだろう。
「野村孝之。同じゼミだよ。美人に覚えていてもらえないって悲しいなぁ」
「えっ、お、覚えてるわよ」
「嬉しいな。お近づきの印にこれからランチどう? まだお昼食べてないよね?」
軍団がギッと俺を睨んだけど、俺は気にしない。真理の耳元で『2人っきりでランチしたいな』と囁いたら、真理は頬を染めていた。案外、単純、もとい初心なんだなと意外に思った。
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