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51.久しぶりの兄妹の邂逅
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エドワードは晩餐会の後、ルイに挨拶をしてユージェニーをねぎらい、新国王夫妻はそれぞれ自室に、ルイはあてがわれた客室へ戻って行った。
ユージェニーが自室に戻ると、ミッシェルとジャンが憤った様子で待っていた。
「姫様、あの浮気男ったら、元婚約者を見てましたね!あんな大事な式典中に!」
「あらあら、『浮気男』だなんて不敬ですよ。それにエドワード様はまだ不貞してないわ。それに彼にとってこの愛はそんな汚らわしい不貞ではなくて『真実の愛』なのよ、フフフ・・・」
「それでは姫様はあの方にとって何なのですか!」
「仕事上のパートナーよ。人生のパートナーでは決してないわ」
「姫様、それでよいのですか?」
「よいも何も、王侯貴族の結婚なんてそんなものでしょう?愛を期待するのは高望みなのよ」
ミッシェルとジャンは、敬愛するユージェニーの諦めきった言葉を聞いて心底悲しそうだった。
「それにしてもステファニー様の旦那様がかわいそうね。2人の間にお子さんも生まれたばかりなのに、エドワード様は2人をかき乱して本当に罪作りな方。ステファニー様の旦那様は今にも殺しそうな目でエドワード様を見返していたわ」
「私が夫でも睨み返したと思います」
「あらジャン、寡黙かと思ったら、意外と情熱的なのね」
「そういう問題では・・・」
「そうそう、これからお兄様に会うから侍女の服を用意して頂戴」
それを聞いてミッシェルとジャンは一瞬驚いたが、すぐに目的を理解した。ジャンが室外に出た後、ミッシェルはユージェニーの着替えを手伝った。ユージェニーがルイと会ってもルクス王国の利益に反することを話すわけではなかったが、エドワードだけでなく、彼の臣下にもユージェニーはこの会合を秘密にしたかった。
侍女に変装したユージェニーは、ミッシェルと共にルイの客室を訪れた。ミッシェルは客室を出て外で控え、その他の使用人達も人払いして兄妹は2人だけで話をすることができた。
「ユージェニー、あの男は式典中に元婚約者を見ていたな」
「あら、お兄様も気づきましたの?ミッシェルとジャンも気付いて随分憤ってましたわ」
「そなたは冷静なのだな。構わないのか?」
「ええ、人の気持ちはどうしようもありません。でもエドワード様は実際に不貞をしているわけではありません。彼が私に誠実である以上、私は仕事上のパートナーとしてエドワード様に寄り添うだけです」
「その『仕事』には、後継ぎ作りも入っているぞ。辛くないか?」
「王侯貴族の結婚など、そのようなものでしょう?」
「でも私は妃を愛しているぞ」
「お兄様の結婚が幸福だったのです」
「そなたの結婚生活が幸福でなさそうなのは兄として辛い。もしどうしても我慢できなくなったら、私がなんとかするから必ず言うのだぞ」
「大丈夫です。心配しないで、お兄様」
ユージェニーは、流石に兄にも閨の生々しい不満を言う気にはなれなかったし、エドワードが側妃を娶ることになるようにこっそり避妊していることも話すつもりはなかった。
ユージェニーが自室に戻ると、ミッシェルとジャンが憤った様子で待っていた。
「姫様、あの浮気男ったら、元婚約者を見てましたね!あんな大事な式典中に!」
「あらあら、『浮気男』だなんて不敬ですよ。それにエドワード様はまだ不貞してないわ。それに彼にとってこの愛はそんな汚らわしい不貞ではなくて『真実の愛』なのよ、フフフ・・・」
「それでは姫様はあの方にとって何なのですか!」
「仕事上のパートナーよ。人生のパートナーでは決してないわ」
「姫様、それでよいのですか?」
「よいも何も、王侯貴族の結婚なんてそんなものでしょう?愛を期待するのは高望みなのよ」
ミッシェルとジャンは、敬愛するユージェニーの諦めきった言葉を聞いて心底悲しそうだった。
「それにしてもステファニー様の旦那様がかわいそうね。2人の間にお子さんも生まれたばかりなのに、エドワード様は2人をかき乱して本当に罪作りな方。ステファニー様の旦那様は今にも殺しそうな目でエドワード様を見返していたわ」
「私が夫でも睨み返したと思います」
「あらジャン、寡黙かと思ったら、意外と情熱的なのね」
「そういう問題では・・・」
「そうそう、これからお兄様に会うから侍女の服を用意して頂戴」
それを聞いてミッシェルとジャンは一瞬驚いたが、すぐに目的を理解した。ジャンが室外に出た後、ミッシェルはユージェニーの着替えを手伝った。ユージェニーがルイと会ってもルクス王国の利益に反することを話すわけではなかったが、エドワードだけでなく、彼の臣下にもユージェニーはこの会合を秘密にしたかった。
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「ユージェニー、あの男は式典中に元婚約者を見ていたな」
「あら、お兄様も気づきましたの?ミッシェルとジャンも気付いて随分憤ってましたわ」
「そなたは冷静なのだな。構わないのか?」
「ええ、人の気持ちはどうしようもありません。でもエドワード様は実際に不貞をしているわけではありません。彼が私に誠実である以上、私は仕事上のパートナーとしてエドワード様に寄り添うだけです」
「その『仕事』には、後継ぎ作りも入っているぞ。辛くないか?」
「王侯貴族の結婚など、そのようなものでしょう?」
「でも私は妃を愛しているぞ」
「お兄様の結婚が幸福だったのです」
「そなたの結婚生活が幸福でなさそうなのは兄として辛い。もしどうしても我慢できなくなったら、私がなんとかするから必ず言うのだぞ」
「大丈夫です。心配しないで、お兄様」
ユージェニーは、流石に兄にも閨の生々しい不満を言う気にはなれなかったし、エドワードが側妃を娶ることになるようにこっそり避妊していることも話すつもりはなかった。
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