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5.婚約解消の危機
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マクシミリアンといつも一緒にいる男爵令嬢の話をマリアから聞いて数か月後、今年のデビュタントボールが行われた。デビュタントは通常15歳だが、遅れて社交界デビューすることもできるし、エスコートするパートナーも年齢に関係なく参加できる。
マクシミリアンが最近いつも侍らしている令嬢アナは18歳だが、最近男爵家の養女になったので、遅れてデビュタントとなった。そのアナを今年のデビュタントボールでマクシミリアンがエスコートして3曲連続でダンスしたので、社交界の噂となっている。3曲連続で踊るのは、普通は結婚した男女だけである。しかもアナが着ていたドレスはマクシミリアンの瞳の色と同じ青色で、噂によればマクシミリアンのプレゼントだという。
その話を聞いたラウエンブルク公爵夫妻と兄オットーは怒髪天だった。
「1曲ダンスだけだったらともかく、エスコートして3曲連続で踊るなんて非常識にもほどがある!しかもドレスは殿下のプレゼントで、最近はいつもその女と一緒だって言うじゃないか!普段から浮気三昧であの年齢でもう娼館の常連なんだから殿下は本当に救いようがない!」
「ドレスプレゼントは単なる噂です。それに娼館はもう半年以上前から常連じゃないみたいですよ。」
「「「そんな問題じゃない!」」ですわよ!」
「はぁ・・・お前と一緒に殿下と王宮の庭で遊んでいた頃は、こんなことになるとは思ってもみなかったよ…(女たらしの振りが本気になってないか?!)」
「王子たちの側近候補兼友人なんて、将来こうなるって知ってても王家からの依頼では断れなかったから仕方ないですけど、あの第一王子殿下がこんなにひどくなるとは思わなかったわ」
「あの頃は今と逆で第一王子殿下のほうが冷静で第二王子殿下は突っ走っていた。特にルイーゼ嬢がお前をいじめていたとわかったときは見物だったな。本当になぜあの冷静だった第一王子殿下がこんな風になってしまったんだか…お前が文句を殿下本人や陛下に言わないでくれと言うから我慢していたが、それが殿下を付け上がらせたのではないか?もう関係改善は無理だろう?陛下に婚約解消を願い出ようか?」
「やめてください、私は婚約を続けたいです」
「どうしてかな?」
「殿下には王妃陛下と私しか味方がいないじゃないですか。私は殿下を見捨てたくないのです」
「お前がいなくても最近噂の女がいるだろう?」
「お父様、そんなこと言わないでください!それにそれは単なる一時的な熱に違いありません!殿下はまだ手紙やプレゼントもたまに送ってくれます。私のことを婚約者として気にかけていらっしゃるはずです」
「ユリアよ…父にはそうは思えないが…」
両親と兄の猛反対にも関わらず、結局マクシミリアンとの婚約続行をユリアは選んだ。
マクシミリアンが最近いつも侍らしている令嬢アナは18歳だが、最近男爵家の養女になったので、遅れてデビュタントとなった。そのアナを今年のデビュタントボールでマクシミリアンがエスコートして3曲連続でダンスしたので、社交界の噂となっている。3曲連続で踊るのは、普通は結婚した男女だけである。しかもアナが着ていたドレスはマクシミリアンの瞳の色と同じ青色で、噂によればマクシミリアンのプレゼントだという。
その話を聞いたラウエンブルク公爵夫妻と兄オットーは怒髪天だった。
「1曲ダンスだけだったらともかく、エスコートして3曲連続で踊るなんて非常識にもほどがある!しかもドレスは殿下のプレゼントで、最近はいつもその女と一緒だって言うじゃないか!普段から浮気三昧であの年齢でもう娼館の常連なんだから殿下は本当に救いようがない!」
「ドレスプレゼントは単なる噂です。それに娼館はもう半年以上前から常連じゃないみたいですよ。」
「「「そんな問題じゃない!」」ですわよ!」
「はぁ・・・お前と一緒に殿下と王宮の庭で遊んでいた頃は、こんなことになるとは思ってもみなかったよ…(女たらしの振りが本気になってないか?!)」
「王子たちの側近候補兼友人なんて、将来こうなるって知ってても王家からの依頼では断れなかったから仕方ないですけど、あの第一王子殿下がこんなにひどくなるとは思わなかったわ」
「あの頃は今と逆で第一王子殿下のほうが冷静で第二王子殿下は突っ走っていた。特にルイーゼ嬢がお前をいじめていたとわかったときは見物だったな。本当になぜあの冷静だった第一王子殿下がこんな風になってしまったんだか…お前が文句を殿下本人や陛下に言わないでくれと言うから我慢していたが、それが殿下を付け上がらせたのではないか?もう関係改善は無理だろう?陛下に婚約解消を願い出ようか?」
「やめてください、私は婚約を続けたいです」
「どうしてかな?」
「殿下には王妃陛下と私しか味方がいないじゃないですか。私は殿下を見捨てたくないのです」
「お前がいなくても最近噂の女がいるだろう?」
「お父様、そんなこと言わないでください!それにそれは単なる一時的な熱に違いありません!殿下はまだ手紙やプレゼントもたまに送ってくれます。私のことを婚約者として気にかけていらっしゃるはずです」
「ユリアよ…父にはそうは思えないが…」
両親と兄の猛反対にも関わらず、結局マクシミリアンとの婚約続行をユリアは選んだ。
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