「いつ婚約破棄してやってもいいんだぞ?」と言ってきたのはあなたですから、絶縁しても問題ないですよね?

 公爵令嬢ルミアの心は疲れ切っていた。

 婚約者のフロッグ殿下が陰湿なモラハラを繰り返すせいだ。
 最初は優しかったはずの殿下の姿はもうどこにもない。
 いつも暴言ばかり吐き、少しでも抵抗すればすぐに「婚約破棄されたいのか?」と脅される。
 最近では、「お前は男をたぶらかすから、ここから出るな」と離宮に閉じ込められる始末。

 こんな生活はおかしいと思い、ルミアは婚約破棄を決意する。

 家族の口利きで貴族御用達の魔道具店で働き始め、特技の刺繍や裁縫を活かして大活躍。
 お客さんに感謝されて嬉しくなったり。
 公爵様の依頼を受けて気に入られ、求婚されたり。

 ……おや殿下、今さらなんの用ですか?
 「お前がいなくなったせいで僕は不愉快な思いをしたから謝罪しろ」?

 いやいや、婚約破棄していいって言ったのはあなたじゃないですか。

 あなたの言う通り婚約破棄しただけなんですから、問題なんてなんてないですよね?

 ★ ★ ★

※ご都合主義注意です!
※史実とは関係ございません、架空世界のお話です!
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