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#130 終戦編 子どもの夢

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『子どもの夢』
――荒野の荒地

四神「異質な力…懐かしい面子……ひりつく空気」
グシャ
四神「はは―貴様らがそうか…!!」
ジョーカー「アタシらはアタシらのままだ」
アンデッド「!」
ジョーカー「実は誰かだったとか…誰かの娘や息子だったとか。もう全部関係ねぇんだ。今ここに立ってんのは意思を継いだアタシ達だ!!」
グッ
ジョーカー「皆の気持ちを背負ってる…お前をここで終わらせる!!!」
ドンッ
四神「餓鬼が……図に乗るな」
スッ
四神『雷撃らいげき』!!!
ッドォォォォォン
ババッ
ジョーカー『砕破さいは
グルン
ドゴッ
四神「……ッ」
ジョーカー「ポイズン!!」
ダダッ
ポイズン「おおぉぉ――ッ」
グァッ
ポイズン『ベノムプリズン』!
ズズズズ
四神「……攻め手は変わらずか」
ポイズン「あぁ。俺はな」
スッ
キノコ「――!!」
キノコ『荒瀧落あらたきおとし』ッ!!!
ズッ
四神「どうした?幻は使わんのか?」
ボヤァ
四神「!」
キノコ「それ―幻だよ」
タタン
キノコ『五月雨さみだれ』!!!
ズドドドドドドド
四神「ぐっ……!!」
キノコ(押せる…ッ)
ググッ
キノコ「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
ズッドォォォォォォォォォォォン
四神「――っは……!!!」
キノコ(飛ばせた…これが武勇)
四神「げふっ…厄介な」
ジーーーーーッ
スタッ
ケイパン「よぉ!」
四神「!」
ケイパン「気分はどうだ――驚いた顔しやがって!!」
ゴォォォ
ケイパン『ディフェクト』ッ!!!
ググッ
ベコォォォォォォォォォォォン
四神「――ッ!!」
ケイパン「~~~…!!!」
ビリビリ
ケイパン「……って」
スタッ
ケイパン「本当に痺れるタイプのやつか…!!」
スッ
キノコ「ケイパン!!避けて!!」
ケイパン「!」
四神「…潰せ」
グイッ
四神『大蛇乱おろちらん』!!!
ドドドドドドドドドド
ケイパン「ぐ…っ」
四神『津波つなみ』ッ!!!
ザッパァァァァァァァァン
ケイパン「やべ――ッ」
ガシッ
ケイパン「!」
アンデッド「しっかり掴まってろ」
ギュイイイイイイ
ケイパン「悪い…助かったアンディ」
アンデッド(…どこまで届くかは分からねぇが)
スッ
アンデッド「試してみるか…変災」
ズズズズ
ボボボボ
四神「!?」
アンデッド「届くか…どチートだな…!!」
アンデッド『黒雷砲こくらいほう』ッ!!!
ズッドォォォォォォォォォォォン
ゴロゴロ
キノコ「すっご…!!」
スタッ
アンデッド「…でも連発は出来なさそうだ。腕が痛い」
ケイパン「俺も」
ポイズン「…まだ四風守護の力に身体が慣れてないみたいだな」
ッドドォォォォォォォォォン
キノコ「!?」
ジョーカー「いってて」
キノコ「ジョーカー!」
タッタッタッ
キノコ「大丈夫?」
ジョーカー「げほっ…くっそ……いまいち届かねぇ」
グッ
ジョーカー(…むずいな。この力)
カチッ
ジョーカー「!」
ッドドォォォォォォォォォン
ババッ
ジョーカー「……っぶね」
ザッザッザッ
四神「満足には使えていないようだな。宝の持ち腐れか?」
ジョーカー「お前が紅姫の身体パクった時だって同じだったろ」
四神「……過去の話だ」
スッ
ギュルルルルル
ガシッ
ジョーカー「……」
四神「顔色1つ変えないとは」
ジョーカー「当たり前だろ。1人じゃねぇんだから」
ニカッ
ザシュシュシュシュ
キノコ「…!!」
スタッ
バラララララッ
ジョーカー「ありがとな」
キノコ「うん!」
ケイパン「キノコ…腕痛くないの?」
キノコ「私は大丈夫なの…なんでだろ?」
アンデッド「負荷がその武器にかかってるとかなのかな」
キノコ「流石…鬼族の武器だね」
ズズズズ
ッドォォォォォン
ジョーカー「――っと」
スタッ
グイッ
ジョーカー「――!?」
四神『岩大蛇いわおろち』!!!
ズッドォォォォォォォォォォォン
パラパラ
ジョーカー「…ッ」
ポイズン「伏せろ!」
ダダッ
ズズズズ
ポイズン『拡散かくさん毒霧どくぎり』!!!
モワァァァァ
ボシュゥゥゥゥゥゥン
ジュッ
四神「……ほう」
ポイズン「動けるか?ジョーカー」
ジョーカー「あぁ…なんとか」
アンデッド(引き寄せてからの叩き潰し…シンプルな暴力)
四神「ここでお前を…なんだったか?ジョーカー」
ボロッ
四神「止めると喚いた結果がこのザマ…なんとも醜く滑稽な話よ」
ズズズズ
四神「だが貴様らが現時点…我にとって最大の障壁であることも事実だ。転生してまで止めようとする。挙句過去から今の時までな。…どこまでもしぶとくしつこい連中だ」
ポイズン「世界を壊そうなんて馬鹿げた野望をスルーしろって方が無理な相談だろうが」
四神「夢くらい誰でも抱くだろう?」
アンデッド「夢…?」
四神「なりたいもの。見たい景色。誰もが平等に抱くものが夢だ。貴様達と我では目指す場所が違うから衝突を起こすのだ」
キノコ「ふざけたことを…!!」
ギリッ
キノコ「人の人生を汚しておいて!!無関係な人達を大勢と巻き込んで!挙句の果てに自分の夢だからと主張するやつがどこにいるんだ!!」
四神「馬鹿かどうかはさておき…ここにいるだろう?」
ケイパン「お前……ッ」
スッ
ジョーカー「いいよ皆。論争は無駄だ」
キノコ「でも…」
ジョーカー「結局お前は自分のやりたい事がアタシ達に邪魔されてるからムカつくってだけだろ。思い通りに行かねーと不貞る。お前ただの子供と変わんねーぞ」
ニカッ
四神「…………」
ジョーカー「別に夢見るのは個人の自由だし構わねーよ。だけど…それが迷惑をかけて影響及ぼしてるってなら話が別だ!!」
ダンッ
コォォォォォォォォォォォ
ジョーカー「無邪気なまんまで構わねーからかかって来いよガキンチョ。先輩として間違いは正してやるから!!!」
アンデッド(ジョーカーの中の…黄龍の力が――!!)
ジョーカー「出し惜しみは無しだ皆」
ポイズン「!」
ジョーカー「これがアタシらにとっても…皆にとっても最後の戦いだぜ?全力でぶちかます方が余程アタシ達らしいだろ!!!」
アンデッド「…ったく」
キノコ「そうだね…ビビってたのが馬鹿みたいだ」
ケイパン「考えてみりゃ痛みなんか腐るほど経験してるもんな」
ポイズン「向こうも全力で来るみたいだし丁度良い」
四神「野望は…またいつでも機転が訪れよう」
ゴゴゴゴゴ
四神「その前に貴様らを殺さねば…いずれまた邪魔をされるだろうな」
四神(光も闇も…死者共の力すらもう必要ない。これが奴らへの絶望だ)
スッ
ジョーカー「来るぞ!!」
ドコッ
四神『戒震かいしん』ッ!!!!!
ッドドォォォォォォォォォン
四神「貴様らから奪ったこの力で――全てを無に帰してやろう!!!」
ダダッ
ジーーーーーッ
四神「!」
ケイパン(出し惜しみは――無し!!)
ケイパン『ディフェクト』ッ!!!
ズォオオオオオオオオオオ
クイッ
ッボボォォォォォォォン
ケイパン「か――ッ」
ケイパン(炎の威力が上がってやがる……!!!)
ダンッ
キノコ『時雨嵐しぐれあらし』!!!
ズドドドドドドド
ガチン
キノコ「!!」
バリィッ
ガシッ
四神「小娘……」
キノコ「う…ッ!?」
ブォン
四神「邪魔だ!!!」
ッドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
キノコ「あぁ――ッ」
ズザザ
四神「……ッ」
ガシッ
ポイズン「させるかよ…!!」
四神「ちっ…触れた所で貴様の毒など弾き返せば――」
ポイズン「やってみろよ…俺が出した毒ならな!!!」
ドロォッ
四神「――ッ!?」
ケイパン「ポイズンそれ―」
ポイズン「これが俺の異常…全身を毒に変える事だ!!」

ーーー
詩夜「今までの慎ましい行動は出来ないよ」
ーーー

ポイズン「っはは…上等な力だ……!!!!」
ズズズズ
四神「ぐっ――」
ポイズン「なぁどうした!!弾き返せば済むんだよな!!!」
四神「戯れ…言を……!!!!」
ゴロゴロ
キノコ「皆!離れて!!落雷が――」
ビカァッ
キノコ「違う…!?」
四神「抜かすなァッ!!!」
バリリリリリリリリリリリィィィ
ケイパン「うっ…ぐぁあああああ!!!!」
キノコ「放……電――ッ!?」
ポイズン「……げほっ」
四神「はぁ…っ…はぁ…っ」
ポイズン「…はは」
ニカッ
四神「何を笑って――」
ポイズン「時間は稼いだ……注意は逸らしたって事だよ」
ズズズズ
四神「!!」
アンデッド「包め――ッ」
ビリビリ
アンデッド『エデン』!!!
ッドドォォォォォォォォォン
四神「――――――ッ」
アンデッド「…っく……はぁ…はぁ…くっっそ…!!!」
ガクッ
スッ
ッドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
アンデッド「!!」
四神「随分な力だが――反動がデカいかアンデッド!!」
キノコ「アンデッドさん!!」
アンデッド「…っそ…身体が――!!」
ズッ
バキッ
ッドドォォォォォォォォォン
アンデッド「!」
ジョーカー「っしし…お疲れさん!交代だ!!」
ッドン
スッ
四神「真正面で自ら迫り来るか…大馬鹿者が!!」
四神『戒雷かいらい』ッ!!!
ッドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ジョーカー『龍神りゅうじんしょう』ッ!!!
ッドドォォォォォォォォォン
四神「雷が……裂かれた…!?」
ジョーカー(このままじゃ届かねぇ…!!)
ジョーカー「ケイパン!!アタシに向かって波導!!!」
ケイパン「!」
ズッ
ケイパン「分かった…全力で行くぞ!!」
ケイパン『ディフェクト』!!!
ゴォォォォォォ
ジュッ
ジョーカー「熱…っ……でも触れる!!」
ググッ
ギュイン
四神「!!」
ジョーカー『獄握ごくあく』ッ!!!
ッドム
四神「ぐっ…がぁぁぁ――ッ」
ババッ
ジョーカー「…ふぅっ」
ズッ
四神『戒水かいすい
ドッパァァァァァァン
ジョーカー「――!!」
ドサッ
ジョーカー「…っつ」
四神「油断か…?」
ジョーカー「ちげーよ言ったろ……交代だってな」
ニカッ
ジーーーーーッ
ババッ
四神「!」
キノコ『戒炎かいえん五月雨嵐さみだれあらし』!!!
ズドドドドドドド
ボボォォォォォォ
四神「火……貴様…ッ」
キノコ「その火は幻だよ!」
四神「!!」
キノコ「私が美玲から貰ったのは武勇だけだ!騙されたな!」
ベーーッ
四神「この期に及んで小細工を…」
ガガッ
キノコ「何がこの期に及んで……出し惜しみしない為の全力だ!!!」
四神「黙れッ!!!」
ッドドォォォォォォォォォン
キノコ「ぁぐ…ッ」
四神「過去から今まで――散々と貴様らに邪魔をされた」
グググッ
ゴゴゴゴゴ
ケイパン「!!」
ポイズン「これは―」
四神「因縁じみた関係も…遠くに及んだこの無駄な戦も!!!」
グァッ
四神「今ここで全て終幕だ!!貴様らの死をもって!!!!」
四神『四風絶縁しふうぜつえん』ッ!!!!!
ケイパン「四風守護神の――同時解放……!!!!」
ポイズン「…策がある」
ケイパン「策…?」
ポイズン「あの攻撃は全部――俺達が引き受ける。行けジョーカー」
ジョーカー「!」
アンデッド「それはそうだな…同感だ。ジョーカーしか居ない」
ジョーカー「皆…」
キノコ「だーいじょうぶっ!絶対何とかしてみせるから!!」
アンデッド「ジョーカー」
トンッ
アンデッド「声を聞け。俺達は――1人じゃないだろ?」
ジョーカー「――!!」
ドクンッ
ジョーカー「…あぁ」
ザッザッザッ
ジョーカー「頼んだ皆…応えてくれ!!!」
四神「戯けが…呑まれて消えろォッ!!!!」
ダダッ
アンデッド「さて…何気に初めてやるか」
ケイパン「こんだけ長くいるのにな!」
キノコ「でも…すぐそこまで迫ってても怖くない」
ポイズン「ウカウカもしてらんないな」
コォォォォォォォォォォォ
ポイズン『異常いじょう毒龍ヒュドラ
キノコ『武勇ぶゆう夢想連戦むそうれんせん
ケイパン『波導はどう加羅久利からくり
アンデッド『変災へんさい宵闇よいやみ
ガシッ
4人「想いは――1つだ!!」



アンデッド

ポイズン
     合技!!!『革命かくめい』ッ!!!!!!
キノコ

ケイパン



合技『革命』変革者
数多の幻影を纏った闇と幻の繋がりは形容し難い混沌へ変貌する。
心を通わせた4人の力は万物を穿つ矛と成る。

ッドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォン
ジョーカー「――ッ!!」
ニカッ
四神「この……力――!!」
ググッ
ーーーーーー
――建物カルデアから少し離れた森奥

オーディン「……この地響きは」
グッ
オーディン(皆さん…!!)
ーーーーーー
――荒野の荒地

ポイズン「…ッおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ドクンッ
ーーーーーー
満桜「貴方は私を救ってくれた……悪戯に蝕む毒じゃない。私にとってはそれが光でした」
ーーーーーー
キノコ「…ッおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ドクンッ
ーーーーーー
紅玉「長くすれ違ってきてしまった。それを再び手繰り寄せてくれたのは他でもない主なのだ」
ーーーーーー
ケイパン「…ッおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ドクンッ
ーーーーーー
鬼姫「お主が何よりも強いことを。諦めない心があることを知っておる。立ち上がれ」
ーーーーーー
アンデッド「…ッおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ドクンッ
ーーーーーー
咲良「酷いことをたくさんしちゃった。君達にどれだけ恨まれたとしても私は構わないから…だから――!!」
ーーーーーー
――亜空間

紅姫「…勝って。皆」
ーーーーーー
――荒野の荒地

4人「砕――っけ……ろぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」
ッドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ドドォォォォォォォォォン
四神「馬鹿――な………」
ドサッ
アンデッド「…ぶつかれ!!!ジョーカーッ!!!!!」
ッドン
ジョーカー「…本ッ当に適わねぇ――最高の仲間が後ろに居る!!!」
ダダンッ
ジョーカー「1人は寂しいだろ!!意固地になってんじゃねぇぞ!!!」
四神「黙れ…貴様に説かれる筋合いなどどこにも無い!!!」
ガガッ
ジョーカー「言ったはずだ…全部終わらせるって」
四神「!?」
ジョーカー「大勢の人に背中押されて今ここに立ってんだアタシ達は」
ーーーーーー
藍菜「……迷わず進め。ジョーカー」
ーーーーーー
ジョーカー「お前の馬鹿げた野望も!!子供じみた夢も!!!アタシ達がぶっ――壊してやる!!!!!」
ドドドドドドドドドド
ジョーカー『龍神りゅうじん阿修羅あしゅら』ッ!!!!!
四神「我――は…ぁぁぁぁああああああああっ!!!!!」
ッドォォォォォォォォォォォォォォォォォォン
ジョーカー「…っは…っは」
グラッ
アンデッド「…」
ガシッ
ジョーカー「っしし…ありがとなアンディ」
アンデッド「……こっちの台詞だよ」
ボロッ
パラパラ
四神「はっ――はは」
ジョーカー「!」
四神「我…が……貴様らなんぞに――負け…たのか」
ガクッ
四神「げほっ……!!!」
ザッザッザッ
四神「!」
ジョーカー「お前が散々と奪ってきた幸せ…その分与えてきた苦しみだ。少しは気持ちが分かったか…?」
四神「くっ…ははっ……ははははは……!!」
ボタボタ
四神(長くは…保たんか……)
四神「不愉……快だ」
ドサッ
アンデッド(四神に――勝った)
キノコ「は…っは…っは」
ガクッ
ケイパン「キノコ!」
キノコ「ごめん……気抜けちゃった……」
ポイズン「無理もないさ」
ザッザッザッ
ポイズン「これで…全部の戦いが終わったんだ」
ケイパン「…そうだ!亜空間の紅姫さんの容態確認しないと――」
キノコ「私も行く!!」
ポイズン「俺も行くよ」
ジョーカー「悪ぃ3人とも!アタシとアンディはちょっと今動けねぇから頼んだぜ」
キノコ「うん!分かった!」
ジーーーーーッ
ズズズズ
ジョーカー「…すげー
アンデッド「………ッ」

ーーー
ルシファー「端的に言います。貴方がこの術を受けた時…その身体は闇に耐え切れず冥府に落ちる…そして二度と現世に戻れません」
ーーー

アンデッド「…ジョーカー……俺は―」
ジョーカー「うん」
アンデッド「!」
ジョーカー「ありがとな。アンデッド」
ニカッ

終戦編 子供の夢 ~完~
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