79 / 135
#79 神に継ぐ力
しおりを挟む
『神に継ぐ力』
――天界
ババッ
シュババババッ
ドンッ
ッドゴォォォォォン
ジョーカー「はっ…はっ…よし!」
スタッ
オーディン「お疲れ様ですジョーカーさん」
ジョーカー「あ、オーディンさん!」
タッタッタッ
ジョーカー「っしし!言われたことちゃんと出来たぜ!」
オーディン「もう倒したのですか…!?」
ジョーカー「ん?あぁ…倒しちゃ駄目だった…?」
オーディン「いえいえ!そんなことは決して…ですが苦労すると思っていたのですが」
ジョーカー「んー戦ってるうちに弱点が色々分かってきてさ」
オーディン「弱点ですか」
ジョーカー「あのデカ亀…皮膚は硬くて攻撃の一撃威力も重いけど速度が全然出ねーからさ!得意の連撃で1点をずっと狙ってたんだ」
オーディン「あれだけ大きな体躯の1点を集中して…?」
ジョーカー「最初にぶん殴って印つけた!」
ニカッ
オーディン「まさに稀依の天才ですね…」
ジョーカー「四神と戦うんだしな…これでも足りねぇくらいだ」
オーディン「…」
ジョーカー「皆はもっともっと強くなってる。アタシには分かるんだ」
オーディン「では次はジョーカーさんに業を伝授致しましょう」
ジョーカー「業?」
オーディン「覚醒への段階は伝授が完了すれば容易になりますので!」
ジョーカー「わかった!」
オーディン「今から伝授するのは天使術五光」
ジョーカー「天使術五光?」
オーディン「1つお見せしましょう」
トーンッ
オーディン『神速』
ヒュッ
ジョーカー「!!」
スッ
オーディン「だーれでしょう」
ジョーカー「もう後ろ!?」
パッ
オーディン「ふふっ」
ジョーカー「早ぇ…でも神速ならアタシも使えるぜ?」
オーディン「能力自体は失っていなかったのできっと身体の芯が憶えていたのでしょうね。それでは神速を見せてください!」
ジョーカー「あぁ!」
ググッ
ジョーカー『神速』
ドヒュンッ
スタッ
ジョーカー「どうだ?」
オーディン「素晴らしいです!でも更に上達できますよ!」
ジョーカー「!」
オーディン「私とジョーカーさんで明確な違いは何か分かりますか?」
ジョーカー「明確な違い…」
オーディン「それぞれの走り出しを見てみましょう」
ザッザッザッ
オーディン「こちらが私の…そしてそちらがジョーカーさんのです」
ジョーカー「アタシの方が地面がえぐれてる」
オーディン「ジョーカーさんは加速する際に地面を強く蹴っています。それが跡残りこうしてえぐれるというわけです」
ジョーカー「ん…なるほど」
オーディン「では地面がえぐれることのデメリット分かりますか?」
ジョーカー「左に地盤が盛り上がってえぐれてるから右に加速したってことがバレちまうな」
オーディン「そうです!」
ジョーカー「この隙を狩られちまったら勿体ねぇ…オーディン様の地面めちゃくちゃ綺麗!!」
オーディン「私は1度小さくジャンプをしてから空中で加速してます」
ジョーカー「え…あの一瞬でそんなことしてたのか」
オーディン「はい!」
ジョーカー「すげぇな…アタシもそれくらいやらないと」
オーディン「あまり気負っては駄目ですよ?ゆっくりで大丈夫です!」
ジョーカー「期限はまだあるけどゆっくりは出来ねーや」
オーディン「!」
ジョーカー「1回でも気持ちが落ち着いちまったらさ…研いだ集中も憶えてきたセンスも全部空っぽになっちまうから」
オーディン「…」
オーディン(なんてストイックな…)
ジョーカー「あと何より異界で頑張る相棒が居るしな!」
ニカッ
オーディン「ジョーカーさん…」
ザッザッザッ
ウリエル「こんにちは」
ジョーカー「?」
オーディン「ウリエル?どうかしましたか?」
ウリエル「少し様子を見に来たんです」
ジョーカー「アタシの?」
ウリエル「うん…私の試練の時に弟子達が君になり切っててさ!信頼も高かったからこの目でその実力を見たくなったんだ」
ジョーカー「アタシになりきり…な、なにしてんだ?アイツら…」
ウリエル「あっはは!まぁまぁそのおかげで試練突破できたんだよ」
オーディン「ジョーカーさんは凄いですよ?」
ウリエル「オーディン様にも言わせるなんて余程だね」
ジョーカー「っしし!」
ウリエル「それから君達と私達には大きな共通点がある」
ジョーカー「?」
ウリエル「悪魔と友達なんでしょ?随分変わってるよね」
ジョーカー「!」
ウリエル「私達と同じくらい変わってる」
ジョーカー「ルシファー…だっけか」
ウリエル「うん」
ジョーカー「悪魔って知る前から仲間だったのもあるけど…きっと知った後でもアタシはアンディの相棒になってた」
ウリエル「…」
ジョーカー「正直天使と悪魔のいざこざって関係ねーからさ!アタシらはアタシらなんだ」
ウリエル「…うん」
ザッザッザッ
ポンッ
ウリエル「さすが!確固たる信頼を寄せられる人は違うね!」
ワシャワシャ
ジョーカー「あ、あんまり髪ぐしゃぐしゃすんなよ~…」
オーディン「さぁ!特訓を再開しましょう!」
ジョーカー「あぁ!天使術…なんたら!完璧にマスターするぜ!」
ウリエル「頑張れ!」
ーーーーーー
――異界
ズドドドドド
ヒュッ
メドゥーサ「散」
トスッ
アンデッド「うっ…」
ドサッ
メドゥーサ「大丈夫?」
アンデッド「ってて…駄目だ意識がねぇ」
ルシファー「…仕方ないです」
メドゥーサ「そうねぇ惜しいところまではあるんだけど」
サタン「~~~!!」
ジタバタ
アンデッド「で…なんでアイツは赤面して悶絶してんだよ」
メドゥーサ「ピュアなのね…」
ルシファー「はぁ…」
サタン「ふー…ふー…!!」
プシュゥゥゥゥゥ
サタン「うがーーっ!!!」
ドゴゴゴゴゴ
ルシファー「不用意に辺りを壊すんじゃありません」
メドゥーサ「実を言うとね?アンディくん」
アンデッド「ん?」
メドゥーサ「あなたの覚醒にはサタンちゃんが―」
ガガッ
サタン「それ言ったらほんと殺す……ッ!!」
ゴゴゴゴゴ
メドゥーサ「い、言わないと進まないの…」
アンデッド「なんだよサタン…なに恥ずかしがってんだ?」
サタン「!!!」
ルシファー「貴方が完璧に呼べないから主様はいつまでも中途半端な状態で暴走に入っているんですよ」
サタン「あぁもう分かってる!分かってるよぉ!」
アンデッド「言えよサタン!何渋ってるんだ!」
サタン「うぅ…」
アンデッド「晩ご飯抜きにするよ!!!」
メドゥーサ(お母さん…?)
サタン「わ、分かったよ…キミが覚醒するには私が……その…」
カァァァァ
アンデッド「?」
サタン「き、キミの…名前を……呼ぶ必要が…あるんだ…」
アンデッド「…………ん?」
サタン「…!!」
カァァァァ
アンデッド「え、それだけ?」
メドゥーサ「それだけ」
アンデッド「え、それだけ?」
ルシファー「それだけ」
サタン「それだけってなんだよぉ!!!」
アンデッド「いやだってお前…名前なんかすぐ呼べるだろ」
サタン「無理!無理無理無理!そんな手も繋いでないのに!!」
アンデッド「ピュアか馬鹿」
ルシファー「はぁ…かれこれ1週間貴方の名前渋りですよ」
サタン「わ、分かってるけどぉ…」
メドゥーサ「アンデッドって素敵な名前じゃない?」
サタン「あーわかったわかった!!呼ぶ呼ぶ!呼ぶから!」
アンデッド「頼む」
ザッザッザッ
サタン「……アン…デド」
カァァァァ
アンデッド「いっ―!?」
ズガドドドド
ルシファー「あぁもう!」
メドゥーサ「まさか覚醒入ってからの特訓前に暴走を留めるなんて…」
――
アンデッド「で?呼べたのかよ名前は!」
サタン「それは…おたくの記憶が無いことを探って頂ければ…」
ゴニョゴニョ
アンデッド「だぁから!!渋るなって!!」
サタン「ご、ごめんなさい…」
ザッザッザッ
ルシファー「はいサタン私の名前」
サタン「ルシファー!」
メドゥーサ「私は?」
サタン「メドゥーサ!」
アンデッド「俺」
サタン「……………」
アンデッド「いじめだろ?いじめてんだろ?俺の事」
サタン「違う!!本当に恥ずかしいの!!」
アンデッド「恥ずかしいったって今までも別に…」
---
サタン「キミはさーあ?」
サタン「キミは別に」
サタン「キミ面白いな!」
---
アンデッド「呼んでねぇな!?」
ルシファー「呼んでないですね!?」
メドゥーサ「呼んでなかったのね!?」
キャッキャッ
サタン「なーに盛り上がってんだこんにゃろう」
アンデッド「とにかく!お前が名前呼ばないと進まな―」
サタン「ひぃぃぃぃ~時間をください~!!!」
ダダッ
アンデッド「あ…」
ルシファー「やれやれ…本当にワガママな」
メドゥーサ「私が説得してくるわ」
ルシファー「頼みました」
アンデッド「え…いけるのか?メドゥーサで」
ルシファー「説得は得意分野ですから」
アンデッド「いやでも…サタンって嫌いなんだろメドゥーサのこと」
ルシファー「あっ」
アンデッド「ルシファーさん?」
ルシファー「…不甲斐なくて申し訳ございません」
ーーーーーー
メドゥーサ「こんな所まで走ってきちゃったの?」
サタン「!」
メドゥーサ「お隣失礼」
スッ
サタン「帰れ!!」
メドゥーサ「名前呼ぶの恥ずかしいって気持ち…少しだけ分かる」
サタン「えっ―」
メドゥーサ「少しいやらしい妄想して恥ずかしいんでしょう?」
ニコッ
サタン「清々しい顔で何言ってるんだ」
メドゥーサ「私も初めてアンディくんを見た時は…とろけちゃった」
サタン「ぶっ飛ばすぞ犯罪者め」
メドゥーサ「でもそれ以上に驚いてる…あなたが誰かに固執すること」
サタン「……そりゃあの子には色々と救われてきたんだから」
メドゥーサ「…」
ポンッ
サタン「!」
メドゥーサ「恩返し…しましょう?」
ニコッ
サタン「…うん」
メドゥーサ「いい子!」
ナデナデ
サタン「触るな!」
ベシッ
――
ザッザッザッ
アンデッド「お、帰ってきた」
サタン「…これでラストにするから!!」
アンデッド「お、おぉ」
ルシファー(凄い心意気ですね…どんな説得を?)
メドゥーサ(ふふっ頭を軽く撫でたくらいかな)
サタン「…ふぅーーー」
---
サタン「キミが私を呼んだんだ?これでも悪魔の中でも位は高いけど」
アンデッド「悪いけど…そっちの事情はよく分からなくて」
サタン「細かいことを最初から話すー?二択で終わらせようよ」
スッ
サタン「キミは私と契約を結ぶ?身体が朽ち果てるまで」
アンデッド「あぁ」
サタン「!」
サタン(即答…)
アンデッド「俺の身体好きなだけ使ってくれて構わねぇ!」
サタン「特級悪魔にそこまで言える~?」
ガシッ
サタン「ふはっ!キミ面白いな!」
---
サタン「今までもこれからも…ずっと身体借りるよ」
サタン『アンデッド』
アンデッド「!!」
ゴォォォォォォォォォォォォ
シュゥゥゥゥゥ
メドゥーサ「これは…」
ルシファー「暴走無しの覚醒…さすがですね」
アンデッド「…」
サタン「え、えっと」
アンデッド「やーっと呼べたかこの腑抜け」
ベーー
サタン「んなっ!!」
ダダッ
サタン「こっちだって呼ぶの苦労したのに!!」
アンデッド「サタンサタンサタンサタン~俺はこんなに呼べます~」
サタン「かーっ!名前マウント!?優位に立つなぁ!」
ルシファー「そこまでですよ」
ガバッ
サタン「むぐっ!」
メドゥーサ「そうね…せっかく今覚醒状態にはいれているわ」
アンデッド「!」
メドゥーサ「少し用途を実感してみて?」
アンデッド「あぁ分かった」
ザッザッザッ
サタン「覚醒後は能力がガラッと変わるんでしょ?上手くいくの?」
ルシファー「それを確かめるのですよ」
アンデッド「…」
ゴゴゴゴゴ
サタン「!?」
メドゥーサ「あらあら…これは想像以上」
ルシファー「どこまでも規格外とは」
アンデッド「み、皆…これやべぇ」
ガタガタ
サタン「お、落ち着いて!ゆっくり!ゆっくり力抜いて!」
シュゥゥゥゥゥ
アンデッド「はー…はー…まじ怖かった…!!」
サタン「ほんともう覚醒なんてしない方がいいんじゃないの…?」
ルシファー「それを制御するためにここまで来たのですから」
メドゥーサ「えぇ天界とも折りをつけて残り5日で完全覚醒かしら」
サタン「残り…5日…」
メドゥーサ「準備はできてる?」
アンデッド「あぁ…もちろんだ!!!」
神に継ぐ力 ~完~
――天界
ババッ
シュババババッ
ドンッ
ッドゴォォォォォン
ジョーカー「はっ…はっ…よし!」
スタッ
オーディン「お疲れ様ですジョーカーさん」
ジョーカー「あ、オーディンさん!」
タッタッタッ
ジョーカー「っしし!言われたことちゃんと出来たぜ!」
オーディン「もう倒したのですか…!?」
ジョーカー「ん?あぁ…倒しちゃ駄目だった…?」
オーディン「いえいえ!そんなことは決して…ですが苦労すると思っていたのですが」
ジョーカー「んー戦ってるうちに弱点が色々分かってきてさ」
オーディン「弱点ですか」
ジョーカー「あのデカ亀…皮膚は硬くて攻撃の一撃威力も重いけど速度が全然出ねーからさ!得意の連撃で1点をずっと狙ってたんだ」
オーディン「あれだけ大きな体躯の1点を集中して…?」
ジョーカー「最初にぶん殴って印つけた!」
ニカッ
オーディン「まさに稀依の天才ですね…」
ジョーカー「四神と戦うんだしな…これでも足りねぇくらいだ」
オーディン「…」
ジョーカー「皆はもっともっと強くなってる。アタシには分かるんだ」
オーディン「では次はジョーカーさんに業を伝授致しましょう」
ジョーカー「業?」
オーディン「覚醒への段階は伝授が完了すれば容易になりますので!」
ジョーカー「わかった!」
オーディン「今から伝授するのは天使術五光」
ジョーカー「天使術五光?」
オーディン「1つお見せしましょう」
トーンッ
オーディン『神速』
ヒュッ
ジョーカー「!!」
スッ
オーディン「だーれでしょう」
ジョーカー「もう後ろ!?」
パッ
オーディン「ふふっ」
ジョーカー「早ぇ…でも神速ならアタシも使えるぜ?」
オーディン「能力自体は失っていなかったのできっと身体の芯が憶えていたのでしょうね。それでは神速を見せてください!」
ジョーカー「あぁ!」
ググッ
ジョーカー『神速』
ドヒュンッ
スタッ
ジョーカー「どうだ?」
オーディン「素晴らしいです!でも更に上達できますよ!」
ジョーカー「!」
オーディン「私とジョーカーさんで明確な違いは何か分かりますか?」
ジョーカー「明確な違い…」
オーディン「それぞれの走り出しを見てみましょう」
ザッザッザッ
オーディン「こちらが私の…そしてそちらがジョーカーさんのです」
ジョーカー「アタシの方が地面がえぐれてる」
オーディン「ジョーカーさんは加速する際に地面を強く蹴っています。それが跡残りこうしてえぐれるというわけです」
ジョーカー「ん…なるほど」
オーディン「では地面がえぐれることのデメリット分かりますか?」
ジョーカー「左に地盤が盛り上がってえぐれてるから右に加速したってことがバレちまうな」
オーディン「そうです!」
ジョーカー「この隙を狩られちまったら勿体ねぇ…オーディン様の地面めちゃくちゃ綺麗!!」
オーディン「私は1度小さくジャンプをしてから空中で加速してます」
ジョーカー「え…あの一瞬でそんなことしてたのか」
オーディン「はい!」
ジョーカー「すげぇな…アタシもそれくらいやらないと」
オーディン「あまり気負っては駄目ですよ?ゆっくりで大丈夫です!」
ジョーカー「期限はまだあるけどゆっくりは出来ねーや」
オーディン「!」
ジョーカー「1回でも気持ちが落ち着いちまったらさ…研いだ集中も憶えてきたセンスも全部空っぽになっちまうから」
オーディン「…」
オーディン(なんてストイックな…)
ジョーカー「あと何より異界で頑張る相棒が居るしな!」
ニカッ
オーディン「ジョーカーさん…」
ザッザッザッ
ウリエル「こんにちは」
ジョーカー「?」
オーディン「ウリエル?どうかしましたか?」
ウリエル「少し様子を見に来たんです」
ジョーカー「アタシの?」
ウリエル「うん…私の試練の時に弟子達が君になり切っててさ!信頼も高かったからこの目でその実力を見たくなったんだ」
ジョーカー「アタシになりきり…な、なにしてんだ?アイツら…」
ウリエル「あっはは!まぁまぁそのおかげで試練突破できたんだよ」
オーディン「ジョーカーさんは凄いですよ?」
ウリエル「オーディン様にも言わせるなんて余程だね」
ジョーカー「っしし!」
ウリエル「それから君達と私達には大きな共通点がある」
ジョーカー「?」
ウリエル「悪魔と友達なんでしょ?随分変わってるよね」
ジョーカー「!」
ウリエル「私達と同じくらい変わってる」
ジョーカー「ルシファー…だっけか」
ウリエル「うん」
ジョーカー「悪魔って知る前から仲間だったのもあるけど…きっと知った後でもアタシはアンディの相棒になってた」
ウリエル「…」
ジョーカー「正直天使と悪魔のいざこざって関係ねーからさ!アタシらはアタシらなんだ」
ウリエル「…うん」
ザッザッザッ
ポンッ
ウリエル「さすが!確固たる信頼を寄せられる人は違うね!」
ワシャワシャ
ジョーカー「あ、あんまり髪ぐしゃぐしゃすんなよ~…」
オーディン「さぁ!特訓を再開しましょう!」
ジョーカー「あぁ!天使術…なんたら!完璧にマスターするぜ!」
ウリエル「頑張れ!」
ーーーーーー
――異界
ズドドドドド
ヒュッ
メドゥーサ「散」
トスッ
アンデッド「うっ…」
ドサッ
メドゥーサ「大丈夫?」
アンデッド「ってて…駄目だ意識がねぇ」
ルシファー「…仕方ないです」
メドゥーサ「そうねぇ惜しいところまではあるんだけど」
サタン「~~~!!」
ジタバタ
アンデッド「で…なんでアイツは赤面して悶絶してんだよ」
メドゥーサ「ピュアなのね…」
ルシファー「はぁ…」
サタン「ふー…ふー…!!」
プシュゥゥゥゥゥ
サタン「うがーーっ!!!」
ドゴゴゴゴゴ
ルシファー「不用意に辺りを壊すんじゃありません」
メドゥーサ「実を言うとね?アンディくん」
アンデッド「ん?」
メドゥーサ「あなたの覚醒にはサタンちゃんが―」
ガガッ
サタン「それ言ったらほんと殺す……ッ!!」
ゴゴゴゴゴ
メドゥーサ「い、言わないと進まないの…」
アンデッド「なんだよサタン…なに恥ずかしがってんだ?」
サタン「!!!」
ルシファー「貴方が完璧に呼べないから主様はいつまでも中途半端な状態で暴走に入っているんですよ」
サタン「あぁもう分かってる!分かってるよぉ!」
アンデッド「言えよサタン!何渋ってるんだ!」
サタン「うぅ…」
アンデッド「晩ご飯抜きにするよ!!!」
メドゥーサ(お母さん…?)
サタン「わ、分かったよ…キミが覚醒するには私が……その…」
カァァァァ
アンデッド「?」
サタン「き、キミの…名前を……呼ぶ必要が…あるんだ…」
アンデッド「…………ん?」
サタン「…!!」
カァァァァ
アンデッド「え、それだけ?」
メドゥーサ「それだけ」
アンデッド「え、それだけ?」
ルシファー「それだけ」
サタン「それだけってなんだよぉ!!!」
アンデッド「いやだってお前…名前なんかすぐ呼べるだろ」
サタン「無理!無理無理無理!そんな手も繋いでないのに!!」
アンデッド「ピュアか馬鹿」
ルシファー「はぁ…かれこれ1週間貴方の名前渋りですよ」
サタン「わ、分かってるけどぉ…」
メドゥーサ「アンデッドって素敵な名前じゃない?」
サタン「あーわかったわかった!!呼ぶ呼ぶ!呼ぶから!」
アンデッド「頼む」
ザッザッザッ
サタン「……アン…デド」
カァァァァ
アンデッド「いっ―!?」
ズガドドドド
ルシファー「あぁもう!」
メドゥーサ「まさか覚醒入ってからの特訓前に暴走を留めるなんて…」
――
アンデッド「で?呼べたのかよ名前は!」
サタン「それは…おたくの記憶が無いことを探って頂ければ…」
ゴニョゴニョ
アンデッド「だぁから!!渋るなって!!」
サタン「ご、ごめんなさい…」
ザッザッザッ
ルシファー「はいサタン私の名前」
サタン「ルシファー!」
メドゥーサ「私は?」
サタン「メドゥーサ!」
アンデッド「俺」
サタン「……………」
アンデッド「いじめだろ?いじめてんだろ?俺の事」
サタン「違う!!本当に恥ずかしいの!!」
アンデッド「恥ずかしいったって今までも別に…」
---
サタン「キミはさーあ?」
サタン「キミは別に」
サタン「キミ面白いな!」
---
アンデッド「呼んでねぇな!?」
ルシファー「呼んでないですね!?」
メドゥーサ「呼んでなかったのね!?」
キャッキャッ
サタン「なーに盛り上がってんだこんにゃろう」
アンデッド「とにかく!お前が名前呼ばないと進まな―」
サタン「ひぃぃぃぃ~時間をください~!!!」
ダダッ
アンデッド「あ…」
ルシファー「やれやれ…本当にワガママな」
メドゥーサ「私が説得してくるわ」
ルシファー「頼みました」
アンデッド「え…いけるのか?メドゥーサで」
ルシファー「説得は得意分野ですから」
アンデッド「いやでも…サタンって嫌いなんだろメドゥーサのこと」
ルシファー「あっ」
アンデッド「ルシファーさん?」
ルシファー「…不甲斐なくて申し訳ございません」
ーーーーーー
メドゥーサ「こんな所まで走ってきちゃったの?」
サタン「!」
メドゥーサ「お隣失礼」
スッ
サタン「帰れ!!」
メドゥーサ「名前呼ぶの恥ずかしいって気持ち…少しだけ分かる」
サタン「えっ―」
メドゥーサ「少しいやらしい妄想して恥ずかしいんでしょう?」
ニコッ
サタン「清々しい顔で何言ってるんだ」
メドゥーサ「私も初めてアンディくんを見た時は…とろけちゃった」
サタン「ぶっ飛ばすぞ犯罪者め」
メドゥーサ「でもそれ以上に驚いてる…あなたが誰かに固執すること」
サタン「……そりゃあの子には色々と救われてきたんだから」
メドゥーサ「…」
ポンッ
サタン「!」
メドゥーサ「恩返し…しましょう?」
ニコッ
サタン「…うん」
メドゥーサ「いい子!」
ナデナデ
サタン「触るな!」
ベシッ
――
ザッザッザッ
アンデッド「お、帰ってきた」
サタン「…これでラストにするから!!」
アンデッド「お、おぉ」
ルシファー(凄い心意気ですね…どんな説得を?)
メドゥーサ(ふふっ頭を軽く撫でたくらいかな)
サタン「…ふぅーーー」
---
サタン「キミが私を呼んだんだ?これでも悪魔の中でも位は高いけど」
アンデッド「悪いけど…そっちの事情はよく分からなくて」
サタン「細かいことを最初から話すー?二択で終わらせようよ」
スッ
サタン「キミは私と契約を結ぶ?身体が朽ち果てるまで」
アンデッド「あぁ」
サタン「!」
サタン(即答…)
アンデッド「俺の身体好きなだけ使ってくれて構わねぇ!」
サタン「特級悪魔にそこまで言える~?」
ガシッ
サタン「ふはっ!キミ面白いな!」
---
サタン「今までもこれからも…ずっと身体借りるよ」
サタン『アンデッド』
アンデッド「!!」
ゴォォォォォォォォォォォォ
シュゥゥゥゥゥ
メドゥーサ「これは…」
ルシファー「暴走無しの覚醒…さすがですね」
アンデッド「…」
サタン「え、えっと」
アンデッド「やーっと呼べたかこの腑抜け」
ベーー
サタン「んなっ!!」
ダダッ
サタン「こっちだって呼ぶの苦労したのに!!」
アンデッド「サタンサタンサタンサタン~俺はこんなに呼べます~」
サタン「かーっ!名前マウント!?優位に立つなぁ!」
ルシファー「そこまでですよ」
ガバッ
サタン「むぐっ!」
メドゥーサ「そうね…せっかく今覚醒状態にはいれているわ」
アンデッド「!」
メドゥーサ「少し用途を実感してみて?」
アンデッド「あぁ分かった」
ザッザッザッ
サタン「覚醒後は能力がガラッと変わるんでしょ?上手くいくの?」
ルシファー「それを確かめるのですよ」
アンデッド「…」
ゴゴゴゴゴ
サタン「!?」
メドゥーサ「あらあら…これは想像以上」
ルシファー「どこまでも規格外とは」
アンデッド「み、皆…これやべぇ」
ガタガタ
サタン「お、落ち着いて!ゆっくり!ゆっくり力抜いて!」
シュゥゥゥゥゥ
アンデッド「はー…はー…まじ怖かった…!!」
サタン「ほんともう覚醒なんてしない方がいいんじゃないの…?」
ルシファー「それを制御するためにここまで来たのですから」
メドゥーサ「えぇ天界とも折りをつけて残り5日で完全覚醒かしら」
サタン「残り…5日…」
メドゥーサ「準備はできてる?」
アンデッド「あぁ…もちろんだ!!!」
神に継ぐ力 ~完~
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
女ハッカーのコードネームは @takashi
一宮 沙耶
大衆娯楽
男の子に、子宮と女性の生殖器を移植するとどうなるのか?
その後、かっこよく生きる女性ハッカーの物語です。
守護霊がよく喋るので、聞いてみてください。
家出女子高生と入れ替わる。そしてムダ毛を剃る。
矢的春泥
ライト文芸
家出女子高生と目が合ってしまい付いてこられたおじさん。
女子高生にぶつかられて精神が入れ替わってしまう。
仕方なくアパートに部屋に行き、体が入れ替わったままで女子高生とおじさんの同居生活が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる