PREDATOR

ANDEAD

文字の大きさ
上 下
19 / 135

#19 《堕ちた国にて》

しおりを挟む
『堕ちた国にて』
――王都カルディア<城下町ー西側>

ジーーーーッ
ザッザッザッ
キノコ「…酷い有り様だね」
ケイパン「嘘を少し期待したんだけどな」
紅姫「…」
ダッダッダッ
ポイズン「アンディ!!」
アンデッド「まだ生き残りが居るかもしれねぇ!!手分けして探すぞ!」
変革者「応!!」
紅姫(ここのどこかに…いるの…?)
ガシッ
紅姫「!」
キノコ「大丈夫!私が一緒にいるから!」
紅姫「キノコさん…」
ーーーーーー
――王都カルディア付近の丘

黒龍「…どうやら来たみたいだな」
紅玉「コーコッコッコ!!では我々もゆくとするかの」
舞桜「そ、そうですね」
紅玉「先程から顔が優れんようだが…大丈夫かの?」
舞桜「えっ…はい!大丈夫です!」
ニコッ
紅玉「ならよいがの」
黒龍「ボサッとして敵にやられるなよ」
舞桜「はい!」
ドドンッ
舞桜「…戦い……か」
タタンッ
ーーーーーー
――王都カルディア<城下町ー北側>

タッタッタッ
ポイズン「どこもかしこも酷い有り様…やってくれたな」
ボロッ
ポイズン「!」
ババッ
スタッ
ポイズン「誰だ!!!」
ザッザッザッ
舞桜「あ、あの…」
ポイズン「女…?」
舞桜「そ、その…ここへ何をしに…?」
ポイズン「…」
ドロォッ
ポイズン「こっちの質問に答えろ。お前は誰だ」
ジュゥゥゥゥ
舞桜「…!!」
ポイズン「お前がこの国を滅ぼした奴なら…敵として処理する」
舞桜「私は滅ぼしていません!!私の…お仲間が…」
ポイズン「それなら敵じゃねぇか…」
舞桜「あぅ…どうか退いてくれませんか…」
ポイズン「断る。死にたくなけりゃお前が下がれ」
舞桜「違います…逆なんです…」
ポイズン「?」
舞桜「私の能力…触れたらお終いなので」
スッ
ポイズン「!」
舞桜「いきます!」
ドンッ
舞桜「どうか…長引きませんように」

○舞桜能力―【乱造散弾】
=触れた場所を崩壊させる。

バッ
ボロロロロロロロロッ
ポイズン「!」
ババッ
スタッ
ポイズン「なるほどな…触れた場所を粉々にする能力持ちか」
スッ
ポイズン「他には行かせられねぇな。お前の能力は危険すぎる」
舞桜「!」
ドロォッ
ジュゥゥゥゥ
ポイズン「俺は毒だ。好きなだけ触れてみろ」
舞桜「…!!」
ーーーーーー
――王都カルディア<城下町ー南側>

タッタッタッ
アンデッド「ん?」
ガラッ
アンデッド「まさか…生き残り!?」
ダダッ
ガラガラッ
アンデッド「よっ…と!なんだこの瓦礫の山…おーい!誰か!誰かいるのかー!」
ザッザッザッ
アンデッド「君は…」
ジョーカー「ジョーカー…この国の生き残りだよ」
アンデッド「よかった…まだ生き残りがいたのか」
ジョーカー「…!!」
ガシッ
アンデッド「どうした…?」
ジョーカー「アタシは無事だけど…お姉ちゃんが…!!」
アンデッド「!」
ガシッ
ジョーカー「お願いだ!お姉ちゃんを…!!」
アンデッド「まって落ち着いて!大丈夫…必ず助け―」
ドォォォォォォン
アンデッド「!」
ジョーカー「!?」
アンデッド「この気配は…!!」
スッ
アンデッド「君はここにいて…絶対守るから」
ジョーカー「…!!」
タッタッタッ
ジョーカー「大丈夫だからなお姉ちゃん…必ず助かる…!!」
ギュッ
タッタッタッ
ゴォォォォ
黒龍「待ちわびたぞ」
アンデッド「…やっぱりお前か」
黒龍「奥に人の匂いがするがまだ生き残りが居たか」
コォッ
黒龍「まぁ何人居ようが構わん…まとめて消し飛ばして―」
ダダッ
黒龍「!」
ドゴォォォォン
バサッ
アンデッド「この国の人達は…もう…」
黒龍「あぁ国と同様に滅んだ」
アンデッド「そうか…」
ズォォォォオオオオオオオオッ
黒龍「!」
アンデッド「――捻り潰す」
黒龍「来い。龍は悪魔より優れている事を証明してやろう」
ーーーーーー
――王都カルディア<城下町ー西側>

タッタッタッ
キノコ「紅姫さん大丈夫?」
紅姫「えぇ…なんとか」
キノコ「無理はしないでね」
紅姫「ありが―キノコさん前!!」
キノコ「!?」
ギュオオオオオ
キノコ「に、人形!?わわっ!」
ババッ
キノコ「なんだったんだろう今の人形…紅姫さん?」
紅姫「今の人形…!!」
ザッザッザッ
紅玉「待っておったぞ!戦う前に名でも聞いておこうか!!」
紅姫「――!!」
ドクンドクンドクンドクン
キノコ「あの人が今の人形を…」
ダダッ
キノコ「紅姫さん!前に出ると危ないよ!!」
紅姫「紅玉!!紅玉でしょう!?」
キノコ「え?」
紅玉「!貴様は…!!」
紅姫「紅玉…あの日から姿を消して…一体どこに」
キノコ「まさか…紅姫さんの妹って」
紅玉「黙れッ!!!」
紅姫「!」
紅玉「どの口であの日の事を語るつもりだ…!!」
紅姫「え…?」
紅玉「良かろう…娘!主は少し下がれ」
キノコ「!?」
紅玉「まずは…貴様を殺す紅姫!!!」
紅玉『胡桃割人形くるみわりにんぎょう』ッ!!!!!
ズォォォォオオオオオオオオッ
紅玉「死ね!!!」
タタンッ
キノコ「はぁぁぁぁっ!!」
ズバババババババッ
スタッ
紅玉「!」
紅姫「キノコさん…」
紅玉「下がれと言ったはずだがの…?」
キノコ「決めたんだ…紅姫さんに手は出させない!例え貴方が紅姫さんの妹だとしても私は戦う!!」
紅玉「妹…妹だと…?」
ザッザッザッ
紅玉「戯けが…貴様には恨みしか無いぞ紅姫…!!」
ギロッ
紅姫「紅玉…!!」
キノコ「下がってて紅姫さん…私が相手するから!」
ーーーーーー
――王都カルディア<城ー王室>
シィン
霞「…」
チャキ

○霞能力―【臨界態勢】
=12の怪物を呼び起こす。

ズォォォォオオオオオオオオッ
ズバババババババッ
ッドゴォォォォォォォォォォォン
霞「…」
ザッザッザッ
咲良「決着はついたみたいだね?おめでとう!」
霞「ねぇ…どうして王都を滅ぼしたの?」
咲良「それは私達にも私達の目的があるからね」
霞「どうして冬華を…惑わすようなことを…!!」
咲良「いい選択をしたじゃん!迷いがある剣では相手を倒すことができないって…その通りだよ」
霞「…ッ」
咲良「君は本当に彼女に慕われてたんだね。あの人ここを出てく時に私に言ったんだよ」

ーーー
冬華「ここにいろ。全てを捨て必ず斬りに来る」
咲良「いいよ」
冬華「その慢心を後で恨むことだな」
咲良「?」
冬華【私の意志を継ぐものは…霞は貴様より遥かに強い】
ーーー

霞「…!!」
咲良「自分が負けること知ってたんだろうね…さて!」
スッ
咲良「楽しみにしてたんだ!君と戦うの!」
霞「楽しむ余裕なんか与えない!!」
ダダッ
咲良「双剣リトルグリッター
霞「!」
霞(双剣…)
咲良『悪辣跋扈あくらつばっこ』ッ!!!
霞『月牙天衝げつがてんしょう』ッ!!!
ッドゴォォォォォォォォォォォン
シュウウウウウウ
咲良「へぇ!ほんとに凄い威力!凄い凄い!」
霞「こんなものじゃ済まさない―私の背負ってるものは!!!」
咲良「!」
ヒュオオオオオオオオ
咲良「これは…氷…?」
霞『永久召喚とこしえしょうかん
ザッザッザッ
ッドゴォォォォォォォォォォォン
フェンリル「グオオォォォォオオオオオッ!!!」
霞「…フェンリル!力を貸して!!」
フェンリル「承知した…主よ!!」
ヒュオオオオオオオオ
咲良「…!!」
霞『氷原天衝ひょうげんてんしょう』ッ!!!
ッドォォォォォォォォォォォォォォォン
ーーーーーー
――王都カルディア<正門>

ダッダッダッ
ケイパン「しかしこんなに広いのにもうボロボロ…ここは」
ガラガラッ
ケイパン「大きな門…?元々はここが正門だったのか」
ザッザッザッ
?①「果てさて…勘は当たってしまったようじゃなぁ」
ケイパン「だ、だれだ!?」
?①「む?お主は生き残りか?」
ケイパン「いや違うけど…あんたのその姿…人間じゃない…?」

鬼姫「妾は鬼姫!我が故郷の大和都より馳せ参じた!!」
――【大和都の鬼】鬼姫

ケイパン「鬼姫…鬼ってあの…人間嫌いの…!!」
鬼姫「ほぉ…その噂は広まっとるようじゃのう」
ザッザッザッ
チャキッ
ケイパン「…!!」
ポンッ
鬼姫「大丈夫!そんなものただの迷信じゃ!」
ニコッ
ザッザッザッ
ケイパン「ちょ、ちょっと!ここに何しに来たんだよ!」
鬼姫「嫌な気を感じたんじゃ。月は色々と報せてくれる。そして来てみれば王都はこの有り様」
ケイパン「じゃあ…俺達と同じってことか」
鬼姫「おぉ!では其方も異変を感じここへ!」
ケイパン「あぁ!俺だけじゃないけど…」
鬼姫「ふむ…では手を貸してくれ人の子よ!」
スッ
ケイパン「え?」
鬼姫「王宮の邪気を祓う手伝いを!」
ケイパン「!」
ガシッ
ケイパン「あぁ…分かった!!」

堕ちた国にて ~完~
しおりを挟む

処理中です...