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#17 《王都カルディア》

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『王都カルディア』
――王都カルディア<城ー執務室>

コンコンッ
?①「どうぞ」
ガチャッ
男騎士「失礼致します!騎士団長―…なっ!まさか近衛団長もおられますとは…失礼致しました…!!」
?②「…」

霞「大丈夫?落ち着いて」
――【王都騎士団長】霞

冬華「…要件を話せ」
――【王都近衛団長】冬華

男騎士「はっ!実は…騎士内でトラブルが」
霞「!」
ガタッ
霞「わかった!直ぐに行くからもう少しだけ待ってね」
男騎士「はっ!!ありがとうございます!!」
ガチャッ
霞「…トラブルかぁ」
チラッ
冬華「何か用か?」
霞「手伝ってくれたりしない?」
冬華「お前の管轄だろう」
霞「私は優しいから騎士の皆にも心身に接するんだけどね」
冬華「…?」
霞「しっかりとお説教するから時間長くかかっちゃうだろうなぁ。そしたら冬華の要件もどんどん遅れちゃうかも」
冬華「…度が過ぎた聖人だな」
ガタッ
冬華「任が終わったら何か奢れよ」
霞「もちろん!たい焼きでいいよね」
冬華「…」
霞「カスター―」
冬華「餡子だ」
霞「えぇー…」
冬華「餡子だ」
ーーーーーー
――王都カルディア<城ー騎士訓練所>

男騎士「てめぇ…まだ言うか!!」
女騎士「あんたこそしつこいのよ!!」
ボコッボコッ
タッタッタッ
パシッ
霞「こらこら…どうして喧嘩してるの?」
男騎士「だ、団長!!」
パシッ
冬華「…どうして私の管轄下にあるお前が喧嘩してる」
女騎士「あっ…えっと…」
霞「喧嘩してた理由はなに?」
冬華「大方くだらない事だろうが」
男騎士「いや!こいつが冬華さんは団長より強いとか言うんですよ!!」
霞「…ん?」
女騎士「あんたが霞さんが冬華様より強いとかぬかすからでしょうが!」
冬華「…子供か」
霞「げ、原因は私達だったんだね」
冬華「理不尽だ」
男騎士「そうだ!今本人に聞いたらどうだよ!?」
女騎士「上等よ!!聞いてやるわ!!」
男騎士「団長!団長と冬華さんはどっちが強いんですか!!」
霞「え、えぇ~…」
冬華「…」
霞「…もう」
ポンッ
霞「私達を比べちゃ駄目だよ。私も冬華も統括する場所は違うけど同じ国を守る騎士団の仲間なんだから」
男騎士「だ、団長…!!」
冬華「お前も反省しろ」
コツンッ
女騎士「ご、ごめんなさい…」
冬華「帰るぞ」
女騎士「はい~…」
ザッザッザッ
霞「…」
フリフリ
ーーーーーー
――王都カルディア<城下町ー西側>

霞「でもまさか原因が私達だったなんてね…」
冬華「全くだ」
霞「ん…いい匂い!」
冬華「団子屋か。いつも同じ匂いだろうが」
霞「そういうこと言わないよ。少し寄り道しない?」
冬華「…好きにしろ」
ザッザッザッ
ガラガラッ
冬華「…」
霞「すいません。お団子2つ!」
女性「おやおや珍しいね!2人が一緒に来るなんて」
霞「あまりに美味しい匂いにそそられちゃって…」
?③「む!お2人共今は任外でござるか?」

陽夏「久方ぶりでござるな!元気そうでなにより!」
――【華剣の侍】陽夏

霞「陽夏さん!」
冬華「ずっと入り浸っているのか?お前」
陽夏「いやぁ~ここのものは全て一級品でござる!飽きぬのだ」
女性「全くだよ。ウチとしてはほぼ陽夏さんに金回してもらってるようなもんさ」
陽夏「2人もここで一緒に食べていかぬか?」
霞「それじゃあ、お邪魔しようかな」
冬華「…失礼する」
ガタンッ
霞「今は任の途中じゃないんだ。流石に途中で食べてたらね…」
冬華「見本が…務まらんっ…っんぐ」
モグモグ
陽夏「ん~」
冬華「ん、なんだ…?」
陽夏「相変わらず冬華殿は美味しそうに食べるでござるな!」
ニコッ
霞「ふふっ」
冬華「…くだらん」
モグモグ
――
陽夏「そんな議論の対立が起こるとは…2人共が信頼されている証でござるな!」
霞「嬉しいんだけど複雑だよね…」
冬華「同じ騎士内で比べる必要性か」
霞「冬華?」
冬華「私達は意見の対立は起こりやすいがな」
霞「あはは…確かに」
ガタンッ
冬華「まぁ」
陽夏「?」
冬華「どうしても迷いが出れば…剣を交えることもあるだろう」
霞「冬華…」
冬華「お愛想。世話になったな。美味い団子だった」
女性「騎士様にそう言われるなんて嬉しいね!またおいで!」
冬華「先に行っているぞ霞―」
ガシッ
冬華「?」
霞「さっきの言葉…みたいなことあんまり言わないで」
ギュッ
冬華「度が過ぎた聖人だ」
ザッザッザッ
霞「冬華!!」
陽夏「…」
霞「…もう」
ストンッ
陽夏「相変わらず淡々としておられるな。冬華殿は」
霞「うん…思ったことは隠さずに言うから。だとしてもあんなに悲しいこと言わなくてもいいと思うんだけどな…」
陽夏「霞殿…」
ーーーーーー
冬華「…」
ザッザッザッ

――その日の夜
ーーーーーー
――王都カルディア付近の丘

クルクルッ
チャキッ
咲良「さぁーてと…そろそろ行こうかな」
紅玉「本当にしっかり終わらせられるのかの?」
黒龍「しくじりは容認せんぞ」
舞桜「…頑張ってくださいね」
咲良「あはっ♪」
ドドンッ

王都カルディア ~完~
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