PREDATOR

#6 《片手に宿りし紫の炎》

『片手に宿りし紫の炎』
――建物メル

黒龍「貴様らはまだこれをフェアな戦いと思うか？」
瑠姫亜「？」
黒龍「一方的な殲滅だ」
瑠姫亜「どうやら口だけは達者なようですね」
黒龍「本当に口だけかは…確かめてみろ」
ﾄﾞﾝｯ
ﾄﾞｺﾞｯ
瑠姫亜「…!!」
ｽﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞｫｫ
叶栞「瑠姫亜！！」
瑠姫亜「くっ…!!」
叶栞「はぁっ！！」
ｷﾞｭﾙﾙｯ
ｶﾞｼｯ
黒龍「またか娘…こんな細い縄で何が出来るか」
叶栞「そこから離れて！」
叶栞『ロープマジック・嘶いななき』！！！
ﾌﾞｫﾝｯ
ﾀｯﾀｯﾀｯ
叶栞「瑠姫亜！無事？」
瑠姫亜「はい…大丈夫です」
ｽﾀｯ
黒龍「もっと力を絞れ。下等生物なりに足掻いて見せろ」
叶栞（能力は借りてない…鞭で戦うしか）
ﾀﾞﾀﾞｯ
瑠姫亜「危険です叶栞！」
黒龍「…ふん」
叶栞「はぁ！」
ｷﾞｭﾙﾙｯ
ﾊﾟｼｨｯ
黒龍「何度も同じような戦法で適うと思ったか？」
ｸﾞｲｯ
叶栞「くっ…!?」
黒龍「無駄と知れ！！！」
ﾄﾞﾝｯ
ｸﾞｧｯ
ﾄﾞｺﾞｫｫｫｫﾝ
叶栞「かはっ…!!」
ﾀﾞﾀﾞｯ
瑠姫亜『火拳ひけん』！！！
ﾎﾞｫｫｫｫ
ﾋｮｲｯ
黒龍「デカい炎の拳だな」
ﾄﾞﾝｯ
瑠姫亜「おびき寄せ成功ですね」
ｷﾞｭｲﾝｯ
黒龍「！？」
叶栞「っは…はぁ…ごめんね瑠姫亜」
瑠姫亜「いえ」
黒龍「厄介だな鞭女…!!」
ﾄﾞﾝｯ
黒龍「貴様から殺してくれる！！」
叶栞「…!!」
ﾎﾟﾎﾟﾎﾟﾎﾟ
瑠姫亜「連鎖する炎爆にご注意を」
黒龍「！」
瑠姫亜『蛍火ほたるび・火達磨ひだるま』
ﾎﾞﾎﾞﾎﾞﾎﾞｫﾝ
黒龍「ぐっ…!!」
叶栞『ロープマジック・嘶いななき』！
ﾌﾞｫﾝｯ
ﾄﾞｺﾞｫｫｫｫﾝ
叶栞「…なんとかなりそう？」
瑠姫亜「違和感があるとすれば」
黒龍「…」
ﾑｸｯ
瑠姫亜「まだ奴の能力が全然分からないことですね」
叶栞「うん」
黒龍「あぁ…やはり能力使わずしては無理か」
叶栞「まだ使ってなかったっていうの…!?」
瑠姫亜「今までのは素の身体能力ということですか…」
黒龍「まだ絶望してくれるなよ」


〇黒龍能力―【龍牙開眼】
＝巨大な龍へ姿を変える。


叶栞「姿が龍に…」
黒龍「長くは楽しませんが―」
ﾊﾞｻｯ
黒龍『暴風テンペスト』
ﾋﾞｭｵｵｵｵｵｵｵｵｯ
瑠姫亜「くっ…なんて風圧…!!」
ﾊﾞｯ
瑠姫亜「しまっ―」
叶栞「瑠姫亜！！」
ｷﾞｭﾙﾙｯ
ﾊﾟｼｨｯ
叶栞「しっかり…捕まってて……」
瑠姫亜「…叶栞！後ろ！！」
叶栞「！？」
黒龍「気づくのが遅かったな」
ｽｯ
ﾒｷｯ
ﾊﾞｷｷｷｷｷｷｷｯ
叶栞「かはっ…!!」
ｶﾞｸｯ
黒龍「他愛ない」
瑠姫亜「…!!」
ﾄﾞﾝｯ
黒龍「ほぉ…この風の中真っ直ぐに向かってこれるとはな」
ｷﾞｭﾝｯ
ｶﾞｼｨｯ
瑠姫亜「…離せ」
黒龍「剥がしてみせろ」
瑠姫亜「…!!」
ﾒﾗｯ
ﾎﾞｫｫｫｫｫｫｫｫｫ
叶栞「るび…あ……」
黒龍「中々悪くない炎だが…」
ｽｯ
ﾎﾞｼｭｩｩｩｩｩﾝ
瑠姫亜「そんな…!!」
黒龍「この程度を炎と呼ぶのはおこがましいものがある」
瑠姫亜「クソ…!!」
黒龍「貴様の炎はこの程度なのか？未だ本気を出してはいないだろう。何が重りになっている。あの死に損ないか」
瑠姫亜「！」
黒龍「…残念だ」
ﾌﾞｫﾝｯ
ﾄﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ
瑠姫亜「っ…!!」
黒龍「…もう飽いた。殺すか」
ｽｯ
ｼﾞｰｰｰｰ
ﾋｮｲｯ
？①「あれ？龍モード解いていいのかよ？」
黒龍「！？」
？①「久しぶりだな！黒龍」
黒龍「貴様…なぜここに…!!」
？②「私たちのことを警戒してそっちも動いてるんでしょ？」
黒龍「！？」
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ
？③「俺達は俺達の意思で動く」
黒龍「何用だ…変革者！！！」
？③「お前と争いに来たつもりはねぇ…ただ」
ﾄﾞﾛｫｯ
ﾌﾞｼｭｩｩｩｩｩ
？③「…アイツに手を出したらただじゃおかねぇ」
黒龍「そんな頼み事に我々が首を縦に振るとでも」
？③「警告だ」
ﾄﾞﾛｫｫｫｫｫｫｯ
黒龍「…!!」
？①「とりあえずこの２人をここから逃がそうぜ！」
？②「うん！」
黒龍「貴様ら…!!」
ｶﾞｼｯ
？①「！」
瑠姫亜「待って……くだ…さい」
ﾖﾛｯ
？①「おいお前！！」
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ
？③「その怪我でアイツには勝てねぇ。俺達に任せて―」
瑠姫亜「それを決めるのは…私です」
？③「！」
黒龍「そうか…面白いな」
ｺｫｫｫ
黒龍「生きていたら感想でも教えてくれ」
ｽｯ
黒龍『熱息ボロブレス』ッ！！！！！
ｺﾞｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫ
瑠姫亜「…!!」
ﾀﾞﾀﾞｯ
ｶﾞﾊﾞｯ
ｼﾞｭｳｳｳｳｳｳｳｳｳ
瑠姫亜「うぁっ…ぐっ…!!」
？①「おい！無茶だ！！受けきれない！！」
瑠姫亜「私が決めると……言ったはず…ッ」
ｸﾞｸﾞｯ
瑠姫亜「こんな所で…負けられない…!!」
ｻﾞｯｻﾞｯｻﾞｯ
叶栞「…瑠姫亜の夢だもんね。誰にも負けない能力持ちスペックホルダー」
ﾖﾛｯ
瑠姫亜「叶栞―！？」
ﾄﾝｯ
叶栞「借りるよ」


○叶栞能力―【模擬模倣】
＝触れた能力の半分を自在に操る。


叶栞『コピライト』
叶栞「君の夢…２人で目指すのは駄目かな。誰にも負けない能力持ちスペックホルダー」
ﾒﾗｯ
ﾎﾞｫｫ
？②「あの子も炎…!?」
？③「能力のコピーか…!?」
叶栞「瑠姫亜…」
瑠姫亜「叶栞」
叶栞「！」
瑠姫亜「力を…貸してください」
ﾆｺｯ
叶栞「…もちろん！」
ｶﾞｯ
？①「黒龍の炎が…取り込まれていく」
？②「初めて見た…能力の融合…」


瑠姫亜
　　　合技！！！『紅蓮ぐれん』ッ！！！！！
叶栞


合技#１『紅蓮ぐれん』 瑠姫亜＆叶栞
黒龍の炎を２人で取り込み融合して紫の炎を作り出す。
新たな命を宿したその炎に焼き尽くせぬものなど何も無し。

黒龍「ぐっ…おおぉぉぉおおおおおおお！！！！」
ｯﾄﾞｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫﾝ
瑠姫亜「感想…今度会えれば…期待してますよ…トカゲさん」
ﾄﾞｻｯ
ﾖﾛｯ
黒龍「くっ…ぬあぁ！！！」
ｯﾄﾞｫｫｫｫｫﾝ
ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
黒龍「逃げたか…まさかあれほどの炎とは想定外だ。何より」
ｸﾞｸﾞｯ
黒龍「変革者…!!」
ｰｰｰｰｰｰ
――亜空間

？②「凄い力だったね」
？①「見誤ったんじゃないか？俺らが助けなくても…」
？③「俺達が知ってんのはコイツらのことじゃなく向こうの実力の高さだ。俺らが介入しなきゃ殺られてた」
？②「このままのスピードじゃまずいね…先越されるよ」
ペガサス「ヒヒ～ン」
？①「あぁすぐに次の手を打とう」
？③「…どこにいるんだアンディ」

片手に宿りし紫の炎 ～完～