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#4 《隠された真実》

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『隠された真実』
――建物カルデア

男「おい聞いたか?今日あのお方が神格者を集めて何やら話をなさるみたいだぜ」
女「なんでアンタみたいな下っ端がそんなこと知ってんの」
男「さっき小耳に挟んだのさ!考えただけでも震えが止まらないよな…一斉に集まるなんて」
女「そうね」
男「なんだよ?」
女「アンタって神格者で誰尊敬してんのよ」
男「え?そりゃまぁ…やっぱり藍菜さんだろ!あの人の実力は神格者の中でも随一なんだぜ!?」
女「ふーん…アイツやっぱり人気者なんだ」
男「アイツってお前!な、なんて口の利き方…今の誰にも…」
女「アンタこそ誰に向かってさっきから口利いてんの」
ムギュッ
男「へ…?」
バサァッ
?①「鈍感鈍ちん男ね~」

无名「私…神格者なんですけど?」
【神格者】无名

男「な、ななな!?な、无名さん!?」
无名「まっ!別に下っ端からの人気なんて気にしてないけど」
ザッザッザッ
男「あ、あの…」
无名「なによ」
男「な、なんで変装まがいの事を…」
无名「はーっ?」
ベーッ
无名「アンタに教えるわけないでしょ!ばーかっ!」
クスッ
タッタッタッ
男「…!!」
キュゥン
男(な、なんだ今の…可愛すぎんだろ…!!)
ーーーーーー
ガタンッ
无名「んにゃーー!ムシャクシャする!!ちょっとォ!なんで集合の司令あったのにこんなに集まり悪いのよ!!」
ガタガタァンッ
无名「ちょっと!聞いてんの!?」
?②「ふぅーーー……」
プカァ

喜壱「聞こえとるわい騒々しい…普段お主も遅いじゃろうが」
【神格者】喜壱

无名「普段は普段!今日は私が早いからいいのよ」
喜壱「横暴じゃなぁ」
プカァー
无名「ねー煙草って美味しいわけ?」
喜壱「ん?気になるのか?」
无名「アンタずっと吸ってるじゃない」
喜壱「吸ってみるか?」
无名「吸わなーい」
グデーン
无名「はぁ…暇なんだけど」
タッタッタッ
无名「ん?」
?③「焦げるような太陽に似て舞い降りる天使―」
无名「うげ…」

魁輝「麗しいお嬢さん…貴方の美しい横顔に照らされ僕は…」
【神格者】魁輝

无名「ウッザ」
ゲシッ
チーンッ
魁輝「かぁっ…クハァ…ッ!!」
ガクッ
无名「喋りかけてきてんじゃないわよ」
魁輝「な、无名さん…こ、ここは急所…!!」
ガクガク
喜壱(おぉ…南無三…)
ガラガラッ
?④「うおっ…誰か転がって……」

紗近「んん?おい魁輝!お前さん何をうずくまっているんだ?」
【神格者】紗近

魁輝「い、色々あってね…心配ないよ」
紗近「そうか!無茶はするなよ!」
无名「あれ?アンタ1人なわけ?あの子は?」
ヒョコッ
紗近「ん?それなら儂の近くに…あれ?」
无名「アンタ目離してんじゃ―」
?⑤「ふふっ」
无名「!」

雲雀「自分ならここにいるっすよ!无名さん!」
【神格者】雲雀

无名「い、いつの間に後ろに…」
雲雀「えへへ!気づかなかったっすか!」
无名「気づかなかったわよ。隠れんの上手くなったわね」
ナデ
?⑥「コーコッコッコ!!珍しい景色よの!」
无名「!」
雲雀「あっ!」

紅玉「ほぉ?主がそんな表情を見せるとはの」
【神格者】紅玉

无名「…なに?いつから居たのババア」
紅玉「今先刻来たばかりだが?」
无名「へぇ?それよりなんか言いたげな顔じゃない」
紅玉「コーコッコッコ!それは主の方だろうて」
无名「そうねぇ」
ガッ
无名「アンタの顔見るとイライラし続き!モチベ下がんのよ」
紅玉「妾の美貌でか?カルシウムが足りんようだの…」
紗近「こらこら!やめないかお前さん達!!」
雲雀「け、喧嘩はダメっすよ~…」
紗近「喜壱!止めるのを手伝ってくれ!!」
喜壱「やれやれ」
ムクッ
喜壱「ん?どうしたんじゃ魁輝」
魁輝「女の子達の戦い…キャットファイトが僕を呼んでる!」
喜壱「気の所為じゃ」
紅玉「いい機会だのう!主も妾の人形に加えてやろう!」


○紅玉能力―【人造玩具】
=人形を自在に造り出し操る。


无名「そんなもんになるくらいなら泥水啜った方がマシよ!」


○无名能力―【乙女呪禁】
=特殊な効果の死後を操る。


紅玉『ドールハウス』
无名『MK5エムケーファイブ
紗近「こら!こんな所で能力を使った喧嘩をするもんじゃない!!」
ダダッ
雲雀「!」
グイッ
雲雀「紗近さん!大丈夫っすよ!」
紗近「む?雲雀…しかし」
ドッゴォォォン
无名「!?」
?⑦「……」

草薙「ふぅ…なんとか間に合いましたね」
【神格者】草薙

紅玉「これまた不思議な…主に止められるとはの」
无名「一丁前に止めてんじゃないわよ草薙!!」
草薙「そう言わないでください」
ザッザッザッ
?⑧「誰彼怒るのは相変わらずか?」

狂介「あんまり草薙を責めてやるなよ」
【神格者】狂介

无名「…ぞろぞろと」
紅玉「下手に止めずとも良かったではないか」
?⑨「俺達は別に構わないけど」

屬翔「ここで喧嘩して罰被るのは2人だと思うけどね」
【神格者】屬翔

无名「…はっ!生意気言ってんじゃないわよ格下」
狂介「ところ構わず暴言吐きまくるのも変わらずだな」
魁輝「そんな无名さんも素敵だぁ!!!」
无名「うっさい!!」
ガンッ
魁輝「おうっ…!!」
紅玉「それで言えば主も妾から見れば格下だの」
无名「…!!」
雲雀「あ、皆さん!そろそろ席につきましょうっす!」
ザッザッザッ
狂介「!…いいタイミングだな」
草薙「相変わらずの迫力ですね…あの3人は」
?⑩「あぅ…えっと…その」

舞桜「お待たせしてしまってごめんなさい…どうお詫びしたら」
【神格者】舞桜

ガタガタ
?⑪「……おかしな奴だな」
舞桜「!」

黒龍「…なぜその地位で震えることが出来る?難儀だ」
【神格者】黒龍

タッタッタッ
ギュッ
无名「待ってたわ舞桜っ!さぁこっち!行きましょっ!」
舞桜「无名ちゃん…うん!」
黒龍「…ふん」
ザッザッザッ
?⑫「皆揃ってるのか」
黒龍「!」
雲雀「はわぁ…格好いいっす…」
黒龍「遅いぞ!!何をしていた!!!藍菜!!」
无名「アンタだって遅れて来たでしょうが」

藍菜「少し諸事情があってな。皆遅れてすまなかった」
【神格者】藍菜

藍菜「さて、あのお方の声を皆で聞こう」
パチンッ
?⑬「よく集まってくれたな…我が最愛の子達よ」
草薙「!」
喜壱「脳内に直接…姿は現せぬというわけか」
?⑬「全員が知っているであろう。あの事件を」
无名「どの事件よ」
藍菜「アンデッドとジョーカーの2人による脱獄の件だ」
紗近「あぁ流石に驚いたな!何せあそこにはお前さんが居た筈だろう?藍菜よ」
藍菜「あぁ」
无名「ふーん…頼りになんないのね?」
舞桜「无名ちゃん!」
藍菜「言葉も出ないよ」
雲雀「誰にでも失敗はあるっすよ!仕方ないっす!」
魁輝「それで藍菜さん。その2人がどうかしたのかな?」
藍菜「同じ志を持つ者が2人に加勢しているようだ」
紗近「…仲間が増えたということか」
?⑬「これ以上力をつける前にこちらから出向くべきだ」
紅玉「具体的にはどうするつもりだ?」
?⑬「もう1人の神格者をこちら側に引き戻す」
黒龍「な!?」
舞桜「あの人を…」
紅玉「コーコッコッコ!また騒がしくなるの!」
狂介「ちょ、ちょっと待ってくれ!どういう事だ…まだ仲間が居たって言うのか?それに引き戻すって……」
?⑬「あぁ奴らが加えた仲間の内に…な」
无名「…強いの?ソイツ」
藍菜「私でも適うかは五分と言ったところだな」
紗近「なんと…」
喜壱「それなら確かにその者が加わればこちらの戦力は一気に増大していくというわけじゃな」
藍菜「ただ彼らの実力もまたこちら側に匹敵する。単独で行くのは自殺行為に等しいものだ。迎えには最低でも2人行動で頼みたい」
?⑬「問題はそれだけに非ず。この者たちの顔に見覚えはあるか?我が子達よ」
ブゥン
草薙「4人組?」
黒龍「見たことがないな…何者なのだコイツらは」
藍菜「彼らは自分自身を神の代弁者と名乗っている」
无名「また大きく出たわね…恥ずかしく無いのかしら」
喜壱「儂ら神格者も中々じゃがな」
?⑬「特筆すべきはリーダー格の不仁丸と名乗る男。奴の能力は時を操るという」
无名「なにそれ!?強すぎでしょ!!なんだってそんな能力を与えてんのよ!!」
藍菜「いや、彼らには私たちが能力を与えていない」
无名「は?」
藍菜「私と同じく元より能力を持っている者たちだ」
?⑬「我らの目下最優先事項はもう1人の神格者の迎え。そしてアンデッドと不仁丸の回収だ」
舞桜「アンデッドさんも…ですか?」
紅玉「奴の能力は不死身であろう?藍菜に代わり我ら神格者のリーダーを勤めるはずだった男よ。敵対したとて逃すには惜しい」
黒龍「して?誰がどう動くのだ」
?⑬「神格者の元には紗近と雲雀。お前達に任せよう」
紗近「ガッハッハッ!!あぁ任せておけ!!」
雲雀「うおお!!頑張るっすよおおお!!!」
?⑬「神の代弁者達の元には黒龍。お前に命じる」
黒龍「了解した」
?⑬「では以上だ…全員ご苦労」
无名「はーっ…やっと終わり!ねぇ舞桜!この後一緒にクッキー食べましょうよ!」
舞桜「ごめんなさい无名ちゃん…少し用事があって」
无名「あら…そうなの」
魁輝「僕は空いてるよ无名さん!」
无名「アンタとなんか過ごすわけないでしょ」
藍菜「…」
ザッザッザッ
ポンッ
紅玉「あの方から話がある様だぞ」
藍菜「あぁ」
ーーーーーー
――建物メル

吃葉「おい!不仁丸!行くんだろ!?」
不仁丸「ちょっと待ってろってば!」
瑠姫亜「楽しそうですね吃葉さん」
不仁丸「あぁ…アイツはな」
吃葉「おっそいなぁ…不仁丸のやつ」
不仁丸「それじゃあ行ってくるよ。留守は任せたよ2人共」
瑠姫亜「はい」
叶栞「気をつけて行ってきてね」
不仁丸「あぁ!大丈夫さ!」
タッタッタッ
不仁丸「ほら行くぞ吃葉!早く来ないと置いてくぞ!!」
吃葉「あ!おい待てよ!!」
ダッダッダッ
叶栞「お昼食べて少し休憩したら特訓しようか瑠姫亜」
瑠姫亜「お願いします」
ーーーーーー
――建物カルデア

黒龍「…懐かしさも感じない面子だな」
紅玉「全くだの」
舞桜「藍菜さん大丈夫ですか?顔色が優れない様ですが…」
藍菜「あぁ大丈夫だ。気にしないでくれ」
ザッザッザッ
?⑬「下がれ。我が最愛の子達よ」
全員「!!」
ババッ

四神「…先はご苦労だったな」
【神格者】四神

黒龍「しかし四神よ…奴を呼び戻すのは構わないが何故このタイミングなんだ。何か意図があるのか?」
四神「そうだな…お前達には話して良かろう。200年前の事を覚えているな」
藍菜「!」
舞桜「私は少し…曖昧なんですけれど」
藍菜「……」
黒龍「我々に対しあれほどの少人数で渡り合ってきた忌々しい奴らが居たな」
紅玉「奴らが今になって動き出してきたということかの?」
四神「…そうなるであろう予想だ」
黒龍「予想?」
四神「確実に的中する予感とも言える」
舞桜「何故ですか?」
四神「アンデッドと面識のある奴らだ。その知っている名があれだけ広く世界に報じられれば嫌でも動く」
黒龍「接触を測るということか」
四神「さよう。そして奴らが動き出すというのならこちらは奴を迎えて置くことで万全の状態にする。いざこうなると嘆かわしいものだな。唯一渡り合うことの出来たあの姫君は我々の様に時代を超える事が出来なかったのだからな」
紅玉「なるほど」
藍菜「…少しよろしいですか」
四神「どうした?」
藍菜「200年前に通じますが…もし何らかの影響で彼の能力が発現してしまった場合には」
四神「それもそれで構わんさ」
ザッザッザッ
ポンッ
四神「なに、気楽に行こうじゃないか」
藍菜「…」
四神「奴さえ加えれば我々に敵など居ないのだからな」
舞桜「あの人は…それほどの力がありますからね」
紅玉「考えただけでもおぞましいの」
黒龍「では我はそろそろ行くぞ」
四神「期待している」
黒龍「…あぁ」
ドンッ
四神「お前達も行って構わん」
紅玉「舞桜!妾と飲もうじゃないか!」
舞桜「い、いえ…私は无名ちゃんと」
紅玉「釣れないの…よいでは無いかあんな小娘放ておけば」
舞桜「いえそういう訳にも…」
藍菜「私が付き合うよ紅玉」
紅玉「おぉそうか!コーコッコッコ!」
ザッザッザッ
四神「アンデッドを奴らより先にこちらが捕えられれば良し…もし奴らがここに攻め込んでくる様な場合であればそれすらもこちらで上手く利用してくれるさ」
四神「さぁ来てみろ…共」

隠された真実 ~完~
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