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第1章 伝説の始まり
32.【幕間】ある兵士の思い
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【ある地方領主軍の兵士】
「俺たちは、負けたのか…。」
完敗だった。
今回、地方領主軍は、
海戦での武勇を誇るドレイクと
陸戦で無類の強さを誇るボロディンを中心に、
7名の地方領主が協同で戦端を開いた。
そして、戦いの正当性を主張するために、
教会の聖騎士にも参加してもらったのだ。
相手は少数だ。
これだけの布陣で負けるわけがない。
開戦当初は、誰もが楽天的に見ていた。
そして、完全に見誤った。
この島の力を。
戦う相手を。
敗戦後、全員が生きている。
「バカな!
そんな戦いなど、あるものか。」
きっと、誰も信じてくれないだろう。
俺たちは戦争をしたのだ。
にも関わらず、一方的に手加減をされて、
負けたのだ。
きっと、誰も信じられるものか。
俺たちが戦っていた相手は龍だったこと。
龍に守られた島。
この島には、
手を出してはいけなかった…。
敗北感に溢れた俺たちは、
集まるように声をかけられている。
食事を用意してくれるらしい。
この世界、捕虜は硬く黒いパンを
食べさせることが多い。
はっきり言ってマズい。
だか、腹はへっている。
ないよりはマシだ。
配給されたパンを大人しく食べよう…。
!?!?
「な、なんだこれは!?」
席へ案内してくれる女性がいる。
「これは、バイキングといいます。
皆さん、こちらのお皿をお持ち下さい。
好きな物を取り分けて食べて下さいね。
おかわり自由ですよ。」
そういって、女性は次の捕虜に説明へと移っていった。
「す、好きなもの?
ほとんど、見たこともない料理だぞ!
ただ、香ばしい匂いがする。
なんて、食欲をそそる匂いだ。」
あちこちで歓声があがる。
「なんて、料理だ!
美味い!
美味すぎるぞ!!」
あたりがどんどん騒がしくなっていく。
騒いだ兵士が、おかわりにきた。
「おいっ、俺の分がなくなるぞ!
取り過ぎだ!!」
フロアにいた女性が声をかけてきた。
「大丈夫ですよ。
すぐに追加をお持ちしますね。」
そして、大皿には、
また料理が置かれていく。
俺は、おそるおそるカレーという料理を食べてみた。
!?!?!?
「美味しすぎるぞー!!」
俺は思わず、立ち上がって声を出してしまった。
しまった、恥ずかしい!
そう思ったら、他にも同じことをしている兵士が、たくさんいた。
ツー。
思わず涙がでる。
捕虜に出す料理なのか、これは?
この島の人たちは、
なんて優しい人たちなんだ。
ふと気づく。
ここで働いている人に奴隷がいない。
どういうことだろうか。
あの人に聞いてみよう。
な、な、な、な!?
奴隷だった人たちは、
何の見返りもなく解放されたのか!?
そして、同じように過ごしている…。
この島の人達は、
身分で差別せず、
平等に過ごしているということなのか…。
まるで理想郷じゃないか。
俺たちは、こんな素晴らしい島を蹂躙しようとしていたのか!?
涙が止まらない。
口に料理を運ぶ手も止まらない。
俺は、この島を攻撃したことを後悔していた。
無事に解放されたら、
家族を連れて、
この島にこよう。
多くの兵士は、
この島への移住を決めた。
【カイン】
俺は、兵士たちの様子を見に来た。
ご飯を食べながら、
みんな泣いている。
大の男たちがだ…。
「な、何が起こったの?」
『推測:カレーが辛かったのかもしれません。』
「そ、そうか。」
俺はその場を後にした。
次回、『33.建国宣言』へつづく。
「俺たちは、負けたのか…。」
完敗だった。
今回、地方領主軍は、
海戦での武勇を誇るドレイクと
陸戦で無類の強さを誇るボロディンを中心に、
7名の地方領主が協同で戦端を開いた。
そして、戦いの正当性を主張するために、
教会の聖騎士にも参加してもらったのだ。
相手は少数だ。
これだけの布陣で負けるわけがない。
開戦当初は、誰もが楽天的に見ていた。
そして、完全に見誤った。
この島の力を。
戦う相手を。
敗戦後、全員が生きている。
「バカな!
そんな戦いなど、あるものか。」
きっと、誰も信じてくれないだろう。
俺たちは戦争をしたのだ。
にも関わらず、一方的に手加減をされて、
負けたのだ。
きっと、誰も信じられるものか。
俺たちが戦っていた相手は龍だったこと。
龍に守られた島。
この島には、
手を出してはいけなかった…。
敗北感に溢れた俺たちは、
集まるように声をかけられている。
食事を用意してくれるらしい。
この世界、捕虜は硬く黒いパンを
食べさせることが多い。
はっきり言ってマズい。
だか、腹はへっている。
ないよりはマシだ。
配給されたパンを大人しく食べよう…。
!?!?
「な、なんだこれは!?」
席へ案内してくれる女性がいる。
「これは、バイキングといいます。
皆さん、こちらのお皿をお持ち下さい。
好きな物を取り分けて食べて下さいね。
おかわり自由ですよ。」
そういって、女性は次の捕虜に説明へと移っていった。
「す、好きなもの?
ほとんど、見たこともない料理だぞ!
ただ、香ばしい匂いがする。
なんて、食欲をそそる匂いだ。」
あちこちで歓声があがる。
「なんて、料理だ!
美味い!
美味すぎるぞ!!」
あたりがどんどん騒がしくなっていく。
騒いだ兵士が、おかわりにきた。
「おいっ、俺の分がなくなるぞ!
取り過ぎだ!!」
フロアにいた女性が声をかけてきた。
「大丈夫ですよ。
すぐに追加をお持ちしますね。」
そして、大皿には、
また料理が置かれていく。
俺は、おそるおそるカレーという料理を食べてみた。
!?!?!?
「美味しすぎるぞー!!」
俺は思わず、立ち上がって声を出してしまった。
しまった、恥ずかしい!
そう思ったら、他にも同じことをしている兵士が、たくさんいた。
ツー。
思わず涙がでる。
捕虜に出す料理なのか、これは?
この島の人たちは、
なんて優しい人たちなんだ。
ふと気づく。
ここで働いている人に奴隷がいない。
どういうことだろうか。
あの人に聞いてみよう。
な、な、な、な!?
奴隷だった人たちは、
何の見返りもなく解放されたのか!?
そして、同じように過ごしている…。
この島の人達は、
身分で差別せず、
平等に過ごしているということなのか…。
まるで理想郷じゃないか。
俺たちは、こんな素晴らしい島を蹂躙しようとしていたのか!?
涙が止まらない。
口に料理を運ぶ手も止まらない。
俺は、この島を攻撃したことを後悔していた。
無事に解放されたら、
家族を連れて、
この島にこよう。
多くの兵士は、
この島への移住を決めた。
【カイン】
俺は、兵士たちの様子を見に来た。
ご飯を食べながら、
みんな泣いている。
大の男たちがだ…。
「な、何が起こったの?」
『推測:カレーが辛かったのかもしれません。』
「そ、そうか。」
俺はその場を後にした。
次回、『33.建国宣言』へつづく。
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