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ダンジョン&アリスベル修行編

早い話がバイキ〇トだよね!

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「「つらたん・・・」」

 私とアクアが声を揃えて言うと、皆が同意する。

 私達は現在塔八階の外周部分に居る。本当なら何時もの様に、集中力が切れ欠けて来た位の段階で休憩するが、次は集団戦闘。しかも相手を強襲するとなれば、休みなど自由に取れないだろうから。と、言う理由で何時もより休憩を遅らせてみた。

 とは言え、もう少し早く休憩しても良かったな。私のやる気ゲージが無くなる。

「ハーちゃんじゃ無いけど疲れました」  

 何かなその言い方?

「そうですね。ご主人様では無いですけど疲れました」

 だから何その言い方!?

〈日頃の行いです〉

 心の中にツッコミ止めて!?

〈止めても良いんですか?〉

 すいませんそれは寂しいです。

「まさか、こんなに疲れるダンジョンとは思わなかったね」

「確かにもうちょっと簡単に行けると思ったかな」

「勝手が違うから、精神的に凄く疲れます」

「結衣ちゃんは、全体的にもう少し周りを見た方が良いよ」

「うっ、頑張ります」

 まあ、精神的に疲れる理由も分かるけどね。何せ一階の一本道は良かったけど、二階、三階と大広間のの戦闘が続いたからね。まさか大広間タイプは、入ると出入口が閉まるとは思わなかった。
 お陰で私と結衣ちゃん、エレオノ、瑠璃、アクアの五人で様子を見る為、先に入ったから扉が閉まって大変だった。

 いや、マジで。扉が閉まってモンスターが出た辺りで、結衣ちゃんがパニくったり、アクアがいきなりあきらめモードに入ったりと、阿鼻叫喚だったね。
 正直結衣ちゃんのギフト【存在強化ブーステット】が無ければ危なかった。

 このギフトは、任意の対象の魔法や武技を、MPを使い二倍の威力に引き上げる事が出来るらしい。

 まあ、早い話がバイキ〇トだよね!

 このギフトの弱点としては、一度使うと二分間のリキャストタイムが在る事と、MP依存と言う事だ。

 とは言え、一見地味だけどMP消費はたったの10だし、二分に一度二倍の威力の攻撃が、ランダムで向かって来るとか怖すぎる。味方だから良いけどね!
 さっきもエレオノとのレゾナンスを、強化して貰ったけど、正直引く位の威力になったし。

 まあ、四階からは普通の迷路タイプだったけど、これがまた酷かった。
 罠のオンパレードに、モンスターとのエンカウント率の多さ、敵自体は私と同じか少し下位の雑魚だし、強くても私より少し上程度だから苦労はしない。って、誰が雑魚だし!?

〈シルフィン:ノリッコミとか、まだまだ元気ですね〉

 テンション上げないとやってらんないだけです。

 そんな訳で、一匹づつは強く無いが兎に角数が多い。しかも上に行くに連れて加速度的に増えている。

 いや、まあ、知ってて選んだけど。まさかここまで面倒だとは・・・・。

 ただまあ、良いことも結構あった。
 その内の1つは、少し歩けばモンスターに出くわすので、遭遇戦の経験値は皆なかなか上がったと思う。最初の方は会う度に軽い混乱状態だったけど、この階に来るまでかなりの数をこなしたから、冷静に対処出来てるしね。
 そして、弱いとは言え敵の数が多いから、皆レベルがぐんぐん上がって行く。

 まあ、流石にフロストは頭一つ抜けてるからそんなでも無いけど。

 それに敵の数が多いと言う事は、私とヘルさんのパワーアップにも繋がる。しかも通常なら素材や魔石は幾らかでも売って、生活費にあてなきゃいけない所を、私達はカーラに売った紙の利権が在るから必要無い!
 なので、ヘルさんのパワーアップに注ぎ込める訳なのだよ!
 お陰でヘルさんのステータスは、結構上がって私を軽く追い抜いております。

 悲しく何て無いんだからね!私だってスキルのポイント貯まって行ってるし!まだ何があるか確認はしてないけど。

 そう、私は未だにスキルの確認はしていなかった。それ処か勇者退治の強化ポイントも使っていなかった。その理由としては久しぶりに動くので、取り合えず今現在のステータスで、やってみたかったと言う事。もう一つは未だにどのステータスを上げるか迷っているのだ。

 上げたいステータスは在るけどイマイチピンと来ないんだよね?

 そんな風に考えていると、コロが私に話し掛けて来る。

「ハクア?武器使って無いけどやっぱりダメだったかな?」

「あぁ、違う違うそんなんじゃなくて、今は取り合えず自分のスキルの確認と、休んでる間の皆の連携を、特に頭に入れてただけだよ。私も次からもっと本格的に攻撃する予定」

「そっかなら良かったかな」

「つー訳で、次敵が少なかったら私に一人でやらせてみてくれる?」

「ご主人様一人でですか?」

「うん。多対一も少しは経験積んどきたいからね」

「分かりました。しかし、マスターが危険だと判断した場合は、介入するのでご容赦下さい」

「了解」

「じゃあ、ハクアの次は私もやる!」

「私もエレオノちゃんの後にやります」

「二人も?」

「うん。だって私も前衛だからね。孤立する可能性も無くは無いし」

「私もです」

「それなら私もですかね先輩?」

「ボクもかな?」

「いや、二人には後衛組の守りをフロストとやって貰うから、前に出過ぎても困るかな?」

「わかったかな」

「それに結衣ちゃんは、人形のモンスターは苦手でしょ?」

「う、はい。どうしても人の形をしていると抵抗が」

「まあ、普通はしょうがないよ」

「でも、皆さんは平気なのに」

「私と瑠璃は頭のおかしい友人のお陰で、感覚狂ってるから」

「ハーちゃんとみーちゃんは同じ感じだと思うよ」

「失礼な!」

 何て失礼な事を言うんだ!人をあんなのと同列に語らないで欲しいね!

「何考えてるかは分からないけど、多分みーちゃんも同じこと言うと思いますよ?」

 想像は出来るよね。

 こうして一通り確認をして一休みした後、私達は八階の攻略に取り掛かった。


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