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ユルグ村祭り編

『女神様:これ、私だけが損してませんか!?』

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 コンコン。

 コンコンコン。

 ガンガンガンガン。

「うるさい」

「もう朝ですか?」「ふぁ~」「ゴブ~」コテッ。

「う~ん、今開けるかな」

 ガチャ!

「全く何時まで寝ているんだ!」

「ごめんかなお父さん、昨日は寝るのが遅かったかな」

「まぁ良い、小娘共も居るのか?」

「うん、泊まって貰ったかな」

「そうか」

「ふぁ~、それで決まったの?」

「ふん、あぁ悔しいがお前の言う通りだからな今から話す」

「そう、出ていく?」

「いや良い、お前達も一緒に居てやってくれ」

「わかった」

「えと、なんの話しかな?」

「何でもない、それよりお腹が減ったからご飯にしよう」

「うん、じゃあボクが、アリシア手伝って来るかな」

「よろしく、あんたも食べる?」

「大丈夫なのかコロナ?」

「うん、材料は沢山有るから平気かな、ちょっと待ってて今作って来るかな」

「すまんな気を使わせて」

「別に」

 暫くするとアリシアとコロが料理を持って来たので、全員で食べ始める。

「旨いな」

「ありがとうかなお父さん」

「やはり、気は変わらんか?」

「うん、ごめんかなお父さん、でもやっぱりボクは認めて貰いたいかな」

「ワシらは皆お前を認めている」

「そんな事無い、じゃあ何でボクだけ此処に居るのかな!」

「それは、認めていない訳じゃ無い!その訳を今話しに来たんだ・・・」

「訳?」

「あぁ、コロナお前はワシの娘では無いんだ」

「!!」

「すまんな、今まで黙っていて・・・しかし・・・ワシはどうしてもそれが言えんかった」

「あの?お父さん?」

「慌てるなコロナ、ちゃんと話す。お前はワシの兄の子供でな、義姉はエルフで美しい女性だった。兄夫婦はこの村に住んで居たんだが、鉱山に採掘しに行ってそのままモンスターに襲われ亡くなって仕舞ったんだ。それで、まだ赤子だったコロナをワシが預かったんだ。
初めはワシも鍛冶しか知らん身だ。お前にも皆と同じ様に鍛冶を教えていたが、お前が初めて作った剣が魔剣クラスでな、ソコからお前に出生がばれると思い、あの剣を駄作として、お前をこんな所に遠ざけ、鍛冶師になるのも反対した。それがこんな結果となって本当に済まんかった。これも全てワシらが弱かったせいだ!」

 コロ父は殆ど独白の様に語って、コロは一言も発せずにいた。しかし私にはどうにも戸惑いと困惑はあれど、自分の出生を聞いて戸惑って居るようには見えなかった。
 え~と、コロナさん?何かなその全身から出てる冷や汗見たいの?まさかだよね?私もちょっと考えたけど本当まさかだよね!?そんな事は無いと信じてるよ!!

「あの少し良い?」

「何だまだ話しは終わってないんだぞ!」

「いや、え~と、コロナさん?もしかして最初から自分が本当の子供じゃ無いって知ってた?」ビビクッ!

 まじか!その反応マジですかコロナさん!

「そ、そう、なのか、コロナ?」ビクッ!

「えっ、え~と、その話しボクちゃんと知ってたかな?」

「い、いつから?」

 と、コロは全身から冷や汗を流しながら話し始める。

「ボクがお兄ちゃんとかと違うのは分かってたし、他のドワーフ同士の両親の友達ともボクが違うから割りと最初から・・・・
それに、兄弟でボクだけ魔法使えるし、耳も少し長いから本当の両親は、エルフとドワーフなのかな~?とも・・・」

「そ、そう、だったのか」

 まぁ、そこまで分かれば、ばれるわな!

「それよりもボクはこんな所に遠ざけられたのは、本当の子供でも無いのに武器を作るのが下手だから何だと」

「ち、違うぞ!むしろワシはお前の才能はワシ以上だとも思っとる」

「えぇ~、そうだったのかな?」

 まぁ何だ、とりあえず。

「最初からもっとちゃんと話せよ、勘違い親子」

「ごめんなさいかな」「す、済まんかった」

 こうして親子対談はグダグダで終わった。

▼▼▼▼▼▼▼▼
「それでどうするの?」

 あれから暫く親子対談を続けさせ、お互いの考えをあらかた話し合わせた後、私は質問した。

「どうって、どお言う意味ですかご主人様?」

「いやだって、コロの依頼の原因事態が誤解なら、依頼事態がする意味無いじゃん」

「あぁ確かに」

「えと、それなんだけど依頼はこのまま継続で良いかな?」

「私は構わないけど良いの?」

「うん、誤解は解けたけどやっぱりボクは武器作りをしたいからね。最後に作ったのは一年位前でお父さんからも許可貰ったし、すぐにでも作りたいかな」

「ワシからも頼む」

「元から依頼は受けてた」

「それからこれを持っていけ」

 そう言うとコロ父は全員分のピアスを渡してくる。
 何これ?

「それは石化を防止するアクセサリだ」

「石化を?」

「あぁ、鉱山内には石化を使って来るバジリスクと言うモンスターがいるからな、それを持っていけ」

 う~ん、でも私【状態異常無効極】有るから必要無くない?

〈そうですね〉

「私はスキルで状態異常効かないから要らないや」

「「なっ!」」

 あれ?コロとコロ父が驚いてる、何故?

「二人が驚くのも無理は有りませんが、本当です」

「まぁ、気持ちは分かるよ」

 あれ?私の仲間が向こうに賛同してるよ!?

「ふむ、何もん何だ嬢ちゃん達?」

「ただの冒険者」

「おねちゃんは転生者」

 珍しくアクアが言った!

「なるほどそう言う事か、転生者なら不思議では無いな」

 この世界の転生者の認識って?

〈聞きたいですか?〉

 何か聞きたくないから良いや。

〈賢明です〉

「ならお前もチートスキルとか言うものを持ってるのか?」

「何で?」

「転生者や召喚された奴なら大概持ってんだろ?」

 さて、どうするかな信用しても良さそうだけど【喰吸】迄教えるのは危ないなここは犠牲になって貰おう!

「私、此処に来る時女神と言い争いして、転生先モンスターにされたから」

「んな!そんな事有るのか?」

「うん、あれ性格悪いから」

『女神様:ちょっと!なに勝手に人の風評被害流してるんですか!自分のスキル知られたく無いからって人の事巻き込まないで下さい!』

 感謝してあげよう女神様(笑)

『女神様:こんな時だけ感謝とか!何処まで上から目線で言ってるんですか!しかもまた(笑)とか入れてて感謝が感じられない!!』

「ハクアは苦労してたんだね、ボクも出来るだけ強力するかな」

「ありがと」

『女神様:ひ、人を貶めておいてぬけぬけと!最低、最低ですよ!?』

 うるさいですよ~。女神様。
 そもそも、人の事四六時中見てるストーカーに言われたくないし。

「まぁ、種族がどうあれ中身が人間なら問題ねぇな」

「私は私の好きなようにやるだけだしね」

「何で上手く纏まりそうだったのにそんなん言うのよハクア!」

 いやぁ、だってそれが私だし。

「あはは、ハクアらしいかな!それじゃあ改めてよろしくかな、皆」

「「「「よろしくコロ」」」」

 改めてお互いの事を話した私達は鉱山に出発した。

『女神様:これ、私だけが損してませんか!?』
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