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冒険者になって見ました編

そうだ、冒険者になろう

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 無事に進化を果たした私は、ミランダとレイド二人の冒険者と会うためエルム村に向かっていた。

「エルムむらって、どんなとこ?」

「私も、途中に少し立ち寄っただけなので、余り詳しくは有りませんが、あの人達が言っていた用に、温泉が有名な観光地だそうです。
でも、自然豊かと言えば聞こえは良いですが、実際は、温泉以外は何も無い上に、首都等からは遠いので、余り賑わってはいないみたいですよ」

〈アリシアの言う通りですね。加えて言えば、この辺りの村の中では、一応観光地なので一番大きく、武器や防具、冒険者ギルド等、一通り在るようです〉

「やどたかい?」

「いえ、安い宿なら一人銅20枚で泊まれますよ」

「やすいの?」

〈観光地では安い様です。因みに、普通の村なら15枚位で泊まれます〉

 大体適正価格だね。一人20枚なら3人で60枚8日間なら泊まれるか?

〈そうですね。その間にどうするか決めたい所ですね〉

「はい、8日間何て直ぐに過ぎて仕舞いますから、村に滞在するなら何とかお金を稼ぐ方法も考えないと」

「そのことなんだけど、ぼうけんしゃになれないかな?」

「冒険者ですか?ご主人様は転生者とは言え、モンスターが冒険者になるのは」

〈なれるかも知れませんよ〉

「ほんとに?」「本当ですか?」

〈はい、冒険者の登録に必用なのは登録料だけで、ステータスやスキル、種族等の個人情報は、登録から公開まで個人の任意ですから〉

「でも、ご主人様は」

〈マスターの見ためは人間とさほど変わりません。
見た目が幼いので少し面倒かも知れませんが、後は、額の角さえ隠せば二人共問題ないかと〉

「確かにそうかも知れませんが・・・でも、危険では無いですか?」

〈冒険者になれれば多少の事なら誤魔化しが効きます。むしろ良いかも知れません〉

「そんな物何ですか?」

 私は、二人の言葉に頷きながら歩いていく。
 確かにアリシアが言う事も分かるけどね、でもあの二人に冒険者の話を聞いたときに、そうだ冒険者になろう!とかって思っちゃたんだよね‼
 まぁ、実際に1ヶ所に留まって働く訳にもいけないから、色んな所を回れる冒険者が、一番良さそう何だよね。
 ヘルさん経由でアリシアに話すと、納得してくれる。
 するとアリシアが。

「ご主人様、あの丘を越えればエルム村が見えて来ますよ」

 丘を越えるとエルム村らしき物が見えてくる。
 確かにアリシアの言う通り、温泉の湯気のような物も見えてるけど、観光地と言う割にはそんなに賑わって無いな。

「あれがエルムむら?」

「はい、そうですよ。とりあえずどうしますか?一応ミランダさん達の泊まっている宿の場所は、聞いていますけど」

「さきにやどをみつけよう」

「それなら、一度私が使った宿にしましょう」

「そこがさきいってたとこ?」

「そうですよ、朝食と夕食も付いてます」

「じゃあそこで」

 アリシアの案内で私達は宿に行く。

「いらっしゃい。おや、あんたこの前のお嬢ちゃん又泊まるのかい」

「はい、お願いします」

「そっちの小さい嬢ちゃん達もかい」

「よろしくおねがいします」「ま、ますゴブ」

「あぁ、わかたったよ。子供でも一人銅20枚だけど大丈夫かい?それと何泊する?」

「えっと、何泊にします?」

「とりあえず、さんぱくで」

 私は銀貨2枚を出しながら言うと。

「はいよ、食事は朝夕2回だ適当な時間に来れば出してあげるよ」

 女将さんが銅貨20枚を渡しながら言ってくる。
 アバウト!時間とか決めないの?

〈村規模の大きさの場所は大体こんな物です。街や都市レベルになれば違いますが〉

「部屋は全員一緒で良いんだろ?」

「はい」

「じゃあ2階に登って一番左の部屋がそうだよ。直ぐ飯にするかい」

「ひととあう、よていがあるから、かえってからで」

「あいよ、行ってらっしゃい」

 宿屋の女将さんに見送られ、私達はアリシアが聞いたミランダ達の宿に行く。

「あれ?アリシアじゃない」

 宿に着くといきなり誰かが話し掛けてくる。良く見てみるとそこには、ミランダとレイドが食事をしていた。

「本当に来たのか?」

「ええ、こちらとしても色々話したい事があったので」

「まぁ座りなさいよ、と言うかそっちのお嬢ちゃん達はどうしたの?それにあの子達は村の外に居るの?」

「ええと・・」「ちがう、わたしたちがほんにん」

「「ええムグッ!」」

 私の言葉に驚き、大声をあげる前に二人の口を手で塞ぐ、この二人良く叫ぶな‼

〈まぁ、実際しょうがないと思いますよ。それだけ衝撃的ですからマスター達は〉

 おぉう!ヘルさんからの鋭いツッコミが。

「本当に本人なのか?」

「そう」

「確かに声も喋り方もあの子と一緒ね。でも、とても信じられないわ」

「えっとですね」

 アリシアがゴブリンの♀に関する事を二人に告げると、更に驚く。

「まさか、ゴブリンにそんな秘密があっただなんて」

「こりゃ、凄い情報だな」

「モチロンこのことはだまっていてもらう」

「この情報は金になるのにか?」

 私は頷き続きを喋る。

「あなたたちは、わたしと、とりひきした」

「その条件にこの事は無かった筈だが?」

わたしたちモンスターと、とりひきした、じじつがだいじ」  

「どお言う事かしら」

「わたしと、とりひきしたことがばれれば、ふたりはじんるいのてき」

「貴女・・・最初からそれを見越して取引したの」

 そう、とか言えたら格好いいんだけどな~。

「ちがう、けど、いまのじょうきょうなら、これがいちばんゆうこう」

「確かにそうだな」「レイド!」

「こいつは取引と言ったんだ。なら俺達が約束を守る限り損はない」

「わかってくれてうれしい」

「それで、聞きたい事が有るんですけど」

「まった、できればふたりのへやではなしがしたい」

「そうね、どんな話しだとしても、こんな所でする物じゃ無いわよね」

「着いてきな」

 そう言って席を立ち歩き出す。二人の後を追い階段の目の前の部屋へ入って行くので、私達も一緒に入る。

「それで聞きたい事って何かしら?」

「ぼうけんしゃのなりかたを、おしえてほしい」

「「ぶっ!?」」 

「じっ、自分の言っている事の意味分かっているのか?」

 私は頷きながら、自分の考えをアリシアに代弁して話してもらう。
 私の言葉は聞取りずらいからね!

「なるほど、確かに言われてみればそれしか無いかもな」

「ええ、人と全く関わらず生きるのは難しいものね、それに冒険者として名を上げればいざ、モンスターとバレた時も、人の役に立ち味方だって証明にもなるわ、称号を公開すれば転生者って分かるしね」

「流石ご主人様、そこまで考えて言っていたんですね!私はてっきり、何時もの乗りで冒険者になろうとして、後から辻褄を合わせただけだと思いました」

 そっ、そんな事無いんだからね! あっ、あるわけ無いじゃない。

〈図星ですね〉

「とにかく、とうろくのしかたと、おもにどんなしごとがあるのか、おしえて、それさえわかればもうあなたたちには、かかわらないとちかう」

「別に関わる位良いだろう?同業者になる訳だしな。
それより、冒険者登録の仕方なら簡単だぞ。冒険者ギルドに行って、登録料を支払って、幾つかの質問に答えて、最後にステータス神と交信出来るアイテムに触って、こんな風にステータスの総合的な数値からランクを付けて貰って終わり。だが問題は最後のステータス神との交信だな」

 なぬ?ステータス神?何それ初耳何だけど?というか神にステータス見られたら速攻でモンスターってバレるよね?

『ステータス神のティリスは私の後輩なので言い含めておきますby女神』

 何か来た!て言うか初めて役立つ事したな。

『そろそろ私の事を敬っても良いんですよ?by女神』

 無理!それより続きを。

「それは、いまなんとかなったからいい、それよりどんなしごとがあるの?」

「???まぁ良いわ、仕事は冒険者のランクによって受けられる難易度が替わるの、ランクは上からSSS、SS、S、A、B、C、D、E、F、Gの順に分かれていて冒険者のランク=依頼のランクになっているわ」

「つまり、CランクならG~Cランクの依頼を受けられるんですか?」

「ええそうよ。正し、自分のランクから二つ下のランクを受けると報酬が半分になるわ。
因みに冒険者ランクを上げるにはBランク迄なら、自分の今のランクの依頼をクリアしていけばポイントが入って、目標迄貯めれば昇格試験を受けられるわ!Aランク以上はギルドからの推薦とかが無いと無理らしいわ」

「ちなみに、いまのランクは?」

「俺達はCランクだ。
前にも言った通り、ここには観光に来ただけだから、ランクが下の緊急依頼を受けたんだ」

「そのきんきゅういらいって?」

「緊急依頼って言うのは、普通の依頼が個人やら団体等から来るのに対して、ギルドが直接出す依頼の事だ。
基本的に、手が負えない強敵のモンスターが出た場合や、大規模な作戦、今回の様な誰かの不正、もしくは依頼条件を達成していないのに依頼完了、と、受理してしまった物等に対して出されるものだ」

「緊急依頼は普通の依頼に比べて、報酬もポイントも良いのよ」

「そうなんですか?」

「因みに、Gランクでゴブリン数体の討伐かギルドのある所周辺地域にある薬草何かの素材集めが主だなFランクでコボルトや進化したゴブリンEランクでお前らが倒したホブゴブリンクラスの討伐だな」

 あんなに苦戦したホブゴブリンで、Eランクなのか~。この世界が想像より、難易度ナイトメアなのか?それとも私が弱いだけなのか?

『両方ですby女神』

 この駄女神め‼

「そういえば、とうばつってどうやってしょうめいするの?」

「何だ、そんな事も知らなかったのか?」

「私も、ご主人様と一緒になってモンスターを倒したのが、初めてだったから知りませんね」

「モンスターは、体の中に魔石っていう核になる物があるの。
それを取り出して、ギルドの鑑定所に持って行って鑑定してもらえば良いのよ。魔石はモンスター毎に違うから、どの種族の何て名前のモンスターかが分かるわ。鑑定が終わって依頼を達成すれば、魔石はそのまま買い取って貰えるしね。
後、魔石を取り出すとモンスターは灰になって消えるけど、たまにドロップアイテムっていう特別な物も手に入るわ」

 うん、その辺はゲームと一緒だね。

〈すみません。今までは必要無い情報だと思い伝えていませんでした〉

 大丈夫だよ。確かに今までは必要無かったし。でも普通に剥ぎ取ったらいけないのかな?

〈ドロップアイテムになると、そのモンスターの魔力が宿りますが普通に剥ぎ取ったら魔力が宿らず価値は無いです。
因みにマスターの【喰吸】のスキルは、腕1本分あれば良いので、切り取った後、魔石を取り出せば大丈夫です〉

「わかったありがと」

「もう行くのか?」

「うん」

「そうか、お前ら登録料は有るのか?」

「えと、後銀貨3枚と銅貨20枚はありますよ?」

「おい、登録料は一人銀貨1枚だから払ったら銅貨20枚しか無くなるぞ」

 銅貨20枚ってそんなに少ないの?

〈マスターの感覚で言うと2千円位です〉

 分かりやすい!あれ?じゃあ私この二人に二百万位ただで上げたの?

〈あくまで手持ちの分を、分かりやすく言っただけです。まぁでも、3人で1食分位の金額ですね〉

 マジで‼感覚の違いって恐い‼アリシアって回復薬でどれくらい稼いでたんだろう?

「私は、大体1ヶ月で銀貨8~10枚位ですね。
それでも二人で暮らして、必要な物を揃えると貯蓄何て、ほとんど出来ませんでしたね」

「分かったろ、転生先がゴブリンで、この世界の常識が無いとはいえ、自分の状況が悪いって事は」

「とはいえ、みちはこれしかない」

「そうね、もし良ければ私達がその分のお金貸してあげるわ」

「えっ、良いんですか?」

 私はアリシアを手で制止ながら問う。

「なにがじょうけん?」

「私としては、貰ったお金に対して少ない位だから、むしろ払っても良いくらい何だけどね?」

「それは、お前が納得しないだろ?だからお前の言う通り条件を出す。俺達は後8日でこの村を出るから、それまでに貸した金に銀貨1枚プラスして銀貨4枚を返してみろ」

「そんな8日で銀貨4枚何て‼」

 因みに現実的な額なの?

〈努力は必要ですが現実可能です〉

「もし返せなかった場合はそうだな・・・俺達が受ける依頼の囮でもタダでやって貰おうか」

「じょうとう!」

「いい返事だな、これが登録料分の銀貨だ」

「頑張りなさい」

 レイドからお金を受け取り、私達は宿を後にする。
 さあ、やって見ようか!私はそんな事を思いながら冒険者ギルドに向かった。
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