R18、アブナイ異世界ライフ

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99.新年早々重大発表

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 あけましておめでとうございます。

  といってももうお昼です。ベッドの中から新年の挨拶をすることになったわたしをお赦しください。

  ・・・分かります、大晦日やお正月にテンション上がっちゃうのは。それに、好きにして?と言ったわたしにも責任はあります。でもね、ものには限度が存在するんですよ。

  最初から二穴挿しで何度もイカされ、フェラで喉奥を突かれ、アクロバティックな体位で責められ・・・啼きながら喘いでもう許して、と懇願した。声も枯れ、ついにイキ落ちした。

  そして、ついさっき目が覚めたところです。

  たっくさん飲まされ、注がれたのでまだお腹いっぱいな気がします。それに身体が鉛のように重くて動けません。ヒールなんてかける余裕もありません。こんなの、レドと初めてした時以来ですよ。

  だから新年早々少しばかりご機嫌ナナメです。




 「すまなかった、ソニア…」
 「すみません、ソニア…」

  ベッドに横になったままのわたしに謝る2人。何だかお馴染み感が出てきてしまっている。

  いつも冷静で失敗など滅多にしない彼らだが、わたしを抱く時は感情を露わにして本能を剥き出しにする。時にはそれがこういった事態を引き起こして困る反面、嬉しく感じるのだからこれはこれでイイのかも。

 「…キスしてくれたら許してあげる」

  思い直してそう言い、わたしを挟んでベッドに座っている2人に両手を伸ばす。レドとルーカスは揃って微笑み、交互にキスしてくれた。

 「何か食べたい物や飲みたい物はありませんか?」
 「…ん、なんかさっぱりしたのが飲みたい」
 「腹は減ってないのか?」
 「だって…昨夜いっぱいになったのがまだ…」
 「残ってる、か?…すまない、自重する」
 「すみません、まさか食欲にまで影響するなんて思わなくて」

  まだ食べたくない、と言うわたしにまたすまなそうにする。

 「何か準備します」

  ルーカスがベッドルームを出て行くと、レドがわたしを抱き上げてリビングへ向かった。











 元日は3人でゆっくり過ごしたが、次の日からは多くの人が年始の挨拶に訪れてその対応に追われた。店が始まる頃にはリラたちの引っ越しが始まり、酒屋も賑やかになった。披露パーティーの準備もずいぶん進み、後は細かな打ち合わせが少々とドレスの仕上がりを待つのみ。

  だが・・・何日経ってもわたしの食欲は戻らず、レドとルーカスに心配をかけていた。




  そんなある日の休日、わたしはひとつの可能性を考えていた。そこに思い至ったのにはいくつか理由があるが調べる術がない。どうにかハッキリできないか悩んだが、ある事を思い出した。

 「ステータス…」

  ステータスの存在をすっかり忘れていた。早速ドキドキしながら確かめる。

  そこには・・・

 “妊娠中”

 の文字が。

 「やった…!」

  跳び上がって喜びたいのを抑えて、ソファーでひとりガッツポーズをする。そして試しに魔眼全開で自分のお腹を視ると・・・確かに小さな命が息づいているのが分かった。優しくお腹を撫でる。ここにいるとわかった途端に愛おしくなるのだから不思議なものだ。

  わたしは、父親になる夫たちにどうやって知らせようか考え始めた。











 その夜、食事をする前に話があると言って2人をリビングへ呼んだ。レドとルーカスは不思議そうにしながらいつものように座る。

  そして、わたしは緊張しながら切り出した。

 「最近体調が良くなかった原因がわかったの」

  緊張を感じ取ったのか、2人は真剣な表情で先を促す。

 「あのね…原因は悪阻、だったの」

  意味を理解するのに時間が掛かっているのか、出てきた言葉に目をパチクリさせている。


 「「・・・・・・・・・・・」」

 「悪阻…悪阻…!?まさか…」
 「え…に、妊娠……ですか!?」

  暫く惚けた後、漸く反応が返ってきた。

 「うん。ステータスでも、魔眼でも確認した」

  彼らの問いにしっかりと頷く。

 「本当に…?」
 「うん、本当。思い当たることもいくつかあるし」

  聞き返すレドににそう答えるとルーカスが尋ねる。

 「思い当たることとは何です?」
 「滅多に遅れない月のモノが遅れてた事と、吐き気、後は食べ物とか飲み物の好み。コーヒー、全然飲みたいと思わないの」
 「…そういえば、最近はすっきりした飲み物が良いって…」
 「ああ…好きな酒類も飲んでないな…」

  また暫し惚けてから顔を見合わせ、優しくわたしを抱きしめるレドとルーカス。

 「「ソニア…」」

  小さく呼んだその声は少し震えていた。片方は温かく、片方はひんやりする、対照的な温度の腕から嬉しさが伝わってきて・・・視界が滲む。

  わたしたちは暫くの間、そのまま言葉もなく抱き合っていた。

 

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