R18、アブナイ異世界ライフ

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69.ルーカスとチビソニア(ルーカス視点)

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 レドが会合へ出掛け、今夜はチビソニアと2人での夕食なので子供向けのメニューにした。

  オムライスにハンバーグ、ポテトフライ、スープ、など。

  ソニアは目の前に並んだ食事を見て、おこさまランチみたい・・・と呟いた。何でも元いた異世界では、レストランなどにこういう子供向けのメニューがあったのだとか。ここではレストランといえば高級店で大人が行く場所。大抵は子供お断りだ。彼女がたまに話してくれる異世界の話はとても興味深く、面白かった。

  食後のデザートにアイスを出すと、大きな目を更に大きくして喜ぶ。ソニアは甘いものが好きだがたまにしか食べない。どうやら太るのを警戒しているようだが、彼女は華奢だ。私はもう少し肉をつけても良いと思うが勿論言わない。

  私の膝の上でスプーンを握り、アイスを自分で少しずつ口へ運ぶ。余程美味しいのか、うさ耳をゆらゆらと揺らし、しっぽも小さくふりふりしている。

  ・・・可愛い。

  たまに目測を誤って上手く入らず、口のまわりが汚れるのを気にしている。

 「ソニア、ほら。拭いてあげますからこちらを向いて下さい」
 「ん…」
 「……はい、良いですよ」
 「ありがと」
 「いいえ。アイス、美味しいですか?」
 「んっ、おいし」

  ああ・・・このカタコトな感じが素晴らしく可愛いです。

 「ごちそさまれした。…ルーカス、コーヒー…らめ?」
 「コーヒーはダメです。あなたはいつもブラックでしょう?子供には飲めませんよ」
 「む~…」

  ぷくっと頬を膨らませるソニア。

 「ふふ…そんなに可愛い顔してもコーヒーはダメですよ。明日の朝、ミルクたっぷりのカフェオレを淹れてあげますから、それまで待ってください」
 「ほんと!?ありがと!」

  満面の笑みとぴょこぴょこ跳ねるうさ耳が嬉しさを現している。彼女はコーヒーがとても好きで飲まない日は無いが、小さくなってから丸一日以上飲んでない。結構我慢していると思う。

 「さて、お風呂に入りましょうか」
 「うん」




  入浴後、白地にカラフルなドット柄のタンクトップとショートパンツを着せる。バスルームの扉を開けると、ありがと、と一言言ってから先に出た。ベッドルームへ歩くソニアの後ろからついていく。

  今まで抱っこばかりしていたがさっき発見したのだ。歩くリズムでうさ耳がみょんみょんと揺れ、同時にしっぽもぴこぴこ上下するとんでもなく可愛らしい後ろ姿を!

  ベッドルームで風呂上がりの水分補給していると、ソニアが私をじっと見てから言った。

 「…ルーカス、こどもすきなの?」

  おや、見られている事に気が付いていましたか。でも子供好きとは若干違う。

 「ちょっと違いますね。私はソニアだから子供の姿でも好きなんですよ」

  ソニアは私の言葉を聞いて目をパチクリさせてから照れくさそうに笑う。抱きしめたいのを我慢して頭を撫でると、うさ耳がぴくぴく動いて広った。

  彼女はベッドに横になるとすぐ眠りに落ちるが、昨夜の事があるので今夜は傍にいる。

  大人3人で眠っても余裕の広さのベッドに、チビの体を丸めてますます小さくなって静かな寝息を立てるソニアにそっとキスした。




  日付が変わった頃、レドが帰ってきた。

  ベッドルームへ来るとまずソニアの顔を覗き込み、頬にキスする。

 「早かったですね。飲みには行かなかったんですか?」
 「ああ、何となく落ち着かなくてな」

  そう言ってもう一度キスしてからシャワーを浴びに部屋を出て行った。




  いつものように眠っているソニアを挟んで座る。だが何故かレドも私もワインを飲む気にはなれず、あどけない顔を眺めていた。

 「当たり前なんですけど…中身はいつものソニアなんですね」
 「フフッ、そうだな。今日、膝に乗せたら仕事中だと注意された」
 「私も、後ろから見つめてたら子供好きかと聞かれましたよ。気付かれていないと思っていたんですがね」
 「ああ、ソニアはそういうの割と敏感だな」
 「ええ…何だか少し安心しました。小さなソニアも可愛いですし、ちゃんと戻ると分かっていても…」
 「…情けないが同感だ」

  私たちでさえこう思うのだ。ソニア本人はもっと不安だろうが、顔には出さない。魔人で28才といえば最近まで子供だった、という印象だが彼女は精神的にとても大人だ。そこが素晴らしい所であり、同時に心配でもあった。











 その日の深夜、ルイの部屋にはビスタが来て一緒に飲んでいた。

 「え~!ズルイですルイさんだけ!オレも見たいっす、チビな姐御!」

  ルイがチビソニアを見たと聞いて悔しがるビスタ。

 「もの凄く可愛かったよ…。ボスの後ろに隠れてさ、顔くらい出せって言われてホントに顔だけ出してルイしゃん、って、こう…舌ったらずでさ、小さくて白いうさ耳がキョロキョロしてて、ちっちゃい手でボスの服をキュッ、て握ってて、首を傾げる仕草がまた何とも言えない可愛らしさで………何?」

  ベラベラとその時の様子を語るルイを、ビスタが若干白い眼で見る。

 「姐御なんですから可愛いのは当然ですけど…ルイさん…もしかしてロリコン…?」
 「ち、違うよ!そのくらい可愛かった、って事だよ!ビスタだって一度会えば僕の気持ちが分かるさ」
 「それですよ」
 「どれだよ」
 「オレも会ってみたいです!直談判したら会わせてくれますかね?」
 「…どうかな…ルーカスさんから話を聞いた限りだと…必要以上には人に会わせない感じだったよ」
 「え~!ズルイですルイさんだけ!オレも見たいっす、チビな姐御!」
 「もの凄く可愛かったよ」

  振り出しに戻る2人。ビスタはチビソニアに会えるでしょうか?

  ・・・おそらくムリですよ。
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