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23.甘えっ子
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レドの部屋に越してきて初めての朝です。
私は今、とっっても眠いです。何故かって?分かるでしょう?昨夜もしたからですよ。
荷物を持ってきて片付けをし、さあ寝ましょうとなった時に彼が言ったんです。私が欲しい、と。それはもう熱い瞳で情熱的に。驚きましたよ、昼間あれだけやってまだ足りないのか?と。1回だけの約束で始めたのに3回続き・・・疲れ果てて眠りについた。そりゃ、嫌じゃないけど・・・仕事に影響が出るのは困る。
そして朝7時、レドが喜々として起こしてくれた。まだ眠いとぐずる私を抱っこしてダイニングへ移動し、今に至ります。
彼は何でこんなに元気なの?これが魔人の体力なのかな・・・。
テーブルにはコーヒーとパン、オムレツ、ウインナー、サラダまである。
「…レドが作ってくれたの?」
「ああ、食べるだろ?」
「…うん、ありがとう。ごめんなさい。本当は私が…」
「どっちが作ったっていいだろ?今度はソニアの手料理を食わせてくれ」
「…うん。今度は作る」
・・・何だか嬉しい。甘えられる人が傍にいるって凄く久しぶりかも。
父は家事は何も出来なかったし仕事が忙しくて全然家に居なかった。だから家事は全て私の仕事だった。母が亡くなった次の年、小6の運動会は今も忘れられない。その日父は仕事で来られなくて、私は自分でお弁当を作って1人でお昼を食べた。後で担任の先生が気が付いて謝ってくれたけど、その時は冷めた返事しか出来なかった。
○○ちゃんはしっかりしてるから安心
先生や周りの大人、父までが口を揃えてそう言った。それ以来、私は人に甘えられなくなった。
朝食を作ってもらったの、何年ぶりだろう。意外だけどレドは結構料理好きらしい。昨夜一緒に作った時は凄く楽しかった。私も好きだけど、人に食べてもらえない料理はつまらなかった。これからは沢山作ってレドに食べてもらおう。
所で、疑問が1つ。何故私はレドの膝に横抱っこされたままダイニングのイスに座っているのか?
「レド…私このまま?」
きょとん、として見上げる私に軽くキスする。
「ああ、食わせてやるよ。まだ眠いんだろう?」
優しい笑顔で言われて甘えたくなってしまった。
「ほら、あ~ん」
「…あ~ん」
差し出されたオムレツを食べる。・・・美味しい。プレーンオムレツって何気に難しいのに。やっぱり料理上手。
「美味しい」
「そうか」
笑顔で見上げるとレドも嬉しそうに笑った。
食事が終わり、レドの胸にぽふっと身体を預ける。
「どうした?」
聞きながら抱きしめてくれる。
「…何でもない。ありがとう、レド」
頭をすり寄せて彼の服を握る。
「フッ、甘えっ子だな。ソニアは」
ゆっくりと頭を撫でてくれる手が心地好くて目を瞑る。
「ん、今だけ。ちょっとだけそんな気分なの」
そう、今だけ。少しだけいいいよね。この広い胸と大きな手に甘えても。
「俺は毎日だって歓迎だがな」
・・・超甘やかされてる。このままじゃダメな子になるかも・・・。レドの巧みな飴と鞭攻撃に昨日からやられっぱなし。それに、あ~んして食べさせた時はあんなに恥ずかしかったのに、してもらうのはすでに慣れてきている自分の適応能力にもびっくり。本当に甘えっ子なのかも。
◇
熱いシャワー(何故か一緒)でシャキッとしてからベッドルームで着替えていると、レドに後ろから抱きしめられる。
「レド?」
「ソニア、明日休みだろ?」
「うん。変更がなければね」
臨時休業があったし、変更もあり得る。
「いや、おそらく変更はない」
「そうなの?」
オーナーの彼が言うなら確かだろう。
「ああ。それで明日だが」
「うん」
「2人で出掛けないか」
「…行く!」
それってデートだよね、嬉しい!
身体の向きを変えて彼と向き合う。
「よし。じゃあ楽しみにしておけ」
「うん!」
「ソニア…」
急に欲を覗かせた低い声に胸が高鳴る。顔が近づき、レドの薄い唇が私の唇を食む。それだけで身体が反応してしまいそうになる。
「んっ…レド…私、時間…」
「…分かってる。でも、キスくらいいいだろ?」
「ちょっとだけ、だよ?」
ホントは良い訳ない。レドのキスは気持ち良すぎて危ない。でも彼は酒場のオーナーだ。スタッフを遅刻させるような事はしないはず。
・・・だよね?
そんな事を思いながら唇を合わせた。
私は今、とっっても眠いです。何故かって?分かるでしょう?昨夜もしたからですよ。
荷物を持ってきて片付けをし、さあ寝ましょうとなった時に彼が言ったんです。私が欲しい、と。それはもう熱い瞳で情熱的に。驚きましたよ、昼間あれだけやってまだ足りないのか?と。1回だけの約束で始めたのに3回続き・・・疲れ果てて眠りについた。そりゃ、嫌じゃないけど・・・仕事に影響が出るのは困る。
そして朝7時、レドが喜々として起こしてくれた。まだ眠いとぐずる私を抱っこしてダイニングへ移動し、今に至ります。
彼は何でこんなに元気なの?これが魔人の体力なのかな・・・。
テーブルにはコーヒーとパン、オムレツ、ウインナー、サラダまである。
「…レドが作ってくれたの?」
「ああ、食べるだろ?」
「…うん、ありがとう。ごめんなさい。本当は私が…」
「どっちが作ったっていいだろ?今度はソニアの手料理を食わせてくれ」
「…うん。今度は作る」
・・・何だか嬉しい。甘えられる人が傍にいるって凄く久しぶりかも。
父は家事は何も出来なかったし仕事が忙しくて全然家に居なかった。だから家事は全て私の仕事だった。母が亡くなった次の年、小6の運動会は今も忘れられない。その日父は仕事で来られなくて、私は自分でお弁当を作って1人でお昼を食べた。後で担任の先生が気が付いて謝ってくれたけど、その時は冷めた返事しか出来なかった。
○○ちゃんはしっかりしてるから安心
先生や周りの大人、父までが口を揃えてそう言った。それ以来、私は人に甘えられなくなった。
朝食を作ってもらったの、何年ぶりだろう。意外だけどレドは結構料理好きらしい。昨夜一緒に作った時は凄く楽しかった。私も好きだけど、人に食べてもらえない料理はつまらなかった。これからは沢山作ってレドに食べてもらおう。
所で、疑問が1つ。何故私はレドの膝に横抱っこされたままダイニングのイスに座っているのか?
「レド…私このまま?」
きょとん、として見上げる私に軽くキスする。
「ああ、食わせてやるよ。まだ眠いんだろう?」
優しい笑顔で言われて甘えたくなってしまった。
「ほら、あ~ん」
「…あ~ん」
差し出されたオムレツを食べる。・・・美味しい。プレーンオムレツって何気に難しいのに。やっぱり料理上手。
「美味しい」
「そうか」
笑顔で見上げるとレドも嬉しそうに笑った。
食事が終わり、レドの胸にぽふっと身体を預ける。
「どうした?」
聞きながら抱きしめてくれる。
「…何でもない。ありがとう、レド」
頭をすり寄せて彼の服を握る。
「フッ、甘えっ子だな。ソニアは」
ゆっくりと頭を撫でてくれる手が心地好くて目を瞑る。
「ん、今だけ。ちょっとだけそんな気分なの」
そう、今だけ。少しだけいいいよね。この広い胸と大きな手に甘えても。
「俺は毎日だって歓迎だがな」
・・・超甘やかされてる。このままじゃダメな子になるかも・・・。レドの巧みな飴と鞭攻撃に昨日からやられっぱなし。それに、あ~んして食べさせた時はあんなに恥ずかしかったのに、してもらうのはすでに慣れてきている自分の適応能力にもびっくり。本当に甘えっ子なのかも。
◇
熱いシャワー(何故か一緒)でシャキッとしてからベッドルームで着替えていると、レドに後ろから抱きしめられる。
「レド?」
「ソニア、明日休みだろ?」
「うん。変更がなければね」
臨時休業があったし、変更もあり得る。
「いや、おそらく変更はない」
「そうなの?」
オーナーの彼が言うなら確かだろう。
「ああ。それで明日だが」
「うん」
「2人で出掛けないか」
「…行く!」
それってデートだよね、嬉しい!
身体の向きを変えて彼と向き合う。
「よし。じゃあ楽しみにしておけ」
「うん!」
「ソニア…」
急に欲を覗かせた低い声に胸が高鳴る。顔が近づき、レドの薄い唇が私の唇を食む。それだけで身体が反応してしまいそうになる。
「んっ…レド…私、時間…」
「…分かってる。でも、キスくらいいいだろ?」
「ちょっとだけ、だよ?」
ホントは良い訳ない。レドのキスは気持ち良すぎて危ない。でも彼は酒場のオーナーだ。スタッフを遅刻させるような事はしないはず。
・・・だよね?
そんな事を思いながら唇を合わせた。
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