R18、アブナイ異世界ライフ

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17.自覚した想い

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 今私はオーナーの私室のお風呂に入っている。結論から言おう。

  最高!!

  女湯の倍はあるだろう広いバスルームは、床や壁、バスタブまで大理石のような綺麗な石で統一されている。バスタブは大人2人が一緒に入っても余裕がありそうな大きさ。入浴剤があるなんて聞いた事がないけど、張られたお湯は乳白色のにごり湯でとても気持ち良い。もちろんシャワー付き。オーナーが使ってるであろうソープは柑橘系の爽やかな香りがした。・・使ってないですよ?

  そしてバスタブの横にドリンクを置く台と小さな窓口。ここで何か飲みながら浸かるのかな?いいな~。素敵。

  もっと入っていたいがここはオーナーのお風呂。マスターも入るんだし早く出なきゃね。

  手早く服を着てバスルームを出た。

 「オーナー、ありがとうございました。マスター、お先してすみません」
  ソファーに座っていた2人に声を掛ける。
 「いえ、いいんですよ。レディファーストです。では、私もいただいてきますね」

  マスターはそう言ってバスルームへ消えた。が、オーナーは何も言わない。

 「オーナー?」
  近くへ行って顔を窺う。

  あ、むくれてる。

  あれから名前を呼ぶのを避けていたら、レドと呼ばないと返事してくれなくなった。大きな子供みたいな人だ、と思ったりするがそんな失礼な事考えるのは私くらいだろう。

 「レド…?」

  今は誰も聞いていないので思い切って呼ぶ。するとパッと顔が戻る。この変わりよう・・・。

 「早かったな」
  促されて隣に座る。
 「凄く素敵なバスルームでした。オーナ…レド、お風呂好きですか?」
 「ああ、好きだな。湯が白かっただろ?最近出回り始めた物なんだが、どうだった?」
 「私は好きです」
 「そうか、ならまた仕入れておく」
 「そんな、わざわざ…」
 「俺も気に入ったからだ」

  そう言われると何も言えない。

  オーナーは立ち上がってワインとグラスを2つ持ってくると、注いで1つを私に渡してくれた。小さくグラスを合わせてから頂く。


 「美味しい~…」
  久しぶりなのもあるがやはり質が違う。私の飲み慣れた安いワインとは明らかな差があった。まあ、あれはあれで好きだったけど。
 「フッ、ワイン好きなんだな」
  グラスを片手にこちらを見るオーナー。
 「そうですね、好きです」
 「他に好きな物は?」
 「…お風呂とコーヒーです」
  言おうか迷いながらも答える。
 「そうか、なら今度は豆も良いのを用意しておく」
 「…ありがとうございます」

  ああ・・・釣られてる。完璧に物に釣られてる・・・。私こんなだっけ?

  ふと、オーナーが私の髪にふれる。少し掬い取って質感を確かめながら弄ぶ。

 「…肌も白くて綺麗だが、髪も綺麗だな。色もさわり心地もイイ」

  低く響くイイ声が情欲を含んで私を誘う。漆黒の瞳に見つめられながら髪に口づけられてゾクッとする。

 「オーナー…」
 「…レド」
 「レ、ド」

  ゆっくりとオーナーの顔が近づいてくる。心臓が高鳴り、お風呂とワインでほんのり染まっていた肌も赤みを増す。強引なキスの時のような嫌な感じは全くない。それどころか・・・・

「ソニア…」

  ガタン。

  バスルームから音がしてパッと離れる。オーナーはいかにも不服そうな表情だけど。

  マスターが出てくる。

 「ご、ごちそうさまでした!お2人とも、おやすみなさい!」

  私は逃げるようにオーナーの私室を後にした。

  ・・・マスターが出てこなかったら、きっと受け入れてた。物に誘われたと思っていた。でも違った。私、オーナーに誘われたんだ。私、オーナーが・・・スキ、なんだ。

  気持ちをはっきりと自覚した夜、私はなかなか寝付けなかった。











「「・・・・」」

  沈黙。

 「もしかして、いい感じでした?」
  とルーカス。
 「ああ、かなり」
  とレドモンド。
 「ふふ、それはすみません」
 「…タイミング測って出てきただろう」
 「すみませんね、今度は私がいない所で存分にどうぞ」

 
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