R18、アブナイ異世界ライフ

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閑話 レドモンド

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 私室を出て溜息を吐く。オーナー部屋(面接した部屋)のソファーにぐったりと座り込み、天井を仰ぐ。

  何なんだあの女。覚醒で本当に熱出すわ、この俺に突っ掛かってくるわ…

 俺は女に困った事はない。数えるのもとっくに辞めた年齢分、色んな女と交わってきた。それは、俺が魔人だからだ。

  戦う力のない種族が盗賊どもから身を守るには強い者の傍にいるのがいい。そいつらだって唯いるだけじゃない。自らに出来る事で他の者を助ける。俺たち魔人はそんな獣人を守る。この街は、そうやって何百年という時をかけて出来上がった。

  今は俺が街を治めている訳じゃ無いが、俺に魔人の中でもトップの実力があるというのは周知の事実だ。当然、色んな奴が寄ってくる。大半は俺の元で働きたい者だが、違う奴も勿論いる。

  俺の寝首を掻こうとする奴、勝負を挑む奴。そして、俺の妻になりたいと擦り寄ってくる女。

  俺に擦り寄る女は皆強かで狡賢い。他の女を蹴落としてでも俺の寵を得たいと願う。今までそれを不満に思った事はなかった。というより、何も感じなかった。俺に特定の女を作る気が無いのは火を見るよりも明らかだったが、それでも寄ってくる女は気が向けば相手をする。その程度。

  俺は、女に何も期待していなかった。必要なかった。

  だが―――

 ソニアはどの女とも全く違う。最初に魔人のハーフだと気が付いてここに置く事にしたが、俺に擦り寄るでもなく、だからといって恐怖に震える事もしない。大勢の男の中、媚びを売るでもなく女1人でも堂々と振る舞う。その姿は酷く魅力的で、すぐに店に溶け込んで皆の心に入り込んだ。

  そんなあいつを見ていたら、無性に傍に置きたくなった。抱いてみたくなった。熱を発散させるなんて理由は後付けだ。あの艶やかな唇に夢中になり、あいつの訴えを見逃した。途中で止めていれば気絶まではしなかっただろう。俺ともあろう者が、何てザマだ。

  ソニアは綺麗だ。可愛くもある。バランスのとれた抜群のプロポーション。白く滑らかな肌は吸い付くようなさわり心地で、甘く香る。小さく漏れた声は耳に張り付いて離れない。むしゃぶりつきたくなるぷっくりとした唇は柔らかく、極上の味がした。

  綺麗な女も、可愛い女も、イイ身体の女も他に沢山いる。だが、ソニアさえ手に入ればそれでいい。そんな事を考えている自分に驚いた。この俺が、1人の女に執着する日が来るなんて。しかも、昨日会ったばかりの女に。











「ソニアさんはどうですか?」
  音もなく入ってきたルーカスが聞く。
 「目は覚めた」
  憮然として答えるとふふ、と笑う。
 「…笑うな」
 「ふふ、すみません」
  全然そう思っていない顔だ。
 「怒っていましたか?」
 「ああ」
 「ふふ、レドを怒る女性ですか。実に興味深いですね」
 「…チッ」
 「少し話して来ますよ」

  ルーカスはソニアの元へ向かった。

  ルーカスとは一番付き合いが長い。もう何百年になるだろう?見た目は俺より年上だが年齢は少し下の筈だ。穏やかで優しいが腕が立つし頭も切れる。俺は大事なパートナーだと思っているが、ルーカスは恩人だと言って譲らない。義理堅くて頑固。心許せる数少ない親友だ。

  俺は2人のいる方を見て、また大きな溜息を吐いた。 
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